こんにちは。約半年ペースでやっている購入&レビューしたイヤホンの「好みイヤホンランキング」ですが、4回目となる今回はちょっと趣向を変えて、いわゆる「低価格中華イヤホン」くくりのランキングを紹介したいと思います。このジャンルは「KZ」などのメーカーが牽引し常に多くのモデルがリリースされており、私自身の「趣味」的にも手を出しやすい分野のため、必然的にレビューをしている種類も最も多くなります。また私の悪いクセというか、つい「カラバリを買い揃えてしまう」というのも低価格イヤホンならではのことですね(^^;)。
→ 前回(2019年4月版)の購入イヤホン「個人的な好みランキング」ジャンル別トップ3
ということで前回までの「ジャンル別」の中で「低価格中華イヤホン」と呼ばれる製品(100ドル以下、60ドル台後半くらいまでの中華イヤホン)のみをピックアップしてのランキングとなります。「トップ10」といいながら実は12種類紹介していたり、オマケが3種類あったりで、実際は15種類のイヤホンを紹介しているあたりは、どうかご容赦ください(滝汗)。
従来までの「ジャンル別ランキング」も次回、年末年始くらいでやろうかな、と思っていますので、そちらの更新はもうしばらくお待ちください。
なお、毎回記載していますが、「個人的な好みランキング」は普段のレビュー(「レビュー方針」の通りさまざまな利用シーンを想定して書いています)とは異なり、あくまで「私個人の好み」のみでのランキングですので、通常のレビュー評価とは必ずしも一致しません。また私自身が「個人的にどれくらい好みか」というのを、
「総合評価」
・「音質」
・「デザイン(およびビルドクオリティ)」
・「装着性」
・「コストパフォーマンス」※ランキング時点
「好み加点」
・「見た目の好み」
・「傾向の好み」
・「利用頻度」
といった視点で極めて主観的に割り振った「好み評点」をつけています。
このうち、「総合評価」の「コストパフォーマンス」および、「好み加点」の各項目は相対的に「かなり頻繁に」変動するため、同じイヤホンでも前回より「好み評点」が上下する場合があります(笑)。今回から「好み評点」を「総合評価」と「加点」に分けました。
このような理由のため過去のレビューで評価が高くても入れていないイヤホンも多くありますし、ランキングが前回と比べて変動することがあります。異論も多数あると思いますが「あくまで私の好み」ですのでご了承ください。また、個々の詳細のレビューについては各「レビュー」リンクを参照くださいね(^^)。
【低価格中華イヤホンランキング・TOP3】
何故か「ZS10 Pro」がトップでTFZ勢が2位・3位。もう「好み」丸出しですね。共通してるのはトップ3はどれも「レビュー掲載後」にカラーバリエーションを「買い増し」してるところ。分りやすく好きなイヤホンで利用頻度も高いのだな、というのが自分でも納得です(^^;)。
① KZ ZS10 Pro [ レビュー ] (37ドル前後~ / 実質4,535円~) 4BA+1DD
好み評点: 220 (総合評価 155 + 好み加点 65 )
第1位は低価格中華イヤホンの新しい「定番」になりつつある「KZ ZS10 Pro」です。実は音質を含めた「総合評価」では5位の「CCA C12」「KZ ZSX」より低いポイントで、さらに10位の「CCA C10」および「KZ AS06」と比べてもそれほど大きな差はなかったりします。にもかかわらず、今回は「えこひいきレベル」の「好み加点」で第1位にしてしまいました。
選定理由は個人的な利用頻度の高さで、なにより私自身がカラバリを5種類も買っている時点でこれは1位じゃないと、ということにしました(5個分の価格でそこそこなイヤホン買えますね・・・^^;)。※実質価格は上記「レビュー」に掲載のクーポンコードを含めています。
アマゾンでも5千円以下で購入できる手頃感ながら4BA+1DD構成のスペックと見た目の説得力の高さは中華イヤホンのマニア以外の方にも納得の仕上がり。結局のところ力強くキレのある寒色系ドンシャリという「中華ハイブリッド的サウンド」というのはKZによって醸成された傾向で、現時点でその「らしさ」を分りやすく表現している代表的モデルはやはり「KZ ZS10 Pro」ではないかと思います。手軽に高音質を楽しめる普段使いのイヤホンとして、普段はより高級なイヤホンを使っているマニアも「中華イヤホンの音」を味わうためのアイテムとして、カラバリの豊富さ同様にとにかく「利用範囲の広い」イヤホンだと思います。
② TFZ MY LOVE EDITION [ レビュー ] (59ドル / なし) 1DD
好み評点: 210 (総合評価 170 + 好み加点 40 )
現時点では並行輸入版も含めアマゾンなどでは入手不可で、AliExpress等のみでしか購入できませんが、TFZの「MY LOVE EDITION」(通称「MLE」)は、おそらくマニア受けが良さそうなミドルグレードのフラット系サウンドを低価格イヤホンの範囲内で実現した、TFZのハイコスパ仕様ともいうべき製品です。「総合評価」ポイントでは今回、実質1位のイヤホンです。
