RevoNext RX8

こんにちは。とうとう10月に突入し、気がつけばとっくに夏も終わり今年もあと3ヶ月・・・。出張のなどで移動の多い仕事柄もあり、今年は「○○の秋」というより次々とやってくる大型台風や地震など、自然の脅威に振り回される季節という感じです(・_・)。

RevoNext RX8さてさて、そんななか、今回紹介するのは今年に入って登場した中華イヤホンブランド「RevoNext」の最新モデル「RevoNext RX8」です。
今回、8月末頃に先にAliExpressで「レッド」モデルをオーダーしていたのですが、どうやら「レッド」のみ出荷が遅れ、約1ヶ月後の9月末に届きました。そして先に届いた方々の評判の良さに待ちきれず、結局「ブルー」もアマゾンで購入した、という流れですが、「このサウンドなら全色カラバリ揃えるのもアリかな?」と思ってしまう(←ただの病気です)くらいの完成度でした。もちろん価格なりに妥協しているポイントはあるものの「限られたリソースの中での音作り」のバランスの良さが際立つサウンドで、個人的には最近の3千円以下の低価格イヤホンではかなりオススメできる製品だと思います。

RevoNext」ブランドでは、これまでいわゆる「ZS6系イヤホン」の先駆けともいえる「RevoNext QT2」(1BA+2DD)と高域強化モデルの「QT3」(2BA+2DD)をリリースしています。どちらのモデルも以前レビューを行っていますが、なかでも「RevoNext QT2」は中低域寄りのサウンドバランスと質の良い低域でマニアの間でも評価の高いイヤホンとなっています(「RevoNext」サイトには「QT2」「QT3」の赤いカラーバリエーションが掲載されていて、カラバリ病の私は早速すごく気になっていたり)。
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ちなみに米国での販売を意識してか「RevoNext」のサイトには同社のオフィスは米国で、製品デザインはスウェーデンで行っている、という記述になっています。とはいえ、英語ページでも実際の製品リンクをクリックすると結局は中国語ページに飛んだりします(笑)。個人的には中華イヤホンを数多く紹介しているためか、このような点もほほえましく思ってしまうわけですが(^^;)。

そして、今回、全く新しいデザインを採用した最新モデルが「RevoNext RX8」で、1BA+1DDのハイブリッド構成のエントリークラスのイヤホンとなります。1BA+1DDタイプのハイブリッドイヤホンは特に中華イヤホンでは「KZ ZST」以降非常に多くのモデルが販売されている、低価格イヤホンの「激戦区」ですが、「RevoNext RX8」では同社オリジナルデザインの樹脂製ハウジングを採用し、音質面にもこだわった作りとなっているそうです。
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カラーは、「ブラック」「クリアブラック」「ブルー」「レッド」の4色が選択可能です。
※アマゾン経由でもレッドを含む全色が購入可能になりました。
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購入はAliExpressの「Easy Earphones」、またはアマゾンの「WTSUN Audio」「HiFiHear Audio」にて。
価格はAliExpressで26ドル、アマゾンが 2,800円~ の価格設定となっています。アマゾン倉庫に在庫があれば発注後プライム扱いですぐに届きますし、アマゾン経由なら万が一の場合の保証も安心ですね。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): RevoNext RX8 2,999円 ※10/7までさらに購入時10%割引あり
Amazon.co.jp(HiFiHear Audio): RevoNext RX8 2,800円 ※現在購入時にさらに500円割引あり

いっぽう、中国からの発送となりますがAliExpressのEasy Earphonesでも購入可能です。AliExpressでの購入方法、割引適用方法はこちらを参照ください。
AliExpress(Easy Earphones): RevoNext RX8

なお、Easy Earphones(@hulang9078)およびWTSUN Audio(@Zhuo520X)、「HiFiHear Audio」(@Qianqian_HRcase)のTwitterアカウントでは割引情報等が頻繁にツイートされていますのでこまめにチェックされることをお勧めします。


■コンパクトで装着性のよいハウジングとカラフルなケーブル。見た目の印象も良好。

今回はアマゾンでブルーを、AliExpressでレッドをそれぞれオーダーしました。「RevoNext RX8」のパッケージはこれまでの「QT2」「QT3」同様にKZ風の白箱でそれぞれのモデルカラーごとのパッケージデザインとなっています。
RevoNext RX8 RevoNext RX8
RevoNext RX8 RevoNext RX8

パッケージを開封して最初の印象はどちらのカラーもとても落ち着いた色で好感が持てました。パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/L)、説明書と、今回もシンプルな構成です。
RevoNext RX8 RevoNext RX8
RevoNext RX8 RevoNext RX8

