NICEHCK TYB2 CY1

こんにちは。前回に引き続き、中国のイヤホンセラー「HCK Earphones」の新しいイヤホンケーブルの紹介です。今回紹介するのは「NICEHCK TYB2」(16芯 ミックス線)および「NICEHCK CY1」(8芯 純銀線) の2種類です。前回の低価格ケーブル2種類とあわせてまとめてオーダーしました。

HCK Cable中華イヤホンケーブルの16芯タイプは5千円~クラスの価格帯ながら非常に情報量が多く、日本国内で販売される1万円オーバーのリケーブル製品を上回るリケーブル効果が得られるなどコストパフォーマンスが高さが特徴的です。HCKも昨年後半から16芯タイプのケーブルを販売していますが、今回の「NICEHCK TYB2」で、そのなかにようやく銀メッキ線&高純度銅線のミックス仕様のケーブルも加わった事になります。
また「NICEHCK CY1」の「純銀線」はどの程度本気の「純銀」なのか、という問題はあるものの(中華イヤホンケーブルにおける「純銀線」については「解説編」にて触れていますので詳しくはそちらを参照ください)、HCKとYinyooの両ブランドから同様のケーブルが販売されており(おそらく同じ線材のブランド違い品)、まずは1万円クラスのハイグレードケーブルとして音質面が気になるところです。

購入はすべてアマゾンの「NICEHCK」または中国AliExpressの「NiceHCK Audio Store」にて。アマゾンではプライム扱いですぐに商品が届きますし、万が一の場合もアマゾン経由のサポートが受けられるので便利ですね。また中国からの発送となりますが、より低価格で購入した場合はAliExpressで購入するのもよいでしょう。AliExpressでの購入方法およびフォロワー値引きについてはこちらを参照ください。またHCK(@hckexin)のTwitterアカウントでは頻繁に割引情報等もツイートされますのでフォローの上こまめにチェックされることをお勧めします。


[ NICEHCK TBY2 ]  16芯 銀メッキ線&高純度銅線ミックスケーブル (レッド/シルバー)
NICEHCK 16 Core Copper Silver Mixed Cable 3.5/2.5/4.4mm Plug MMCX/2Pin Connector
【 MMCX 】【 中華 2pin/CIEM極性 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【4.4mm/5極 】
※現在アマゾンでは購入時に300円OFFの割引キャンペーン中です。
NICEHCK TYB2NICEHCK TYB2NICEHCK TYB2
HCKの新しい16芯タイプのケーブル。高純度銅(OFC)線と銀メッキ線を編み込んだミックス線ケーブル。HCKからは16芯は高純度銅線の「CT2」と銀メッキ線の「TDY3」の2種類が発売されていますがようやくミックス線が追加されたことになります。また(ピンクに近い)レッドとシルバーの線材を編み込んだカラーリングは、HCKで以前人気の高かった「8芯ミックスケーブル」(赤白タイプ、現在はおそらく在庫限り)の事実上の後継商品という見方もありますね。
NICEHCK TYB2NICEHCK TYB2
NICEHCK TYB2」もこれまでの16芯ケーブル同様に非常に柔らかく取り回しの良さは変わりません。コネクタおよび分岐部分のパーツはクロームメッキ処理が施されており従来の16芯ケーブルの「CT2」「TDY3」やYinyooなど他ブランドの16芯ケーブルより高級感を感じる仕上がりとなっています。
音質傾向としては16芯ケーブルの特徴である情報伝達量の多さは「NICEHCK TYB2」でも健在で、英ケーブルにより一定グレード以上のイヤホンのポテンシャルを大きく引き出すことが出来ます。付属ケーブルでは中高域が多少下がり気味だったイヤホンで明瞭感が一気に向上し見通しよく音が近づくような印象はこの価格帯では16芯ケーブル以外では感じられない要素でしょう。
TFZ KING IIINICEHCK TYB2
高純度銅線と銀メッキ線の「NICEHCK TYB2」ではさらに多少メリハリが向上し、より鮮やかを感じる明るいサウンドに変化します。そのため、もともと中高域の伸びが良い明るい傾向のイヤホンと合わせると多少わざとらしさを感じる可能性もありますが、中低域が厚めのイヤホンにさらに締まりやキレを与えるなど、多くのイヤホンで合わせやすいケーブルだと思います。またシングルダイナミックではTFZなどは純正アップグレードケーブルにミックス線が用意されているなど、「NICEHCK TYB2」と相性の良さを実感します。また最近の高音質化が進むKZやCCAのミドルグレード以上の製品や、TENHZやMaGaosiなどのハイブリッドおよびマルチBAイヤホンとも相性が良いと思います。
カラーリング的にも見栄えのするケーブルですので、色々なイヤホンと組み合わせて音質的にも見た目にもアップグレードに活用したいですね。