「MY LOVE」シリーズ(正確には「MY LOVE 2」以降)は、既存モデルのハウジングやドライバーを使い、異なるチューニングと割安な価格設定で毎年リリースされています。その2019年モデルの「MY LOVE EDITION」では、スペック的には「KING PRO」(国内版価格16,800円)と同じドライバーユニットを樹脂製のハウジングに搭載しつつ、第3位の「T2 Galaxy」(T2G)と同じ59ドルにまとめたスペシャルモデルとしてリリースされました。
「TFZ MLE」の音質傾向的には解像度やキレは金属ハウジングの「KING PRO」よりやや低いものの、フラット系のバランスの良いサウンドはこの価格帯では特筆モノ。「HiFi(原音忠実)」という言葉の通り、イヤホンやヘッドフォンも気がつけばフラット系の傾向を好むようになる方も多いと思いますが(実際高価格帯の製品の多くはフラット傾向ですね)、そのようなニーズにもお手頃価格で応えるなかなか手堅いイヤホンです。発売後も人気のため追加のカラーバリエーションが投入され、なかには私も追加購入したクローム処理による鏡面仕上げのモデルもあります。ひとしきり低価格中華イヤホンを楽しんた「次のステップ」に「TFZ MLE」は最適な製品でしょう。また比較的低価格ですのでマニアの普段使い用としてもアリですね。
③ TFZ T2G (T2 Galaxy) [ レビュー ] (59ドル / 7,500円~) 1DD
好み評点: 200 (総合評価 165 + 好み加点 35 )
第3位は、私の「好みイヤホンランキング」でもすっかり「常連」の「TFZ T2G」(T2 Galaxy)です。「MLE」がフラット系で攻める製品なら、こちらはTFZ伝統の寒色系ドンシャリの製品。やや中音域寄りだった「SERIES 2」の傾向を踏襲しつつより解像度が高くキレのあるサウンドを実現し、TFZの普及モデルの代表選手となりました。
そのサウンドは他のスペックモンスター化しているハイブリッド勢と比べてもまだまだ遜色なく、総合評価も好み加点もバランス良く高得点。海外では「SERIES 2」の上位仕様となる「S2 PRO(SERIES 2 PRO)」も「TFZ MLE」同様に第2.5世代ドライバーを搭載してリリースされており、「TFZ T2G」もそろそろ世代交代なのかもしれません。その関係もあってか国内版の価格も少しこなれてきていますので、結構狙い目かもしれませんね。
【低価格中華イヤホンランキング・第4位~5位】
KZ/CCA陣営とTRNの最新モデルはこのポジションに相次いでランキング。「KZ ZSX」はブログコメントで気になる指摘をいただいたりで「CCA C12」とセット扱いになりました。個人的にはデザインとしてはZSXのほうが好みなんですが・・・。そして「TRN V90」はちょっとビックリ。買いです(笑)。
④ TRN V90 [ レビュー ] (41ドル前後 / 5,899円) 4BA+1DD
好み評点: 195 (総合評価 165 + 好み加点 30 )
順位としてはこのポジションですが、「オススメ度」としてはもしかしたらダントツでNo.1なのが、この「TRN V90」です。なんというか今までのイメージもあってあまり売れてないようですが、間違いなく良いイヤホンです。超オススメ(笑)。そのため「総合評価」ではTFZの2モデルと同等で今回ランクインしたKZ製品より高く設定しました。つまり、音質面では低価格ハイブリッドの中ではトップですね。
「TRN V90」は、次の「CCA C12」と「KZ ZSX」と僅差で上回ったのがまさかのTRNの最新モデル。TRNは私のブログでは最初の「V10」以降、どうも厳しめのレビューが続いていたのですが、そのなかでもモデルごとに着実に品質向上のための取り組みや音作りの改良を重ねていることは実感していて、別に頼まれてもいないですが新モデルはとりあえず買って試しています。
そんななか「TRN V90」は「遂に来た」という感じの大金星ですね。ビルドクオリティの高さ、KZとは異なるベクトルでの「深く広がりのある音場感」が楽しめる音作りで、個人的にはKZやCCAの最新モデルを追い抜きました。マイナーな製品のため、実質価格では少し割高ですが、もっと多くの方に挑戦してほしい高音質イヤホンだと思います。
⑤ CCA C12 [ レビュー ] (37ドル前後 / 実質4,593円~) 5BA+1DD
⑤ KZ ZSX [ レビュー ] (42ドル前後 / 実質4,858円~) 5BA+1DD
好み評点: 190 (総合評価 160 + 好み加点 30 )
「KZ ZSX」と「CCA C12」は、最新のKZおよびCCAの5BA+1DDハイブリッドモデルですがこの順位で。総合評価では「KZ ZS10 Pro」より高く、KZ系では現時点でのフラグシップに相応しい完成度の高いサウンドなのですが、個人的な「好み度」で「KZ ZS10 Pro」のほうが高くなってしまいました。
※実質価格は上記「レビュー」に掲載のクーポンコードを含めています。
まず「CCA C12」ですが、これは「好み」によっては完全に「KZ ZS10 Pro」とどちらに振るか、という製品だと思います。第10位の「CCA C10」のサウンドの正当なアップグレード版で、さらにいうと無印「KZ ZS10」の傾向を踏襲した最新モデルともいえるでしょう。この系統の音が好みの方であれば間違いなく「KZ ZS10 Pro」より「CCA C12」のほうがお勧めです。私の好み評点がやや低いのは「利用頻度」で、「わかりやすく中華」(笑)な「KZ ZS10 Pro」に比べて、(より高価格帯に)選択肢のある傾向に感じてしまうからですね。逆に言えばより高価格帯の製品と比較出来るという点で純粋にイヤホンとしての完成度やコスパは高いイヤホンだと思います。
