TRN BT20S / KZ HD Bluetooth Upgrade Cable

こんにちは。このところワイヤレス製品のネタが続いていますが、今回はリケーブル対応イヤホンを高音質ワイヤレスイヤホンとして利用するケーブル2種類の紹介です。ひとつはTRNの「atX対応」でTWS化する「TRN BT20S」で、もうひとつはKZのaptX HD対応Bluetoothケーブル「KZ HD Bluetooth Upgrade Cable」です。どちらも既存製品のアップグレードモデルで、Bluetooth 5.0に加えて「aptX」や「aptX HD」といった高音質コーデックに対応しつつ比較的低価格を実現した製品になります。

「TRN BT20S」 ワイヤレスイヤホンケーブル (QCC3020搭載、Bluetooth 5.0、aptX/AAC対応)
TRN BT20S aptX/AAC aptX Bluetooth 5.0 Ear Hook MMCX/2Pin Earphone Bluetooth Adapter
【 0.78mm 2pin 】【0.75mm 2pin】【 MMCX 】
AliExpress(NiceHCK Audio Store): TRN BT20S 37.35ドル
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TRN BT20STRN BT20STRN BT20S

リケーブル対応イヤホンをイヤーフック方式で完全ワイヤレスにするアダプターのアップグレードモデル。以前の「BT20S」はReaktek製チップでBluetooth 5.0対応ながらコーデックはSBCのみでしたが、アップグレードされた「TRN BT20S」ではQualcommの「QCC3020」を搭載し、aptXおよびAACコーデックに対応するなどミドルグレードクラスのTWSに匹敵するスペックに大幅な機能アップが行われました。類似した製品に「FOSTEX TM2」などもありますが、こちらはQCC3026を搭載するものの3万円近い価格設定と非常に高額で改めて「TRN BT20S」のコストパフォーマンスの高さを感じさせます。

TRN BT20STRN BT20S
TRN BT20S」のパッケージはTRNの低価格イヤホンと同じシンプルな白箱タイプ。ただし、イヤホンのカラーバリエーション同様に2pinタイプ、MMCXタイプとモデルごとにパッケージ写真を変えており、実はしっかりと作られたパッケージであることがわかります。
TRN BT20STRN BT20S
パッケージ内容は、ワイヤレスアダプタ本体、充電用USBケーブル、説明書、保証書など。充電コネクタはmicroUSB仕様で、充電ケーブルは2股のmicroUSBコネクタに分岐するタイプのものが付属します。さすがに充電ケースに収納するTWSのような利便性はありませんが、専用ケーブルを使った充電も思ったほど煩雑ではありませんでした。
TRN BT20STRN BT20S
TRN BT20S」は装着時でも重量はほとんど気にならないレベルで耳掛け部分もやや曲げは強めですがしっかり耳にフィットします。最大8時間の連続再生が可能とバッテリー性能も十分です。ボタンを1回クリックで再生/停止および受話/終話となり、電源ON/OFFは3秒以上長押しです。
それ以外の操作は曲送りが「2回クリック」、曲戻りが「3回クリック」、Siriは「2秒長押し」となります。他には電源ON時に5秒押し続けると再ペアリング、着信時に2回クリックで着信拒否となります。操作は慣れれば特に違和感はないと思います。
TRN BT20STRN BT20S
TRN BT20S」はaptX/AAC/SBCの各コーデックに対応していますが、aptX対応のAndroidデバイスとペアリングするとAACが選択できない仕様になっているようです。もちろんiPhoneの場合はAACコーデックでペアリングが行われます。

TRN BT20S」は手持ちのイヤホン用のBluetoothケーブル製品と比較してもかなり明瞭感のあるサウンドで反応の良いマルチBAイヤホンでは多少のホワイトノイズは乗るものの、イヤホンのキャラクターを十分に反映し再生させる能力があります。TFZのなかでもフラット傾向の強い「MY LOVE EDITION(MLE)」を組み合わせてみましたが音質面でも使い勝手の上でも非常に相性が良く、思わずワイヤレス専用にもう1個MLEを追加で購入しようかと思ってしまいました。
TRN BT20STRN BT20S
もちろん、中華ハイブリッドなどの寒色系ドンシャリのイヤホンもキレの良いサウンドで楽しく聴くことができます。しいて言えばaptX対応となることで中高域がよりハッキリした印象のサウンドとなるため、イヤホンによっては多少派手めに感じるかもしれませんね。印象としては数万円クラスのイヤホンと組み合わせても十分に実用的なサウンドを楽しめると感じました。
また、最近のKZ製イヤホンなど突起部の大きい「タイプC」仕様のイヤホンの場合はコネクタシールドを併用するのが良さそうです。このように「TRN BT20S」は非常に完成度の高い製品で、今回は2pinタイプで購入しましたがMMCX仕様も追加で購入しようと考えています。


