Sabbat X12 Ultra

※本レビューは2019年11月22日に掲載した内容を元に、新しくリリースされたカラーバリエーションの内容を加えて追記・再構成しております。

こんにちは。今回紹介するのは珍しいインナーイヤー型TWSの高性能モデル「Sabbat X12 Ultra」(「okcsc」日本向けパッケージ版) です。すでにAACコーデック対応の「Sabbat X12 Pro」が販売されていますが、新たにQualcomm製チップセットを搭載し、「aptX対応」「CVC 8.0 通話ノイズキャンセリング」に対応した上位モデルが「Sabbat X12 Ultra」です。aptXコーデックに対応したAndroid端末やDAP等とペアリングする場合、より高音質が楽しめます。さらに「Sabbat X12 Ultra」の迷彩柄カラーモデルをイヤホンセラー「okcsc」が日本向けに技適を取得し、日本語説明書などを同梱した「日本向けパッケージ」としてリリースしている製品になります。
Sabbat X12 Ultra

ちなみに、従来モデルの「Sabbat X12 Pro」と今回紹介する「Sabbat X12 Ultra」を比べると・・・なるほどスペック的な違いは一目瞭然ですね。

Sabbat X12 Ultra : Bluetooth 5.0、 IPX5、Qualcommチップ、aptX/AAC対応、CVC 8.0対応
Sabbat X12 Pro : Bluetooth 5.0、 IPX5、RTL8763Bチップ、AAC対応

Sabbat X12 Ultra」で搭載されているチップセットは高性能TWSで実績の高いQualcomm「QCC3020」を採用しています(初期モデルでは非公開でしたが現在は「QCC3020」の表記があります)。そう考えると「Sabbat X12 Ultra」の価格差は納得できる部分はあります。ただし、aptXが使用できるAndroidと異なり、iPhoneなどAACでの接続が前提で通話をするシチュエーションがほとんどない(音楽再生のみ)と言う場合でも「QCC3020」に内蔵されている高音質DACには定評がありスペックの違いは実感できると思います。

Bluetooth5.0
チップセットQualcomm QCC3020
コーデックaptX/AAC/SBC
連続駆動時間最大6時間+最大24時間(ケース)
バッテリ容量50mAh(片側)、750mAh(ケース)
性能インピーダンス32Ω、感度120±5dB
防水等級IPX 5
通話N/CCVC 8.0
充電コネクタUSB Type-C
重量
5.3g(片側)、36.9g(ケース)

Sabbat X12 Ultra」(okcsc 日本向けパッケージ版)は7色のカラーバリエーションが選べる「新色バージョン」と「迷彩色バージョン」があります。今回「新色バージョン」が追加されました。

X12 Ultra 新色バージョン」は、合計で7種類のカラーバリエーションが選択でき、
まずブラックの充電ケースが付属する「MARBLE SERIES」では「Advanced Stone」(ブラック)、「Dream Stone」(グリーン)、「Galaline」(パープル)の3種類、
Sabbat X12 Ultra

ホワイトカラーの充電ケースの「Star Cloud」(ライトブルー&ホワイト)、「Yan Yanshi」(ピンク&ホワイト)の2種類、
Sabbat X12 Ultra

そしてブラックスノー模様の充電ケースが付属する「Snow Gold」と「Snow White」の2種類が選択できます。
Sabbat X12 Ultra


また、従来からアマゾンで販売されている「X12 Ultra 迷彩色バージョン」のほうは青系の「Caribbean」、緑系の「Amazon」、オレンジ系の「Sahara」、マゼンダ系の「Emirates rock」の4色が選択できます。
Sabbat X12 Ultra 迷彩色バージョン

合計11色のカラーバリエーションはかなりの充実ぶりで、どのカラーを選ぶかという楽しみもありますね。購入はアマゾンの「okcsc」のショップにて。表示価格は 7,980円 です。
※現在「通常バージョン」のみ 10% OFFのクーポンが配付されています。
Amazon.co.jp(okcsc): okcsc X12 Ultra (Sabbat X12 Ultra 新色バージョン)
Amazon.co.jp(okcsc): okcsc X12 Ultra (Sabbat X12 Ultra 迷彩色バージョン)


■ 「Ultra」モデルはカラフルな迷彩柄が特徴的。日本語説明書付の日本向けパッケージ

Sabbat X12 Ultra」(okcsc日本向け版)のパッケージはSabbatとokcscの両方のロゴマークがプリントされたもので、裏面は日本語での使用記載も確認できます。

パッケージ内容は、イヤホン本体、充電ケース、布製ポーチ、充電用USBケーブル、シリコン製イヤーフック(白・黒の2ペア)、説明書となっています。
Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra
Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra

またパッケージの側面には技適認可番号が結構大きめに記載されており、認可されていない海外版および数多く存在するといわれる無認可の中華TWS製品との差別化を鮮明にしています。
Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra
Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra

Sabbat X12 Ultra」の本体は、いっけんすると多くのカナル型TWSと同様にも見えますが、装着部分がいわゆるAppleの「EarPods」型のインナーイヤー型となっている特徴的なものです。フェイス部分に印象的な模様がデザインされており、デザイン的にも目をひきますね。
今回オーダーしたグリーンの「Dream Stone」ではフェイス部分は光沢の有る仕上げになっていて高級感のある仕上がりです。
Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra

