
こんにちは。今回紹介するのは「Yinyoo Topaz」です。中国のイヤホンセラー「Easy Earphones」が中心となって展開する「Yinyoo」ブランドもいわゆるOEM/ODM製品や「HQ/HX」シリーズのようにハンドメイド的な小ロット品が中心でしたが、「Yinyoo V2」あたりから自社企画によるファクトリービルドの「自社製品」を次々と手がけるようになってきました。

「Yinyoo」ブランドの「自社製品」が展開するレンジもまさにこの1万円台の激戦区で、先日レビューした「Yinyoo D2B4」に続いて、より独自色を鮮明に打ち出したハイブリッドイヤホンが今回の「Yinyoo Topaz」となります。
宝石の名前が付けられた「Yinyoo Topaz」は、その名称通り非常に美しいカッティングが施されたフェイスパネルが特徴的なイヤホンで 4BA+1DD 構成のハイブリッド仕様となります。
その美しいハウジングは高品質なアルミ合金のCNC加工による精密加工で製造されており、表面加工にもこだわった仕上がりとなっているようです。


搭載されるドライバーはまず4基のバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーはBellsing製でミッドレンジをカバーするデュアルBAユニットと高域用のツィーターBAユニットを2基による構成となっています。さらに低音域はバイオセルロース製振動膜を使ったを10mmのダイナミックドライバーを採用しています。


また「Yinyoo Topaz」はインピーダンス12Ω ±20%、感度は106dB ±3dB /mWで、比較的音量の取りやすい仕様となっています。
「Yinyoo Topaz」のカラーは「ブラック」と「ブラウン」の2色が選択できます。


購入はいつもお世話になっている中国のイヤホンセラー「Easy Earphones」より。アマゾンでは「WTSUN Audio」より購入できます。価格はAliExpress(中国から発送)が 138ドル、アマゾンが 16,998円 となっています。AliExpressでの購入方法およびフォロワー値引きについてはこちらを参照ください。
AliExpress(Easy Earphones): Yinyoo Topaz
またアマゾンではプライム扱いで国内出荷ですぐに届きますし(在庫切れの場合は中国発送の場合もあり)、アマゾン経由でのサポートを受けられる点がメリットですね。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): Yinyoo Topaz
※WTSUN Audioでは現在「Yinyoo Topaz」で使える現在2,000円OFFのクーポンを配布しています。
※また購入時にクーポンコード「 4T9VZ9A6 」を入力すると3,000円OFFとなり、上記クーポンおよび通常値引き(3,000円以上で100円OFF)とあわせて5,100円OFFの 11,898円 で購入可能です。


またAliExpressでは「Yinyoo Topaz」用コネクタに対応した銀メッキ線「アップグレードケーブル」も 12ドル で販売しています。※アマゾンでも 1,899円で販売を開始しましたね。「Yinyoo Topaz」はqdc仕様(=KZ Cタイプ)コネクタを採用していますので後述の通り対応する他のイヤホンにも実は流用できたりするのでちょっと便利アイテムとして覚えておくと良いかもしれません。こちらは「Yinyoo Topaz」の購入リンクでバリエーションのひとつとして選択ができます。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): Yinyoo Topaz用アップグレードケーブル
なお、Easy Earphones(@hulang9078)およびWTSUN Audio(@Zhuo520X)のTwitterアカウントでは割引情報なども頻繁にツイートされていますのでフォローのうえこまめにチェックされることをお勧めします。
■従来よりパッケージサイズも変更。凝ったフェイス加工が美しいデザイン
「Yinyoo Topaz」のパッケージは、最近のYinyooブランドと同じブルーのボックスではありますが、大きさがひとまわり大きいタイプなっています。ボックスを開けると、ケースとは別にイヤホン本体は入っており、最近のイヤホンのパッケージに近いレイアウトになっています。Yinyooでもファクトリーメイドの自社製品では今後このタイプのパッケージで提供されるケースも増えてくるのかもしれませんね。どちらにせよ、メーカーとしてなかなか気合いが入っている製品であることを伺わせます。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル(黒)、イヤーピース(黒・SS/S/M)、オマケのイヤーピース(グレー・S/M/L)、ケーブルフック、ケース、保証書。また今回「Yinyoo Topaz」と別売りの「アップグレードケーブル」(グレーのケーブル)の両方が届きました。


「Yinyoo Topaz」の金属シェルは予想以上に美しく、宝石のカットを思わせる角度による光の加減で見え方が変わるデザインはとても印象的です。ハウジングのサイズは4BA+1DDのハイブリッドとしては比較的コンパクトで長めにデザインされたステムを耳奥までしっかり挿入する形状となっています。そのため、付属するイヤーピース(黒い方)は通常よりサイズの小さいものが付属します。またこの黒いイヤーピースは一見すると「final Eタイプ」の「SSサイズ/Sサイズ/Mサイズ」に非常に酷似したものになっています。装着性は良好でビルドクオリティの高さもあって装着状態での「見た目」的にもかなり良い印象のイヤホンといえますね。


付属のケーブル(黒いケーブル)は手触りのよい柔らかい樹脂被膜で覆われており、取り回しは良好です。いっぽう、アップグレードケーブルのほうはグレーの半透明樹脂被膜で覆われた銀メッキ線で、カラー以外は「BGVP DMG」のマイクなしモデルに付属しているケーブルのコネクタ違い、といった感じです。おそらく同じ線材のケーブルだと思われます。
■聴きやすいバランスのハイブリッドサウンド。アップグレードケーブルで中高域も覚醒?!

