こんにちは。前回に引き続き、今回もイヤホンケーブルのレビューです。
ただし今回から紹介するのは、いつもの中華ケーブルではなく、七福神商事さんが販売する「丸七銀龍」(純銀線ケーブル)と 「丸七赤龍」(純銅線ケーブル)の紹介となります。ポタフェスなどのイベントでも非常に好評でネット上の評価も高いこともあり、おもわず両方一緒に購入してしましました(^^)。また同じタイミングでNOBNAGA Labsの新しい銅線ケーブル「更紗」も購入しました。というわけで、3回に分けでこれらのケーブルを順次紹介したいと思います。
その①: 七福神商事「丸七銀龍」8芯「純銀線」ケーブル ※本レビュー
その②: 七福神商事「丸七赤龍」8芯「高純度銅線」ケーブル
その③: NOBNAGA Labs「更紗」(友禅/辻の花) 8芯「高純度銅線」ケーブル
次回(その②)の「丸七赤龍」のレビューは、過去に紹介した人気中華イヤホンケーブルとの比較、さらに、その③の「更紗」のレビューでは「丸七赤龍」との比較なども予定しています。
さて、今回および次回で紹介する「丸七銀龍」「丸七赤龍」ですが、実際リケーブルしてみると、どちらのケーブルも非常に音質面のクオリティが高く、コストパフォーマンスの面でも普段紹介している中華ケーブルを凌駕したレベルではないかと思います。現在さらに買い増しをしようかと考えています。
■「丸七銀龍」/高音質ダイナミックで感動レベルの音質変化。2万円の「純銀線」8芯ケーブル。
まず今回は「丸七銀龍」、8芯純銀線ケーブルです。こちらはしばらく前から販売しているケーブルで、MMCXコネクタ仕様で、3.5mmステレオ、2.5mm/4極および4.4mm/5極のバランスケーブルが選択できます。七福神商事さんの直営店(オンラインショップ)や、eイヤホンなどのショップで購入することができます。価格は七福神商事直営店でどれも19,800円(税込み)と2万円以下に抑えられています。
七福神商事直営店: 丸七銀龍
丸七銀龍【2.5mm4極 mmcx 七福神商事オリジナル純銀線】 【送料無料】 価格:20,000円 |
※ちなみに、中華ケーブルでも「純銀線」と表記している製品はいくつかありますが、線材の詳細は不明で、一部製品では「一定の厚さ以上の銀メッキコートを施したケーブルは“銀線”扱いする」という謎のローカルルールで表記しているものも存在するようです。そのため私のブログの過去の紹介記事でも「純銀線」といっている中華ケーブルの表記は気にせず(真に受けず)、音質傾向のみを参考に、という記載にすべて修正をしています。
これに対し、七福神商事さんの「丸七銀龍」については、中華ケーブルの「盛った表記」のような心配のない、正真正銘の「純銀線」ケーブルで、かつメーカー製品としては驚異的な2万円以下の価格設定も大変魅力的です。とにかく「純銀線」ケーブルを試したい、という方には真っ先にお勧めできる製品だと思います。
「丸七銀龍」は透明な樹脂被膜で覆われた細めの線材が丁寧に手編みで編み込まれており、柔らかく適度なコシのある使いやすいケーブルです。8芯線ですがごつごつした印象ではなく、取り回しも良好です。
そして、「丸七銀龍」にリケーブルすることで、多くのイヤホンで標準ケーブルと比較し、ぐっと近くで定位し、ひとつひとつの微細な音がよりくっきりと捉えられるようになります。また純銀線ですが低域が細ることはなく、音像が近づくことでより高い解像度で締りのある低域を実感できると思います。
マルチBAのイヤホンとも相性は良いですが、印象がより大きく変化するのは高音質なダイナミックドライバーを搭載したイヤホンですね。これらのイヤホンの多くは高級ヘッドフォン同様にインピーダンスが高く感度が低い、つまり「鳴りにくい」傾向にありますが、このような製品と「丸七銀龍」を組み合わせることで、まずはプレーヤーからの情報量が明確に増加します(そのため音量が変化する場合もあります)。さらに全体的な音の広がりが向上し、響きや抑揚などもより繊細かつ明瞭感が向上した印象になります。手持ちのMEE Audio 「Pinnacle PX」(同「Pinnacle P1」のMassdropモデル) にリケーブルしてみると、音場の立体感が劇的に向上し、中高域の抜けも大幅に良くなったことが実感できました。
このような傾向のケーブルのため、特にfinal 「E5000」「E4000」や七福神商事さんの「Anew 白玉」や「SEMKARCH」など、しっかりしたキャラクターのダイナミックイヤホンは間違いなく相性が良さそうです。
いっぽうで、HIFIMANの「RE800J」でリケーブルしてみたところ、付属の高純度銅線ケーブルに比べサウンドがかなりアグレッシブに変化し、高域が結構強めのサウンドになりました。また、FitEarの低価格IEMの「ROOM」に変換コネクタを使って接続してみたところ、こちらもリスニング寄りにかなり派手めのサウンドに変化しました。ケーブルも含めて最適化されている高級イヤホンや味付けの少ないフラットなサウンドではバランスが変化するため好みに応じて、という感じですね。
このように「丸七銀龍」は予想以上にイヤホンのポテンシャルを引き出してくれる印象で、また高域だけでなく低域もしっかり表現しつつ、全体的に1ランク上のサウンドにクオリティアップしてくれるケーブルでした。「純銀線」としては比較的低価格なものの、決して安価ではありませんが、できればもう1本追加で購入しようかな、と真剣に検討しています。
というわけで、引き続き「丸七赤龍」のレビューに続きます(^^)。