MeeAudio Pinnacle P1

こんにちは。今回は 所有イヤホンの書きかけレビュー消化企画(笑)、「棚からレビュー」の第4回目です。紹介するのは「MeeAudio Pinnacle P1」です。人気は非常に高く、最近では先日の「Echobox Nomad N1」同様に、米国の共同購入サイト「Drop」で破格のプライスで登場したことでも話題になりましたね。発売は2016年ですでに4年近く経過していますが現在も評価は高く、シングルダイナミックの定番イヤホンとして「Echobox Nomad N1」とマニアの間でも人気を二分する存在です。個人的には、オールラウンドに使い勝手の良いサウンドに加え、「リケーブル映え」しやすい(=変化が大きい)ことから、ケーブルのレビューでも度々登場するイヤホンでもありますね(^^;)。

MeeAudio Pinnacle P1MeeAudio Pinnacle P1

MeeAudio Pinnacle P1」には10mmサイズのムービングコイル・ダイナミックドライバーをシングルで搭載。同社が特許を持つ音響ディフューザーは特定の周波数を強制的に共振させ、一貫性と滑らかさのあるサウンドを実現するなど、同社のフラグシップらしくさまざまな技術が採用されています。インピーダンス50Ω、感度96±3dB/mWとイヤホンとしては結構鳴らしにくく、再生環境もある程度の能力を要求する本格的な仕様になっています。
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MeeAudio Pinnacle P1」の亜鉛合金による金属製ハウジングの独自の表面処理は手作業による研磨で丁寧に仕上げられています。高級感のあるレザーケースやバリエーション豊かなイヤーピースなど付属品も充実しており、音質はもちろん見た目やパッケージングも1ランク上のハイグレードイヤホンという雰囲気が満載の製品です。
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MeeAudio Pinnacle P1」は国内正規モデルが現在も販売中で 25,800円 程度で販売されています。
Amazon.co.jp(国内正規品): MeeAudio Pinnacle P1

いっぽう、米国の共同購入サイト「Drop」での前回の募集価格は 110ドル という破格の設定になっており、Dropのコラボモデル「Massdrop × MeeAudio Pinnacle PX」の価格をオリジナルが下回る逆転現象で大きな驚きがありました。
Drop:Mee Audio Pinnacle P1


このレビュー掲載時点ではDropでの新規募集は行っていませんが、「Request」しておくと要望数に合わせて再募集の確率が高まり、新たに募集が始まったときにメールなどで案内が届きます。

※改めて110ドルで再募集が始まりましたが、残念ながら日本への発送不可になってしまいました。
私のブログでは転送サービスを使って日本へ送る方法について、「Massdrop × MeeAudio Pinnacle PX」の購入を通じて紹介していますので、興味のある方は参考にしていただければと思います。

