Shure AONIC 4
こんにちは。今回は「Shure AONIC4」の紹介です。米国「Shure」のイヤホン・ヘッドフォンの新シリーズ「AONIC」(エオニック)で登場した3モデルのイヤホンのなかで、Shureとしては初めてハイブリッド構成を採用したのが今回紹介する「Shure AONIC4」となります。

既存の「Shure SEシリーズ」の「SE425」(2BAモデル)に相当するグレードの製品で、同様のデュアルドライバー構成ながら、「Shure AONIC4」では1BA+1DDのハイブリッド仕様となっています。ダイナミックな表現力を持つ低域とクリアな中高域を両立し、各演奏やボーカルを繊細に表現できるのが特徴とのこと。「SE425」より丸みを帯びたデザインで装着性もさらに向上しています。また、カラーは「ホワイト」と「ブラック」の2色が選択できます。

Shure AONIC 4Shure AONIC 4

なお、「SE425」を含めた既存の「Shure SE」シリーズについては、各グレードの振り返りレビューを「棚からレビュー」企画のひとつとして紹介しています。また同記事の中で「AONIC 1/3/5」の概要についても簡単に紹介しています。よろしければ併せてご覧ください。
→ 【棚からレビュー】 Shure 「SE846/SE535LTD/SE425/SE315/SE215SPE」 遂に新シリーズ登場! なので既存モデルをまとめて振り返ってみた。
 

さらに、「AONIC」シリーズのシングルBAモデル「AONIC 3」についても購入し、先日レビューを掲載しました。
→ Shure 「AONIC 3」 シングルBAの枠を超えた表現力豊かなモニターサウンド。完成度の高いShureの新シリーズのエントリーモデル【購入レビュー】

Shure AONIC シリーズShure AONIC 4
Shure AONIC4」は、リニューアル後の「Shure SEシリーズ」および「AONIC3」同様、「RMCE-UNI」マイクコントロール付きMMCXケーブルが付属し、市場価格は 36,080円 で販売されています。
Amazon.co.jp: Shure AONIC4 (SE42HYBK+UNI-A)


■ 「SE425」のサイズ感を維持しつつより丸みのあるデザインに。

Shure AONIC4」のパッケージも「AONIC3」や「AONIC215」同様に「円形」丸い筒状の箱となっていますが、「AONIC3」の箱よりひとまわり大きいサイズのボックスです。パッケージを開けて説明書を取り出すと、イヤホン本体とケースが登場し、ケースの中に付属品が入っています。
Shure AONIC 4Shure AONIC 4
Shure AONIC 4Shure AONIC 4
Shure AONIC4」のパッケージ内容はイヤホン本体、マイク付き「RMCE-UNI」MMCXケーブル、グレーのシリコンイヤーピース(S/M/L)、ブラックのウレタンイヤーピース(S/M/L)+取付け済みMサイズ、イエローのスポンジイヤーピース、ホワイトのトリプルフランジイヤーピース、ノズルクリーナー、変換コネクタ、円形ケース、説明書など。

Shure AONIC 4Shure AONIC 4

Shure AONIC4」のハウジングもすべて樹脂製でブラックまたはホワイトの装着部と半透明の表面部のパーツで構成されています。形状的には「SE846」に近い雰囲気ですが、実際に「Shure AONIC4」と「SE846」の外観を比べるとサイズ的にはひとまわり小さく「SE425」とほぼ同様なサイズ感であることが分ります。そのため装着感もほぼ同様で、耳が小さく「SE846」がやや大きいと感じる方でも比較的すんなり装着できるのではと思います。

Shure AONIC 4Shure AONIC 4
また「Shure AONIC4」でも「Shure SEシリーズ」同様のイヤーピースのバリエーションが選択でき、装着感やサウンドを最適化できます。付属イヤーピースでの印象の違いもハッキリしており、より自然で聴き疲れしない音なら「ブラックのウレタン」、スッキリした明瞭な音なら「グレーのシリコン」イヤーピースを選択するのが良いでしょう。またShureでは伝統的なイエローのスポンジはその中間くらいで、高い遮音性を維持しつつブラックのウレタンの張り付くような装着感よりややソフトな感じになります。またホワイトのトリプルフランジはさらにダイレクト感が強い音になります。
付属品以外では、「コンプライ P-100」がSEシリーズ同様に使用でき、基本的には付属ウレタンと同じ傾向ですがよりフィット感が向上し遮音性が増します。またAcoustune「AET16」は付属グレーのシリコンより僅かに中低域の厚みを感じる印象です。この辺も好みに応じて使い分けてみるのも良いですね。


