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先日、福井の自宅用でヤマハの「NS-BP200」を購入しました。
1万円以下の価格帯で、その高音質と評価の高さですでに「定番」とも呼ばれる機種です。
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いっぽう、東京の単身赴任先ではDALIの「ZENSOR1」というスピーカーを使用しています。こちらも3万円級とクラスは違いますがほぼ同じサイズ感で、この価格帯では際立つ高音質で、同様に「定番」となっているモデルです。
この2種類のスピーカーの設置場所も福井と東京ですし、利用環境も異なりますので、単純に比較はできませんが、 どちらも、それぞれの価格帯で、「クラスを超えた高音質」と呼ばれるモデルです。
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どちらのスピーカーも鳴らしてみて「いい音だなぁ」とまず感じることができる点は同様ですが、音質傾向は全く異なります。

NS-BP200は、ヤマハの他のどのモデルとも音質傾向の異なる、まさにこの機種だけの音で、その傾向は高音から低音までとにかくフラット。そこそこ厚みのある低音と、気持ちよく抜ける高音、そしてとても聴きやすい中域。ですので、アンプの個性が特に反映されやすい、という点もあると思います。

私は手持ちのイタリアCarot Oneの真空管アンプを組み合わせました。
初期のモデルですが、それでも真空管らしい艶やかさを持ちながらもクリアなプリと、とにかく元気で鳴りにくいスピーカーでもいけるデジタルパワーアンプの組み合わせはクラス的にもちょうどいい感じです。
そこへこれまで使っていたApple AirMac Express(Air Play専用)に代わり、オーディオテクニカの低価格ターンテーブル「AT-PL300」を新たに接続。
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切り替えで本体内蔵のフォノイコライザーをONにすればCarotOneのLINE INのRCA端子にそのまま接続して利用できます。このフォノアンプなしの構成でも結構いい音に調整してくれている点も嬉しいところ。
ターンテーブルもPL300からはダイキャスト製でチャチさはありません。

手持ちの古いレコード(以前中古で入手した1970年代のABBAやClapton、オフコース、アリスなど)を再生してみても全く古さを感じない、豊かな音域で聴かせてくれます。
奥さんも、古いレコードからこんな音が出るとは思ってもいなかったようで感心しきり。今回はアンプをCarot Oneにしましたが、東京で使用してるS.M.S.L SA-36A proという中華アンプ(Amazonで4,980円+秋月ACアダプタ1,680円)と合わせても楽しいのではないかとおもいます。
この組み合わせならちょっと高めのスピーカーケーブルを合わせても実質2万円台前半でしょうか。
お金を掛けなくても楽しいオーディオは作れるわけですね。


いっぽう、東京のZENSOR1は、これもずいぶん以前から使用しているオンキヨーのCR-D2が現役でアンプとして活躍中。
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ZENSOR1というとなにより中域の響きの良さ、音の豊かさに魅了される人続出、というスピーカーです。逆に言うと、DALIの他のモデルと比較して、DALIらしい、おいしいところに絞ってチューニングされている、ともいえるわけで、「パッケージングの妙」ともいえます。
低音が弱い、という話がありますが、個人的には「腹に響く低音」というのをこのサイズのスピーカー(と、スピーカーを置いている東京の部屋の広さ)に求めてもね、という思いもあります。小さいスピーカーで無理に響かて高音が抜けるくらいなら心地いい中域や綺麗な高音が聞きたいわけです。ヘッドホンでいうとAKGあたりに求める感じに近いところでしょうか。
ただ、接続しているCR-D2というアンプは大きなスピーカーでも鳴らしきる強力なデジタルアンプを搭載しており、ZENSOR1との組み合わせで低音にもスピード感を維持しながら適度な厚みを与えてくれています。つまり個人的には「これで充分」という低音がでている、ということです。

この環境では、さまざまなUSB-DACをつなぎ替えたり、NASオーディオやAirPlayの再生など、ハイレゾやDSDを中心としたさまざまな音楽ソースでZENSOR1のサウンドを楽しんでいます。

どちらもスピーカーも、それぞれの個性があり、持っていて損はないモノだと思います。
安くて良いスピーカーなら、まずこの2機種、というのは、全くもって的を射ていると日々実感するのであります。


※追記
その後、東京のほうでマランツのM-CR610を導入し、ZENSOR1と組み合わせました。
→ マランツ「M-CR610」と「ZENSOR1」「FF85WK」でオーディオ環境を再構築


imageまた、福井の自宅ではDENONの「PMA-390RE」をプリメインとして導入し、当初はJBL「Control One AW」(CONTROL ONEの日本未発売の防滴仕様モデル)を組み合わせていたのですが、現在はNS-BP200をこちらに組み替えて使用しています。
 現在、「Control One AW」(わたしが購入時は12,800円程度)、「NS-BP200」と、さらに現在はAVアンプのフロントに接続し、オーディオ用とAV用(7.1chのフロント)の兼用で使用しているTEACの「LS-H265」(購入時価格9,000円前後)と、1万円前後のスピーカーを数種類使用しています。

 それぞれのスピーカーなりの個性があってとても楽しいのですが、どの製品も長く親しまれているだけにやはり価格を超えた音質が特徴。

PMA-390RE」との組み合わせで考えた場合、低音成分は実はNS-BP200がいちばん豊富で、メーカー的にいちばん低音がありそうなJBLのControl One AWは中域から高域の抜けが良くどんなアンプでも元気にならすタイプ。
image残念ながら、JBL「Control One」はすでに販売を終了していて日本でも後継の「Control X」にモデルチェンジしています。ただ業務モデル「Control 1 Pro」の並行輸入品(現在のProはControl Oneと同仕様)が現在も入手可能であったり、なにより長く販売されていた商品ですので中古なども多く出回っています。

私が所有するのも、並行輸入モデルで屋外で乗りようも想定した防滴仕様の「Control One AW(All Weather)」という機種です。実際には、「Control One」も「Control One AW」そして現在並行輸入で購入できる「Control 1 Pro」もほぼ同じ仕様、そして音だと考えて良いようです。

imageTEAC「LS-H265」も以前から販売されており、「NS-BP200」同様にクラスを超えた音質が特徴。発売時の定価はもっと高いようですが、現在実売価格では「NS-BP200」とほぼ同等になっています。ただ昨今の「NS-BP200」人気に押されて若干マイナーかもしれません。
音質ですが、同クラスのTEACの製品よりエンクロージャーの大きい分低域は豊富ですが、上記の3機種の中では最もフラットな傾向が強い印象。「LS-H265」の特徴的なウーファー部分は比較的高域でクロスオーバーするような印象です。
フラットな特性はホームシアター用途でも行けるようで、実際AVアンプ(Pioneer VSA-922)と組み合わせて7.1chモードでの音場調整を行った際もほぼそのままの調整で行けました。
AV用だと「CONTROL ONE」のほうが本来の用途を考えれば適切なはずですが、私の場合、サラウンドやサブウーファーとの組み合わせで見た場合、「LS-H265」のほうが相性が良いようでした。

1万円前後の価格帯にはクラスを超えた定番スピーカーが何種類もありますので、好みに合わせていろいろ組み合わせてみると楽しいですよ。