「MEE Audio Pinnacle PX」 Massdropモデルを海外転送サービスを使って買ってみた


■ 充実したパッケージ内容。純正オプションのバランスケーブルもおすすめ。

MeeAudio Pinnacle P1」のパッケージ内容は非常に充実しています。イヤホン本体、2種類のケーブル、変換プラグ、イヤーピースセット、ケーブルフック、レザーケース、説明書。イヤーピースはシリコンタイプのS/M/Lサイズ以外にダブルフランジタイプが大小2種類、トリプルフランジが1種類、ウレタンタイプもS/M/Lサイズの3種類と非常に充実しています。
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MeeAudio Pinnacle P1」の独特のメタリックな質感の亜鉛合金製ハウジングはこのイヤホンの特徴のひとつといえます。通常は耳掛け式(シュア掛け)を想定していると思いますが、ハウジング形状が工夫されており、ケーブルを下にしてそのまま垂らすように装着しても普通に使用できるユニバーサルなデザインになっています。どちらの場合でも装着性は比較的良好です。
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なお、「MeeAudio Pinnacle P1」と並んで評価の高い「Echobox Nomad N1」はサイズ的にも形状的にも非常によく似ているのが分ります。この辺も両者のイヤホンがよく比較される理由のひとつかも知れませんね。ちなみに、Drop(Massdrop)コラボモデルの「Massdrop × Mee Audio Pinnacle PX」は「MeeAudio Pinnacle P1」と同じ亜鉛合金製ハウジングを使用しており音質的な違いは無いものの、よりコストを抑えたつや消しのコーティング塗装が施されており、ステム部分も微妙に形状が異なるのが確認できます。
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そして「MeeAudio Pinnacle P1」は、豊富なイヤーピースのバリエーションを組み合わせることで音質的な変化を楽しむことができます。より耳穴奥までしっかり挿入できるダブルフランジまたはトリプルフランジのイヤーピースでは遮音性を向上させるとともに中高域の質感をよりダイレクトに実感できます。逆にウレタンイヤーピースの場合は通常のイヤーピースが合わない場合のフィット感を高めると同時に高域を少し弱め低域の厚みを増します。
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付属ケーブルは高純度銅線の撚り線タイプで通常タイプのダークブラウンのケーブルとマイクコントロール有りのブラックのケーブルの2種類が付属します(なお、「Massdrop × Mee Audio Pinnacle PX」はマイク付きのケーブルのみが付属)。「MeeAudio Pinnacle P1」はリケーブルでの変化が非常に大きいイヤホンですが、この付属ケーブルも駆動力のある再生環境では十分に魅力的で、ボーカル寄りでやや温かい印象のサウンドが楽しめます。
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またMee Audioからは純正の交換用バランスケーブルセット「CMB-BAL-SET」が1万2千円程度で販売されています。これは「MeeAudio Pinnacle P1」の純正ケーブルとおなじ高純度銅線のMMCXケーブルでプラグ部分が2.5mm/4極のバランス仕様となっており、さらに3.5mmステレオ、4.4mm/5極バランス、3.5mm/4極バランスの各変換コネクタがセットになっています。これひとつで、通常の3.5mmステレオから各サイズのバランス接続に対応できるなかなかの優れもの。是非とも併せて持っておきたいオプションですね。汎用のMMCX仕様のため、もちろん「MeeAudio Pinnacle P1」以外のイヤホンと組み合わせることも可能です。
Amazon.co.jp(Mee Audio): MMCXバランスケーブル・アダプターセット CMB-BAL-SET


■ クリアな音場感がとにかく気持ち良い美音系サウンド

MeeAudio Pinnacle P1」の音質傾向は、非常に明瞭かつスッキリとしたサウンドをベースとしつつ、とにかく各音域の表現力と質感が高く、クリアな音場にありのままのサウンドを非常に魅力的に表現する美音系のイヤホンです。スペックからもわかるとおりかなり鳴らしにくいイヤホンのひとつですのでしっかりとしたアンプやプレーヤーなどの再生環境を必要としますが、その質の高いサウンドは発売から4年近く経つ現在でも全く遜色はないと思います。

MeeAudio Pinnacle P1MeeAudio Pinnacle P1」も十分に高解像度なイヤホンですが、よく比較される「Echobox Nomad N1」はよりハッキリとした高解像度でシャープなサウンドに特徴があります。「MeeAudio Pinnacle P1」は解像感では「Echobox Nomad N1」に多少及ばないものの、ヘッドフォン並みの高インピーダンス・低感度の仕様ならではの静寂感の中で奏でられるリアルな響きのある音場感と1音1音を精緻に表現する美しいサウンドは非常に印象的です。まさにオールラウンダー的要素の高いイヤホンで、様々なジャンルの曲を心地良く聴く上では抜群の選択肢といえるでしょう。いっぽうキレの良さやメリハリのある解像度の高さを求める場合は「Echobox Nomad N1」のほうが向いているのではと思います。

MeeAudio Pinnacle P1」の高域は伸びの良い綺麗な音を鳴らします。比較的スッキリした印象ですが刺さり等の刺激は少なく、シンバル音などはややドライな印象。わずかに温かみがあり硬質な印象はありません。そのため「Echobox Nomad N1」のようなキレの良さを求める方には多少物足りないかもしれませんね。とはいえ中音域とのつながりは良く非常にクリアな印象で全体のバランスは良好。さらにリケーブルにより明瞭感が大きく変化します。

