NOBUNAGA Labs 更紗

こんにちは。3回に分けたイヤホンケーブルのレビュー、3回目は NOBUNAGA Labs ブランドの新製品「NOBUNAGA Labs Advance 更紗」です。7月下旬より発売開始した高純度銅線イヤホンケーブルで、コネクタの形状により「友禅」(3.5mmステレオ)、「更紗」(2.5mm/4極バランス)、「辻が花」(4.4mm/5極バランス)という名称がついています。

なお、今回を含め、3回にわけてそれぞれ購入したケーブルを紹介しています。
その③: NOBNAGA Labs「更紗」(友禅/辻の花) 8芯「高純度銅線」ケーブル ※本レビュー

その①②の七福神商事のケーブルも非常に高品質でしたが、今回の「NOBUNAGA Labs Advance 更紗」と特に同様の高純度銅線を採用した「丸七赤龍」と「更紗」の比較はとても興味がありますね。


■NOBUNAGA Labs 「友禅」「更紗」「辻が花」 / 感動レベルの響きの良さと空間表現が特徴的な銅線ケーブル

WiseTech社の「NOBUNAGA Labs」といえば説明するまでもなく日本国内ではすっかりおなじみのイヤホンリケーブルのブランドで、ポータブルオーディオのマニアであれば同社の製品をひとつくらいは使用していたりするのでは、と思います。

7月下旬に新たに発売された 「友禅」「更紗」「辻が花」は、高純度無酸素銅線を採用し、同社独自の「Symmetric Braid Matrix」技術など様々なノウハウを投入したMMCX対応のイヤホンリケーブルです。同ブランドとしては初の高純度銅線ケーブルということもあり発売前から注目度は高く、ポタフェスなどイベントでの評判も非常に良好でした。
価格は「友禅」「更紗」が12,800円、「辻が花」が13,800円となっています。
Amazon.co.jp(WiseTech): NOBUNAGA Labs Advance 友禅
Amazon.co.jp(WiseTech): NOBUNAGA Labs Advance 更紗

私が購入したのは2.5mm/4極バランス仕様の「更紗」で、パッケージデザインも同社らしいとても雰囲気のあるものとなっています。
NOBUNAGA Labs 「更紗」NOBUNAGA Labs 「更紗」
NOBUNAGA Labs Advance」シリーズの製品として登場した「友禅」「更紗」「辻が花」は、高純度無酸素銅(OFC)線を使用した4芯ケーブルで、1芯あたり0.06mmの超極細の高純度無酸素銅133本の撚り線を使用した低抵抗の線材を使用し、電気信号の流れをスムーズにする独自の「Symmetric Braid Matrix」技術を採用するなど、伝送損失を極限まで排除するための工夫が随所にみられます。また同社製のMMCXコネクタ、プラグ部分のパーツやアルマイト加工されたケーブル分岐およびスライダー部品など使いやすさと高級感を両立している点も満足度が高いですね。

ケーブルの外観を前回レビューした「丸七赤龍」と比較してみると芯数の違い(4芯と8芯)はありますが、「更紗」のほうが特に細いという感じはなく、同様にしっかりした印象です。「更紗」は上記のような特徴もあり、よりしっかりした編み込みでコネクタ部品なども高級感があるのがわかります。
NOBUNAGA Labs 「更紗」NOBUNAGA Labs 「更紗」
ケーブルの硬さもほぼ同等で取り回しはどちらも良好ですが、「更紗」のほうが多少しなやかなため、耳かけ部分の加工はなく、シュア掛け型だけでなく、まっすぐ降ろす通常タイプのイヤホンでも利用できる仕様となっています。

そして、「丸七赤龍」同様、「友禅」「更紗」「辻が花」も高純度銅線を採用し、もともと多くのイヤホンで採用されているケーブル(基本的に線材は銅線)のアップグレード版ともいえるため、イヤホンの種類を問わず、あらゆる組み合わせでリケーブル効果を発揮できる汎用性の高さも特徴です。

NOBUNAGA Labs 「更紗」実際に購入した「更紗」でリケーブルしてみると、とにかく情報量が格段に向上すると同時に、「中低域の響き」と「空間表現の絶妙さ」に軽い感動を覚えます。銅線ケーブルにありがちな極端に低域を持ち上げたり、濃いめ・派手めの印象に変えるような味付けはなく、全体的にイヤホンの能力を引き出すタイプのケーブルで、このケーブルで採用される様々な技術的アプローチの効果か雑味の少ないスッキリしたサウンドが実感できます。独特の「中低域の響き」は音が過剰に広がるような印象ではなく、高い分離性により1音1音がよりしっかりと描写され立体的に定位すると同時に、個々の音は必要以上に際立つことなく、あくまで自然に調和することで得られるものです。

より高音質(または高級?な)マルチBAイヤホンや解像度の高いシングルダイナミックのイヤホンと組み合わせてよりポテンシャルを発揮させる、という用途に最適なケーブルだと思います。
NOBUNAGA Labs 「更紗」NOBUNAGA Labs 「更紗」
前述の「丸七赤龍」との比較(「更紗」と同じ2.5mmバランス接続コネクタ)では、解像度の高さはどちらも同レベルで情報量の多さを感じるいっぽうで、「丸七赤龍」がより高域の伸びが向上するのを実感できるのに対し、「更紗」はさらに分離性が高く雑味の少ないサウンドで、独特の響きの良さが際立ちます。この辺は線材のスペックだけでは読み取れない、それぞれのケーブルの「個性」とも言える部分で、この違いを実感できるのはとても楽しいですね。


友禅」「更紗」「辻が花」は1.5万円以下の製品としてはかなり優れたサウンドのケーブルであることを改めて実感しました。私のブログではより低価格の中華ケーブルを多く紹介していますが、これらの製品と比較しても独自技術やクオリティの高さから得られるリケーブル効果は十分にコストパフォーマンスの良さを感じるものです。なによりイヤホンの種類での向き不向きが少なくとても使い勝手が良い点は、さまざまなイヤホンに合わせてみたくなります。私も前回・前々回から同様、今回もさっそく買い増しを検討し始めています。まったく出費が尽きませんね・・・(汗