Yinyoo YYX4899

こんにちは。今回は「YYX4899」、Yinyooブランドの4芯 単結晶銅線ケーブルです。前回に引き続きのケーブルの紹介ですね(たぶんあと1回くらい続きます)。中国のイヤホンブランド「Yinyoo」の4芯タイプの単結晶銅線ケーブルというと中華ケーブルの中でも人気の高かった「YYX4810」が思い浮かびます。残念ながら「YYX4810」は在庫限りで販売終了となってしまったようですが、それに代わるケーブルとしてリリースされたのが今回紹介する「YYX4899」のようのうです。そうなると線材のカラー以外にも音質面の変化にも違いがあるのか、気になるところですね。
購入はアマゾンの「WTSUN Audio」にて 5,500円 で購入可能です。

[ YYX4899 ] Yinyoo 4芯 7N UPOCC 単結晶銅 アップグレードケーブル
Yinyoo 4 cores 5N UPOCC Single Crystal Copper Upgraded Cable with MMCX/2PIN/QDC 2.5/3.5/4.4mm Connector
【 MMCX 】【 中華2pin 】【 qdc 】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】【2.5mm/4極(L型)】

Yinyoo YYX4899Yinyoo YYX4899
Yinyooブランドの新しい単結晶銅線の4芯ケーブル。プラグは3.5mmステレオ、2.5mm/4極と4.4mm/5極のバランスが選択でき、さらに3.5mmと2.5mmはL型コネクタもラインナップされています。
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YYX4899」の商品ページの記載では7N UPOCC単結晶銅線を使用しているとのこと。また、AliExpressを見ると、1芯ごとに0.08mmの線材が19本、0.06mmの線材が38本束ねられているとの記述があります。コネクタは中華2pin、MMCX、qdcタイプで、2pinとMMCXはプラグパーツ同様にクロームメッキ仕上げなのがわかりますね。
Yinyoo YYX4899

YYX4899」はいつもの袋入りの簡易パッケージ。ミドルグレードらしくプラグやコネクタ部分がクロームメッキ仕上げのコネクタ部品が高級感のある仕様です。太めの線材の4芯ケーブルですが、被膜は柔らかく、取り回しは良好です。また光沢のある質感で濃いめの銅色に輝く印象は同様に光沢のあるイヤホンと見た目がマッチしそうですね。
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実際に同じ4芯単結晶銅線で非常に人気のあった「YYX4810」と比較すると、想像以上に「YYX4899」のほうが太さがあるのが分ります。また被膜も「YYX4810」のほうが樹脂感があり硬く、多少そり返しがあるのに対して「YYX4899」は非常にしなやかで使い勝手の良さも1ランク上の高級感があります。いっぽうで販売価格は「YYX4899」のほうが多少安価に設定されているのはうれしいところです。
Yinyoo YYX4899Yinyoo YYX4899
YYX4899」のリケーブル後の傾向はやはり「YYX4810」の後継ケーブルというだけあって、印象はかなり近く、ドンシャリ方向にイヤホンのポテンシャルを引き出してくれるタイプです。情報量は多く特に中高域や低域の解像感がアップし、全体的に明瞭感が向上するため、最近のボーカル帯域寄りのイヤホンで高域や低域をよりスッキリさせたい場合に良いでしょう。マルチBAタイプのイヤホンと相性が良い印象です。特に多少もやっとしがちなイヤホンで見通しが良くなり、スッキリしたサウンドを実感できます。いっぽうハイブリッド系のイヤホンでは多少派手さがアップしてドンシャリ方向にメリハリのあるサウンドに変化するようです。これらの傾向は「YYX4810」でも実感できましたが、「YYX4899」ではより自然な印象でサウンドクオリティの向上が得られるようです。

以前「YYX4810」のレビューでは「Yinyoo HQ」シリーズとの相性の良さについて、「Yinyoo HQ」シリーズの良くも悪くもマルチBAらしさが顕著だったネットワーク回路の無い「多ドラ」仕様のサウンドが、リケーブルにより中高域がよりスッキリし、高域の煌めきや伸びの向上、低域の締りを良くするなどの効果を多く実感できました。このような効果は「YYX4899」でも同様に実感でき、さらに「TRI-i3」のように非常に複雑なマルチドライバー構成のハイブリッドで、さらにボーカル帯域などの中音域の主張のあるイヤホンで情報を整え、よりスッキリして明瞭なサウンドを実感させます。また、「TINHIFI T4」のように味付けの無い非常にフラットなイヤホンでは多少ドンシャリ方向へのアクセントが付くことで特徴を活かしつつより音楽的に楽しいサウンドに変化するのではと思います。
Yinyoo YYX4899Yinyoo YYX4899

いっぽう、低価格な中華ハイブリッドではそれほど印象に変化を感じない場合もあります。これらの低価格イヤホンは多少派手めの変化のある「分りやすい」ケーブルの方が良いのですが、「YYX4899」はイヤホンのポテンシャルを自然に引き出す印象ですので、やはりある程度グレードの高いイヤホンのほうがリケーブル効果を実感しやすいでしょう。また、非常にキレのある派手めのドンシャリ傾向のイヤホンの場合はその傾向がより強調され、高域や低域がかなりキツめのサウンドとなり、中音域が凹む印象に感じる場合もありあまり良い組み合わせでは無いでしょう。もっとも最近は特に中華イヤホンはボーカル帯域寄りの製品が増えているので、このようなイヤホンは少なくなってきている気もしますね。

Yinyoo YYX4899というわけで、「YYX4899」はミドルグレードのケーブルとして、特に最近の傾向のイヤホンとの組み合わせではかなり利用範囲が広く、「YYX4810」同様に今後スタンダードな製品として利用できるポテンシャルを感じました。個人的にも利用頻度が多そうですので、さらに買い増しを検討しています。
中華イヤホンはもちろん、数万円の価格帯のイヤホンとの組み合わせでも実力を発揮できると思います。非常にコストパフォーマンスの高いケーブルですので、普段は数万円クラスのケーブルを利用してこれらのイヤホンと組み合わせているか方も、よろしければ試しに使ってみる、というのも良いと思いますよ(^^)。