中音域はまさに美音系と感じさせる、実在感の高いサウンドで、ボーカルの余韻やひとつひとつの楽器の音を非常に生々しく感じる事ができます。伸びのが良く繊細な表現力を持った質の高いサウンドで、1音1音の美しさは「MeeAudio Pinnacle P1」の大きな魅力といえるでしょう。音場は広く奥行きがありライブハウスやコンサートホールなどの空間で鳴っているような響きと臨場感があります。いっぽう傾向としてはフラット寄りなものの、モニター的な解像感は無く、ややウォームな印象もあります。ただしもともと分離感は良く、レスポンスも早いサウンドですので、音数の多い曲でもしっかり楽しむことができます。
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低域は標準ケーブルでは解像度的には少し緩めの印象を受けますが、分離は良く締まりのある音を鳴らします。ただより響きを感じやすいため音数が多い曲やスピード感のある曲では多少物足りなさを感じるかも知れません。この辺は「Echobox Nomad N1」のほうが好感される部分かも知れませんね。ただし「MeeAudio Pinnacle P1」の低域は全体としてのバランスは非常に良く、このイヤホンの特徴と言える音場感を演出する上では最適な量感と響きの良さといえるでしょう。

なお、「MeeAudio Pinnacle P1」とMassdropコラボモデルの「Massdrop × Mee Audio Pinnacle PX」はPXのほうが付属ケーブルがマイク付きのみという点はあるものの見た目以外には音質は同じです。PXのほうは代理業者を経由しないと日本へは発送できないですが(PXを代理業者経由で日本へ発送させた記事は過去にこちらで掲載しています)、最近では中古でも時折見かけますので状態が良いものがあれば狙ってみるのも良いかもしれませんね。
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またケーブルを純正オプションのバランスケーブルに替えることで多くのバランス接続対応のDAP(デジタルオーディオプレーヤー)ではより高い駆動力を得ることができ、より明瞭でメリハリが増したサウンドを楽しめます。高域の伸びやより重量感のある低域を実感できると思います。

MeeAudio Pinnacle P1さらに、より印象を変化させるために「MeeAudio Pinnacle P1」でのリケーブルは非常に有効な手段です。繰り返し書いているとおりかなり鳴らしにくいイヤホンですので、単純に情報量の多いケーブルに替えるだけでも明瞭感が大きく変化するのを実感できると思います。そういった意味では「NICEHCK C16シリーズ」や「YYX48xx」系列のミドルグレード16芯ケーブルなどは比較的低価格で変化を楽しめる製品といえるでしょう。
個人的にはよりスッキリした印象に変化する「比較的派手めの傾向」のケーブルも結構お勧めです。
私自身はすでにアマゾンでは在庫限りになっている「NICEHCK CY1」(純銀線という表記ですが結構派手めの傾向のケーブル)を使っていますが、他に「NICEHCK C4-1」(銀メッキUPOCC)や「HiF4881」(8芯OCC)、「HiF4814」(8芯合金OFC)なども良い組み合わせだと思います。
これらのある程度グレードの高いケーブルでは、解像感が大幅に向上し、よりクリアな音場感を楽しむことができます。まさに空気の膜が取れたような変化を実感できると思います。


というわけで、今回の「棚からレビュー」は、個人的にも利用頻度の非常に高い「MeeAudio Pinnacle P1」でしたので、書きかけ記事をベースにするとついつい長めになるのですが、さらに長文のレビューになってしまいました。今回の「Drop」での非常に魅力的な価格設定をはじめ、新品もまだままアマゾンで購入可能ですし、中古市場も含め比較的入手しやすいお勧めのイヤホンだと思います。
今後も「棚からレビュー」用の「書きかけネタ」はまだ結構ストックがありますので、折を見て掲載していきたいと思います(^^)。