FiiO L19 % iPhone

ポータブル&据置きのUSB-DACとして「CHORD Mojo」を購入して1年近く。

それまで同様の目的で使っていた「iFI nano iDSD」も現役でまだまだ使える息の長いモデルですが、「Mojo」もやはり高音質ポータブルの定番のひとつとしてこれからも末永く付き合っていけそうで良い買い物をしたな、と改めて思うこの頃。

Mojo」はバッテリ稼働ができるコンパクトなポータブルアンプ・DACながら、カスタムIC(Atrix7 FPGA」)を中心とした独自の構造により、最大32bit/768kHzのPCMおよびDSD256(11.2MHz)に対応し、800Ωクラスのヘッドホンから反応の敏感なIEMまで幅広い出力で非常に高いクオリティのサウンドを実現できる「強力なスペック」がよく知られています。
また、アナログ部分を極力排除した設計から入力はデジタルに限るもののUSBに加えSPDIFは光(TosLink)とコアキシャル(COAX)の両方を備えるなど利用範囲の広さも特徴のひとつ。
というわけで私の利用環境でもさまざまはデバイスに接続してMojoサウンドを堪能しています。

以前、Mojoの据置き利用やFiiO製DAP(X3 2nd Gen)との接続を紹介しました。
→ 過去記事:CHORD「Mojo」を据置きDACとしてスピーカー環境で使ってみる

今回は、この記事以降の利用環境をいろいろまとめてみました。


■「FiiO L19」ケーブルを並行輸入で入手。iPhoneとMojoを直結

image通常、iPhoneなどのiOSデバイスとMojoなどのモバイル仕様のUSB-DACを接続する場合、必要となるのが「カメラアダプタ」。一般的にはApple純正の「Lightning-USBカメラアダプタ」を使用します。
Mojoと接続する場合は、カメラアダプタから「USB-Aオス-micro USBオス」の変換コネクタなどを使用してiOSデバイスと接続します。
iOS環境では標準のMusicアプリ(Apple Musicを含む)をはじめ、Amazon、AWA、LINE MUSICなど基本すべての音楽アプリでMojoを使用できます。
またONKYO「HF Player」やRadius「NePLAYER」などのハイレゾ対応の音楽アプリでは、アプリが対応するフォーマットをネイティブに再生します。具体的には、「HF Player」では24bit/192kHzまでのPCM(FLAC/ALAC/WAV)に加え、DSDも2.8MHz(DSD64)、5.4MHz(DSD128)のDoP転送でのネイティブ再生に対応します。
「NePLAYER」ではDSDには未対応なものの、DLNA経由でNASなどのサーバ上で共有された音楽データ(ハイレゾを含む)のストリーミング再生が可能です。

imageただ、iOSデバイスとの接続ではどうしてもカメラアダプタを中継させる必要があるため、ケーブルの取り回しが悪く、強くケーブルを曲げることでの断線のリスクも付きまとうのが難点です。

そこで、中国FiiO社の「FiiO L19」という、同社のUSB-DAC製品をiOSデバイスに接続するための専用ケーブルがMojoでも使用できます。
このケーブルを使用すると、上記の「Lightning-USBカメラアダプタ」を使わなくてもMojoとiPhoneを直結でき、しかも両端L字型のコネクタのため、ケーブル回しが非常にスッキリできるのが有り難いところです。

この製品は日本の代理店では取り扱いされていないため、私は「AliExpress」で中国のショップから直接購入しましたが、最近はヤクオフやアマゾン(マーケットプレイス)でも見かけますので以前より入手が容易になっていると思います。

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ただし、正式にMojoに対応しているわけではないので、環境によっては非常に相性が悪い場合もあります。私の場合はなぜかiPhone 6 Plusとの接続では非常に相性が悪くすぐに認識しなくなるため、一瞬「不良品かな?」と思いましたが、iPhone 5sとの接続ではiOS10の最新にアップデートした環境でも問題なく快適に利用できました。

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写真の通り、iPhone 5sサイズだとMojoとぴったりなので非常にコンパクトに持ち運べるのが嬉しいところです。特にApple MusicをMojoで楽しみたいときには最適な環境ですね。


■CHORD純正「Mojo Cable Pack」も買ってみた。
「FiiO L19」は正式にはMojo対応ではありませんが、CHORD純正のオフィシャルなアイテムでは「Mojo Cable Pack」という商品が販売されています。
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このパックでは、Mojoのドッキング用のアタッチメントおよびさまざまな種類のケーブルやDAPと固定するゴムバンドが詰め合わせになっています。特にSPDIFの光ケーブル(TosLink)については、24bit/192kHzに対応したものがなかなか市販されていないため(一般的な光ケーブルは48kHzまでの対応)、個々に最適な長さを揃えることを考えると、箱いっぱいにつまったケーブルのセットはお得感があります(まあケーブルとアタッチメントだけの価格なので、これを「お得」と思えるのは結構この手の商品を多く買ってる人かもしれませんが・・・)。

アタッチメントをMojoに接続すると、上記の「Lightning-USBカメラアダプタ」をUSB-Aオス/micro USBオスの変換コネクタ無しでMojoと接続できます。またサイズ的にもiPhone 6 / iPhone 7とほぼ同じ大きさになるため使い回しもよいでしょう。
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ただ、上記の「FiiO L19」を一度愛用してしまうと、正直なところこのアタッチメントの有り難さが半減なのは仕方ないですね。せめてカメラアダプタの接合部分がL字型ならだいぶ印象も変わりそうですが。


■MojoはAstell&Kern AKシリーズを補完するのに最適な組み合わせ
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そして、現在私がメインのDAPとして使用しているのが「Astell&Kern AK300」です。

