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こんにちは。気がつけば9月もあっという間に終わろうとしていますが、8月下旬からイヤホンもケーブルもかなりの勢いで新しいアイテムが登場していて、私自身も結構お腹いっぱい(その分出費はかさんでますが^^;)な月でした。とはいえまだまだ紹介し切れていないアイテムも多く、月末も書きかけのレビューを仕上げていこうと思います。

というわけで、今回はケーブルのレビューです。当初「10月編」として予告していた「Yinyoo」「Kinboofi」「HiFiHear」の新しい16芯ケーブル3種類の紹介です。最近はAliExpressでのオーダーでもチャイナポストの日本への発送が思ったより早く、今回購入したケーブルも予想より早く入手することが出来ました。また現在は3種類ともアマゾンでの購入も可能になっていますのでより手軽に入手できるようになっています。また「Kinboofi」の16芯(KBF4779)については別記事で既に紹介済みですが今回他の2種類との比較も兼ねて改めて記載します。

image今回紹介する3種類の「16芯 イヤホンケーブル」は既に「Yinyoo」「Kinboofi」「HiFiHear」から発売されていて私のブログでも紹介している16芯ケーブル(「YYX4745」「KBF4746」「HiF4747」)に追加されたモデルになります。最近は「8芯」ケーブルも低価格化が進んでいて3千円程度で比較的リケーブル効果の大きい製品も登場していますが、「16芯」となると製造コストも大きく跳ね上がることからまだまだ「高級なケーブル」という印象があります。そんななかこのシリーズの16芯ケーブルは通常時でも7千円程度、割引時だと5千円台からの購入も可能な「手の届きやすい価格設定」となっている点が魅力的です。もちろん音質面でも8芯ケーブルとは頭ひとつ抜けた情報量の多さが特徴的で、特に私のブログでも紹介頻度が増えている1万円オーバー、2万円オーバー以上の高音質中華イヤホンとの組み合わせには最適です。
→ 過去記事①: 「YYX4745」(および「HiF4747」) 16芯 銀メッキ銅線ケーブルのレビュー
→ 過去記事②: 「KBF4746」 16芯 銀メッキ銅線&高純度銅線ミックスケーブルのレビュー

また中華イヤホンに限らず、数万円クラスの有名メーカーのイヤホンを使用されている方のリケーブル用途でも十分に実力を発揮できる「利用範囲の広い」ケーブルだと思います。

購入はいつもお世話になっている中国のイヤホンセラーで、中国からの発送の場合はAliExpressの「Easy Earphones」(@hulang9078)より、アマゾンから(国内発送)はケーブルごとに「WTSUN Audio」(@Zhuo520X)、「KInboofi」(@kinboofi)、「HiFiHear Audio」(@Qianqian_HRcase)となります。AliExpressでの購入方法、割引(フォロワー値引き)についてはこちらを参照ください。
また各セラーのTwitterアカウントでは頻繁に割引情報や新製品情報がツイートされますのでフォローのうえこまめにチェックされることをお勧めします。


[ YYX4778 ] Yinyoo 16芯 銀メッキ銅線 OFC  アップグレードケーブル(ブラック)
Yinyoo 16 Core Silver Plated Cable 2.5/3.5/4.4mm Balanced Cable With MMCX/2pin Connector (Black)
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
※アマゾンでは現在このケーブルで2,000円OFFのクーポンが利用でき 5,202円 で購入が可能です。

