Yinyoo Cable

こんにちは。新しい中華イヤホンケーブルの紹介も最近多くなっていますが、なかでもより高級なモデルは一般的な同等のリケーブル製品より大幅にコストパフォーマンスが良いため、中華イヤホン以外との組み合わせでも多くご利用をいただいているようですね。
今回紹介する「Yinyoo 8芯 銀線ケーブル(ブラウン)」も中華ケーブルとしてはかなり高価格帯となりますが、国内メーカー/代理店の製品ではこれほどスペックの高いケーブルを同等価格ではまず購入できないだろう、という内容となっています。


■高級感のあるブロンズカラーのシルバー素材ケーブル

イヤホンケーブルも線材の種類や純度、芯数などにより音質に特徴が出てきますが、なかでも「純銀線」は高級ケーブルの一種のブランド的位置づけで、一般的にケーブルに使用される銅に比べて高域に特徴があり、よりキラキラした音、場合によってはかなり高域がアグレッシブな傾向になると言われます。ただし、中華ケーブルにおいての「純銀線」や「金メッキ線」などの高級線材の表記は線材の製造元などが明確でない場合以外は残念ながらアテにならないのが実情です。同じようなことは純銅線における「7N」などの純度表示にも当てはまり、正直「ある程度は盛って書いてある」と最初から割り切っておく必要がありますね。私のブログでも線材の種類についてはあくまで目安として紹介し、取り回しや音の変化を中心に記載したいと思っています。

さて、Easy Earphonesで扱われる「Yinyoo(音佑)」ブランドのケーブルも「純銀線」という記述のケーブルは数種類あり、過去にレビューしたホワイトシルバーの4芯シルバーケーブルはとにかく「中高域が過激になる」という、大変わかりやすい特性を持ったケーブルでした。
※Yinyooブランドの4芯シルバーケーブルについては以下にてレビューしております。
今回のブラウンの「純銀線」と表記されたブラウンのケーブルは4芯シルバー線とは異なるタイプの線材で、特に8芯タイプは中華ケーブルとしては結構なハイエンドの仕様となっており、音質面でどのような変化が起こるのか、とても興味深いところです。ちなみに、イヤホンケーブルの線材の材質や種類ごとの解説は以下の「解説編」で簡単にまとめていますので、よろしければあわせて参照ください。


【高純度 シルバーケーブル】
[ YYX4750 ] Yinyoo 8芯 高純度銀線 アップグレードケーブル(ブラウン)
Yinyoo 8 Core Silver Upgraded Cable 2.5/3.5/4.4mm Balanced Cable With MMCX/2pin Connector
Amazon.co.jp(WTSUN Audio) 13,900円~ / AliExpress(Easy Earphones) $129.00
【 MMCX 】【 2pin ※ 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
Yinyoo CableYinyoo CableYinyoo Cable


また同じブラウン銀線の4芯ケーブルも販売されています。

[ YYX4749 ] Yinyoo 4芯 高純度銀線 アップグレードケーブル(ブラウン)
Yinyoo 4 Core Silver Upgraded Cable 2.5/3.5/4.4mm Balanced Cable With MMCX/2pin Connector
Amazon.co.jp(WTSUN Audio) 8,900円~ / AliExpress(Easy Earphones) $79.00
【 MMCX 】【 2pin ※ 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
Yinyoo CableYinyoo CableYinyoo Cable


どちらもEasy Earphonesのアマゾンマーケットプレイス「WTSUN Audio」および中国AliExpress(Easy Earphones)にて販売されています。
AliExpress(中国からの発送)でのオーダー方法はこちらを参照ください。アマゾン(WTSUN Audio)で購入の場合は、国内のアマゾン倉庫から発送されますので商品が直ぐに届き、1年間の保証が得られますし、万が一の場合もアマゾン経由での対応ができますので安心ですね。またEasy EarphonesのTwitterアカウント(@hulang9078)では頻繁に割引情報等がツイートされていますのでフォローの上こまめにチェックされることをお勧めします。

今回私は上記ケーブルのうち「YYX4750」の8芯タイプをオーダーしました。
Yinyoo CableYinyoo Cable
使用している線材の1本1本はワイトシルバーの4芯線より若干細いものの、その分よりしなやかで8本のケーブルがしっかり編みこんでありますが使いまわしは比較的良好です。明るめのブラウンの樹脂皮膜はシルバーのケーブルをカーキ色に近いブロンズ調の雰囲気としており 高級感のあるカラーリングとなっています。
Yinyoo CableYinyoo Cable
実際に8芯ブラウン銀線ケーブルを装着して聴いた印象は「繊細な描写と力強さの両立」といったサウンドでした。上記の通り一般的には純銀のケーブルは特に高域の解像度の高さと繊細な描写が特徴的な反面、低域は細くなりやすいといわれますが、このブラウンのケーブルは銀線というには非常に重厚なカラーリングの印象そのままに、まったく細くなることもなく、むしろ厚みが増すと同時に低域の沈み込みもより深まるサウンドになります。正直なところ「純銀線」とは少し異なる特性だと思いますが、実際には銀メッキ銅線のケーブルだと考えても音質的には非常に濃いバランスの良質なケーブルだと思います。

先日レビューした4芯シルバーケーブルもそうでしたが、非常に反応が良く、高域も非常にわかりやすく、まるで違うイヤホンのようにアグレッシブに変化します。さらに中低域の厚みや解像度も一気にアップするため、トータルでの高音質化を実感できます。価格面でもYinyooブランドでは最も高い設定となっていますが、確かに音質面でも「最上位」仕様のクオリティです。
Yinyoo CableYinyoo Cable
「Yinyoo」ブランドでは「Yinyoo HQ6」(6BA)「Yinyoo HQ5」(5BA)といった中低域に特徴のあるマルチBAイヤホンでは各BAドライバーが覚醒したかのように元気になり、高域はより刺激的に、低域もより深く重厚なサウンドに変化します。ホワイトシルバーの4芯純銀線でも高域の変化には十分に効果がありましたが、今回の8芯ブラウン純銀線では低域ももう一段変化を与えることができました。より「濃い」サウンドを好まれる方にはかなり良い選択肢だと思います。いわゆる「多ドラ」イヤホンとは今回も相性の良さを感じます。
またダイナミックドライバーのイヤホンでも「final E5000」など低感度または高インピーダンスの高音質イヤホン等と組み合わせるとポテンシャルを一気に引き出しより濃厚なサウンドになるのではと思います。

ウイークポイントとしては、これまでレビューした4芯シルバーケーブル、およびYinyoo/Kinboofiの新しい16芯線ケーブル同様に、イヤホン側の能力を引き出す過程でプレーヤー側の駆動力を相応に要求します。また駆動力のあるプレーヤーを使用する場合でも、反応が大幅に向上するため標準ケーブルではでなかったホワイトノイズを感じる場合もあります。実際のところ価格以上にハイエンド仕様なケーブルといえるかもしれませんね。

このように今回の8芯純銀線ケーブルは1万円/100ドルオーバーの価格設定と、中華イヤホンケーブルとしては決して安価ではありませんが、その価格に見合うだけの明確な変化を得られるケーブルだと思います。コネクタもMMCXと2pin(現在のところCIEM仕様ではないので使用できるイヤホンに注意)があり、バランス仕様も2.5mm/4極、4.4mm/5極が選択できますので、中華イヤホンに限らずより多くのイヤホンでその実力を実感してほしいオススメのケーブルといえると思います。

なお、これまでの中華イヤホンケーブルのレビューについては以下の一覧を参照くださいませ(^^)。
→ 過去記事(一覧): イヤホンケーブルのレビュー