いっぽう「KZ ZSX」は「CCA C12」と同じドライバー構成でチューニングもほぼ同じですが、ハウジングの違いなどにより「ややKZぽいアプローチ」に感じます。装着感はKZ系のなかではトップクラスなのですが、かつての「無印ZS10」や「AS10」「BA10」のように「今後の展開」につなげるためのモデルかな、という気もします。今後どのような新モデルに発展していくのか見守りたいと思います。
【低価格中華イヤホンランキング・第6位~9位】
KZのマルチBAモデル、TIN HIFI、そしてEasy系、HCKのオリジナルモデルがここにランキング。中華イヤホンのバラエティの豊富さを実感するラインナップです。ただどれもスマッシュヒットのレベルで、この辺の製品でKZやTFZの主力並みの大ヒット製品が欲しいところです。そうなると低価格中華イヤホンもさらに楽しくなりますね。
⑥ (TRI Audio) TRI-i4 [ レビュー ] (69ドル / 実質6,500円) 1BA+1DD
好み評点: 180 (総合評価 155 + 好み加点 25 )
「TRI-i4」は、Easy系の新ブランド「TRI Audio」のオリジナルイヤホン。おそらく「Yinyoo D2B4」や「KBEAR Hi7」といったモデルや某B○VPあたりの一部製品と同じファクトリーで作られた製品だとおもいます。これらの製品は1万円オーバーでドライバー数の多いスペック的にも訴求力のある仕様が多いですが、「TRI-i4」ではシンプルな「1BA+1DD」構成で低価格中華イヤホンのジャンルに収まる範疇になっています。しかしドライバー構成ではBA部分に「Knowles 33518」を採用しており、スペック面だけなら「FiiO FH1」や「ikko OH1」といった倍以上の価格の製品に匹敵する内容になっています。音質面の完成度も非常に高く、ボーカル映えする中高域メインのチューニングでやはり1ランク上のサウンドが楽しめます。「派手さ」が特徴の低価格中華イヤホンのなかで「まとまりの良さ」を感じる製品だと思います。
⑦ KZ AS12 [ レビュー ] (67ドル前後 / 実質7,700円~) 6BA
好み評点: 175 (総合評価 155 + 好み加点 20 )
最近のKZ系マルチBAモデルでは最後発の「KZ AS12」がこの位置で。気がつけばKZおよびCCAもいろいろなマルチBAモデルをリリースしていますが、同社の音作りを考えるとバランス的にも「KZ AS12」の構成が一番しっくりくるということかも知れません。8BAモデルの「KZ AS16」や「CCA C16」は微妙に低価格枠から外れますが、仮に含めてもランキングは変動しない感じです。マルチBAらしい中低域の解像感とKZらしい派手めのドンシャリを両立させたサウンドはとても楽しいですね。6BAイヤホンとしては価格も驚異的に安価でビルドクオリティの高さも感じます。これもマニアなら1個は持っていても、という感じの楽しいイヤホンです。
⑧ NICEHCK NX7 [ レビュー ] (75ドル / 実質7,731円) 4BA+2D+1Ceramic
好み評点: 170 (総合評価 160 + 好み加点 10 )
「NICEHCK NX7」はとにかく「凄い構成で凄い高音質」なイヤホンなのですが、何故か、スペック的にも価格的にもちょっと微妙な存在。好み評点では「低価格中華イヤホン」としては少し割高、ということでランキングを下げている感はあります。しかし、ドライバー構成的にはかなり豪華で、中高域寄りにキレッキレの音質傾向もかなりマニアックです。好み評点が低いのは、やはり内容に対してチープに見えてしまう外観で、価格レンジを上げてでももう少し作り込んでくれた方がよかったのにという「もったいなさ」からですね。同じ構成でも、より費用をかけた金属ハウジングとかに入れて100ドル以上の価格で販売したほうが「しっくり」くるようなイヤホンですね(個人的にも「所有欲を満たす」という意味で高評価を付けそう)。こちらも逆に言えば「こんな変態スペックのイヤホンをこの価格で買えちゃうんだ」という驚きがある「いかにもHCK」な製品ではあります(^^;)。
⑨ TIN HIFI T3 [ レビュー ] (53ドル前後 / 実質6,500円~) 1BA+1DD
好み評点: 165 (総合評価 155 + 好み加点 10 )
「TIN HIFI T3」は、一部で熱狂的に評価の高い「TIN HIFI(TIN Audio)」の定番モデルですが、ランキングとしてはこれくらいが本来のポジションかな、と思います。個人的にはとても好きな傾向ですし、ビルドクオリティの高さも特徴的ですが、やはり「マニア向け」の製品であるとは思います。中高域の表現が特徴的だった「T2」とそこから高域を強化した「T2 Pro」がありますが、「TIN HIFI T3」は「T2」の正統進化モデルという印象。ただバランス良くチューニングしたことで「T2」の「ちょっと好みが分かれる中音域の主張感」が抑えられ、普通にスッキリした良イヤホンになった感はありますね。
【低価格中華イヤホンランキング・第10位】