いっぽう、以前オーダーした「迷彩色バージョン」のほうがつや消しで同じイヤホンながらキャラクターの違いを感じます。
Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra
ハウジングは耳全体を覆うようなサイズ感で結構大きめの形状ですが、耳全体でホールドするような装着感で思ったよりしっかり装着することができます。それでも耳穴にイヤーピースを挿入するカナル型に比べると外れやすいため、外出中の移動しながらの利用などでの落下防止のため、白または黒のシリコン製イヤーフックも付属します。こちらは装着したまま充電ケースにいれることはできないものの、脱着も簡単なので必要に応じて使用するのが良いと思います。
Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra
そして充電ケースはイヤホンを4回分のフル充電が可能な大容量タイプ。イヤホンのホールドも良く、使い勝手も良好です。このケースにもふたの内側に技適マークがプリントされているのがわかります。充電ケーブルのコネクタはType-C仕様となっています。ケースのカラーリングは本体のシリーズによって変わり、はシンプルなブラックでしたが、他にもホワイトやスノーデザイン、そして「迷彩色バージョン」では本体デザインと同じ迷彩柄のカラーリング施されています。
Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra

Sabbat X12 Ultra」のペアリングは非常にスムーズに完了し、戸惑うこと無く利用することができました。イヤホン本体のフェイス部分は最近のTWSで増えているタッチセンサーではなく、クリック感のあるボタン式となっています。個人的にはタッチセンサーは誤操作も多いため、このようなメカニカルなギミックの方が好みだったりします。
再生/停止左側 2回クリック
曲送り右側 2回クリック
音量ダウン(-)左側 3回クリック 
音量アップ(+)右側 3回クリック
受話・終話着信時に長押し (左右どちらか)
音声アシスタント2秒 長押し (左右どちらか)
電源ON(ボタン)左右のボタンをクリック
電源OFF(ボタン)左右ボタンを 4秒 長押し
電源ON/OFF充電ケースから出す/戻す 
音量のアップ/ダウンがトリプルクリック、というのはちょっとクセがある操作ですが慣れれば違和感なく操作できるようです。Bluetooth 5.0/aptXでの接続での安定性は高く、新宿駅など混雑した駅で時々途切れることがありましたがおおむね快適に利用することができました。
ちなみにワイヤレスイヤホンのレビュー等でときどき誤解されている方がいらっしゃいますが、「CVC 8.0」は通話時にマイク音声から自分のまわりの環境音の周波数帯を削減することで相手に音声を聞きやすくさせるための「通話ノイズキャンセリング」で、iPhoneでマイク通話にするときにも使えている、ハンズフリー(マイク通話)用製品で搭載されている機能です。音楽再生ではまったく関与しませんのでご注意ください(念のため)。


■ 中高域メインでスッキリした印象のサウンド。音場感の良さも魅力的

Sabbat X12 Ultra」の音質傾向はインナーイヤーとしては中高域寄りのフラットな印象で、オーディオマニアでも十分に楽しめる完成度の高いサウンドです。全体的に音場感のあるサウンドながらボーカル帯域に伸びの良いスッキリした明瞭感あります。いっぽうで、インナーイヤー型のため、カナル型と比べ密閉性が少ない分、低域は少なめに感じる可能性もありますが、雄大に広がる音場感のあるサウンドで厚みのある低音を実感できます。また中高域メインのバランスにすることで、インナーイヤー型にありがちな低域の籠りもなく、ワイヤレスイヤホンながら分離の良いしっかりした輪郭を描写します。
Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra
Sabbat X12 Ultra」の高域はインナーイヤー型としてもTWS製品としてもかなり明瞭でスッキリした音で鳴ります。刺さりなどは感じない程度にコントロールされていますが、籠りなどはほとんどなくとてもスッキリした印象です。
中音域はインナーイヤー型独特の音場感のある鳴り方ではあるものの、全体的に主張は強く比較的前面に出て鳴ります。特に女性ボーカルのハイトーンやトランペット、ピアノなどの中高域の抜けが良く、とても明瞭感のある伸びの良いサウンドです。音場はとても広く、広がりのあるサウンドはとても心地良く聴き応えがありますね。
低域は中低域に少し膨らみのある音で多少の響きがありますが、分離の良さから中高域に被ることはありません。量的には十分に存在感がありますが、沈み込みは浅めで重低音は少し物足りない印象になります。
Sabbat X12 UltraSabbat X12 Ultra
相性が良いのはロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲で特に女性ボーカルは気持ちよく感じます。遮音性はインナーイヤー型としては並程度ですがイヤーフックを装着することで多少改善する場合があります。またフィット感が増すことで低域も少しだけ増える印象になりますね。
また映画やゲームなどのコンテンツで利用する場合、遅延の少なさは重要な要素ですが、安定性の高い「Sabbat X12 Ultra」ではiPhone(AACコーデック接続)などでも十分に快適に利用できると思います。さらに「aptX」接続ができるAndroid端末ならば、AACでの接続の場合よりさらに遅延の少ないサウンドを実感できると思います。


というわけで、「Sabbat X12 Ultra」はインナーイヤー型TWSというちょっと珍しい製品ながら基本スペックを押さえて、オーディオ的にも価格に見合う完成度の高い製品に仕上がっていました。
AAC対応の「Sabbat X12 Pro」の含めて、カナル型ではないワイヤレスイヤホンが欲しい場合の有力な選択して十分にお勧めできる製品だと思います。