KBF F60

こんにちは。今回はKinboofiのオリジナルイヤホンで独自の3DD構成が特徴的な「KBF F60」の紹介です。
このところ、私のブログでも多く取り上げている低価格中華イヤホンは凄まじい勢いで高音質・高性能、または高品質化しています。その影響で「ZS6系イヤホン」のように類似した製品が短期間で次々と登場していることもあり、いっぽうで「いかにも中華らしい変ったイヤホン」を最近あまり見かけないなぁ、というフラストレーションも少しだけあったりします。

そんななか、アマゾンのマーケットプレイスに出店している中国のイヤホンセラー「Kinboofi」 (いつもお世話になっています)から「3DDというかなり珍しい構成のイヤホンとして販売開始されたのが、今回紹介する「KBF F60」です。
KBF F60KBF F60
円形のハウジングにコンパクトな3個のダイナミックドライバーを搭載する「3DD」構成のイヤホンで、コネクタ部分にはMMCXを採用し、リケーブルも楽しめる仕様になっています。
フェイスパネル部分はハウジング内の3つのドライバーの印象そのままの、日本では太鼓や瓦などで古くから見るいわゆる「巴」(ともえ)柄のデザインになっています。そんなこともあり、一定以上の年齢の人からは「でんでん太鼓」を連想せずにはいられなかったり(^^;)。
KBF F60 でんでん太鼓

KBF F60」はアマゾンでの表示価格は2,699円と、とてもレアなイヤホンながら購入しやすい低価格におさえられています。また、カラーは「ゴールド」と「ブラック」の2種類があります。
KBF F60KBF F60
発売以降、話題性もありネット上でも好評であっという間に品切れになってしまいしました。次回入荷は9月頃と少し先になりそうです。今回買い逃した方はKinboofiのTwitterアカウント(@kinboofi)をこまめにチェックしてくださいね(^^)。
Amazon.co.jp(Kinboofi): KBF F60


■「でんでん太鼓」を思い出す個性的なデザイン。でも実は装着感もなかなか優秀。

到着したパッケージはKinboofiのロゴマークがプリントされており、同ブランドオリジナルのイヤホンとしてしっかり主張していますね。
KBF F60KBF F60

パッケージ構成はイヤホン本体、マイク付きのMMCXケーブル、イヤーピースが2種類で各サイズ(S/M/L)、イヤホンケース、保証書といった内容です。
KBF F60KBF F60

KBF F60」の本体はプラスチック製のハウジングで、半透明のブラックシェルから3個のダイナミックドライバーの存在が確認できます。
KBF F60KBF F60
サイズ的にも比較的コンパクトでこのような形状ですが装着感は実は結構良好です。ケーブルをまっすぐ垂らす通常の装着方法と耳掛け(いわゆるシュア掛け)のどちらの方法でも比較的しっかりと装着できます。
KBF F60KBF F60
付属するマイク付きMMCXケーブルは低価格の中華イヤホンではよく付いているタイプのケーブルで、取り回しは良いですが、樹脂被膜のクセが強く、なかなかまっすぐになってくれない点は仕方のない部分ですね。好みに応じてリケーブルするのがよいと思います。


■量感だけではない、スピーカーのような質の良い低域表現と、聴きやすい中高域が魅力的。

KBF F60KBF F60」の音質傾向は低域の厚い暖色系のサウンドです。3DDということで、かなりの「低音イヤホン」ということも予想したのですが、期待通りの厚みのある重低音は楽しめつつ、中高域、特にボーカルなどの中音域もしっかり表現しており、この価格帯のイヤホンとしてはかなり良いバランスに仕上がっていると思います。
KBF F60」のもっとも特徴的な低域は、非常に厚みのある音で、ドンドンドコドコといった感じではなく、しっかり響きのあるスピーカーで聴いているような表現力があります。音場は広く感じますが、正確な定位感というよりはホールのような奥行きを感じる響きのある音です。
イヤーピースを工夫し全体のフィット感を向上することで低域の印象をさらに堪能できるのではないかと思います。全体的にウォームで聴き疲れしない音なのですが、個人的には低域の感じをもっと味わおうと思わずボリュームをかなり大きめにしてしまい、結果的に耳に負担をかけてしまうことも(笑)。

KBF F60いっぽう高音域の伸びは抑え気味でハイハットなどは若干くすんだ感じの響きになりますが、中高域は低域による籠りもなく綺麗な印象で、ピアノや女性ボーカルの高音などもきちんと描写できています。曲によってはボーカルは少し下がって定位しますが、遠いというよりは立体的な印象という感じですね。ほとんどの曲では凹みはあまり感じないと思います。
価格的な点もあり、解像度や分離性はそれなりですが、トータルとしてはリスニングイヤホンとしてかなり良い仕上がりとなっているのではないでしょうか。古めのポップス、ロックなどのボーカル曲やジャズなどとの相性は良好です。全体的にウォームな音なので、逆にキレやスピード感を求めたり、高域にこだわりたい方には向きませんし、クラシック等も響きすぎる印象で合わない曲もあるかもしれません。またあくまで低価格の中華イヤホンですので、製造ロットによる不良品などに遭遇した方も残念ながらいらっしゃるようです。ただしアマゾン経由で万が一の場合の返品交換などもスムーズにできる点は安心感があると思います。

KBF F60また、「KBF F60」はMMCXコネクタを採用していますので、豊富な選択肢のなかからリケーブルが出来る点もメリットでしょう。もともと低価格なイヤホンですので、イヤホンより高価なケーブルにリケーブルするのは抵抗がある方も多いと思いますが、例えばKinboofiの「KBF4758 6芯 銀メッキ線ケーブル」(2,100円)など、バランス接続コネクタも選べる低価格ケーブルを組み合わせてみるのも良いと思います。また、少し上のグレードになりますが、Kinboofiの「KBF4759 8芯 純銅線ケーブル」(3,359円)も、本記事を掲載時点では1,000円引きのクーポンが出ていますので2,359円と他のケーブルとそれほど変らない価格で購入できるためかなりお買得かもしれまん(ちなみにKBF4758 6芯銀メッキ線も300円OFFのクーポンが出ています^^)。リケーブルにより取り回しが向上するだけでなく、音質的にも明瞭感が向上しお手軽に「KBF F60」をグレードアップできると思います。特に8芯線ケーブルではより分りやすいリケーブル効果が得られると思います。


Kinboofiは今年に入って同ブランドのイヤホンケーブルもなかなか好評ですが、イヤホンについても結構ツボを押さえた「当たり」の製品を出してくるようになったな、という印象があります。今後はさらにハイグレードなオリジナル製品の計画もツイートされていますし、同時に面白い中華イヤホンも積極的にアマゾンで販売していて、結構目が離せないセラーとなってきました。今後もどのような製品展開してくるのか楽しみにしたいと思います。