こんにちは。2019年もいよいよ年の瀬ということで、今回は「中華イヤホンケーブルまとめ【ミドルグレード編】」のアップグレード記事になります。前回「2019年夏編」では低価格製品が中心で、ミドルグレードについてはほぼ従来製品の再掲載となりましたが、「ミドルグレード16芯ケーブル」を中心に各セラーが一斉に製品を投入したこともあり、このタイミングで新製品を「追記版」としてあらためて紹介することにしました。
前回の「中華イヤホンケーブルまとめ【ミドルグレード編】」では今回紹介しないケーブル製品をまとめていますので、あわせてご覧ください。
→ 【ミドルグレード編】 おすすめ「中華イヤホンケーブル」まとめ [その③] (4千円~8千円台) / 2019年・夏版
また、ほかのグレードのまとめについてはこちらをご覧ください。なお、「低価格16芯ケーブル編」および「ハイグレード編」については今回のアップデートに合わせて追記を行っています。
さらにリケーブル製品の「線材」ごとの特徴やコネクタ、プラグ等についての詳細は「解説編」にて紹介していますので併せてご覧ください。
→ 【解説編】 「中華イヤホンケーブル」レビューの読み方(材質ごとの特徴、コネクタ種類などについて)
■ 「NICEHCK C16」シリーズ・ミドルグレード 16芯ケーブル (レビュー)
※TFZコネクタはNICEHCKでは「NX7用」表記。
【 高純度銀メッキ線ケーブル 】
[ NICEHCK C16-1 ] 16芯 銀メッキ銅線 アップグレードケーブル(シルバー・耳掛け無し)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ※】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
[ NICEHCK C16-4 ] 16芯 銀メッキ銅線 ケーブル(グレー/シルバー・耳掛け有り)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ※】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
HCKのミドルグレードケーブルの「NICEHCK C16」シリーズは既存の16芯「CT2」「TDY3」「TYB2」をリプレースする新しいシリーズです。「NICEHCK C16-1」および「C16-4」は「TDY3」の後継ケーブルの位置づけですね。「NICEHCK C16」シリーズはコネクタおよびプラグ・分岐パーツがクロームメッキ仕上げの高級感のある内容になっています。またKZタイプC仕様と代替としても使われる「QDC」コネクタとTFZ製品のカバー形状と互換性のある「NX7コネクタ」を選択可能になっています。またシルバーカラーの「C16-1」は耳掛けなし、「シルバーおよびグレー」の組み合わせの「C16-4」は樹脂被膜の耳掛け加工が施されています。従来の中華16芯ケーブル同様非常に柔らかい線材で、音質傾向的には情報量が多く、イヤホンのポテンシャルを大きく引き出します。低価格16芯タイプとの差は大きくはありませんが、より解像感や見通しが良く、中高域の明瞭感のある銀メッキ線らしいサウンドを実感できます。
【 銀メッキ線・高純度銅線ミックスケーブル 】
[ NICEHCK C16-2 ] 16芯 高純度銅&銀メッキ銅ミックス線 ケーブル(金/銀/銅・耳掛け無し)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ※】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
[ NICEHCK C16-5 ] 16芯 高純度銅&銀メッキ銅ミックス線 ケーブル(ブラウン/銀・耳掛け有り)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ※】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
同様に「NICEHCK C16-2」および「C16-5」は高純度銅線と銀メッキ線のミックスタイプで既存ケーブルの「NICEHCK TYB2」をリプレースする製品となります。ゴールド&シルバーとカッパーの3色ケーブルの「C16-2」が耳掛け無し、ダークブラウン&シルバーの「C16-5」が耳掛け加工有りになります。音質傾向的には銀メッキ線の「C16-1」「C16-4」同様に情報量の多さに加え、さらに多少メリハリが向上し、より鮮やかを感じる明るいサウンドに変化します。銀メッキ線+高純度銅線の双方の特徴が反映されており、サウンドがかなり「濃いめの味付け」になる傾向があるようです。高域は少しエッジが立つ印象で伸びが向上し、低域はより深い沈みを実感します。
【 高純度銅線ケーブル 】