KZ/CCAの要するに「従来モデル」です。新モデルのリリースが激しい低価格中華イヤホンの世界ですのでランキングはどうしても下がり気味ですが、すでに「定番化」している製品で、しかも価格も手ごろになってきているため、「迷ったらコレ」ともいえる安心・安定のモデルですね(^^)。
⑩ KZ AS06 [ レビュー ] (38ドル前後 / 実質3,700円~) 3BA
⑩ CCA C10 [ レビュー ] (24ドル前後 / 実質3,850円~) 4BA+1DD
好み評点: 160 (総合評価 145 + 好み加点 15 )
どちらも2018年末~2019年前半にかけての大人気モデルですね。どちらも「ZST」以降の「KZタイプB」仕様の2pinコネクタでqdcタイプの「KZタイプC」コネクタの現行モデルと比べるとデザイン的にも古さを感じますが、音質面ではどちらも非常に完成度が高く、そもそも「3BA」や「4BA+1DD」というスペックで、かつこの音質のイヤホンが実質3千円台で購入できるというのはかなり驚きです。既に国内メーカーのイヤホンをいくつか利用経験があって、初めて中華イヤホンに挑戦する、という方には是非ともお勧めしたい製品です。きっと大きな驚きを感じていただけること間違いなしです。
※オマケ【低価格中華イヤホン・アンダー3,000円部門 TOP3】
「低価格中華イヤホン」というカテゴリーも100ドル以下で凄まじい種類の製品が次々登場する関係もあり、いわゆる「エントリーモデル」はどうしてもランキングから漏れてしまいます。というわけで、現時点で「マニア以外にもお勧めしたい(実際お勧めしてる)」エントリーモデルのTOP3もオマケで掲載します。
① NICEHCK DB3 [ レビュー ] (18ドル前後 / 実質2,212円~) 1BA+2DD
好み評点: 135 (総合評価 110 + 好み加点 25 )
「NICEHCK DB3」は、HCKの変態スペック(笑)が「完全に良い方向」で働いた、かなり衝撃度の高いイヤホン。コスパの鬼ともいえるKZのお株を奪うような製品がセラーブランドで出てくるとは。。スペックは1BA+2DDという、やや変則構成の仕様。ダイナミックドライバーに素材の異なる2種類の振動板を採用した複合ユニットを採用している点がHCKらしい「普通にイヤホンは作らないよ」感が出ています。
この手の低価格ハイブリッドで搭載されるBAユニットは高域~超高域用のツィーターのため、実質的にはダイナミック部分が大半の音を鳴らします。「NICEHCK DB3」は明瞭感のある中高域を鳴らすグラフェン振動板と、音場感のある低域を鳴らすもうひとつの振動板の2DDに高域用BAを加える構成で2千円台のイヤホンとは思えないサウンドを実現しています。ビルドクオリティも次の「ZSN Pro」と遜色なく、布製ポーチなど付属品も充実しているなど、2千円台そこそこで買えるイヤホンとしてはかなり無双感のある製品ですね。
② KZ ZSN Pro [ レビュー① / ②] (17ドル前後 / 実質 1,950円~) 1BA+1DD
好み評点: 105 (総合評価 80 + 好み加点 25 )
エントリークラスにも変態性(笑)を持ち込んだ「NICEHCK DB3」のおかげで、ちょっとだけ影が薄くなりましたが、実売で2千円を切りはじめた「KZ ZSN Pro」はやはり「コスパの鬼」イヤホンです。ポイントはマニア以外の多くの方でも「良い音」と普通に感じる、要所を押さえた音作り。もちろん音質的に細かくみればエントリークラスなりのサウンドですが、この価格でこれだけバランスの良い仕上がりであれば、見た目も含めて「説得力」が違います。私の場合マニアでない知人や友人にイヤホンをプレゼントする機会が「何故か」多いのですが(^^;)、そんななかで鉄板で喜ばれるのがこの「KZ ZSN Pro」ですね。入門用の最初の中華イヤホンとして、マニア以外の方の「ちょっと良いイヤホン」としてオーディオだけで無く動画やゲームなどいろいろなシーンで利用できる万能選手ですよ。
③ TRN IM2 [ レビュー ] (16ドル前後 / 実質 2,120円~) 1BA+1DD
好み評点: 95 (総合評価 70 + 好み加点 25 )
そして最後にランクインしたのはTRNの低価格ハイブリッドの「TRN IM2」。実はOEM供給もしているようで他のブランドで色違い、フェイスのロゴ違いの製品を入手することもできます。そのなかで圧倒的に低価格で買えるのがやはりTRNオリジナル。音質的には万人受けする印象のサウンドで突出した特徴はありませんが、やや高級感のあるシェルデザインで気軽に使えるのが良いですね。遮音性も比較的高く、屋外での普段使いやプレゼント用に最適。個人的にはレッドモデルが出てくれないかなぁと待望中。
というわけで、「低価格中華イヤホン」くくりでの「好みイヤホンランキング」をまとめてみました。こうやってみてみると、価格、デザイン、サウンドと非常にバラエティが豊かで、改めてどれも魅力的な製品だと感じます。お手頃価格で高品質・高音質なイヤホンを購入できるのが「中華イヤホン」の良さでもありますし、もし気になったアイテムがあれば、個別のレビューも含め参考にしていただき、挑戦いただければ幸いです。
年末年始の「ジャンル別」のほうも、実は結構イヤホン買っていたりするので(レビューしていない製品も含めて)結構大きく変動するかも。やっはりなかなか深い沼ではありますね(^^;)。
