前回のケーブルに引き続き今回も中国のイヤホンセラー「Kinboofi」オリジナル製品です。というかほぼ同時のオーダーです(^^)。今回紹介するのは、Kinboofiオリジナルイヤホンの最新モデル「KBF MK3」です。2BA+1DD構成のハイブリッドイヤホンで、コンパクトな樹脂製ハウジングと存在感のある太めのMMCXケーブルのコンビネーションが特徴的ですね。
「KBF MK3」の形状的には、某CAのア○ド○メダ・・・というか、それをパクった「KZ ZS5」や「ZS6」のさらにオマージュてきな・・・うーん、なんかよくわかんないですね!(笑
とはいえ、以前まとめて紹介したいわゆる「ZS6系イヤホン」はひとつの基準として「ZS5」や「ZS6」と同様に10mmと6mmの2個のダイナミックドライバーを搭載する構造を踏襲しているというのがひとつのポイントですが、「KBF MK3」については正面と背面の形状こそ似てはいるものの、内部的には全く異なっていると考えられ、とりあえず形状だけはそれっぽい全く別モノのイヤホンと考える方が自然ですね。まあ、中華イヤホン界隈では良くあるハナシです(笑)。
「KBF MK3」はハウジング自体は樹脂製ですがフェイス部分に金属製のプレートが貼り付けられており、デザイン的なアクセントになっています。「KINBOOFI」ロゴも自然な感じで良いと思います。
また、「KBF MK3」は「KZ ZS6」や同じくKinboofiが取り扱う「ZS6系イヤホン」の「PHB EM023」とは異なり、「ZS5」同様の密閉型イヤホンですので、図書館などの静かな場所で音漏れを気にせず使うという用途には向いていそうです。
「KBF MK3」の購入はアマゾンの「Kinboofi」ストアにて。価格は 4,900円 となっています。
Amazon.co.jp(Kinboofi): KBF MK3
またKinboofiのTwitterアカウント(@kinboofi)では割引情報なども頻繁にツイートされますので、フォローのうえこまめにチェックされることをお勧めします。
■想像以上にコンパクトなハウジング。装着性は比較的良好。
「KBF MK3」のパッケージはいつものコンパクトなボックスタイプ。小さめのイヤホンケースの中にびっしりと製品が入っています。
パッケージ構成はイヤホン本体、MMCXケーブル、イヤーピース(S/M/L)、ケース、保証書。イヤーピースはKZの付属イヤピースに形状が似ていますがこちらのほうがしっかりした印象です。
「KBF MK3」の実物を見てみると本体の厚みが「ZS5」「ZS6」よりかなり抑えられており、予想以上にコンパクトなハウジングだと感じました。写真で見てもMMCXコネクタとの対比でその薄さが実感できるのではと思います。
いっぽうで付属のケーブルはかなり太く、存在感のある印象です。前回レビューした「KBF4792」8芯ケーブルと良く似た質感のケーブルですが被膜はこちらのケーブルの方が分厚く、4芯ケーブルながらむしろこちらの付属ケーブルの方が太く感じるくらいです。
実際の大きさを比較してみると、「ZS6」と「そっくりさん」の「PHB EM023」と正面からの形状はよく似ていますが、「KBF MK3」は圧倒的に本体の厚みが異なることが分ります。またKZの2BA+1DD構成のイヤホンである「KZ ZSR」とは「KBF MK3」はひとまわり以上コンパクトなのが確認できます。
このように非常にコンパクトなハウジングのため、実際の装着性は「ZS6」「EM023」より良好で軽量で厚みも薄いことから耳穴にすっぽりと収まる感じとなります。屋外で気軽に使用するのにはなかなかよさそうです。
■かつての「KZ ZS5」を彷彿させる、使い勝手のよい低音寄りのドンシャリ傾向サウンド
「KBF MK3」の音質傾向は低域寄りのドンシャリでかなりハッキリした印象の寒色系のサウンドが特徴的です。最初の印象として、外見通り「KZ ZS5」にも結構近いサウンドかな、と感じました。
まず特徴的なのは低音域でけっこう分厚い印象のサウンド。沈み込みもしっかり表現していて、重低音の表現もしっかりしています。解像度は価格相応という部分もありますが、横に広がるような響き方ではなく、締まりのある重量感のあるサウンドです。
いっぽうの高域はハイブリッドらしい硬質でキレのある音で分離性はも良好です。高域成分が強い曲では「ZS6」程ではないものの、適度な刺激を感じるかもしれませんね。全体的に明瞭感のあるサウンドで、低域が強い曲では少し上が細くなる場合もありますが、高域の伸び自体は比較的良好な印象です(この点は「ZS5」より少しだけ優秀かも)。
中音域は、かなりハッキリしたドンシャリ傾向ということもあり、ボーカルなどは1歩下がった印象で少し凹んで定位します。ただ低域で籠もるような印象はなく、少し広めの音場感を実感できるようなバランスになっていると思います。
改めて、「KBF MK3」を「KZ ZS5」「KZ ZS6」「PHB EM023」と比較すると、やはりサウンドバランス的には「ZS5」が最も近い印象を受けます。高域は「KZ ZS6」より多少控えめですが、低域は「KBF MK3」のほうが特に重低音の表現がしっかりしている印象で、「PHB EM023」と比較すると解像度などでは少し落ちるものの、よりドンシャリ傾向の強い派手めのサウンドに感じます。個人的な印象としては同じ「KZ ZS5」でも現在の「ZS6」と同じドライバー構成になっている「後期型」ではなく、もともとの「初期型ZS5」のサウンドをよりコンパクトなハウジングで実現しているような感じもありますね。
「KBF MK3」はロックやアニソンなどの派手めの曲や音数の多い曲との相性が良好で、メリハリのあるサウンドがいっそう楽しめると思います。また女性ボーカルのポップス曲も中域の凹みをほとんど感じずバランスの良い印象でした。
「KZ ZS5」よりコンパクトで装着性に優れ、最初から高品質なMMCXケーブルが付属する点を考慮すると、「ZS6」に対する「EM023」のように、「KBF MK3」も「ZS5」のアップグレード的製品として地味ですが普段使いのアイテムとしては「ちょっと良いイヤホン」かな、と思いました(^^)。
そのためレビューに大変共感出来ました。
私はこのイヤホンの「さ」行や高音が刺さることに悩んでいます。聴いてるのが辛いくらいなのですが、主さんのはどうでしょうか?