AKとMojoの組み合わせというと、「AK300」の後に発売された「AK70」が非常にコンパクトでかつMojoと絶妙にぴったりのサイズ感で組み合わせる人が続出。
さらにAK70とMojoを一緒に使う専用のケースが発売されたことですっかりお馴染みの構成になったように思います。
いっぽうAK300はMojoよりひとまわり大きく、組み合わせて持ち歩くにはちょっと違和感があるので、AK70との組み合わせに多少ジェラシーを感じたり・・・(笑)。

 

ただ個人的にはAK300の音は非常に気に入っているのと、もともとAK300を購入した理由がポタアンとの組み合わせでかさばるのを(高音質のまま)少しでもコンパクトにしたい、というものでしたので、外出先ではAK300のみで利用し、屋内でK712 Proなどの鳴りにくいヘッドフォンを合わせる場合にMojoを組み合わせる、という使い方をしています。また、Mojoを接続した場合、AK300のみではPCM変換されるDSD音源などもDoPでネイティブにMojoで再生されるのも有り難い機能です(Mojoの左側LEDはDSDを示す白色)。
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と、ここまで書いて話が前後しますが、AKシリーズ(具体的にはAK70および最新ファームウェアのAK300シリーズなど第3世代以降のモデルは)USB-Audio出力が可能で、micro USB -micro USBケーブルでMojoと接続して利用することができます。Astell&KernとMojo両方の国内販売元であるアユートから両端L字型の専用USBケーブルAIU-MUSB80-RR)が販売されており、私もこのケーブルで接続しています。

ちなみにAK300などのモデルはAK70発売からしばらくしてUSB-Audio対応のファームウェアがリリースされたこともMojoとの組み合わせと言えばAK70、ということになった理由かもしれません。
→過去記事:「Astell&Kern AK300」を買ってしまいました。

同様のUSB-Audio出力は、AK70とよく競合比較されるオンキヨーの「DP-X1」「DP-X1A」などのモデルも対応しています。

いっぽう、AK300以前の第2世代までのAKシリーズの場合、SPDIFの光端子(TosLink)でMojoと接続することができます(AK300などの現行モデルももちろん対応)。この場合、AK側はイヤホン端子に接続するため、ミニピン型の端子のケーブルが必要です。上記の通りミニピン型-角形コネクタの光ケーブルでSPDIFの仕様上限値である24bit/192kHzに対応しているものは非常に少ないため、Mojo純正オプションの「Mojo Cable Pack」付属のケーブルが役に立ちます。
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光ケーブル経由で接続の場合、AK300側でDSDを再生しても176.4kHzのPCM(Mojoでは水色)で転送されているのがわかります。


■その他MojoとDAP接続いろいろ
iPhone以外にも、OTG対応のAndroidデバイスや、さまざまなDAPとの連携が可能です。
【Android (OTG)】
Androidの場合は、OTG対応でもUSB1.1までの対応の機種では、Mojoを認識しないことがあります。私の場合は、「HTC Desire EYE」がスマホ用のUSB-DACは使用できましたが、Mojoは認識しませんでした。
いっぽう、ハイレゾに対応したSONYのXPERIA(Zシリーズ、Xシリーズなど)や最近の高性能スマートフォンの多くはOTG対応のケーブルで問題なく利用できます。
以前、このブログではASUSの「ZenFone 3」とMojoの連携について紹介しています。
→過去記事:「ZenFone3 Ultra」(ZU680KL)のハイレゾ性能をいろいろ確認してみた。

【Sony Walkmanシリーズ】
また、SONYのウォークマンについても手持ちの古いモデル(NW-A17)で純正ハイレゾオーディオ出力ケーブル「WMC-NWH10」を使い、Lightning-USBカメラアダプタ同様にmicro USBへの変換コネクタ問題なく使用できます。現行モデルのNW-A30シリーズをはじめ、すべてのハイレゾウォークマンでも同様に使用可能です。
なお、Walkman AシリーズとUSB-DACの連携については過去記事で紹介しています。NW-A17についての内容ですが、上記の通り現行モデルでも同様に活用できると思います。
→過去記事:私が「SONY Walkman NW-A17」に落ち着いた理由。(追記あり)

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【FiiO X3 2nd Gen / X5 2nd Gen、その他据置き環境】
その他、過去記事『CHORD「Mojo」を据置きDACとしてスピーカー環境で使ってみる』で紹介したとおり、FiiO製のDAP(私の場合はFiiO X3 2nd Gen)の場合、専用のコアキシャル(COAX)ケーブルでのSPDIFデジタル出力が可能です。私の場合は、DAP付属のケーブルに変換コネクタで専用COAXケーブルを用意し接続しています。
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また、SPDIF出力で本来のヘッドホンアンプとして据置き環境に組み入れる使い方ももちろん考えられます。一般的なのはSPDIF出力をもつオーディオアンプ(プリメインアンプなど)からMojoに光またはCOAX接続してヘッドフォンの音質を向上させるアプローチや、ネットワークプレーヤーの出力にMojoを経由させる方法なども考えられます。
たとえば、Appleの「AirMac Express」や「Apple TV(第3世代)」から光ケーブルで接続し、主にiPhoneなどからの「Air Play」での再生でヘッドホンやプリメインアンプへのLINE出力で高音質化をはかるアプローチなども考えられます。
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「AirMac Express」によるAirPlay環境の構築については過去記事でも詳しく取り上げています。
→過去記事:Apple MusicのAirPlay再生で「AirMac Express」が最強の理由


このように、とにかく多様な場面で使える「Mojo」ですが、なにしろ「高音質」であることに疑いないだけに、さまざまな環境で今後ともどんどん活用していきたいと思います。