[ NICEHCK C16-3 ] 16芯 高純度銅線 アップグレードケーブル (カッパー・耳掛け無し)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ※】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
「NICEHCK C16-3」はOFC(無酸素銅線)タイプの高純度銅線ケーブルで、「NICEHCK CT2」をリプレースする製品となります。HCKからは低価格16芯タイプの銅線ケーブル「NICEHCK CT4」が販売されていますが、こちらが「TRN T2」に近い硬めの被膜でやや派手めの傾向のケーブルなのに対し、「C16-3」は他のC16シリーズ同様に非常にしなやかで、より情報量が多く、銀メッキ線の「C16-1」より高域を中心により自然な印象で変化し、ボーカル帯域などを中心に厚みのあるサウンドを実感させる印象です。また、中低域の分離感が向上することでより立体的な音場感を得られる傾向もあります。いっぽうで中高域の派手さは他のケーブルほどではなく、聴きやすさもあるケーブルですね。
■ 「Yinyoo」ブランド・ミドルグレード 16芯ケーブル (レビュー① / レビュー②)
【 高純度銀メッキ線ケーブル 】
[ YYX4865 ] Yinyoo 16芯 高純度銅銀メッキ線 アップグレードケーブル(シルバー)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
Yinyooブランドの銀メッキ線ケーブルはシルバーカラー、白色ケーブルの「YYX4865」と各種カラーケーブルがあり、Yinyooの表記では他の製品が「芯材(Core)あたり0.05mm×14本」(16芯だと224本)なのに対し、「YYX4865」のみ「0.05mm×16本」(16芯だと256本)と微妙に異なる仕様になっています。Yinyooのミドルグレード16芯ケーブルはNICEHCK C16より僅かですが手触りがしなやかな印象です。被膜がほんの僅か厚みがあるのかもですね。Yinyooの定番16芯ケーブル「YYX4745」をリプレースする製品で、音質傾向も非常に近く、ほとんど味付けがなく情報量を向上させるタイプのケーブルです。また次の「YYX4862」「YYX4871」「YYX4872」に比べてもよりナチュラルな印象です。中高域に特徴のあるマルチBAやハイブリッドなどとの組み合わせで情報量や解像度をアップさせたい場合には最適なケーブルです。カラーリング的にも合せやすいですので、いろいろなイヤホンと組み合わせができますね。
[ YYX4862 ] Yinyoo 16芯 高純度銅 銀メッキ線 アップグレードケーブル(ブルー/シルバー)
[ YYX4871 ] Yinyoo 16芯 銀メッキ銅線 アップグレードケーブル(ブルー&グリーン&シルバー)
[ YYX4872 ] Yinyoo 16芯 銀メッキ銅線 アップグレードケーブル(ゴールド&ブラック&シルバー)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
「YYX4862」(ダークブルー、シルバー)、「YYX4871」(ダークブルー、グリーン、シルバー)、「YYX4872」(ゴールド、ブラック、シルバー)の3種類のケーブルはすべて同じ仕様の色違いになります。線材の内容は「NICEHCK C16-1」などと同じですが、「YYX4865」同様にHCKのケーブルより僅かにしなやかさとコシがある手触りです。クロームメッキ仕上げのコネクタと併せて、Easy系の低価格ケーブルより高級感を感じます。また、このシリーズも「QDC」および「TFZ」コネクタを選択できます。音質傾向的には銀メッキ線ケーブルですが過剰な変化などの味付けはほとんど無く、情報量の多さはEasy系の低価格16芯と大きな差はありませんが、より自然な印象に中高域の輪郭がハッキリする明瞭感があります。また、ある程度駆動力のある再生環境では高域に銀メッキ線らしいキレのよさを感じる事も出来ます。
【 高純度銅線ケーブル 】
[ YYX4861 ] Yinyoo 16芯 高純度銅 アップグレードケーブル(ブラウン)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
Yinyooブランドのミドルグレードの高純度銅線ケーブルが「YYX4861」です。濃淡のある2種類のカラーのブラウンの線材が編み込まれており、柔らくもしなやかでコシのあるケーブルは銅線ケーブルとしても高級感があります。
音質傾向は、非常に情報量が多く、より微細な音もしっかり分離して捉えることで音場感が大幅に向上するケーブルです。極端な味付けは無く、銅線ケーブルにありがちな低域を強化したりメリハリを強めるなどのタイプとは異なりますが、ボーカル帯域などを中心に厚みのあるサウンドを実感させる印象です。いっぽうで中高域の派手さは他のケーブルほどではなく、聴きやすさもあるケーブルですね。
■ 「KB EAR」ブランド・ミドルグレード 16芯ケーブル (レビュー)
