
すっかり2月に入ってしまいましたが、到着からすでに1ヶ月近く経ってこれ以上書きかけを放置するわけにもいかないな~、というわけで、今月最初のレビューは「TFZ KING PRO」です。中国「TFZ」(The Fragrant Zither)ブランドのイヤホンは昨年の「EXCLUSIVE 5」を購入以降、「SERIES 4」「MY LOVE 2」、「EXCLUSIVE KING」、最近では「SERIES 2」と順当に新製品が出る度に買い進めていますが、さらにグレードアップしたモデルが出るとなればポチらないワケにはいかない、というわけで今回も昨年のうちに予約で購入しました。

なお、TFZでは同時に「Tequila 1」という従来とは全く異なるデザインのモデルも発表しており、こちらはMassdropに出品された際にドロップ(オーダー)を入れています(届くのは3月末くらいかな?)。
今回の購入は私のブログでも毎度おなじみの中国のイヤホンセラーの「HCK Earphones」(@hckexin)にて。AliExpressでの購入価格は 169ドル となります。
AliExpress(NiceHCK Audio Store): TFZ KING PRO
AliExpressでの購入方法はこちらを参照ください。なお、購入時にはDM等で確認するか、購入方法に記載の通りいったん支払いを保留してMessageにて確認をすることをおすすめします。
※下記に貼ってあるアマゾンで販売している並行輸入品のバナーでは、ドライバーが「8.9mm」という表記になっていますが、これは記載違いと思われます。昨年冬のポタフェスに代理店が参考出品した際にも同様の表記だったため、そのまま広がったのかもしれませんね。中国TFZ社サイトにリンクされた商品紹介では「大升级2.5代12MM双磁路二分频N52磁体石墨烯单元」(=大規模アップグレード2.5世代 12mm 二重磁気回路グラフェンドライバー)となっていますので、本記事ではその記載にあわせています。
■従来モデルより大幅にグレードアップしたパッケージ構成
上記の通りオーダーそのものは昨年で、1月初旬には手元に製品が届いていました。


「TFZ KING PRO」のパッケージは従来の同社製イヤホンと比較するとひとまわり大きいボックスで届きました。


パッケージ内容は金属製のイヤホン本体、5N無酸素銅線の専用ケーブル、イヤーピースは本体装着済みのものに加えて、開口部の大きいタイプと小さいタイプの2系統がS/M/Lの各サイズ、さらにウレタン製イヤーピース、説明書・保証書など。


本体のハウジングは金属製となり存在感がアップしましたが、重さそのものは従来の「EXCLUSIVE KING」や「SERIES 4」とそれほど違いはなく、装着感も同様です。


5N無酸素銅線を採用したケーブルは従来モデルの黒または白の樹脂被膜のケーブルより大幅にグレードが向上しています。こちらもコネクタ部分およびケーブルの分岐点に金属部品を使用しメタリックな印象をアップさせています。


「TFZ KING PRO」も従来モデル同様に0.78mmの2pinコネクタ仕様ですがケーブル側のコネクタは先日レビューした「SERIES 2」より採用された、本体部分の小さな凸状の「出っぱり」を覆うカバーの付いた専用タイプとなっています。
■分離感と透明度は従来より1ランク上のグレード。フラットで聴きやすくまとめられたモニターサウンド。
「TFZ KING PRO」はフラットに近い周波数特性で、従来モデルでいうと「EXCLUSIVE KING」より「SERIES 4」に寄せた印象に感じます。比較的刺さり少ないものの、「TFZ」イヤホンに共通するグラフェンドライバーらしい金属質な抜けの良い高域を維持しており、純粋にクオリティアップによる解像度や分離感が向上した印象があります。締まりのある低域も量感は確保されているのですが、全体としては非常に透明度の高いサウンドだと思います。

「EXCLUSIVE KING」のような派手なドンシャリのサウンドと比べると、「TFZ KING PRO」は高域のシャリ付きも少なく、低域も抑え気味、ボーカルも僅かに遠くに定位するなど、かなり大人しい印象のイヤホンに感じるかもしれません。

とはいえ、「TFZ KING PRO」も金属質でシャープな印象を受けるキレの良さは同様で「TFZらしさ」という部分は全く失われてはおらず、いっぽうで派手さを抑えつつ着実にレベルアップを果たしたイヤホンだと思います。

「EXCLUSIVE KING」の「派手さ」に対して「EXCLUSIVE 5」は「パワフル」という印象が強いイヤホンで、このハウジングのモデルで特徴的なモリモリの中低域が印象的ですが、全体のバランス的に「EXCLUSIVE」ラインのなかではいちばん聴きやすいイヤホンでもあります。比較的刺さりが少なく聴きやすいサウンドである「TFZ KING PRO」は、「EXCLUSIVE KING」の高域が苦手で「EXCLUSIVE 5」のほうが好き、という方にも受け入れやすいサウンドかもしれませんね。「TFZ」のキャラクターを維持しつつも雑味のないクリアなサウンドが楽しめる「TFZ KING PRO」は中域のボーカルや演奏を楽しめるイヤホンに仕上がっているのではと思います。

このような意味で音質傾向的には「SERIES 4」のアップグレードバージョン、あるいは「完成形」が「TFZ KING PRO」ではないかと思っています。「TFZ KING PRO ≒ SERIES 4 PRO」みたいな感じですね。
■「1個買ったら他のバリエーションが欲しくなる」は今回も健在。まだまだ「上がり」じゃないのね(^^;)。
「TFZ KING PRO」は派手さは少ないフラット系のイヤホンですが、「TFZ」らしいシャープな印象も同時に維持したイヤホンでした。ロック、ポップス、アニソンなどを中心に、従来モデルより多くのジャンルの曲での相性がよいと思います。従来モデルと比較して、あくまで自然に分離感を向上しサウンドの透明度を向上させた、まさに「レベルアップ」したTFZイヤホンといえるでしょう。

以前のレビューでも書きましたが、ここが「TFZの怖いことろ(^^;)」で、「TFZ KING PRO」は非常に良いサウンドだけど「EXCLUSIVE KING」の派手さも捨てがたい、とか、「EXCLUSIVE 5」も押さえておきたいよね、といった感じで、1個で満足できずついバリエーションを買い揃えたくなってしまう危険性がやはり今回もありました(笑)。
なんというか、先日の「LZ-A5」レビューしたノズルでサウンドを調整できるイヤホンあたりを比べると、「TFZってやっぱずるいよなぁ。商売上手だけど」と、つい思ってしまうのでありました(ちゃんちゃん)。
KING pro はとても良さそうですね(^^)
個人的にtequilaが気になっていたのでレビュー楽しみにまってます(^^ゞ