■ 自然なバランスを維持しつつ、よりくっきりとした描写を実感できるリスニングサウンド

Shure AONIC 4Shure AONIC4」のサウンドはフラット傾向をベースに従来の「SE425」などの同クラスの製品と比べより輪郭がくっきりとした明瞭感のあるクリアサウンド。1音1音の粒立ちが良く、「AONIC3」と比べてより細かい音をしっかり捉える繊細さと、濃密さを感じる中音域の豊かな表現力により、非常に聴き応えのある鳴り方をします。一般的なハイブリッドイヤホンのような派手めのドンシャリ傾向にはならず、低域もShureらしいコントロールされた印象ではあるものの、ある程度のエージングにより締まりのある心地良い空間表現をしっかり下支えします。「AONIC3」がやや「SE846」的な方向性も感じたのに対し、「Shure AONIC4」は多少の硬質な印象もあるクールなサウンドで、「SE425」や「SE535」をより艶のあるリスニングサウンドにバランス良く進化させた印象も感じます。ハイブリッドらしい多少硬質で元気なサウンドに、適度に広く定位をつかみやすい立体的な音場感と、繊細さを再現する透明感を絶妙に組み合わせた、非常に完成度の高いイヤホンだと思います。

Shure AONIC4」の高域は非常に見通しが良く、明るくスッキリとした音を鳴らします。「AONIC3」もシングルBAとしてはかなり伸びのよい高域でしたが、「Shure AONIC4」は多少硬質ながらさらに煌びやかさのある鮮やかな音を鳴らします。それなりに主張のある高音ですが歯擦音などの刺さりは適度にコントロールされており聴きやすい綺麗な音にまとめられています。

Shure AONIC 4中音域は非常に濃厚で、味付けの無いニュートラルなサウンドながら曲によっては多少カマボコぎみに強い印象を感じるのは「AONIC」シリーズで共通の特徴かもしれません。「ハイブリッドらしい」とも言える部分ですが、「Shure AONIC4」は「SE425」などと比べても非常に輪郭がハッキリとした音を鳴らします。しかし「Shure AONIC4」では一般的なハイブリッド構成イヤホンのような人工的な音に感じさせないよう絶妙なバランスでチューニングされており、濃密さのなかにも抜群の透明感があります。また細かなディテールまでしっかり描写する表現力は「AONIC3」より確実に優れています。
ボーカル帯域は適度な距離感で「AONIC3」より僅かに下がりますが、適度な広がりと奥行きのある音場感と、1音1音の粒立ちの良さから、見通しは良くしっかり定位を実感できる立体的な空間表現があります。
味付け無くありのままに鳴らすため音源の良し悪しを感じやすいという側面もありますが、ジャンルを問わず楽しめる表現力はさすがShure、という仕上がりですね。

低域は一般的なハイブリッドイヤホンに比べると控えめですが、「AONIC3」や「SE425」などと比べるとハイブリッドらしい元気さを感じる音を鳴らします。中高域との分離は非常に良く明瞭さがあり、響きよりキレの良さを感じる低音。また重低音も締まりが良く軽快な印象があります。たださすがに「SE846」のような濃密な低域と比べると限界はあり、量感や厚みの部分以外にも低域の解像感を必要とする音源では差を感じる要素ではあります。それでも「Shure AONIC4」の低域の質感はこのクラスの製品としては十分に良いと言えるでしょう。

なお、「Shure AONIC4」は最近のShureの各製品同様にマイクコントロール付きの「RMCE-UNI」ケーブルが付属します。「Shure AONIC4」のサウンドバランスはこの付属ケーブルとの組み合わせでも非常に完成されており、多くの方は不満を感じることは少ないでしょう。ただこのグレードの製品になるとDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やポータブルアンプでの利用が一般的となるため、マイク無しのケーブルも付属して欲しいな、というのも本音ですね。
Shure AONIC 4Shure AONIC 4
リケーブルにおいては「Shure AONIC4」の特徴を活かしつつ、せっかくのバランスが崩れないものを選びたいところです。中華ケーブルの場合、「AONIC3」のレビューで紹介した16芯銀メッキ線やミックス線のケーブルの場合、ワイヤレスレシーバーや低価格DAPなど、比較的駆動力の少ない製品との組み合わせでは相性の良さを感じるものの、逆にパワフルなDAPやポータブルアンプの場合は反応が良すぎてメリハリがきつめの音になる場合もあります。
Shure AONIC 4Shure AONIC 4
個人的に最も好印象だったのは「NICEHCK Oalloy」(UPOCC線ケーブル)で、「Shure AONIC4」のサウンドバランスを維持しながら、より見通しの良い、非常に深みのあるサウンドを実感できています。


というわけで、先日の「AONIC3」に引き続き、「Shure AONIC4」も購入してしまったわけですが、非常に使い勝手も良く、個人的に満足度の高いイヤホンでした。この調子で残るは「AONIC5」となるわけですが、最近オーディオ関係以外でも結構な勢いで色々購入していることもあって、じっくり試聴のうえ、もうしばらく後に検討したと思っています。とはいえ、この調子であれば購入するのは確実だとは思いますけどね(^^;