Cable

こんにちは。今回もまたまたイヤホンケーブルのレビューです。YinyooなどEasy系のケーブルまとめ買いレビューはちょうど1ヶ月まえにも掲載した気がするのですが(^^;)、気がつけば新しいケーブルがこれまた次々登場し、これまた気がつけばまとめ買いをしていた・・・あれ、これってもしかして思うツボ??
まあ、正確にはその後にHCKの最新ケーブルの「まとめ買いレビュー」もやってますし、Kinboofiなどの個別レビューもありますので、たぶん今後もこんな調子で最新ケーブルが出るたびに「まとめレビュー」をやりそうなので、今回から「2018年9月編」のように年月をタイトルにつけました(笑)。ケーブル沼もここまでくると自分でもちょっと呆れていますが。。。

さて、今回「9月編まとめ」で紹介するのはEasy系の「Yinyoo」「Kinboofi」「HiFiHear」の3ブランドの兄弟ケーブルで、どれも8芯タイプながら2千円台~3千円程度の低価格に抑えられており購入しやすい設定となっています。また音質面では同価格帯のHCKの最新ケーブルとの比較も気になるところです。

Yinyoo Cable購入はAliExpress(中国から発送)ではいつもお世話になっている中国のイヤホンセラー「Easy Earphones」にて。
AlliExpressでの購入方法はこちらを参照ください。
以下の表示価格は通常価格ですが、すべてのケーブルでEasy EarphonesのTwitterアカウント(@hulang9078)をフォローのうえ「フォロワー値引き」を受けることができます(おそらく1本あたり10ドル以上の値引きがあるはずです)ので活用ください。
またアマゾン(プライム扱いで国内倉庫より発送)ではそれぞれ「WTSUN Audio」(@Zhuo520X)、「Kinboofi」(@kinboofi)、「HiFiHear Audio」(@Qianqian_HRcase)のマーケットプレイスにて購入できます。こちらもそれぞれのTwitterアカウントにて最新の入荷情報や割引情報が随時ツイートされますのでEasyのアカウント同様にこまめにチェックされることをお勧めします。

なお、私のブログでのこれまでの「中華イヤホンケーブル」レビューについては以下を参照いただければ幸いです。
→ 過去記事(一覧): イヤホンケーブルのレビュー


[ YYX4772 ] Yinyoo 8芯 銀メッキ高純度銅線ケーブル(ブラウン)
Yinyoo Brown 8 Core Silver Plated Upgraded Cable 2.5/3.5/4.4mm Balanced Cable With MMCX/2pin Connector
Amazon.co.jp(未発売) / AliExpress(Easy Earphones) $35.00
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
Yinyoo CableYinyoo CableYinyoo Cable
最近では珍しく9月8日現在アマゾン未発売でAliExpressでのみ購入できるケーブルです。製品名が「ブラウン」となっていますが、実際のケーブル色はグレーに近いカーキ色、という感じですね。実は密かにミリタリー好き(主に模型ですが)の私としては結構そそられる渋いカラーリングです(^^)。AliExpesssでの表示価格は35ドルとなっていますが、他のケーブル同様にフォロワー値引きで10ドル以上は値引きしてもらえると思います。
Yinyoo CableYinyoo Cable
ケーブル自体はある程度太さはありますが、適度に柔らかくコシのある被膜で覆われており、取り回しは良好です。黒いプラグ部分およびケーブル分岐部分のパーツは金属製、丸いケーブルスライダーはプラスチック製です。2pin/MMCXコネクタは以前から中華ケーブルで採用されているタイプで、2pinは0.78mm CIEM使用となっています。また今回のシリーズのケーブルは全て樹脂製の被膜により耳掛け用の成型がされています。
Yinyoo CableYinyoo Cable
音質傾向としてはイヤホンのキャラクターを活かしつつ、標準ケーブルと比べて情報量が大幅に向上しサウンドが濃くなる印象となります(音量も上がります)。全体的に解像度がぐっと向上し、より近くで定位し音場が立体的になります。
Yinyoo Cableまた高域についても伸びが向上するのが実感できますが、最近のちょっと派手めにメリハリを強化したり高域を強くしたりするタイプのケーブルというよりイヤホンのポテンシャルを活かしつつ解像度をアップし高域の印象を向上させる、といったイメージです。そのため、低価格帯から3万円程度くらいまでの中価格帯のイヤホンで種類を限定せず使いやすいケーブルだと思います。特にフラット傾向のダイナミックやマルチBAのイヤホンとの相性が良いようで、これらのイヤホンと組み合わせると後述の「KBF4773」が全体的に情報量を上げるのに対し、このケーブルでは特に高域のキレが良くなる印象です。
ちなみにHCKの「TDY1」「TDY2」との比較ですが、これは今回レビューする他のケーブル同士の比較でも言えることですが、HCKの新シリーズが比較的変化がはっきり出る「派手め」のケーブルなのに対し、Yinyooなどの新しい8芯はとてもナチュラルにイヤホンのグレードを向上させる傾向にあります。またより高価格帯のイヤホンだと「TDY1」「TDY2」より若干情報量が多く、解像度も高く感じます。感じるそのため、「TDY1」「TDY2」はイヤホンによっては高域が強くなりすぎる場合がありますが、Yinyooのブラウン銀メッキ線は極端な音質傾向の変化は行わずに高域を伸ばしていく印象があります(とはいえイヤホンや再生環境によってはかなり変化する場合もあります)。特に1万円以上のイヤホンの場合あまり極端に変化のあるケーブルだと帰って使いにくくなるため、このYinyooのブラウン銀メッキ線は「見た目」にも「音質的」にもちょうど良い使いやすさだと思います。なにより安価なので気軽にバランス化などのアップグレードが出来るのが嬉しいですね。
※現在アマゾンでAliExpressの2倍以上の価格でこのケーブルを販売している業者がありますがEasyが運営するWTSUN Audioではありませんのでご注意ください。