[ NICEHCK CY1 ]  8芯 純銀線ケーブル (シルバー)
NICEHCK 8 Cores Pure Silver Cable 3.5/2.5/4.4mm Plug MMCX/2Pin Connector
【 MMCX 】【 中華 2pin/CIEM極性 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【4.4mm/5極 】
※現在アマゾンでは購入時に1,000円OFFの割引キャンペーン中です。
NICEHCK CY1NICEHCK CY1NICEHCK CY1
1万円前後の価格帯で販売されている「純銀線」ケーブル。これまで中華ケーブルの世界では国内で販売されている数万円クラスの「純銀線」と同等のケーブルとして確認できているのは1種類のみで、過去に1万円前後で販売された他の製品は銀メッキ銅線等を芯材に純銀線を巻き付けるなど、実質的には混合線タイプのケーブルでした。
今回の「NICEHCK CY1」と同種のケーブルと思われるYinyoo「YYX4821」は現時点ではどの程度「本物」の純銀線ケーブルか、は使っているとされる純銀の純度も含め未知数ですが、私のレビューではあくまで1万円クラスのケーブルとして、同価格帯との音質面の比較で評価をしたいと考えています。
NICEHCK CY1NICEHCK CY1
NICEHCK CY1」は透明な柔らかい被膜で覆われた8芯線で見た目にも美しく、取り回しも良好なケーブルです。プラグや分岐部分のパーツにはHCKのハイグレードケーブルで用いられている部品が使用されており、通常の8芯線と比較しても高級感のある仕上がりとなっています。
音質傾向としては過度な派手さはなく、明瞭さより自然さを感じるサウンドながら、銀線らしいS/Nの高さを実感する「高級な音」がするケーブルです。このケーブルの良さを実感する上ではイヤホン側にも十分なポテンシャルを要求しますが、比較的情報量の多い、ミドルグレード以上の銀メッキ線ケーブルと比較しても、より1音1音が生々しく、他では聞こえてこない細かな音をしっかり捉えるなどより澄んだ印象になるケーブルです。
NICEHCK CY1NICEHCK CY1
そのため、よりハッキリとした明瞭感などは上記の「NICEHCK TYB2」のような16芯ケーブルのほうが高く感じますが、サウンドバランスに優れたマルチBAや、リケーブルによる変化の大きいシングルダイナミックとの相性の良さを感じますね。「丸七銀龍」(19,800円)や「KBF4782」(16,999円)といった他の「純銀線」と比べた場合、価格なりの音の違いは感じますが比較的似た傾向のサウンドで、一般的な銀メッキ線とは多少異なる印象です。とりあえず聴いた印象としては「純銀線」として捉えても良いのかなと感じました。また組み合わせるイヤホンによってリケーブル効果は多少変わりますが、ある程度ハイグレードなイヤホンの場合、1万円程度のケーブルとしては非常に優れた傾向を持つケーブルだと思います。

というわけで、前回と今回でHCKの新しい低価格、ミドルグレード、ハイグレードのケーブルを紹介しました。昨年頃から中華イヤホンケーブルの高品質化が進んでいるのは繰り返し書いていますが、あらためて新しいケーブルもコストパフォーマンスの高さを実感しました。同時に音質傾向も最近の中華イヤホンの高音質化にあわせてより本格的なものになってきているなと感じます。今後もケーブル沼はまだまだ深くなりそうですね(^^;)。