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「Yinyoo」ブランドの新しい16芯ケーブルは、既に販売されている「YYX4745」同様のOFC(高純度無酸素銅線)を使用した銀メッキ線ケーブルとなります。シルバーの「YYX4745」が透明の被膜だったのに対し、今回の「YYX4778」ではブラックの被膜となりました。
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「YYX4778」はこれまでの同シリーズの16芯ケーブル同様に非常に柔らかくしなやかで細めの線材がしっかり編み込まれています。「YYX4745」と比較してみると線材の太さなどはほぼ同じですがブラックの被膜がほんの僅か厚くなってるようにも見えますね。また「YYX4778」ではプラグやケーブル分岐部分の部品が「YYX4745」の中華ケーブルでは多く使われる汎用品から現在のYinyooブランドで使用されているタイプに変更になりました。これにあわせて「YYX4778」では大きめのケーブルスライダーがついています。スライダーでしっかりケーブルを固定したい方には嬉しい配慮ですね。
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そして実際に聴いてみた印象ですが、同じ16芯で単なる色違いかと思いきや結構音の印象の異なるケーブルでした。従来の16芯銀メッキ線のYinyoo「YYX4745」とHiFiHear「HiF4747」は味付けがほぼ皆無で情報量の多さでイヤホンの特徴を大幅に引き出すタイプのケーブルでしたが、今回の「YYX4778」は銀メッキ線らしく高域の伸びが少し向上するのがわかる味付けになっています。
YYX4778印象としては全体の情報量はどちらも同等レベルですが、「YYX4745」(および「HiF4747」)が全域にわたって解像度を底上げしている印象なのに対して、「YYX4778」は全体的に情報量を増やしつつ特に中高域の伸びをよくしている印象があります。そのためもともと高域の強いイヤホンではすこし派手な音になる可能性がありますが、一般的には音の濃度が少しあがったように感じるのではないかと思います。とはいえ、最近の3千円クラスの8芯ケーブルで多くなっているメリハリの強いタイプではなくあくまで自然に情報量を上げるタイプのケーブルのため、イヤホン自体にある程度のポテンシャルがあることが求められます。
ある程度のグレードのイヤホンとの組み合わせで、イヤホン自身のキャラクターを活かしつつ、より伸びのあるサウンドにしたい場合には最適なケーブルではないかと思います。


[ KBF4779 ] Kinboofi 16芯 高純度銅線 アップグレードケーブル
Kinboofi 16 Core Pure Copper Upgraded Cable 2.5/3.5/4.4mm Balanced Cable With MMCX/2pin Connector
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
※アマゾンでは現在このケーブルで1,500円OFFのクーポンが利用でき 5,200円 で購入が可能です。

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次に先日も紹介した「KBF4779」は、新しい線材を採用した、16芯の「高純度銅線」ケーブルとなります。これまでは銀メッキ線とミックス線でしたので、16芯のシリーズにより組み合わせやすい「高純度銅線」ケーブルが加わったのは有り難いところです。OFC(高純度無酸素銅)線は多くのイヤホンの付属ケーブルで採用されている線材のため、イヤホンの個性を変えずにサウンドをアップグレードしたい場合に選びやすいケーブルです。
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「KBF4779」ケーブルは高純度銅線を透明な被膜で覆った線材を丁寧に編み込んでいます。これまで同様に非常に柔らかく、取り回しも良好です。プラグ部分およびケーブル分岐の部品は「YYX4778」同様、Kinboofiの新しいタイプを採用しています。透明なケーブルスライダーは丸い形状で大きさもあるため、しっかり固定したい人には使いやすいと思います。
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「KBF4779」は銅線ケーブルにありがちな低域を強化したりメリハリを強めるなどのタイプとは異なり、味付けはほとんどない、あくまで自然にサウンドクオリティを向上させるタイプのケーブルです。そのため、ある程度ハイグレードの音場表現に優れた高音質イヤホンとの組み合わせにより、ポテンシャルを引き出すのに最適だと思います。

KBF MK4特にマルチBAのイヤホンとの相性が良く雑味を取り除いたようなスッキリした印象と中音域がより自然に前に出るような音場感を感じることが出来ます。このようなイヤホンと組み合わせる際には同様の傾向を持つ「YYX4745」(および「HiF4747」)同様に最適な組み合わせになると思います。
既存の16芯銀メッキ線ケーブルである「YYX4745」「HiF4747」との比較では「KBF4779」のほうがよりナチュラルな印象を受けます。どちらも味付けは無いものの、解像度を一気に底上げする印象のある「YYX4745」「HiF4747」はより音にエッジが立つ印象があります。そのため、もともとキレのあるサウンドのイヤホンの場合は「KBF4779」のほうが自然な印象になるのではと思います。
いっぽうでKZなどの低価格ハイブリッドなどの派手な音質傾向のイヤホンの場合、すこしぼやけたような緩めの音に感じるため、これらのイヤホンは最近増えている3千円程度のよりメリハリのあるケーブルのほうが相性が良いでしょう。ただこれは他の16芯ケーブルにも言えることですので、組み合わせるイヤホンのキャラクターと価格帯にあわせてケーブルも選びたいところです。


[ HiF4780 ] HiFiHear 16芯 高純度銅線 OFC  アップグレードケーブル(ブラウン)
HiFiHear 16 Core Silver Plated Cable 2.5/3.5/4.4mm Balanced Cable With MMCX/2pin Connector (Brown)
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
※アマゾンでは現在このケーブルを購入時に1,000円の割引が適用され 5,900円 で購入が可能です。