【 高純度銀メッキ線ケーブル 】
[ KBX4868 ] KB EAR 16芯 高純度銅銀メッキ線 ケーブル(ブルー/グレー/シルバー)
[ KBX4869 ] KB EAR 16芯 高純度銅銀メッキ線 ケーブル(ゴールド/シルバー/ブルー)
[ KB4878 ( KBX4878 ) ] KB EAR 16芯 高純度銅銀メッキ線 ケーブル(グレー/シルバー)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
Easy系新ブランドの「KB EAR」からも3種類のカラーリングの銀メッキ線ケーブルが販売されています。アマゾンでは「KBX4868」(ブルー、グレー、シルバー)と「KBX4869」(ゴールド、ブルー、シルバー)の2種類がHiFiHear Audioから、「KBX4878(KB4878)」がWTSUN Audioでの扱いになります。クロームメッキ仕上げのコネクタ形状がKB EARオリジナルの部品を採用しており、黒いボックスのパッケージで届きます。線材自体はYinyooブランドの「YYX4862」「YYX4871」「YYX4872」のカラーバリエーションと考えて良いようです。銀メッキ線ですが自然に情報量を向上させ、過剰な高域の変化などの味付けは無く、よりな自然な印象に中高域の輪郭がハッキリする明瞭感があります。ややメリハリが強く変化する銅線タイプの「KBEAR4841」より自然な変化ですが、低価格銀メッキ線の「KBEAR4842」解像感や見通しは良く、より中高域の明瞭感のある銀メッキ線らしいサウンドも実感できました。
■ 高純度OFHCケーブル(「NICEHCK」「Yinyoo」ブランド)
[ NICEHCK GCT4 ] 4芯 4N OFHC 高純度無酸素銅線 アップグレードケーブル (レビュー)
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
「NICEHCK GCT4」は線材に高純度の「4N OFHC銅」を使用したイヤホンケーブルで質感も良く音質的には透明度と明瞭感が向上するタイプのケーブルです。「OFHC 銅」(Oxygen Free High Conductivity Copper)はケーブルで多く使われている無酸素銅(OFC)の製法のひとつですが、「NICEHCK GCT4」は最高純度のものでローコストながら品質の高いケーブルといえます。音質傾向はイヤホンの明瞭感を向上し、見通しの良いサウンドにするタイプのケーブルです。16芯ケーブルよりかなり自然な変化ですが情報量は非常に高く、高純度銅線らしい中低域の響きの良さとより立体的な空間表現が実感できます。銅線ケーブルにありがちな極端に低域を持ち上げたり、濃いめ・派手めの印象に変えるような味付けはなく、全体的にイヤホンの能力を引き出すタイプのケーブルで、雑味の少ないスッキリしたサウンドが印象的です。
[ YYX4859 ] Yinyoo 4芯 4N 高純度無酸素銅 OFHC アップグレードケーブル (レビュー)
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
「YYX4859」も、高純度無酸素銅「OFHC」(Oxygen Free High-conductivity Copper)線材を使用したケーブルで、おそらく同様の線材を採用する「NICEHCK GCT4」の対抗製品としてリリースされたと考えられます。品質面では同等クラスでやはり非常にコストパフォーマンス高いケーブルですね。16芯の「YYX4861」「YYX4862」のような音量が大きく変わるほどの変化はありませんが、情報量は非常に高く、高純度銅線らしい中低域の響きの良さとより立体的な空間表現が実感できます。濃いめ・派手めの印象に変えるような味付けはなく、全体的にイヤホンの能力を引き出すタイプのケーブルで、「YYX4765」ほど極端ではないものの、雑味の少ないスッキリしたサウンドが実感できます。
というわけで、今回は各社からリリースされたミドルグレード16芯ケーブルとOFHCケーブルのまとめとなりました。前回のミドルグレード編で紹介した製品、特にOCCタイプのケーブルは現在も販売されていますので、両方合わせてご覧いただければ幸いです。
→ 【ミドルグレード編】 おすすめ「中華イヤホンケーブル」まとめ [その③] (4千円~8千円台) / 2019年・夏版
また、ほかのグレードのまとめについてはこちらをご覧ください。なお、「低価格16芯ケーブル編」および「ハイグレード編」については今回のアップデートに合わせて追記を行っています。
さらにリケーブル製品の「線材」ごとの特徴やコネクタ、プラグ等についての詳細は「解説編」にて紹介していますので併せてご覧ください。
→ 【解説編】 「中華イヤホンケーブル」レビューの読み方(材質ごとの特徴、コネクタ種類などについて)
■ 「NICEHCK C16」シリーズ・ミドルグレード 16芯ケーブル (レビュー)