従来までの「ジャンル別ランキング」も次回、年末年始くらいでやろうかな、と思っていますので、そちらの更新はもうしばらくお待ちください。
なお、毎回記載していますが、「個人的な好みランキング」は普段のレビュー(「レビュー方針」の通りさまざまな利用シーンを想定して書いています)とは異なり、あくまで「私個人の好み」のみでのランキングですので、通常のレビュー評価とは必ずしも一致しません。また私自身が「個人的にどれくらい好みか」というのを、
「総合評価」
・「音質」
・「デザイン(およびビルドクオリティ)」
・「装着性」
・「コストパフォーマンス」※ランキング時点
「好み加点」
・「見た目の好み」
・「傾向の好み」
・「利用頻度」
といった視点で極めて主観的に割り振った「好み評点」をつけています。
このうち、「総合評価」の「コストパフォーマンス」および、「好み加点」の各項目は相対的に「かなり頻繁に」変動するため、同じイヤホンでも前回より「好み評点」が上下する場合があります(笑)。今回から「好み評点」を「総合評価」と「加点」に分けました。
このような理由のため過去のレビューで評価が高くても入れていないイヤホンも多くありますし、ランキングが前回と比べて変動することがあります。異論も多数あると思いますが「あくまで私の好み」ですのでご了承ください。また、個々の詳細のレビューについては各「レビュー」リンクを参照くださいね(^^)。
① | KZ ZS10 Pro | 220P / レビュー |
---|---|---|
② | TFZ MY LOVE EDITION | 210P / レビュー |
③ | TFZ T2 Galaxy (T2G) | 200P / レビュー |
④ | TRN V90 | 195P / レビュー |
⑤ | CCA C12 | 190P / レビュー |
KZ ZSX | 190P / レビュー | |
⑥ | (TRI Audio) TRI-i4 | 180P / レビュー |
⑦ | KZ AS12 | 175P / レビュー |
⑧ | NICEHCK NX7 | 170P / レビュー |
⑨ | TIN HIFI T3 | 165P / レビュー |
⑩ | KZ AS06 | 160P / レビュー |
CCA C10 | 160P / レビュー |
【低価格中華イヤホンランキング・TOP3】
何故か「ZS10 Pro」がトップでTFZ勢が2位・3位。もう「好み」丸出しですね。共通してるのはトップ3はどれも「レビュー掲載後」にカラーバリエーションを「買い増し」してるところ。分りやすく好きなイヤホンで利用頻度も高いのだな、というのが自分でも納得です(^^;)。
① KZ ZS10 Pro [ レビュー ] (37ドル前後~ / 実質4,535円~) 4BA+1DD
好み評点: 220 (総合評価 155 + 好み加点 65 )
第1位は低価格中華イヤホンの新しい「定番」になりつつある「KZ ZS10 Pro」です。実は音質を含めた「総合評価」では5位の「CCA C12」「KZ ZSX」より低いポイントで、さらに10位の「CCA C10」および「KZ AS06」と比べてもそれほど大きな差はなかったりします。にもかかわらず、今回は「えこひいきレベル」の「好み加点」で第1位にしてしまいました。
選定理由は個人的な利用頻度の高さで、なにより私自身がカラバリを5種類も買っている時点でこれは1位じゃないと、ということにしました(5個分の価格でそこそこなイヤホン買えますね・・・^^;)。※実質価格は上記「レビュー」に掲載のクーポンコードを含めています。
アマゾンでも5千円以下で購入できる手頃感ながら4BA+1DD構成のスペックと見た目の説得力の高さは中華イヤホンのマニア以外の方にも納得の仕上がり。結局のところ力強くキレのある寒色系ドンシャリという「中華ハイブリッド的サウンド」というのはKZによって醸成された傾向で、現時点でその「らしさ」を分りやすく表現している代表的モデルはやはり「KZ ZS10 Pro」ではないかと思います。手軽に高音質を楽しめる普段使いのイヤホンとして、普段はより高級なイヤホンを使っているマニアも「中華イヤホンの音」を味わうためのアイテムとして、カラバリの豊富さ同様にとにかく「利用範囲の広い」イヤホンだと思います。
② TFZ MY LOVE EDITION [ レビュー ] (59ドル / なし) 1DD
好み評点: 210 (総合評価 170 + 好み加点 40 )
現時点では並行輸入版も含めアマゾンなどでは入手不可で、AliExpress等のみでしか購入できませんが、TFZの「MY LOVE EDITION」(通称「MLE」)は、おそらくマニア受けが良さそうなミドルグレードのフラット系サウンドを低価格イヤホンの範囲内で実現した、TFZのハイコスパ仕様ともいうべき製品です。「総合評価」ポイントでは今回、実質1位のイヤホンです。
「MY LOVE」シリーズ(正確には「MY LOVE 2」以降)は、既存モデルのハウジングやドライバーを使い、異なるチューニングと割安な価格設定で毎年リリースされています。その2019年モデルの「MY LOVE EDITION」では、スペック的には「KING PRO」(国内版価格16,800円)と同じドライバーユニットを樹脂製のハウジングに搭載しつつ、第3位の「T2 Galaxy」(T2G)と同じ59ドルにまとめたスペシャルモデルとしてリリースされました。