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最後に紹介するのは「HiFiHear」ブランドの16芯ケーブル「HiF4780」です。被膜のカラーリングはブラウンの高純度銅線(OFC)のケーブルとなります。
※AliExpressの表記では「Silver Plated Cable」(銀メッキ線)との記述ですが、後述の通り聴いた印象での音質傾向は銀メッキ線の「YYX4778」と高純度銅線の「KBF4779」の中間くらいという感じでしたので、あえて「銅線」か「銀メッキ線」かについては双方の表記を併記しています。
すでに同ブランドより販売されているイエロー/シルバーのミックスカラーの「HiF4746」と比べて。とても落ち着いたカラーリングのため、より多くのイヤホンと組み合わせやすいケーブルだと思います。
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今回アマゾンで発売前にAliExpressで購入したため「Yinyoo」ロゴの袋で届いてますが、アマゾンで購入した場合は「HiFiHear」ロゴの袋と保証書が入っています。金属製のプラグおよび分岐部分の部品は最近の同ブランドのケーブルで採用されているタイプになっています。質感は他の16芯ケーブル同様に柔らかく、使いやすくしなやかなケーブルです。こちらも「YYX4778」同様に着色された樹脂被膜で覆われた細めの線材が丁寧に編み込まれています。

HiF4780音質傾向はブラック16芯銀メッキケーブルの「YYX4778」と非常によく似ていますが、両者の違いはカラーリングに加えて若干低域の厚みがある印象です。Kinoofiの高純度銅線ケーブル「KBF4779」はマルチBAイヤホンとの相性が良好でしたが、少しメリハリのある「HiF4780」は、高音質なシングルダイナミック型のイヤホンやハイブリッドイヤホンとの相性も良好です。この16芯ケーブルのシリーズでは最も派手めでメリハリのあるミックス線ケーブル「KBF4746」と比べるても情報量には遜色なく、多少自然な印象を受けるバランスとなっています。いっぽうで高域の伸びは比較的明瞭に向上しますので、数万円クラスのイヤホンやある程度の価格帯の中華イヤホンで、全体的なメリハリを高めたい場合は「KBF4746」(16芯ミックスケーブル)、高域の伸びをよくしたい場合は「YYX4778」(16芯銀メッキ線・ブラック)、そして最も自然な印象で音に厚みを持たせたい場合は「HiF4780」(16芯・ブラウン)という選び方かなと思いました。


imageということで、今回の新しい16芯ケーブルは単なるカラバリの増加だけではない、より多彩な選択肢を得ることができるラインナップの強化でした。中華イヤホンも以前の格安の製品より高スペック化、高音質化への進化が留まることを知らず、それとあわせてより高級化も進んでいます。実際Easy Earphonesでは300ドル超えの中華イヤホンケーブルとは思えないような「ハイエンドなケーブル」も一斉に発売するなど、ケーブルの方も同様に高級化が始まっているようです。
そんななか、今回紹介した16芯ケーブルのシリーズはそれなりのグレードのイヤホンとも組み合わせやすいスペックと品質を持ちながらも購入しやすい価格帯を維持しており、実に「ちょうど良い」ケーブルだと思っていますので、たぶん今後も買い増しをして色々なイヤホンで使いたいなと思っています。


なお、今回紹介した各ケーブルはアマゾンでは1000円~のディスカウントが適用されていますが、既存の16芯ケーブルについても同様の値引きとなるクーポンが現在発行されていました。
本文中にも記載のとおりシルバーの「YYX4745」とイエローの「HiF4747」はイヤホンの味付けはなく情報量および解像度を一気に向上させるタイプ、そして継続して人気のあるミックス線「KBF4746」はイヤホンのポテンシャルを引き出しながらよりメリハリのある濃いめの音にするケーブルですね。

「YYX4745」 16芯 銀メッキ銅線 OFC ケーブル 1,000円OFFクーポンで実質 5,900円
「KBF4746」 16芯 銀メッキ線&銅線ミックスケーブル 1,000円OFFクーポンで実質 5,800円
「HiF4747」 16芯 銀メッキ銅線 ケーブル(イエロー) 1,000円OFFクーポンで実質 5,700円

今回のケーブルを含めて組み合わせるイヤホンとの相性でカラー、線材を選んでみるのも楽しいのではと思います(^^)。