※TFZコネクタはNICEHCKでは「NX7用」表記。
【 高純度銀メッキ線ケーブル 】
[ NICEHCK C16-1 ] 16芯 銀メッキ銅線 アップグレードケーブル(シルバー・耳掛け無し)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ※】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
[ NICEHCK C16-4 ] 16芯 銀メッキ銅線 ケーブル(グレー/シルバー・耳掛け有り)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ※】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
HCKのミドルグレードケーブルの「NICEHCK C16」シリーズは既存の16芯「CT2」「TDY3」「TYB2」をリプレースする新しいシリーズです。「NICEHCK C16-1」および「C16-4」は「TDY3」の後継ケーブルの位置づけですね。「NICEHCK C16」シリーズはコネクタおよびプラグ・分岐パーツがクロームメッキ仕上げの高級感のある内容になっています。またKZタイプC仕様と代替としても使われる「QDC」コネクタとTFZ製品のカバー形状と互換性のある「NX7コネクタ」を選択可能になっています。またシルバーカラーの「C16-1」は耳掛けなし、「シルバーおよびグレー」の組み合わせの「C16-4」は樹脂被膜の耳掛け加工が施されています。従来の中華16芯ケーブル同様非常に柔らかい線材で、音質傾向的には情報量が多く、イヤホンのポテンシャルを大きく引き出します。低価格16芯タイプとの差は大きくはありませんが、より解像感や見通しが良く、中高域の明瞭感のある銀メッキ線らしいサウンドを実感できます。
情報量 ■■■■□
明瞭感 ■■■■□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■□□□
オススメ ★★★★☆
【 銀メッキ線・高純度銅線ミックスケーブル 】
[ NICEHCK C16-2 ] 16芯 高純度銅&銀メッキ銅ミックス線 ケーブル(金/銀/銅・耳掛け無し)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ※】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
[ NICEHCK C16-5 ] 16芯 高純度銅&銀メッキ銅ミックス線 ケーブル(ブラウン/銀・耳掛け有り)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ※】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
同様に「NICEHCK C16-2」および「C16-5」は高純度銅線と銀メッキ線のミックスタイプで既存ケーブルの「NICEHCK TYB2」をリプレースする製品となります。ゴールド&シルバーとカッパーの3色ケーブルの「C16-2」が耳掛け無し、ダークブラウン&シルバーの「C16-5」が耳掛け加工有りになります。音質傾向的には銀メッキ線の「C16-1」「C16-4」同様に情報量の多さに加え、さらに多少メリハリが向上し、より鮮やかを感じる明るいサウンドに変化します。銀メッキ線+高純度銅線の双方の特徴が反映されており、サウンドがかなり「濃いめの味付け」になる傾向があるようです。高域は少しエッジが立つ印象で伸びが向上し、低域はより深い沈みを実感します。
情報量 ■■■■□
明瞭感 ■■■■□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■□□
オススメ ★★★★☆
【 高純度銅線ケーブル 】
[ NICEHCK C16-3 ] 16芯 高純度銅線 アップグレードケーブル (カッパー・耳掛け無し)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ※】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
「NICEHCK C16-3」はOFC(無酸素銅線)タイプの高純度銅線ケーブルで、「NICEHCK CT2」をリプレースする製品となります。HCKからは低価格16芯タイプの銅線ケーブル「NICEHCK CT4」が販売されていますが、こちらが「TRN T2」に近い硬めの被膜でやや派手めの傾向のケーブルなのに対し、「C16-3」は他のC16シリーズ同様に非常にしなやかで、より情報量が多く、銀メッキ線の「C16-1」より高域を中心により自然な印象で変化し、ボーカル帯域などを中心に厚みのあるサウンドを実感させる印象です。また、中低域の分離感が向上することでより立体的な音場感を得られる傾向もあります。いっぽうで中高域の派手さは他のケーブルほどではなく、聴きやすさもあるケーブルですね。