「TFZ MLE」の音質傾向的には解像度やキレは金属ハウジングの「KING PRO」よりやや低いものの、フラット系のバランスの良いサウンドはこの価格帯では特筆モノ。「HiFi(原音忠実)」という言葉の通り、イヤホンやヘッドフォンも気がつけばフラット系の傾向を好むようになる方も多いと思いますが(実際高価格帯の製品の多くはフラット傾向ですね)、そのようなニーズにもお手頃価格で応えるなかなか手堅いイヤホンです。発売後も人気のため追加のカラーバリエーションが投入され、なかには私も追加購入したクローム処理による鏡面仕上げのモデルもあります。ひとしきり低価格中華イヤホンを楽しんた「次のステップ」に「TFZ MLE」は最適な製品でしょう。また比較的低価格ですのでマニアの普段使い用としてもアリですね。
③ TFZ T2G (T2 Galaxy) [ レビュー ] (59ドル / 7,500円~) 1DD
好み評点: 200 (総合評価 165 + 好み加点 35 )
第3位は、私の「好みイヤホンランキング」でもすっかり「常連」の「TFZ T2G」(T2 Galaxy)です。「MLE」がフラット系で攻める製品なら、こちらはTFZ伝統の寒色系ドンシャリの製品。やや中音域寄りだった「SERIES 2」の傾向を踏襲しつつより解像度が高くキレのあるサウンドを実現し、TFZの普及モデルの代表選手となりました。
そのサウンドは他のスペックモンスター化しているハイブリッド勢と比べてもまだまだ遜色なく、総合評価も好み加点もバランス良く高得点。海外では「SERIES 2」の上位仕様となる「S2 PRO(SERIES 2 PRO)」も「TFZ MLE」同様に第2.5世代ドライバーを搭載してリリースされており、「TFZ T2G」もそろそろ世代交代なのかもしれません。その関係もあってか国内版の価格も少しこなれてきていますので、結構狙い目かもしれませんね。
【低価格中華イヤホンランキング・第4位~5位】
KZ/CCA陣営とTRNの最新モデルはこのポジションに相次いでランキング。「KZ ZSX」はブログコメントで気になる指摘をいただいたりで「CCA C12」とセット扱いになりました。個人的にはデザインとしてはZSXのほうが好みなんですが・・・。そして「TRN V90」はちょっとビックリ。買いです(笑)。
④ TRN V90 [ レビュー ] (41ドル前後 / 5,899円) 4BA+1DD
好み評点: 195 (総合評価 165 + 好み加点 30 )
順位としてはこのポジションですが、「オススメ度」としてはもしかしたらダントツでNo.1なのが、この「TRN V90」です。なんというか今までのイメージもあってあまり売れてないようですが、間違いなく良いイヤホンです。超オススメ(笑)。そのため「総合評価」ではTFZの2モデルと同等で今回ランクインしたKZ製品より高く設定しました。つまり、音質面では低価格ハイブリッドの中ではトップですね。
「TRN V90」は、次の「CCA C12」と「KZ ZSX」と僅差で上回ったのがまさかのTRNの最新モデル。TRNは私のブログでは最初の「V10」以降、どうも厳しめのレビューが続いていたのですが、そのなかでもモデルごとに着実に品質向上のための取り組みや音作りの改良を重ねていることは実感していて、別に頼まれてもいないですが新モデルはとりあえず買って試しています。
そんななか「TRN V90」は「遂に来た」という感じの大金星ですね。ビルドクオリティの高さ、KZとは異なるベクトルでの「深く広がりのある音場感」が楽しめる音作りで、個人的にはKZやCCAの最新モデルを追い抜きました。マイナーな製品のため、実質価格では少し割高ですが、もっと多くの方に挑戦してほしい高音質イヤホンだと思います。
⑤ CCA C12 [ レビュー ] (37ドル前後 / 実質4,593円~) 5BA+1DD
⑤ KZ ZSX [ レビュー ] (42ドル前後 / 実質4,858円~) 5BA+1DD
好み評点: 190 (総合評価 160 + 好み加点 30 )
「KZ ZSX」と「CCA C12」は、最新のKZおよびCCAの5BA+1DDハイブリッドモデルですがこの順位で。総合評価では「KZ ZS10 Pro」より高く、KZ系では現時点でのフラグシップに相応しい完成度の高いサウンドなのですが、個人的な「好み度」で「KZ ZS10 Pro」のほうが高くなってしまいました。
※実質価格は上記「レビュー」に掲載のクーポンコードを含めています。
まず「CCA C12」ですが、これは「好み」によっては完全に「KZ ZS10 Pro」とどちらに振るか、という製品だと思います。第10位の「CCA C10」のサウンドの正当なアップグレード版で、さらにいうと無印「KZ ZS10」の傾向を踏襲した最新モデルともいえるでしょう。この系統の音が好みの方であれば間違いなく「KZ ZS10 Pro」より「CCA C12」のほうがお勧めです。私の好み評点がやや低いのは「利用頻度」で、「わかりやすく中華」(笑)な「KZ ZS10 Pro」に比べて、(より高価格帯に)選択肢のある傾向に感じてしまうからですね。逆に言えばより高価格帯の製品と比較出来るという点で純粋にイヤホンとしての完成度やコスパは高いイヤホンだと思います。
