
※「TIN Audio T2」の上位バージョン「TIN Audio T2 Pro」がリリースされました。Pro版についてもレビューを掲載していますので併せてご覧ください。
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改めてデュアルダイアミックドライバーを搭載するメタルボディの中華イヤホン「TIN Audio T2」の紹介となります。9月頃に一度オーダー(およびレビュー)していますが、今回アマゾンのマーケットプレイスKinboofiさんからの依頼で改めてレビューすることになりました。
→ 初出(2017.9.13): 「SVARA Red」赤いメタルボディがカッコいい1DD & 「TIN Audio T2」掘り出し物の高音質2DD 50ドル中華イヤホン【購入レビュー】
「TIN Audio」は比較的評価の高いイヤホンを出していた中華イヤホンブランドで、その最新モデルが「TIN Audio T2」です。形状を見ると2万円級の中華イヤホンのひとつとして評価の高い「DQSM D2」を彷彿させるデザインで、いわゆるK3003タイプのハイブリッドを想像させる形状ですが、実際は10mmのウーファーと6mmのツィーターによるデュアルのダイナミックドライバーを直列に配置した2DD構成。


「TIN Audio T2」は、ボーカル推しで多少好みによる好き嫌いはあると思いますが、この価格帯ではかなり「当たり」のイヤホンだなと思っています。
アマゾンでは現在6,700円で販売されており、「Kinboofi」ではプライム扱いで購入が可能です。中華イヤホンですがこれらのショップで購入することでいざという時もショップよりサポートを受けられるので安心です。Amazon.co.jp(KInboofi): TIN Audio T2
Amazon.co.jp(NICEHCK): TIN Audio T2
また過去記事のとおり中国AliExpressでの購入も可能です。
AliExpress(NICEHCK): TIN Audio T2
■「TIN Audio T2」メタルボディのしっかりした作りだが、装着性にはひと工夫が必要
「TIN Audio T2」はこの価格帯のイヤホンとしてはかなりしっかりした専用のパッケージに入っており、届いた瞬間から「高品質そう」な印象を感じます。


パッケージ内容はイヤホン本体およびMMCXケーブル、イヤーピースはシリコン製S/M/Lと装着済みのウレタン製のものなど。メタルハウジングのイヤホン本体もあわせて価格以上に高級感を感じる内容です。


