
■オーディオ方面でQNAPといえば
最近自分も含め急速に増加を続けている「オーディオ」な人々が媒体を通じて目にする「オーディオ方面でのQNAP」といえば、やはりネットワークオーディオプレーヤー(NAP)用の「DSD配信対応のNAS」としてでしょう。
ネットワークオーディオプレーヤーはDLNAなどの方法でNAPからLAN経由で音楽データを受信しながら再生し、プリアンプなどのシステムに伝える装置ですが、通常のPCM(WAV形式の生データの他、MP3/AACなどの圧縮音源やFLACなどのロスレス形式を含む)と仕様の異なるDSDフォーマット(.dsf形式など)の音楽データは単純な方法ではDLNAで共有することができません。
QNAPはDSD対応のネットワークオーディオプレーヤーが使用する方式で「TwonkyMedia」によるDLNA(バッファローの働きかけでDSD対応を実装したとされる)と、MacなどでUSB-DACにDSDを送るときに使用するDoPのネットワーク版ともいえるDoPE(DSD over PCM Ethernet)の両方に対応可能(どちらも設定が必要)、ということでマニアックな万能選手、という扱いでしょうか。最近はバッファローがDELAブランドで高級オーディオという「雲上人」の世界に足を踏み入れているジャンルではありますが。
ところで「ネットワークオーディオプレーヤー」という製品は、素人目には「DLNA対応メディアプレーヤーの音楽限定版」みたいなイメージだと思います。ところが実際は、接続先がアナログのオーディオであるためLINNやLUMINなどの数百万円級を始め「なんだか無駄に高い」アイテムがやたら目に付きます。もちろんDENONなどの国内メーカーを中心に数万円級からの商品も何種類か選べるのですが、昨今隆盛を極めるUSB-DACの世界と比較すると選択肢の少なさは歴然。やはり、ずっとピュアオーディオをやってたベテランの方々が「デジタルを取り込むための装置」というポジションなのでしょう。しかも20~30万くらいまでは自動的に低価格、といっちゃう層のベテランの方々向けです。
■QNAP+USB-DACでDSD対応HDDプレーヤーにする

USB-DACについてはFostex HP-A4やSony PHA-2をはじめ数機種が公式にはリストされていますが、USB Audio Class 2対応の一般的なもの(Mac等でドライバ不要の機種)であればそのまま使用できます。
ただ、DSDフォーマットについては未対応、とされてきました。
しかし、ほとんど知られていませんが、実際には昨年バージョンアップした「Music Station 4.8」以降であれば、「Media Streaming add-on」アプリの追加によりDSDに対応できます。

そのうえで、QNAP背面のUSBポートにUSB-DACを接続し、本体の「Music Station」へWebブラウザでアクセスします。
「Music Station」のブラウザ画面で、右下のヘッドホンアイコンをクリックすると「NASオーディオ」の項目に接続したUSB-DACが表示されるので、選択します。
ここで「このプレーヤーの現在の状態を確認」を選びOKを押します。
次に表示されるUSB-DACの設定画面で「オーディオパススルーを有効にする」を「オン」にします。これによりDoP(DSD over PCM)によるDSD再生が可能になります。


ただ、「Music Station」のWeb画面での操作性はいまいちです。
ライブラリ管理にはあらかじめタグ編集を行っておくことが必要です。あた、アルバムカバーアートについては音楽ファイル自体のカバーアートではなく、アルバム単位でフォルダ分けした音楽データと同じ場所にカバーアートの画像データを置いておくことで対応します。

音楽再生については、かなりおおざっぱな絞り込みしかできないため、iOS/Android用の
「QMusic」アプリを使用することを前提にした方がよいようです。
iPad用のプレーヤー環境の場合、アルバムごと、アーティストごと、ジャンルごと、さらにNAS上に保存されているフォルダごとなどより細かい絞り込みやプレイリストの作成なども可能で使いやすさは大幅に向上します。
「Music Station」および「QMusic」アプリでは複数のデバイスからの同時再生をサポートするため、「どの出力先を制御するか」を起動したブラウザなりアプリなどで選択することが必要です。
「QMusic」の場合は、右上のアイコンをタップすると、出力先が選べるので、そこでUSB-DACを選択します。すでにほかのブラウザなどで再生中の場合、「制御を乗っ取る」かたちになり、現在再生中の曲が表示されます。




ただ、これは「Music Station」も含めて全体に言えることですが、ライブラリの曲数がある程度増えると動作が極端に遅くなります。特に「QMusic」の反応の悪さは顕著で、普通の操作でも反応に待たされることが非常に多く、さらに曲再生途中で停止せずに他の曲を選択するとほぼ確実に誤動作を起こします。
私の使用機種は既存モデルですが比較的高性能な部類(QNAP TS-453 Pro)でネットワーク環境も11acでiPad Air 2からのアクセスですので、むしろこれ以下の環境でも普通に動かないとね、という感じはあります。
正直音質以前にかなりストレスのたまる環境のため、とても実用的と呼べる状態ではないようです。
機能としての確認はできましたが、「利用する」ためには、もうすこしバージョンアップなどを待つ必要がありそうですね。
「Music Station」および「QMusic」アプリでは複数のデバイスからの同時再生をサポートするため、「どの出力先を制御するか」を起動したブラウザなりアプリなどで選択することが必要です。
「QMusic」の場合は、右上のアイコンをタップすると、出力先が選べるので、そこでUSB-DACを選択します。すでにほかのブラウザなどで再生中の場合、「制御を乗っ取る」かたちになり、現在再生中の曲が表示されます。




ただ、これは「Music Station」も含めて全体に言えることですが、ライブラリの曲数がある程度増えると動作が極端に遅くなります。特に「QMusic」の反応の悪さは顕著で、普通の操作でも反応に待たされることが非常に多く、さらに曲再生途中で停止せずに他の曲を選択するとほぼ確実に誤動作を起こします。
私の使用機種は既存モデルですが比較的高性能な部類(QNAP TS-453 Pro)でネットワーク環境も11acでiPad Air 2からのアクセスですので、むしろこれ以下の環境でも普通に動かないとね、という感じはあります。
正直音質以前にかなりストレスのたまる環境のため、とても実用的と呼べる状態ではないようです。
機能としての確認はできましたが、「利用する」ためには、もうすこしバージョンアップなどを待つ必要がありそうですね。