いっぽう「KZ ZSX」は「CCA C12」と同じドライバー構成でチューニングもほぼ同じですが、ハウジングの違いなどにより「ややKZぽいアプローチ」に感じます。装着感はKZ系のなかではトップクラスなのですが、かつての「無印ZS10」や「AS10」「BA10」のように「今後の展開」につなげるためのモデルかな、という気もします。今後どのような新モデルに発展していくのか見守りたいと思います。
【低価格中華イヤホンランキング・第6位~9位】
KZのマルチBAモデル、TIN HIFI、そしてEasy系、HCKのオリジナルモデルがここにランキング。中華イヤホンのバラエティの豊富さを実感するラインナップです。ただどれもスマッシュヒットのレベルで、この辺の製品でKZやTFZの主力並みの大ヒット製品が欲しいところです。そうなると低価格中華イヤホンもさらに楽しくなりますね。
⑥ (TRI Audio) TRI-i4 [ レビュー ] (69ドル / 実質6,500円) 1BA+1DD
好み評点: 180 (総合評価 155 + 好み加点 25 )
「TRI-i4」は、Easy系の新ブランド「TRI Audio」のオリジナルイヤホン。おそらく「Yinyoo D2B4」や「KBEAR Hi7」といったモデルや某B○VPあたりの一部製品と同じファクトリーで作られた製品だとおもいます。これらの製品は1万円オーバーでドライバー数の多いスペック的にも訴求力のある仕様が多いですが、「TRI-i4」ではシンプルな「1BA+1DD」構成で低価格中華イヤホンのジャンルに収まる範疇になっています。しかしドライバー構成ではBA部分に「Knowles 33518」を採用しており、スペック面だけなら「FiiO FH1」や「ikko OH1」といった倍以上の価格の製品に匹敵する内容になっています。音質面の完成度も非常に高く、ボーカル映えする中高域メインのチューニングでやはり1ランク上のサウンドが楽しめます。「派手さ」が特徴の低価格中華イヤホンのなかで「まとまりの良さ」を感じる製品だと思います。
⑦ KZ AS12 [ レビュー ] (67ドル前後 / 実質7,700円~) 6BA
好み評点: 175 (総合評価 155 + 好み加点 20 )
最近のKZ系マルチBAモデルでは最後発の「KZ AS12」がこの位置で。気がつけばKZおよびCCAもいろいろなマルチBAモデルをリリースしていますが、同社の音作りを考えるとバランス的にも「KZ AS12」の構成が一番しっくりくるということかも知れません。8BAモデルの「KZ AS16」や「CCA C16」は微妙に低価格枠から外れますが、仮に含めてもランキングは変動しない感じです。マルチBAらしい中低域の解像感とKZらしい派手めのドンシャリを両立させたサウンドはとても楽しいですね。6BAイヤホンとしては価格も驚異的に安価でビルドクオリティの高さも感じます。これもマニアなら1個は持っていても、という感じの楽しいイヤホンです。
⑧ NICEHCK NX7 [ レビュー ] (75ドル / 実質7,731円) 4BA+2D+1Ceramic
好み評点: 170 (総合評価 160 + 好み加点 10 )
「NICEHCK NX7」はとにかく「凄い構成で凄い高音質」なイヤホンなのですが、何故か、スペック的にも価格的にもちょっと微妙な存在。好み評点では「低価格中華イヤホン」としては少し割高、ということでランキングを下げている感はあります。しかし、ドライバー構成的にはかなり豪華で、中高域寄りにキレッキレの音質傾向もかなりマニアックです。好み評点が低いのは、やはり内容に対してチープに見えてしまう外観で、価格レンジを上げてでももう少し作り込んでくれた方がよかったのにという「もったいなさ」からですね。同じ構成でも、より費用をかけた金属ハウジングとかに入れて100ドル以上の価格で販売したほうが「しっくり」くるようなイヤホンですね(個人的にも「所有欲を満たす」という意味で高評価を付けそう)。こちらも逆に言えば「こんな変態スペックのイヤホンをこの価格で買えちゃうんだ」という驚きがある「いかにもHCK」な製品ではあります(^^;)。
⑨ TIN HIFI T3 [ レビュー ] (53ドル前後 / 実質6,500円~) 1BA+1DD
好み評点: 165 (総合評価 155 + 好み加点 10 )
「TIN HIFI T3」は、一部で熱狂的に評価の高い「TIN HIFI(TIN Audio)」の定番モデルですが、ランキングとしてはこれくらいが本来のポジションかな、と思います。個人的にはとても好きな傾向ですし、ビルドクオリティの高さも特徴的ですが、やはり「マニア向け」の製品であるとは思います。中高域の表現が特徴的だった「T2」とそこから高域を強化した「T2 Pro」がありますが、「TIN HIFI T3」は「T2」の正統進化モデルという印象。ただバランス良くチューニングしたことで「T2」の「ちょっと好みが分かれる中音域の主張感」が抑えられ、普通にスッキリした良イヤホンになった感はありますね。
【低価格中華イヤホンランキング・第10位】
KZ/CCAの要するに「従来モデル」です。新モデルのリリースが激しい低価格中華イヤホンの世界ですのでランキングはどうしても下がり気味ですが、すでに「定番化」している製品で、しかも価格も手ごろになってきているため、「迷ったらコレ」ともいえる安心・安定のモデルですね(^^)。