ハイブリッドらしい立ち上がりの早さはありますが派手さより中音域の音場感を楽しむタイプのサウンドです。
そのため高域は明瞭感はあるものの量的には抑え気味で高域好きには物足りなさを感じそう。また低域は十分な量感がありますが、低域寄りの印象が強かった「Yinyoo D2B4」よりは自然なバランスになっています。
またリケーブルでの印象の変化は大きく、できれば「アップグレードケーブル」などへのリケーブルは「Yinyoo Topaz」のポテンシャルを発揮する上では個人的には必須かなと感じました。
「Yinyoo Topaz」の高音域はハイハット等も綺麗に鳴ってくれる明瞭感のある音ですが量的には若干少なめな印象。とはいえ煌めきのある硬質な音で比較的距離も近く籠りなどもないスッキリ目の印象です。最近の流行り?に合わせて、聴きやすいバランスにコントロールされた印象ですが、多少好みの分かれる要素かもしれませんね。
ただ、この高域は後述の通り「アップグレードケーブル」に交換することで大きく印象が変化し、ぐっと量感および存在感がアップします。銀メッキ線ケーブルへのリケーブルでも同様の効果が得られると思います。

低音域は量的には比較的多く存在感のある音を鳴らします。若干膨らむ印象もありますが適度にコントロールされており、中高域との分離性も高い印象です。さらに重低音の沈み込みも深く締まりの良さも感じます。低域の響きは少なく、比較的立ち上がりは早い印象。それでも人工的で硬質さとはならず自然な印象にまとまっているのはバイオセルロースのダイアフラムの恩恵かもしれませんね。想像以上に質の高い低音域だと感じました。

ただし音質面に関しては付属ケーブルでは「本気を出していない」印象は強く、やはりリケーブルは必須だと思います。
AliExpressでは製品と同時に「アップグレードケーブル」も販売されているため、できれば一緒に購入した方がよいでしょう。アマゾンでも販売を開始しましたので、すでに「Yinyoo Topaz」を持っている方も追加での購入をお勧めします。
他のケーブルでのリケーブルの場合、やはり「アップグレードケーブル」同様の銀メッキ線やミックス線ケーブルとの相性の良さを感じます。「Yinyoo Topaz」はqdc仕様のコネクタタイプのため、仕様に合致するケーブル製品は少ないですが、通常の0.78mm 中華2pinタイプのケーブルをそのまま使用することも可能です。


Yinyooブランドの場合「YYX4778」(16芯 銀メッキ線/ブラック)や「YYX4807」(16芯 ミックス線/ブラウン・シルバー)などはよりリケーブル効果を発揮させる上では良い選択肢でしょう。また、「YYX4810」のようなOCC線タイプのケーブルは「Yinyoo Topaz」の音質傾向を全体的に向上し厚みが増した「濃い音」に変化します。
これらのケーブルは2pin仕様を使用するほか、L.Sオーディオが販売するMMCX-qdc変換コネクタで接続する方法もあります。また2pinで繋いだ場合、パイオニアのコネクタシールドを使って接続部分を補強されるのも良い方法ですね。


なお、qdcコネクタ仕様で販売されているケーブルで銀メッキ線ケーブルの「NOBNAGA Labs 白虎」を使ってみたところ、少し硬めのケーブルのためタッチノイズは発生したものの、アップグレードケーブル同様に中高域の明瞭感の向上を実感できました。
というわけで、「Yinyoo Topaz」はその独創的で美しいフェイスデザインと音質面でもより多くの人に受け入れやすいサウンドバランスと質の高い中低域が特徴的なイヤホンでした。中華イヤホンの中でも激戦区の1万円クラスの製品で、あえて音質的には突出した個性は狙わず、デザインも含めた「使い勝手の良さ」で挑んできたアプローチはこれはこれで十分に「有り」だと思いました。またイヤホン自体のポテンシャルは高く、「アップグレードケーブル」により手軽にサウンドをグレードアップできるのも魅力ですね(「アップグレードケーブル」もなかなか品質の高い銀メッキ線で、最近のKZやCCAでも転用できるため、アマゾンでも比較的低価格で販売されれば別の用途で売れちゃうかもしれませんね^^;)。今後の同ブランドの製品展開にも期待したいと思います。
NICEHCK M6とTFZ KING PROを持っているのですが、こちらのイヤホンの低音はその2つと比べるとどのような感じですか?アタック感とキレが気に入っていて、全体的なバランスはKING PROの方が気に入っているのですが。