プラスチック製のハウジングは比較的コンパクトにまとまっており、BAユニットが取付けられているステムは少し太めですが装着性は良好です。
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本体カラーは適度に派手さを抑えたカラーリングとなっていて、安っぽさをあまり感じないような仕上がりになっています。
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KZの同様のハイブリッドモデルと比較すると、よりコンパクトなサイズ感とあわせてハウジングの厚みもかなり抑えられているのがわかります。そのため、より耳に収まりやすい形状となっています。
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RevoNext RX8」では、本体のカラーリングをあわせたカラーのケーブルが付属しているのが特徴的ですね。「QT2」「QT3」のゴム状被膜のケーブルから、樹脂製被膜の撚り線タイプになりました。ケーブルを束ねるマジックテープや、分岐部分のスライダーも付いており、屋外などでの普段使いでの使い勝手も良いと思います。
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またコネクタは「QT2」「QT3」同様に0.78mmの2pinタイプとなっていますので、対応するケーブルにリケーブルも可能です。

■低価格イヤホンの範囲内ながら、抜群のチューニングにより絶妙なサウンドバランスを実現

RevoNext RX8RevoNext RX8」の音質傾向は弱ドンシャリで、「RevoNext QT2」で好評だった締まりのある低域の印象を継承しつつ、全体的にもかなり良好なチューニングが行われたサウンドです。もちろん3千円以下の価格設定ということもあり、解像度などは同価格帯の中華イヤホンと大きな差はないものの、中高域への分離感は非常に良く、存在感のある低域と同時に、非常にスッキリした印象の中音域と適度に伸びる高域のバランスがとれたサウンドです。開封直後は少し分離感が異なる場合がありますが、ある程度のエージングを行うことで高域および低域は落ち着いた感じとなり、全体的な分離感も向上します。
100時間程度エージングした「RevoNext RX8」の高域は、解像度はこの価格帯の中華ハイブリッドと同様の一般的なレベルですが、かなり気持ちよく伸びがある印象を受けます。中低域寄りの「QT2」同小用に刺さりはありませんがかなりコントロールされている印象の「QT2」に比べて、「RevoNext RX8」は心地良く自然に伸びていく感じですね。中音域は高域より前に出る印象のためボーカルなどは近く感じますが、低域とのバランスにより少し凹みを感じる場合もあります。ただエージング後は分離性が高くなるため全体的には聴きやすい印象となっています。音場は一般的で曲によっては少し狭く感じますが、「RevoNext RX8」は中高域を聴かせるためのアプローチの上手さを感じます。
そして低域はしっかりした量感のある音で、全体的に中低域寄りの音になっていますが、分離性の良さからモコモコとした感じにはならないようにチューニングされています。ただし2DDを搭載する「RevoNext QT2」と比べると沈み込みは少し浅く感じ、重低音の締まりにも差があります。
RevoNext RX8中高域に特徴のある「RevoNext RX8」では「低域の質」の部分で中低域寄りの「QT2」と比べ割り切っている印象も受けます。非常に質の良い低域が特徴的な「QT2」と、低価格イヤホンにおける制約内のリソースでチューニングを追い込むことで最適なサウンドバランスを得ている「RevoNext RX8」、という感じですね。
ボーカル曲との相性の良いタイプのイヤホンですので、ロック、ポップス、アニソンなどとの相性が良いです。低域に厚みがあるサウンドなので、屋外での利用にも向いていると思います。
また、イヤーピースは付属のものからAcoustuneの「AET07」やJVCの「スパイラルドット」等の開口部が広く装着性の高いイヤーピースに交換することで遮音性のともに低域の締まりが向上し、中高域がより心地良い印象となります。

RevoNext RX8また、「RevoNext RX8」は付属ケーブルでも十分にバランスの良さを感じますが、0.78mm 2pinコネクタを採用することでリケーブルによる変化も楽しめます。具体的にはHiFiHear「HiF4747 8芯 銀メッキ高純度銅ケーブル」やYinyoo「YYX4775 8芯 銀メッキ線&高純度銅線ケーブル」、または同じくYinyoo「YYX4762 8芯 銀メッキ銅線ケーブル(黒/茶)」のような比較的音質傾向のハッキリしたケーブルとの相性が良いようです。
これらのケーブルを使用すると低域の締まりが良くなり、よりスッキリとしたメリハリのあるサウンドが実感できるのではと思います。


「RevoNext」は現在のところ中低域に重点を置いたサウンドでより多くの人が受け入れやすいサウンドのイヤホンを作っているという印象があります。そして、そのアプローチは今回の「RevoNext RX8」を見ても結構成功しているのではと思います。とりあえず、音質的なバランスも良く、さまざまなシーンで使いやすい装着性やデザインをもち、3千円以下の価格設定となっている「RevoNext RX8」は、マニアだけでなく、オーディオに詳しくないようなより多くの方々にも広くオススメできるイヤホンではないかと思います。