付属のMMCXケーブルは1.25mm 5N無酸素銅の銀メッキ線を使用した結構しっかりしたもので、さらに3.5mmコネクタ部分にちょっと豪華なパーツが使われている点も嬉しいところです。本体はとてもシンプルなデザインですが、ビルドクオリティは高く、非常にしっかりした作りになっています。またアルミニウムボディで見た目よりは軽い印象です。ベント(空気穴)はステム下部と背面の2カ所にありますが非常に小さい穴のため、音漏れなどはほぼ心配しなくてよいレベルです。
装着方法としては通常の方法でもシュア掛けでもどちらでも使えるタイプですが、装着性はあまり良くありません。ステム部分は6mmツィーターが面するため比較的大口径のノズルでになっており、小さいイヤーピースで耳穴に隙間ができると全体的に薄っぺらい音になります。標準で装着されているイヤーピースがウレタン製であることからも想像できますが、耳奥に挿入すると言うよりは、大きめのイヤーピースで耳に密着して固定するのが最適な装着位置だと思います。
またこのイヤホンの装着性の悪さの最大の原因はMMCXコネクタ部分の突起の配置で、この形状だと装着時に耳の後方、シュア掛けの場合も下方に行ってしまいます。そこで、あえて左右を逆にケーブルと接続することで突起が前方、シュア掛けでは上方に移動し比較的違和感なく装着できます。
ただこの場合イヤホンの左右を示すコネクタ部分の赤・青が逆になってしまうので見た目がちょっと残念になってしまうのは仕方のない部分です。どうせミニマルなデザインなのですから、ここにも色を付けなければ良かったのに、とちょっと恨めしく思いますね。
■ボーカル推しの高解像度な中高域イヤホン。マルチBA好きと相性抜群なサウンド。
さて、「TIN Audio T2」のきちんと装着した状態での音質は、全般的に分離感の良い解像度の高いサウンドで、この価格帯としては非常にクオリティの高い、「いい音」と感じるイヤホンです。
周波数特性はわずかにドンシャリ寄りなフラット傾向。低域は少なめ中高域寄りのイヤホンで、高域の抜けも良いですが、メタルボディの尖った印象は少なく、どちらかというと中音域をメインにした印象を受けます。
個人的に感じたイメージとしては「TIN Audio T2」はSIMGOTの無印「EN700」をさらにボーカルやギターなどの中高域をメインに振ったような印象です。低域は締まった印象ですが適度な量感で響きも良く、音場は一般的ですが曲によっては少し狭く感じるかも。ボーカルは近く、密度の濃い音で息づかいまでしっかり聴かせてくれます。高域もさすがにマルチBAの精緻さには及びませんが、刺さりは控えめならが伸びが良くキラキラ感のある音です。おそらくマルチBAでボーカル曲を中心に聴かれている方にはこのイヤホンの「おいしいころ」を感じてもらえるのではないかと思います。いっぽう普段からダイナミックドライバーの方が好み、という方には2DD構成ながらあまり向いていないかもしれません。TFZ辺りとは対極の音だと思います。その上で、どのタイプの曲でも合わせやすいサウンドですが、女性ボーカルはもちろん、案外アコースティックな曲や男性ボーカルなどとも相性が良いかもしれません。
また、個人的には、同じ直列配置の2DDで以前レビューを行ったエレコムのハイエンドモデル「EHP-SH1000」との比較がとても興味深く感じます。EHP-SH1000はフラット傾向の非常に「いい音」でお勧めできるイヤホンですが、約5,000円の「TIN Audio T2」も多少の音質傾向の違いはあるものの、「EHP-SH1000」と非常によく似たアプローチの音作りがされていると思います。「EHP-SH1000」は現在も2万円近い実売価格ですので、それを考えると改めて「TIN Audio T2」のコストパフォーマンスの高さを感じますね。
ところで、現在日本で「中高域メインで高音質の約5,000円イヤホン」といえばなんと言っても「EARNiNE EN120」ではないかと思います。直列2DDの「TIN Audio T2」と自社製独自BAシングルの「EN120」では構成が全く異なりますが、聴いてみると案外似ていてしかも「拮抗したレベル」と感じました。
比較すると、BAらしい音の透明感は「EN120」が優れていますが、中高域の音の響きとそこから生まれる音場の広さは「TIN Audio T2」がデュアルダイナミックの強みを発揮します。しかし、「EN120」がシングルBAの枠を超えた伸びの良いクリアな高域を実現している一方、「TIN Audio T2」はこの価格帯としてはかなりBAに肉薄する解像度を実現しており、結果的に両者が拮抗した印象になっています。それで両者は中域の描写など音質傾向が異なっているため、できれば両方持って気分や曲によって使い分けるのが良い選択かもしれません。
「TIN Audio T2」は最近は「インパクト勝負」的な要素も多分にある中華イヤホンのなかでは見た目でも構成的にも相当に地味な印象ですが、この価格帯ではかなりお勧めできる高音質なイヤホンだと思います。
■見た目は地味だが驚きの実力。「マニア向け」ではあるが掘り出し物の逸品2DDイヤホン。
というわけで、冒頭にも記載したとおり、「TIN Audio T2」は個人的には大当たりの中華イヤホンでした。ただ見た目はどうにも個性を感じない地味なデザインですし、そのうえ致命的に悪い装着性など、その音質を体感する前のハードルも結構高いように思います。そういった意味で結構中華イヤホンをこれまでも嗜んでこられた「マニア向け」のアイテムであることは否定できません。中華イヤホンを始めたばかりの人がいきなり買うのは止めた方が良いかもです(もっと先に買うべき分りやすい中華イヤホンはあるよ、という意味で)。また「BAよりダイナミックが好き」という嗜好の方には、このイヤホンが2DDというドライバー構成という前提で聴かれるとちょっと意表を突かれるかもしれません。ただ上記で比較したシングルBAの「EN120」が世間で大変な人気になったことから、個人的には「TIN Audio T2」もドライバー構成を気にせずフラットな気持ちで聴いてもらえるとその良さを実感してもらえる方も多いのでは、とも思います。
とりあえず、こういう「掘り出し物」が人知れず地味に存在するのが中華イヤホンの楽しみであることは間違いなく、やっぱり次も何かポチっちゃうんだとうな、と思います(笑)。









現在、女性ボーカル(中音域)、次いで高音域を重視した選択としてH3かT2を検討し始めました。
B3S(B3の別ケーブルバージョンではなく、きちんとした後継機)という中音域と高音域に特化した中華イヤホンを使っていますが、このイヤホンはいかんせん、低音域の量感があまりいらない私でも少なすぎているという現状です。
高音域は刺さるか刺さらないかくらいのサウンドだったり、高音域の抜け感、中音域の存在感や伸びなどが気になります。検討中の2機種を簡単に比較していただけると嬉しいです。また、それ以外の機種で1万円前後まででオススメ機種ありましたらお願いいたします。