こんにちは。今回は「KBEAR Diamond」 の紹介です。中国のイヤホンセラー「Easy Earphones」や「Kinboofi」などで販売される「KBEAR」(または「KB EAR」)ブランドの最新モデルですね。「KBEAR Diamond」 は高級感のある金属製ハウジングに8.5mmサイズのDLC(Diamond Like Carbon)コートのダイナミックドライバーをシングルで搭載した仕様になっています。
DLCコーティングを施した振動板を採用したダイナミックドライバー搭載のイヤホンが最近急速に増えてきていますが、おそらく水月雨(Moondrop)の製品あたりで注目を浴びているのかもしれません。なお、DLCドライバー搭載モデルは私のブログでは「Moondrop KXXS」「FAAEAL Hibiscus」に次いで「KBEAR Diamond」が3種類目となります。DLC(Diamond Like Carbon)は日本語では「硬質炭素膜」とほぼ同義で、ウィキペディアによるとハードディスクの表面や剃刀の刃でも使われている材質とのこと。振動板にDLCコーティングを施すことで耐摩耗性に優れ、高硬度を持たせることが可能となり、一般的なダイナミックドライバーと比較して高域特性が向上するようです。
また今回の「KBEAR Diamond」のアルミニウム合金製ハウジング部分はダルマオーディオ社のOEM部品を使用しているようで外観は「Vento Conductor T-800」と酷似していますね。いっぽうで低価格モデルの 「KBEAR OPAL」やKinboofiの「KBF MAYA」とも少し似た印象に見えますがフェイスプレート部分のサイズ感や厚みなど実際には結構異なっているのがわかります。
またコストパフォーマンスの良いリケーブル製品も数多くリリースしているKBEARですが、「KBEAR Diamond」では標準で8芯タイプのOFC(無酸素銅)銀メッキ線ケーブルが付属します。コネクタは0.78mm 2pin仕様となっていて中華2pin、またはCIEM 2pin仕様でリケーブルももちろん可能です。
「KBEAR Diamond」の購入はAliExpressの「Easy Earphones」またはアマゾンの「Kinboofi」「WTSUN Audio」にて。表示価格はAliExpressが 79ドル、アマゾンが9,800円~となっています。
AliExpress(中国からの発送)での購入方法はこちらを参照ください。
AliExpress(Easy Earphones): KBEAR Diamond
またアマゾンではアマゾン倉庫よりプライム扱いですぐに届くほかアマゾン経由でのサポートが得られるため(不良品など)万が一の場合も安心感がありますね。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): KBEAR Diamond
Amazon.co.jp(Kinboofi): KBEAR Diamond
※Kinboofiでは1000円OFFのクーポンを配布中のため実質 8,800円 で購入可能です。
■ 高級感のあるパッケージと高いビルドクオリティを感じる金属製ハウジング
「KBEAR Diamond」のパッケージは新しいデザインのボックスで、「KBEAR Hi7」などで採用されている最近のEasy系のイヤホンのパッケージより大きく豪華さを感じるものです。従来タイプのパッケージではフェルト生地の布製ポーチが付属しましたが、「KBEAR Diamond」ではSIMGOT製イヤホンのような革製のしっかりしたケースが付属しています。
パッケージ内容は、イヤホン本体、8芯銀メッキ線ケーブル、イヤーピースはグレーとブラックの2種類のシリコン製(各S/M/Lサイズ)、ウレタン製イヤーピースもブラックとグレーがそれぞれ1ペア、革製ケース、説明書。
従来のKBEARなどEasy系の製品とは製造元の異なる「KBEAR Diamond」のハウジングは非常にすっきしたデザインのアルミ合金製で精度の高さを感じます。8.5mmドライバーのシングル構成ということもあり比較的コンパクトで太めのステムのわりに装着性は良好です。2pinコネクタは僅かに窪みがあり、中華2pinタイプのケーブルだとぴったり収まるようになっています。
付属するケーブルは中華2pinタイプの8芯ケーブルで柔らかい線材のOFC(無酸素銅)銀メッキ線ケーブルで取り回しも良好です。プラグやコネクタ、分岐部分のパーツにはKBEARブランドの低価格帯のケーブル製品と同じ金属製のものが使用されています。「KBEAR Hi7」の付属ケーブルよりしっかりしたもので、リケーブル無しでも十分に使えるクオリティのケーブルが付属するのはうれしいですね。
イヤーピースは付属のもののほか、よりフィット感を高めるため、定番のJVCの「スパイラルドット」、Acoustune「AET07」、AZLA「SednaEarfit Light」「SednaEarfit Light Short」など開口部が大きいタイプの製品を利用することをお勧めします。
■ ドンシャリ傾向で力強い低域を感じつつ、柔らかく解像感のある中高域が心地よい