情報量 ■■■■□
明瞭感 ■■■□□
奥行き ■■■■□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■■□
オススメ ★★★★☆
■ 「Yinyoo」ブランド・ミドルグレード 16芯ケーブル (レビュー① / レビュー②)
【 高純度銀メッキ線ケーブル 】
[ YYX4865 ] Yinyoo 16芯 高純度銅銀メッキ線 アップグレードケーブル(シルバー)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
Yinyooブランドの銀メッキ線ケーブルはシルバーカラー、白色ケーブルの「YYX4865」と各種カラーケーブルがあり、Yinyooの表記では他の製品が「芯材(Core)あたり0.05mm×14本」(16芯だと224本)なのに対し、「YYX4865」のみ「0.05mm×16本」(16芯だと256本)と微妙に異なる仕様になっています。Yinyooのミドルグレード16芯ケーブルはNICEHCK C16より僅かですが手触りがしなやかな印象です。被膜がほんの僅か厚みがあるのかもですね。Yinyooの定番16芯ケーブル「YYX4745」をリプレースする製品で、音質傾向も非常に近く、ほとんど味付けがなく情報量を向上させるタイプのケーブルです。また次の「YYX4862」「YYX4871」「YYX4872」に比べてもよりナチュラルな印象です。中高域に特徴のあるマルチBAやハイブリッドなどとの組み合わせで情報量や解像度をアップさせたい場合には最適なケーブルです。カラーリング的にも合せやすいですので、いろいろなイヤホンと組み合わせができますね。
情報量 ■■■■□
明瞭感 ■■■■□
奥行き ■■■■□
高域強調 ■■□□□
低域強調 ■■□□□
オススメ ★★★★☆
[ YYX4862 ] Yinyoo 16芯 高純度銅 銀メッキ線 アップグレードケーブル(ブルー/シルバー)
[ YYX4871 ] Yinyoo 16芯 銀メッキ銅線 アップグレードケーブル(ブルー&グリーン&シルバー)
[ YYX4872 ] Yinyoo 16芯 銀メッキ銅線 アップグレードケーブル(ゴールド&ブラック&シルバー)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
「YYX4862」(ダークブルー、シルバー)、「YYX4871」(ダークブルー、グリーン、シルバー)、「YYX4872」(ゴールド、ブラック、シルバー)の3種類のケーブルはすべて同じ仕様の色違いになります。線材の内容は「NICEHCK C16-1」などと同じですが、「YYX4865」同様にHCKのケーブルより僅かにしなやかさとコシがある手触りです。クロームメッキ仕上げのコネクタと併せて、Easy系の低価格ケーブルより高級感を感じます。また、このシリーズも「QDC」および「TFZ」コネクタを選択できます。音質傾向的には銀メッキ線ケーブルですが過剰な変化などの味付けはほとんど無く、情報量の多さはEasy系の低価格16芯と大きな差はありませんが、より自然な印象に中高域の輪郭がハッキリする明瞭感があります。また、ある程度駆動力のある再生環境では高域に銀メッキ線らしいキレのよさを感じる事も出来ます。
情報量 ■■■■□
明瞭感 ■■■■□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■□□□
オススメ ★★★★☆
【 高純度銅線ケーブル 】
[ YYX4861 ] Yinyoo 16芯 高純度銅 アップグレードケーブル(ブラウン)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
Yinyooブランドのミドルグレードの高純度銅線ケーブルが「YYX4861」です。濃淡のある2種類のカラーのブラウンの線材が編み込まれており、柔らくもしなやかでコシのあるケーブルは銅線ケーブルとしても高級感があります。
音質傾向は、非常に情報量が多く、より微細な音もしっかり分離して捉えることで音場感が大幅に向上するケーブルです。極端な味付けは無く、銅線ケーブルにありがちな低域を強化したりメリハリを強めるなどのタイプとは異なりますが、ボーカル帯域などを中心に厚みのあるサウンドを実感させる印象です。いっぽうで中高域の派手さは他のケーブルほどではなく、聴きやすさもあるケーブルですね。
情報量 ■■■■□
明瞭感 ■■■□□
奥行き ■■■■□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■■□
オススメ ★★★★☆
■ 「KB EAR」ブランド・ミドルグレード 16芯ケーブル (レビュー)
【 高純度銀メッキ線ケーブル 】
[ KBX4868 ] KB EAR 16芯 高純度銅銀メッキ線 ケーブル(ブルー/グレー/シルバー)