[ KBF4773 ] Kinboofi 8芯 ブラウン銀メッキ線&銅線ミックスケーブル
Kinboofi 8 Core Silver and Copper Upgraded Cable 2.5/3.5/4.4mm Balanced Cable With MMCX/2pin Connector
Amazon.co.jp(Kinboofi) 2,999円 / AliExpress(Easy Earphones) $35.00
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
KBF4773KBF4773KBF4773
最近日本国内でもマニアの間で急速に存在感を高めている「Kinboofi」の最新ケーブルです。その勢いに呼応してか、最も売れ筋になりそうな有力な新製品が「Kinboofi」ブランドで選ばれる傾向にあるのかも?という気がします。
「KBF4773」はブラウン(グレー)カラーの銀メッキ線とカッパーカラーの高純度銅線の8芯ミックスケーブルで、銀メッキ線部分の線材は上記のYinyooブランドの銀メッキ線と同じものを使用していると思われます。
KBF4773KBF4773
今回のケーブルからプラグ部分およびケーブル分岐部分のパーツがデザインが変更になりました。「Kinboofi」および「HiFiHear」のプラグはすこし曲線を帯びたデザインとなっています。
KBF4773KBF4773
音質傾向的には、ミックス線らしい「派手さ」はすこし控えめですが、3千円程度の価格帯のケーブルとしては情報量はかなり多く、イヤホンの種類によってはメリハリやキレの向上もはっきり実感できるため、低価格および1万円台の中価格帯の中華イヤホンとの組み合わせに最適なケーブルだと思います。
これらのイヤホンの標準ケーブルからリケーブルすることで全体的な情報量が向上します。より近くで定位するとともに、高域および低域のメリハリが向上するのを実感できると思います。ZS6系のイヤホンのグレードアップや、先日レビューしたKZの5BAイヤホン「KZ AS10」との組み合わせの相性も良好です。
KBF4773特に「KZ AS10」は標準ケーブルでは情報量が不足しており、中音域の解像度の高さに対して高域および低域のメリハリが不足しているため、「KBF4773」は最適でしょう。ただし、個体差または再生環境により低域過多の印象の場合は上記のYinyoo 8芯ブラウンケーブルの方が相性が良く感じる可能性もあります。この辺は好みにあわせて選びたいところですね。ちなみにHCKの「TYB1」との比較ではケーブルの太さは同様に「KBF4773」の方がひとまわり太いですが音質的には「TYB1」のような派手さより「KBF4773」のほうが少しナチュラルな印象です。「TYB1」はイヤホンによってはメリハリが強くなりすぎて高域が過剰に刺さる場合もあるため、より自然なアップグレードを好まれる場合は「KBF4773」のほうが向いていそうです。またより高価格帯のイヤホンだと「TYB1」より若干情報量が多く、解像度や分離性も高く感じます。
いっぽう数万円クラスのイヤホンの場合はKinboofiの「KBF4746 16芯ミックス線ケーブル」のようにさらにハイグレードなケーブルを選んだ方が効果を実感できると思います。