「KZ HD Bluetooth アップグレードケーブル」 (CSR8675搭載、Bluetooth 5.0、aptX HD対応)
KZ aptX HD CSR8675 Bluetooth 5.0 Wireless Upgrade Cable Applies Original Headphones
【 KZ Type B (AS10/AS06/ZS10/CCA C10/CCA C16、 etc.) 】
【 KZ Type C (AS16/AS12/ZS10 Pro/ZSN Pro/CCA A10/KB10/KB06、etc.) 】
【 MMCX 】
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KZ HD Bluetooth Upgrade Cable KZ HD Bluetooth Upgrade Cable

次に紹介する「KZ HD Bluetooth Upgrade Cable」は、以前紹介したKZ純正aptX対応Bluetoothケーブルのアップグレードバージョンで、より高性能な「CSR8675」チップを搭載し、「aptX HD」コーデックに対応したワイヤレスケーブルになります。現在のところ、「KZ AS06」や「CCA C10」などに対応する「KZタイプB」と、「KZ AS16」「KZ ZS10 Pro」など最近のモデルに対応する「KZタイプC」の2種類。aptXケーブルで選択できたMMCXタイプがリリースされていないのは少し残念ですが、※新たにMMCXタイプもラインナップに追加されました。
KZやCCAなどのイヤホンを手軽にワイヤレス化するうえではもちろん最適な製品といえるでしょう。また最近ではKZの工場で生産されている「TRIPOWIN TP10」や「KBEAR KB10」「KBEAR KB06」といったモデルも「KZタイプC」コネクタが採用されています。
KZ HD Bluetooth Upgrade CableKZ HD Bluetooth Upgrade Cable
KZ HD Bluetooth Upgrade Cable」のパッケージはKZの純正ケーブル同様の非常にコンパクトなパッケージに収納されています。内容はケーブル本体、充電用USBケーブル、説明書、保証書。
KZ HD Bluetooth Upgrade CableKZ HD Bluetooth Upgrade Cable
KZ HD Bluetooth Upgrade Cable」はグレーのカラーリングで、以前紹介したaptXタイプのケーブルのブラックとは異なる色合いとなっています。ただコネクタ部分および本体リモコン部分の形状は同一となっています。
KZ HD Bluetooth Upgrade CableKZ HD Bluetooth Upgrade Cable
こちらもBluetooth 5.0、atpX HDにも対応するMate 20 Proでペアリングしてみると、確かにaptX HDコーデックが選ばれていることがわかります。こちらの場合SCB/AAC/aptXが選べるようになりました。この辺の部分はチップセットの特性といったところでしょう。
KZ HD Bluetooth Upgrade CableKZ HD Bluetooth Upgrade Cable
「KZ ZS10 Pro」のように比較的反応の良いイヤホンと組み合わせた場合、再生時にホワイトノイズを若干感じることがありますが「KZ HD Bluetooth Upgrade Cable」も明瞭感のある派手めの鳴り方をします。「aptX」モデルよりさらに中高域はハッキリした印象となり、やはりKZの寒色系サウンドとの相性の良さを感じます。「TRN BT20S」と比較すると「KZ HD Bluetooth Upgrade Cable」のほうがドンシャリ傾向が強い音で、低域が厚めの「KBEAR KB06」などと組み合わせるとより低域の響きが強めに出る印象です。もうすこし長時間のテストが必要ですが、接続性については「TRN BT20S」より安定した印象がありました。やはりケーブル式のほうが性能面や安定性においては有利なのだなと感じます。とりあえずKZ製イヤホンのワイヤレス化で最適な製品であることは間違いなさそうです。


なお、「TRN BT20S」および「KZ HD Bluetooth Upgrade Cable」どちらの製品もIPX5の防水性能を持ちますが、そもそも組み合わせるイヤホンがまず防水ではないはずなので、ほぼ意味のない要素だと考え特に記載をしませんでした。あらかじめご了承ください。
TRN BT20S / KZ HD Bluetooth Upgrade Cableというわけで、TRNとKZそれぞれのワイヤレスアダプタ、ケーブルを紹介しましたが、どちらも完成度は高く中華イヤホンのワイヤレス化には最適なケーブルでした。個人的にはaptX HDタイプのKZケーブルでMMCX版がリリースされていないのが残念なところです。こちらもaptX版同様にリリースが待たれますね。また、あえて触れませんが、現時点でスペック以外の部分での問題もないわけではないのですが、製品としての完成度はどちらも非常に高く、すくなくともコストパフォーマンスの面では同種の国内製品を圧倒するレベルに仕上がっていると実感しました。今後諸々の問題も解決し、手放しでお勧めできる製品になるとよいなと期待したいと思っています。