
こんにちは。今回も比較的ハイグレードな中華イヤホンのレビューです。紹介するのは中国のイヤホンセラー「Kinboofi」の最新オリジナルモデル「KBF MK6」です。このモデルは6BA構成のモデルでKinboofiでも最もハイグレードな位置づけのイヤホンとなります。
KinboofiオリジナルのマルチBAイヤホンにはこれまで4BAモデルの「KBF MK4」がありましたが、最近増えている中華イヤホンセラーオリジナルの製品のなかでも1ランク上のハイグレード製品として購入者からも高い評価を得ています。
→ 過去記事: Kinboofi 「KBF MK4」 同クラス最高レベルのビルドクオリティとバランスの良いサウンドが魅力的な 4BA 中華イヤホン【レビュー】



前回の「MK4」でみられたKinboofiのマルチBAイヤホンのポイントとしては、
・ 「音質にこだわりコストをかけたドライバー構成とチューニング」
・ 「美しい外観と丁寧な仕上がりの高度なビルドクオリティ」
・ 「音質調整が可能なスイッチ付きモデルの設定」 などが挙げられると思います。
そして今回「MK4」の上位モデルとして登場したのが6BA構成の「KBF MK6」になります。今回のモデルも上記の特徴を踏襲し、3万円台後半と最近の中華イヤホンのなかでも比較的高価格の設定となっています。ただサウンドバランス的には「MK4」でかなり完成している感はあるので、「KBF MK6」は「高音にこだわった」より尖ったマニア仕様、という感じかもしれませんね。


「KBF MK6」は赤いクリアシェルを採用しており、紅葉柄のフェイスパネルが特徴的です。今回も「スイッチ付き」モデルは「MK4」同様にサイドにスイッチが設定されています。


製品は今回もひとつひとつ職人によるハンドメイドで生産されており、サウンドチューニングでは「MK4」とは異なるキャラクター設定となっているようです。
購入はアマゾンの「Kinboofi」マーケットプレイスにて。価格は「スイッチなし」が 36,800円 、「スイッチ有り」が 38,800円 となっています。
Amazon.co.jp(Kinboofi): KBF MK6
※現在Kinboofiでは「KBF MK6」の3,500円OFFクーポンが出ています。購入時にクーポンを適用することで 33,300円(スイッチなし)/35,300円(有り)で購入が可能です。
■ハウジングサイズは少し大きくなったものの、ビルドクオリティは高く高級感のあるデザイン。
今回は先行して販売開始している「スイッチなし」モデルのほうでオーダーしました。「KBF MK6」パッケージも「MK4」同様に少し高級感のある化粧箱に入って届きました。比較的コンパクトなイヤホンケースに本体が収納されていることもあり、箱の大きさは腕時計やジュエリーのパッケージのようでもあります。


パッケージ構成は、本体、ケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、イヤホンケース、保証書。ケーブルはお馴染みの8芯銀メッキ線タイプです。


「KBF MK6」の本体は、今回もビルドクオリティは非常に高く、赤いクリアシェルの美しさが印象的です。「スイッチなし」モデルの場合、スイッチがある側面部分にはモデル名称が刻印されています。


また細かい部分ですが「KBF MK6」も「MK4」同様に、MMCXコネクタにはピンの折れ防止の対策が施された部品が使用されているなど、同価格帯の中華イヤホンのなかでもコストを掛け気を遣った作りになっているのは嬉しいところです。


「KBF MK6」のサイズは非常にコンパクトにまとめられていた「MK4」と比べると二回りくらい大きく感じるサイズになっています。ただ「KBF MK6」も装着感は十分に考慮されている形状となっています。ただ、付属のイヤーピースは2種類とも音質傾向的にチープさが否めないため、イヤホンのグレードにあったものを利用したいところです。個人的には、JVCの「スパイラルドット」やAZLA「SednaEarfit」、Acoustune「AET07」など、毎度利用している開口部の大きいタイプのイヤーピースとの組み合わせがよりフィット感を向上させ音質的にもお勧めです。


「KBF MK6」で搭載されるBAドライバーユニットは「Bellsing 30095」 ×2、「Knowles ED-29689」 ×1、「DTEC-31116」(2BA) ×1 、「CI-22955」 ×1 の 4Way 構成となっています。「KBF MK4」(Bellsing 30095×2、Knowles 29689、22955)と比較するとデュアルドライバーのDTEC-31116が追加された内容ですね。ドライバーのクロスオーバーはフィルターと側面に配置された基板の抵抗などで制御されています。スイッチ付きモデルはこの抵抗値などをコントロールすることでサウンドに変化を与える仕様となっているようですね。
■「MK4」の高音質をベースにさらに高音域をグレードアップ。再生環境&リケーブルにはこだわりたい?
「KBF MK6」(スイッチなしモデル)の音質傾向は「KBF MK4」のサウンドを踏襲し、さらに高域寄りのチューニングにした印象です。箱だし段階での印象でもかなり良いですね。かなりスッキリ感のあるサウンドで、特に高域の解像度の高さが際立ちます。

「KBF MK6」の高域はMK4よりさらに高高域も含めた解像度が向上した印象で、明るくキラキラ感のある音です。ただ付属ケーブルの組み合わせの場合、相対的にシャリ付きを多く感じやすく、刺さりなどの刺激を多少気にする方も多いかもしれません。この点については後述の通りリケーブルにより中低域のバランスが変化するためかなり印象を変化させることが可能です。

低域は中高域に比べると少なく、重低音を響かせるタイプではない点は「MK4」と同様で、印象としては軽快でキレのある印象。響きは少なく、音場感は左右より奥行きを感じるタイプの音です。分離感は非常によく、低域の解像度の高さも印象的です。
「KBF MK6」は、中高域寄りのセッティングながらバランスの取れたサウンドですので様々なジャンルの曲と合わせやすいと思いますが、特に、ロック、ポップスなどの相性は「KBF MK4」同様に非常に良いと思います。また、特に高域成分の多いアニソンなどや音数の多い曲ではリケーブルによるグレードアップを行いたいところです。

■Kinboofiの最新ケーブルへの交換でポテンシャルを発揮。大幅な変化を実感。
Kinboofiは、リケーブル用のイヤホンケーブルも多くリリースしており、非常に評価の高い製品も増えています。最近では1万円オーバーのハイグレード製品についても何種類かリリースしており、これらの製品の組み合わせにより「KBF MK6」は本来のポテンシャルを発揮し、音質面のグレードアップが行えます。



というわけで、「KBF MK6」は、中華マルチBAイヤホンの中でも群を抜いて評価の高い「KBF MK4」の高音質を踏襲しつつ、さらにハイエンドらしく高域を中心としたグレードアップが行われていました。

それにしても、これらのクオリティの中華イヤホンが登場することで、もちろん同様なイヤホンセラーの製品にも大きく影響すると思いますし、単に中華イヤホンの枠にとらわれず、これまでこの手の製品を購入したこのないポータブルオーディオマニアなどの層にも十分に訴求できるレベルの製品に仕上がっていると思います。
さらにKinboofiでは非常に高品質でコストパフォーマンスに優れたケーブル製品もリリースしていますので、ますますユーザーの垣根は広がっていきそうですね(^^)。
デザインが良いから購入しようかなと考えてる最中です
ドンシャリ型が好きな自分には合わなそうで残念ですが、ケーブルで重低音と低音を補強できますか?
できるならどのケーブルが良いですか?