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■実は結構前から愛用している環境です。

03以前から「Mac用のハイレゾ再生環境」として不動の地位を築いているアプリケーションが「Audirvana Plus」です。
もともと、Ver.1.0の頃は、どちらかというとiTunesのライブラリをDAC経由で高音質再生させる「iTunes Integrated Mode」がメインの利用方法でしたが、Ver. 2.0からは自身で高度なライブラリモードを備えるようになりました。その後、Apple Musicの登場により、ストリーミングや著作権保護のかかったデータは「iTunes Integrated Mode」などの、iTunesライブラリの音源ファイルをiTunesの制御で代わりにDAC経由で再生させる仕組みが使えなくなりました。
そのため、現在はほぼ「Audirvana Plus 2.xといえばライブラリモードの状態をイメージするようになりました。

Mac環境でハイレゾを含むFLACやDSDなどのライブラリ管理ができるアプリケーションと言えば、最近では「JRiver Media Center」(JRMC)がWindows版とMac版で同じ環境が利用でき、映像も含めた多彩な管理機能とAudirvana Plusより少し価格が安いこともあり、ビギナー層を中心にユーザ数を増やしつつあるようです。
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しかしAudirvana PlusはMac標準のCoreAudio(WindowsでのASIOと同様の仕組み)をバイパスし、さらに音質を追い込む「Direct Mode」「Integer Modeの搭載や、DACの性能を引き出す強力なアップサンプリング機能などにより、ハイエンドオーディオ環境にも対応する「高音質」ツールとして広く認知されているのではないかと思います。その分、ソフトの価格とMacの割高感とあわせて「高い」というイメージもあるようですが・・・。

ちなみに、2.0系列がリリースされてしばらくはいろいろ機能的に改善点があったのですが、現在の2.5ではその辺もすっかり解消され、安心して利用できる環境になっていると思います(プレイリストのエクスポート機能など)。


■「Audirvana Plus 2.x」のライブラリ機能のおさらい

「カバーアート」「タグ管理」「スマートプレイリスの作成」

なにしろMac環境でのデジタルオーディオの世界では「必須」と言ってもいいくらいのソフトウェアですから、設定方法や使用法については検索すればネット上に非常に多くの情報を見つけることが出来ます。
ちなみに、私の利用設定は、過去のFOSTEX HP-A4のMacへの導入記事で紹介しています。

29具体的には、アプリを購入しダウンロードおよびインストールしたら、USB-DACを登録、Direct Modeやバッファの設定、アップサンプリングの設定などを行って使用環境を構築します。
そのうえで、「Preference」の「Library」でライブラリ登録を行うフォルダを指定し「Sync」させます(ここまでの方法は割愛しますので検索してくださいね)。

私の環境では、音楽データの大半はCDからインポートしたFLACですが、e-onkyoやmoraで購入したハイレゾ音源も結構増えてきました。私はものぐさなのでCDのインポート・FLAC化はWindows環境にウォークマン用でインストールしたソニーの「Media Go」で行うため、多くのCDでは自動的にアルバムのカバーアートが貼り付けられます。
もし自動では画像がない場合は、Audirvana Plusのライブラリ登録時にネットで検索し、入手したカバーアートを音楽データと同じフォルダに置き、貼り付けを行います。
さらに、音楽データのフォーマットやジャンルなどで自分で定義しているジャンルのタグを設定します。
ジャンル(「Genre」タグ)のタグ設定については過去記事のハイレゾウォークマンの紹介記事で詳しく書いています。

12また、iTunesのライブラリ機能と同様に、Audirvana Plusにもプレイリストの作成・フォルダ分類の機能に加えて「スマートプレイリスト」の作成機能があります。スマートプレイリストでは曲データのフォーマットやビットレート、さらにさまざまなタグ情報で自動的にプレイリストを作成してくれます。
私の場合は、アーティストごと、ジャンルごと、フォーマット(ハイレゾ、DSD)といった分類のスマートプレイリストを作成しています。
いろいろなパターンのスマートプレイリストをあらかじめ作成しておくと大変便利です。
Genreタグを使ったジャンルごとの分類、アーティスト名での分類など簡単なものから、すべてのハイレゾ(DSD/FLAC両方)、DSDのみ、ハイレゾFLACのみ、といった条件の絞り込みも作成しています。
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■iPhone/iPad用リモコンアプリ「A+ Remote」


imageAudirvana Plus 2.x のライブラリ機能を使いこなすようになったタイミングで、ちょうどリリースされたiOS用のアプリが「A+ Remote」。現在バージョンは1.5。
Audirvana Plus 2.x用のリモコンアプリです。1200円と決して安価なアプリではありませんが、その使用感覚は抜群。一度使ったら手放せなくなる完成度です。
iPhoneとiPadの両方に対応するユニバーサルアプリですが、特にiPadでの利用がお勧めです。


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Wi-Fi経由でAudirvana Plusの情報をリアルタイムで取得し、さまざまなタグ情報で絞り込みや、プレイリストでの表示などきめ細かい条件での曲選択が可能。その柔軟性はAudirvana Plusアプリケーション本体の機能を超えています。

また、それぞれの画面でアルバムの「カバーアート表示」と「リスト表示」を瞬時に切り替えが可能です。
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iPhone環境でも画面サイズの関係でよりリモコンライクになるものの、同様の操作が可能です。
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また再生中のジャケット表示やプレイリスト表示などもiPad標準の「ミュージック」アプリを超えた使いやすさ。
すくなくともiPad画面ではAudirvana PlusのライブラリがiTunesを超えていると感じました。
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もちろんiPhone、iPadとも再生中に画面を縦向きにすると画面いっぱいにカバーアートが表示されるので、iPadをスタンドに立てて、再生中にカバーアートを楽しむ、という使い方も可能です。


■Audirvana PlusやMacの環境は本当に高価?

imageネットワークオーディオというと、LINNやLUMINなど、「ん百万円級」のネットワークオーディオプレーヤーを使い、わざわざこのクラスのプレーヤーに釣り合うような価格に作ったとした思えない某社のNASを組み合わせて「iPadのアプリが使いやすかったから♪」とか言ってるユーザーさんの記事をたまに見かけます。

しかし同様の環境をMacで構築する場合、仮にオーディオ専用機だとしても、安価なMacBook AirやMac mini(お勧めは、最新モデルより、クセの強いKORG製DACでもつながるMid 2011の中古あたり)と、お気に入りのUSB-DAC、そして「Audirvana Plus」&「A+ Remote」があれば十分。

もともとハイエンドオーディオ向けの再生環境としても定評のある「Audirvana Plus(とMacの環境)」ですから、
さらに「A+ Remote」により、相当に快適な操作性が手に入ります。しかも専用プレーヤー機と違い、USB-DACなどの組み合わせで自分好みの音質の本格的なネットオーディオ環境が構築できると思います。
そう考えればMacのオーディオ環境って、十分にお手頃ですよね。