■高音質と話題の、高コスパ中華アンプ
「SA-35A」というと高音質の低価格中華アンプとして以前から話題になっていましたが、昨年、後継モデルとして中身も新たに発売されたのがS.M.S.L社の「SA-35A pro」(2015モデル)です。
シンプルにデジタルアンプを楽しみたい向きには最適です。「SA-35A pro」では「TDA7492PE」というICを使用。
この手の商品はACアダプタ無し(本体のみ)で購入し、ACアダプタは別途調達する、というセオリーに従い、Amazonで本体のみ購入。プライム対象のなかでもショップは以前のモデルから長くYahoo!ショッピングなどでも販売しているNFJのものを選択。
ACアダプタはアンプ本体と一緒に付属品付きで購入するととても残念な感じになるようです。
SA-35A proは12V~15Vのものに対応しますが、今回は、秋葉原で秋月通商の「LTE50ES-S3-3150A」(15V 3.34A)を購入しました。この秋月のモデルとの組み合わせは供給電力にも余裕があり、ノイズも少ないので評判がいいようです。
このアンプを愛用の小型スピーカー、DALIの「ZENSOR1」と組み合わせます。
リスニング環境は東京の8畳ほどで多少の防音設計にはなっている部屋(ペット可の賃貸マンション)です。
DALIは上位モデルともなればペアで小さいクルマくらいの価格になるようなスピーカーも出しているデンマークのメーカーですが、「ZENSOR1」はそのDALIのサウンドの入門編、ともいうべき位置づけの人気モデル。発売当初から、その価格帯をはるかに超えた高音質が話題ですが、最近では地方の家電量販店でも見かけるようになってきました。フラットなサウンドでドンシャリ向きではありませんが、タイトで輪郭のはっきりした低音とバシッと決まる感じの中高域は「なるほど」と感じさせる説得力があります。
私の場合、ZENSOR1は普段は以前から使っているオンキヨーの「CR-D2」というアンプに接続しており、利便性でバナナプラグでの差し替えにしています。スピーカーケーブルはプラグ加工済みのものをAmazonで購入し使用しています。
USB-DACはFOSTEXのHP-A4。エイム電子製の「SHIELDIO」オーディオ用USBケーブルでMac Miniと接続し、Audirvana Plusで再生します。
とりあえずSA-35A proの電源を入れて再生してみると、電源投入直後にもかかわらず非常にクリアで切れの良いサウンドが鳴ります。
CR-D2もデジタルアンプ使用で切れは良い方なのですが、ちょっと低音がCR-D2と比べて厚めに出しているなどの違いはありますが、ZENSOR1をちゃんと鳴らせている感があります。たしかにこのアンプはすごいな、と思います。
ちなみに、最初のうちは低音がちょっとボコボコする(中域~高域の伸びが不足しバランスが悪い)感じがしましたが、しばらく再生しているうちに音が落ち着いてきました。またオーディオケーブルをStereo別冊「自作でオーディオアクセサリー(Part.2)」付録のオヤイデ製ケーブルから、しばらく前にAmazonで購入したSound MOMOのベルデン8412-REDケーブルに交換したところ、中域~高域のサウンドのバランスが良くなりました。このケーブルも上記別冊の価格とほぼ同じ、4,000円ほどの価格(3ft, 92cm)ですが、価格以上の価値があるようです。これくらいの価格で音質を1ランク上にグレードアップするケーブルが購入できるのは嬉しいことです。
ちなみに、SA-36A proの最大出力は25W+25Wで、ボリュームつまみはズムーズ、音量も結構細かく調整できます。DACがHP-A4の場合、DAC側のボリュームでも調整できるため、HP-A4側のボリュームを12時前後ぐらいにして、SA-36A pro側のボリュームを最大にしても極端に大きな音を出さないようにしつつ、実際には9時~13時くらいの範囲でコントロールして使っています。
このような構成にまとまったところで、しばらく使用しての感想ですが、はっきり言って、かなり「いい音」です。
ZENSOR1の「気持ちいいところの音」をちゃんと鳴らしてくれています。普段使いのCR-D2と比較しても音質的にZENSOR1との組み合わせでアンプ性能が不足しているという感じは全くありません。
Audirvana Plusでのハイレゾの再生はもちろんですが、DSDのアナログ成分の多いサウンドでも、クリアなサウンドを維持しながら広がりのあるZENSOR1のサイズ感を超えた音質をきっちり活かしています。
この音質が5,000円そこそこ(ACアダプタと合わせても7,000円以内)のアンプで実現できているのには本当に驚きです。
これは東京だけでなく、福井の自宅にもひとつ購入して使いたくなりました。
中華アンプ、確かにヤバイですね(笑)。