⑩ KZ AS06 [ レビュー ] (38ドル前後 / 実質3,700円~) 3BA
⑩ CCA C10 [ レビュー ] (24ドル前後 / 実質3,850円~) 4BA+1DD
好み評点: 160 (総合評価 145 + 好み加点 15 )
どちらも2018年末~2019年前半にかけての大人気モデルですね。どちらも「ZST」以降の「KZタイプB」仕様の2pinコネクタでqdcタイプの「KZタイプC」コネクタの現行モデルと比べるとデザイン的にも古さを感じますが、音質面ではどちらも非常に完成度が高く、そもそも「3BA」や「4BA+1DD」というスペックで、かつこの音質のイヤホンが実質3千円台で購入できるというのはかなり驚きです。既に国内メーカーのイヤホンをいくつか利用経験があって、初めて中華イヤホンに挑戦する、という方には是非ともお勧めしたい製品です。きっと大きな驚きを感じていただけること間違いなしです。
※オマケ【低価格中華イヤホン・アンダー3,000円部門 TOP3】
「低価格中華イヤホン」というカテゴリーも100ドル以下で凄まじい種類の製品が次々登場する関係もあり、いわゆる「エントリーモデル」はどうしてもランキングから漏れてしまいます。というわけで、現時点で「マニア以外にもお勧めしたい(実際お勧めしてる)」エントリーモデルのTOP3もオマケで掲載します。
① NICEHCK DB3 [ レビュー ] (18ドル前後 / 実質2,212円~) 1BA+2DD
好み評点: 135 (総合評価 110 + 好み加点 25 )
「NICEHCK DB3」は、HCKの変態スペック(笑)が「完全に良い方向」で働いた、かなり衝撃度の高いイヤホン。コスパの鬼ともいえるKZのお株を奪うような製品がセラーブランドで出てくるとは。。スペックは1BA+2DDという、やや変則構成の仕様。ダイナミックドライバーに素材の異なる2種類の振動板を採用した複合ユニットを採用している点がHCKらしい「普通にイヤホンは作らないよ」感が出ています。
この手の低価格ハイブリッドで搭載されるBAユニットは高域~超高域用のツィーターのため、実質的にはダイナミック部分が大半の音を鳴らします。「NICEHCK DB3」は明瞭感のある中高域を鳴らすグラフェン振動板と、音場感のある低域を鳴らすもうひとつの振動板の2DDに高域用BAを加える構成で2千円台のイヤホンとは思えないサウンドを実現しています。ビルドクオリティも次の「ZSN Pro」と遜色なく、布製ポーチなど付属品も充実しているなど、2千円台そこそこで買えるイヤホンとしてはかなり無双感のある製品ですね。
② KZ ZSN Pro [ レビュー① / ②] (17ドル前後 / 実質 1,950円~) 1BA+1DD
好み評点: 105 (総合評価 80 + 好み加点 25 )
エントリークラスにも変態性(笑)を持ち込んだ「NICEHCK DB3」のおかげで、ちょっとだけ影が薄くなりましたが、実売で2千円を切りはじめた「KZ ZSN Pro」はやはり「コスパの鬼」イヤホンです。ポイントはマニア以外の多くの方でも「良い音」と普通に感じる、要所を押さえた音作り。もちろん音質的に細かくみればエントリークラスなりのサウンドですが、この価格でこれだけバランスの良い仕上がりであれば、見た目も含めて「説得力」が違います。私の場合マニアでない知人や友人にイヤホンをプレゼントする機会が「何故か」多いのですが(^^;)、そんななかで鉄板で喜ばれるのがこの「KZ ZSN Pro」ですね。入門用の最初の中華イヤホンとして、マニア以外の方の「ちょっと良いイヤホン」としてオーディオだけで無く動画やゲームなどいろいろなシーンで利用できる万能選手ですよ。
③ TRN IM2 [ レビュー ] (16ドル前後 / 実質 2,120円~) 1BA+1DD
好み評点: 95 (総合評価 70 + 好み加点 25 )
そして最後にランクインしたのはTRNの低価格ハイブリッドの「TRN IM2」。実はOEM供給もしているようで他のブランドで色違い、フェイスのロゴ違いの製品を入手することもできます。そのなかで圧倒的に低価格で買えるのがやはりTRNオリジナル。音質的には万人受けする印象のサウンドで突出した特徴はありませんが、やや高級感のあるシェルデザインで気軽に使えるのが良いですね。遮音性も比較的高く、屋外での普段使いやプレゼント用に最適。個人的にはレッドモデルが出てくれないかなぁと待望中。
というわけで、「低価格中華イヤホン」くくりでの「好みイヤホンランキング」をまとめてみました。こうやってみてみると、価格、デザイン、サウンドと非常にバラエティが豊かで、改めてどれも魅力的な製品だと感じます。お手頃価格で高品質・高音質なイヤホンを購入できるのが「中華イヤホン」の良さでもありますし、もし気になったアイテムがあれば、個別のレビューも含め参考にしていただき、挑戦いただければ幸いです。
年末年始の「ジャンル別」のほうも、実は結構イヤホン買っていたりするので(レビューしていない製品も含めて)結構大きく変動するかも。やっはりなかなか深い沼ではありますね(^^;)。
そろそろイヤホンを新調しようと思いランキング記事を拝読したのですがもしよろしければこのランクの中に先日レビューされていて個人的に気になっているsmabat m1 proをいれるとしたらどのような点数になるのか もしよろしければでいいので教えていただければ幸いです。