[ KBX4869 ] KB EAR 16芯 高純度銅銀メッキ線 ケーブル(ゴールド/シルバー/ブルー)
[ KB4878 ( KBX4878 ) ] KB EAR 16芯 高純度銅銀メッキ線 ケーブル(グレー/シルバー)
【 MMCX 】【 中華 2pin 】【QDC】【TFZ】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
Easy系新ブランドの「KB EAR」からも3種類のカラーリングの銀メッキ線ケーブルが販売されています。アマゾンでは「KBX4868」(ブルー、グレー、シルバー)と「KBX4869」(ゴールド、ブルー、シルバー)の2種類がHiFiHear Audioから、「KBX4878(KB4878)」がWTSUN Audioでの扱いになります。クロームメッキ仕上げのコネクタ形状がKB EARオリジナルの部品を採用しており、黒いボックスのパッケージで届きます。線材自体はYinyooブランドの「YYX4862」「YYX4871」「YYX4872」のカラーバリエーションと考えて良いようです。銀メッキ線ですが自然に情報量を向上させ、過剰な高域の変化などの味付けは無く、よりな自然な印象に中高域の輪郭がハッキリする明瞭感があります。ややメリハリが強く変化する銅線タイプの「KBEAR4841」より自然な変化ですが、低価格銀メッキ線の「KBEAR4842」解像感や見通しは良く、より中高域の明瞭感のある銀メッキ線らしいサウンドも実感できました。
情報量 ■■■■□
明瞭感 ■■■■□
奥行き ■■■□□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■□□□
オススメ ★★★★☆
■ 高純度OFHCケーブル(「NICEHCK」「Yinyoo」ブランド)
[ NICEHCK GCT4 ] 4芯 4N OFHC 高純度無酸素銅線 アップグレードケーブル (レビュー)
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
「NICEHCK GCT4」は線材に高純度の「4N OFHC銅」を使用したイヤホンケーブルで質感も良く音質的には透明度と明瞭感が向上するタイプのケーブルです。「OFHC 銅」(Oxygen Free High Conductivity Copper)はケーブルで多く使われている無酸素銅(OFC)の製法のひとつですが、「NICEHCK GCT4」は最高純度のものでローコストながら品質の高いケーブルといえます。音質傾向はイヤホンの明瞭感を向上し、見通しの良いサウンドにするタイプのケーブルです。16芯ケーブルよりかなり自然な変化ですが情報量は非常に高く、高純度銅線らしい中低域の響きの良さとより立体的な空間表現が実感できます。銅線ケーブルにありがちな極端に低域を持ち上げたり、濃いめ・派手めの印象に変えるような味付けはなく、全体的にイヤホンの能力を引き出すタイプのケーブルで、雑味の少ないスッキリしたサウンドが印象的です。
情報量 ■■■■■
明瞭感 ■■■■□
奥行き ■■■■□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■□□
オススメ ★★★★★
[ YYX4859 ] Yinyoo 4芯 4N 高純度無酸素銅 OFHC アップグレードケーブル (レビュー)
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【 3.5mm 】【 2.5mm/4極 】【 4.4mm/5極 】
「YYX4859」も、高純度無酸素銅「OFHC」(Oxygen Free High-conductivity Copper)線材を使用したケーブルで、おそらく同様の線材を採用する「NICEHCK GCT4」の対抗製品としてリリースされたと考えられます。品質面では同等クラスでやはり非常にコストパフォーマンス高いケーブルですね。16芯の「YYX4861」「YYX4862」のような音量が大きく変わるほどの変化はありませんが、情報量は非常に高く、高純度銅線らしい中低域の響きの良さとより立体的な空間表現が実感できます。濃いめ・派手めの印象に変えるような味付けはなく、全体的にイヤホンの能力を引き出すタイプのケーブルで、「YYX4765」ほど極端ではないものの、雑味の少ないスッキリしたサウンドが実感できます。
情報量 ■■■■■
明瞭感 ■■■■□
奥行き ■■■■□
高域強調 ■■■□□
低域強調 ■■■□□
オススメ ★★★★★
というわけで、今回は各社からリリースされたミドルグレード16芯ケーブルとOFHCケーブルのまとめとなりました。前回のミドルグレード編で紹介した製品、特にOCCタイプのケーブルは現在も販売されていますので、両方合わせてご覧いただければ幸いです。
C16-1とKB4878は同じ線材、という認識で大丈夫でしょうか?