[ HiF4774 ] HiFiHear 8芯 高純度無酸素銅(OFC)イヤホンケーブル 
HiFiHear 8 Core Pure Copper Upgraded Cable 2.5/3.5/4.4mm Balanced Cable With MMCX/2pin Connector
Amazon.co.jp(HiFiHear Audio) 2,350円 / AliExpress(Easy Earphones) $21.00
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
HiF4774HiF4774HiF4774
そしてHiFiHearより8芯タイプの高純度銅線イヤホンケーブルです。価格も2千円台前半と非常に低価格で、低価格中華イヤホンのアップグレードには最適なケーブルでしょう。特に後述の通りKZなどの派手めのサウンドのイヤホンとの相性は抜群に良く、「KZ ZS6」あたりのイヤホンにはベストに近い組み合わせではないかと思います。
HiF4774HiF4774
当初、上記の「KBF4773」の銅線部分で使われている線材と同じかと思いましたが、多少カラーと太さが異なります。8芯に編み込まれた状態の太さも「KBF4773」やYinyooブラウン銀メッキ線より少しだけ細くなります(HCKのCT1よりもわずかに細いですね)。
HiF4774音質傾向は銅線らしく中低域の情報量をアップさせるタイプで、こちらは特にKZなどの低価格イヤホンでかなり明確に変化を実感できます。ボーカルはぐんと近くに定位し、より立体的な奥行きのある音場感を実感できます。先月のレビューで紹介したYinyooの「YYX4769 8芯純銅線ケーブル」(2,750円)との比較では低域の厚みや音場感はよく似ていますが、今回の「HiF4774」のほうがメリハリがしっかりした印象を受けます。このケーブルに限ってはHCKの「CT1」とも非常に酷似した印象で少し派手めの銅線ケーブルといえるでしょう。
ただし、基本は中低域の厚みをアップさせるケーブルのため、高域の刺さりなどは過剰に強調することはありません。そのため、「KZ ZS6」のような高域がすこし派手すぎる、刺さりすぎる、と感じるイヤホンで全体のバランスを整え、特徴を活かしつつ、ちょうど良いバランスに変化させることが出来ます。


[ YYX4775 ] Yinyoo 8芯 銀メッキ線&高純度銅線ミックス イヤホンケーブル 
Yinyoo 8 Core Silver Plated Upgraded Cable 2.5/3.5/4.4mm Balanced Cable With MMCX/2pin Connector
Amazon.co.jp(WTSUN Audio) 2,999円 / AliExpress(Easy Earphones) $22.50
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
YYX4775YYX4775YYX4775
そして今回最後に紹介するのはYinyooの8芯ミックス線ケーブルです。アマゾンでの型番は後ろの方になっていますが、シリーズとしてはKinboofi「KBF4759 8芯 高純度銅線ケーブル」およびHiFiHear「HiF4760 8芯銀メッキ/高純度銅ミックスケーブル」の兄弟ケーブルと考えた方がしっくりきます。線材は「HiF4760」と見た目はほぼ同じですが、音質傾向はこの「YYX4775」のほうがすこし派手めの印象があります。ミックスケーブルながら価格は3千円以下となっていて、カラーも一般的なシルバーと銅色の混合で分りやすい商品だと思います。
YYX4775YYX4775
同じミックスケーブルでも上記の「KBF4773」よりは細いケーブルで8芯ケーブルながらゴツゴツした印象は控えめです。同様に柔らかくコシのある被膜で取り回しは良好です。ケーブルの太さを比較してみると、「KBF4773」より細く、HCK「TYB1」とほぼ同じくらいの太さのケーブルであることがわかります(実際にはTYB1のほうが銅線部分はほぼ同じですが銀メッキ線はすこし太い線材を使用しています)。「TYB1」もかなり派手めの傾向ですが、「YYX4775」も音質傾向はかなり寄せている印象ですね(おそらく「TYB1」の対抗商品として作ったのだと思いますから、これも意図的かも?)。
YYX4775YYX4775
音質傾向はミックス線らしい情報量の多いケーブルですが、「KBF4773」と比較すると、ZS6系の低価格中華ハイブリッドイヤホン(具体的には「BQEYZ KC2」「PHB EM023」「RevoNext QT2/QT3」「TRN V80」など)や、「TFZ SERIES 2」などいわゆる「メリハリが強い派手なドンシャリ系」のイヤホンと相性が良く、メリハリのはっきりした「ミックス線」らしさが出る傾向です。特にZS6系の低価格イヤホンは付属のケーブルに非常に安価な線材を使用していることが多いためリケーブル効果は絶大で、変化を大きく実感できると思います。いっぽうで1万円オーバーのクラスになるとすこし派手すぎる傾向になることもあるため、このようなイヤホンでは「KBF4773」や「KBF4746」を選択した方が印象が良く感じる場合もあります。


ということで、今回はEasy系の低価格ケーブル4種類を紹介しました。どのケーブルも思ったよりグレードが高く、特に低価格イヤホンとのリケーブル効果はかなり劇的なレベルに進化しています。例えばZS6やZS5などをお使いで、すでにリケーブル済みの方でも新しいケーブルに「再リケーブル」してみることでさらにサウンドの進化、または「深化」を楽しめるかもしれませんね(^^)。
ちなみに、上記ケーブル以降にKinboofiより「KBF4779 16芯純銅線ケーブル」が販売されていますが、AliExpressでは例によって他にもYinyoo(16芯 銀メッキ線/ブラック)、HiFiHear(16芯銀メッキ線/ブラウン)の各ブランドの16芯ケーブルが発売されているようですので、できれば次回のケーブルまとめで取り上げたいと思います(「KBF4779」は個別レビューでも紹介予定です)。