■ BDレコーダと連携させることでさらに快適に
「foltia ANIME LOCKER」によって、快適な自動録画&視聴環境が構築できました。
最近はテレビやレコーダー機器などもDLNAプレーヤーを内蔵していて、PS3や汎用のネットワークプレーヤー以外にもfoltia ANIME LOCKERの録画データをリビングなどで視聴する環境も整いつつあると思います。

それでも、「すでにBDレコーダーで録画済みの分と、foltia ANIME LOCKERで録画した分をまとめてBD保存したい」など、やはりBDレコーダーに録画データそのものを転送したい、という用途は結構あります。
また、foltia ANIME LOCKERの元データを無劣化で転送できれば、もちろんPC環境でも可能ですが、レコーダ側で編集したり、再圧縮してBDに保存したり、などを「お手軽にできる」ということもあります。すでにレコーダ側での編集に慣れている方なら、使い慣れたレコーダーでコピープロテクトに関係なく自由に編集、BD保存ができるメリットは大きいかもしれません。

そこで、特にCMカットなどの編集は一切行わずに、できるだけお手軽に(かつフリーで)、録画データをBDレコーダに無劣化転送する方法を試してみました。

ここでは「foltia ANIME LOCKER」の録画データですが、後述の通り、実際には一般的な「.TS」ファイルですので、PTシリーズやPLEX PX-W3PEなどで地デジ・BS/110°CSの録画TSファイルと同様の手順となります。

■ データを変換方法

①転送したいデータをローカルにコピー
ブラウザでfoltia ANIME LOCKERにアクセスし、「録画一覧」から転送したいデータの一覧を確認します。そこで転送したい番組のMPEG2マークで右クリックし、リンク先のファイルを保存します。

ただ、この方法だとコピーに時間がかかるようであれば、SMB経由でコピーします。
PCからエクスプローラでfoltia ANIME LOCKERの¥Publicフォルダにアクセスし、あらかじめ確認したファイルをローカルにコピーします。

②録画データを「.m2ts」ファイルに変換
コピーしたMPEG2の録画データは拡張子が「.m2t」となっています。
このデータの拡張子を「.ts」に変更します。foltia ANIME LOCKERの録画ファイルは、一般的な「ts形式」のデータで厳密には「.m2t」形式とは異なります。

そのうえで、「BD2FW」を使用して、「.m2ts」形式のデータに変換します。
「BD2FW」はTS形式(188byre)をM2TS(192byte)に無劣化で変換できるフリーソフトです。

「BD2FW」は以下の場所にありました。
http://ysk.orz.hm/BD/


BD2FWはコマンドラインのツールですが、GUI(BD2FW GUI)もありますので、一緒にダウンロードします。
ファイルを解凍し、同じフォルダに32bitまたは64bitの「BD2FW.exe」と「BD2FW GUI.exe」を置き、「BD2FW GUI.exe」を起動します。

「入力ファイル」に、転送したい録画データを取り込みます。ここで、拡張子が「.m2t」のままですと変換時にエラーになりますので、上記の通り必ず拡張子を「.ts」にリネームしておいてください。

「出力フォルダ」に保存したい場所を指定します。変換方式は「.m2ts」を選択します。
そのうえで「処理開始」を押すとバッチ処理によりデータを変換します。複数の録画データをまとめて変換することも可能です。
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③「BDAV」フォルダの作成
変換データを作成したい場所に「BDAV」フォルダを作成し、さらにそのなかに「STREAM」フォルダを作成します。
上記で変換した「.m2ts」ファイルをこの「STREAM」フォルダにコピーします。
その際、ファイル名は「00001.m2ts」「00002.m2ts」・・・というように「00001」ではじまる数字5桁の連番のファイル名をつけてください。

そして、このデータを「chotBDAV」を使ってBDレコーダーで読み取れるインデックスをつけます。

「chotBDAV」も「BD2FW同様」、以下の場所にありました。
http://ysk.orz.hm/BD/

ファイルを解凍し、任意の場所にコピーします。

たとえば、データの保存場所が「D:¥BDAV¥STREAM¥00000.m2ts」〜だった場合、
コマンドプロンプトから、「chotBDAV」のあるフォルダに移動し、

C:¥> chotBDAV.exe D:¥BDAV¥STREAM¥00001.m2ts D:¥BDAV
C:¥> chotBDAV.exe D:¥BDAV¥STREAM¥00002.m2ts D:¥BDAV
・・・

というように順に実行します。早ければ1〜2分で完了すると思います。

最後に、「BDAV」フォルダごと録画用のBD-REメディアに書き込めば完了です。
(別にBD-Rでもかまいません。あとレコーダによっては対応できない場合もあるので、メディアは録画用のものを使用してください)

■BDレコーダーでの転送
書き込んだBD-REメディアをレコーダーに挿入します。
私はソニーのレコでしたが、ふつうに「BD-RE BDAV」として認識し、録画データはタイトルなどの情報はないものの、DR形式の録画データとして無事認識しました。
あとはレコのHDDに転送(ダビング)して活用するのも自在です(もちろんプロテクトはないのでムーヴの必要はありません)。


【追記】PCでのTSファイル編集をしたい場合
より高度な編集をPC側で行いたい場合は有償ソフトですが「TMPGEnc MPEG Smart Renderer 4」(TMSR4)を利用して一気にBDAV化するのがもっとも簡単です。これについては改めて紹介します。


また同様にペガシスの製品で「TMPGEnc Authoring Works 5」(TAW5)を使う変則技もあります。この場合、TAW5でいったんBDMVデータを作成後、生成したSTREAMフォルダ内の.m2tsファイルを使用して、上記の「chotBDAV」でBDAVに変換します。
TMSR4はスマートレンダリング専用ツールでダウンロード販売だけですので、もしTAW5は持っているけどTMSR4は持っていない、という場合はこの方法が使えます。

その他、フリーソフトでのTSファイルの編集をしたい場合のツールもいくつかありますので、「TS BDAV 変換」などで検索いただくことをおすすめします。