「KBEAR Diamond」の音質傾向は結構ハッキリとしたドンシャリで開封直後からDLCらしい柔らかくも解像感のある中高域とパワフルな低域が楽しめます。一般的にDLCコートのドライバーは長時間エージングにより本領を発揮するケースが多く、「KBEAR Diamond」でも100時間程度はじっくり鳴らし込んでやるとパワフルな低域を含めた全体のバランスも安定するようですね。結構キャラクター付けがしっかりされてる製品のため、「Moondrop KXXS」のような「美音系」であるがままに鳴らす印象のイヤホンとは、同じ柔らかく透明感のあるDLCコートのシングルダイナミックでも結構対極にあるようなチューニングです。
「KBEAR Diamond」の高域はある程度主張のある鳴り方をしますが、見通しの良い透明感が印象的なサウンドです。思ったより派手な感じは無く、刺さりなどの刺激は抑えられています。また決して暗くはないものの明るさや鮮やかさを強調するような音ではありません。多くの中華イヤホンに見られる硬質で派手さのある印象とは大きく異なっており、「KBEAR Diamond」の柔らかさと見通しの良さを感じる高音はDLCコートのドライバーならではの特徴といえるかもしれませんね。
中音域は曲によって多少凹みを感じるバランスで鳴ります。特に演奏の音数の多い曲ではボーカルが少し下がる印象があるようです。中高域への抜けは良く明瞭で女性ボーカルのハイトーンやピアノの高音なども多少派手さはあるものの柔らかく綺麗に鳴ります。いっぽう男性ボーカルの低音などはパワフルな低域のため少し凹みますが分離は良く籠りはほぼ感じませんでした。
中音域全体での印象は高域同様にDLCコートらしい独特の柔らかを感じつつもスピードと解像感のある音で、同時にシングルダイナミック構成ならではのつながりの良さを実現しています。明瞭さにおいては同価格帯のイヤホンの中でも非常に優れていると感じました。この明瞭感は、KZやTRNなどのアンダー1万円クラスのマルチBAイヤホン(「KZ AS12」や「TRN BA5」など)や、同価格帯の「KBEAR Hi7」といったマルチドライバーのイヤホンと比較してもDLCコートのシングルダイナミック「KBEAR Diamond」が構成的に優位性を示す部分でしょう。また音場は普通程度ですが少し広がりがあります。
低域はパワフルで存在感のある音を鳴らします。開封直後は少し膨らむような印象もありましたが、長時間エージングによりおおむね解消し、厚みとともに小気味よく弾む印象で明瞭なサウンドを実感できました。重低音の沈み込みも良好な印象で、ベースラインのしっかりとした解像感のある音を楽しめます。低域の質感にこだわる方でも1万円以下、100ドル以下の中華イヤホンとしてはけっこう好感を持てる仕上がりになっているのではと思います。
最近のポップスやEDMなど打ち込み系の曲ではボーカル曲でも相性が良く、またライブ音源やスタジオ録音された曲ではドンシャリ傾向のバランスと併せて非常に心地よく、または楽しく聴くことができると思います。また女性ボーカルのアニソンなどでは少し物足りなく感じる場合もありますね。
また「KBEAR Diamond」は2pin仕様のケーブルでのリケーブルも可能です。最近存在感を増しているミドルグレード16芯ケーブル、具体的にはKBEAR「KB4878(KBX4878)」「KBX4868」「KBX4869」やYinyoo「YYX48xx」型番のケーブルなどにリケーブルすると、全体的に分離性の向上によりスピード感が増し、よりキレのあるサウンドを実感できます。いっぽうで多少ドンシャリ傾向が強まるため良くも悪くも曲の相性がはっきり出る可能性はあります。また高純度単結晶銅線ケーブルの「HiF4881」の場合、音質傾向を維持したままよりナチュラルに明瞭感が向上し、柔らかさを維持したまま全体的にスッキリした印象になります。特にアコースティックな音源との相性の良さをより実感できます。
というわけで、「KBEAR Diamond」は最近増えているDLCコート仕様のシングルダイナミックイヤホンのなかでもより分かりやすいドンシャリ傾向のキャラクターを持ち、リスニングの楽しさに振ったイヤホンでした。最近中華イヤホンでもボーカル帯域にフォーカスした製品が増えており、そういった点では毛色の異なる「KBEAR Diamond」は音質傾向的に好みが分かれる可能性がありますが完成度は高く、特にしっかりした低域を好まれる方には、透明感のある綺麗な高域と併せて良い選択肢になるのではないかと思いますよ。
また今回の「KBEAR Diamond」のアルミニウム合金製ハウジング部分はダルマオーディオ社のOEM部品を使用しているようで外観は「Vento Conductor T-800」と酷似していますね。いっぽうで低価格モデルの 「KBEAR OPAL」やKinboofiの「KBF MAYA」とも少し似た印象に見えますがフェイスプレート部分のサイズ感や厚みなど実際には結構異なっているのがわかります。
またコストパフォーマンスの良いリケーブル製品も数多くリリースしているKBEARですが、「KBEAR Diamond」では標準で8芯タイプのOFC(無酸素銅)銀メッキ線ケーブルが付属します。コネクタは0.78mm 2pin仕様となっていて中華2pin、またはCIEM 2pin仕様でリケーブルももちろん可能です。
「KBEAR Diamond」の購入はAliExpressの「Easy Earphones」またはアマゾンの「Kinboofi」「WTSUN Audio」にて。表示価格はAliExpressが 79ドル、アマゾンが9,800円~となっています。
AliExpress(中国からの発送)での購入方法はこちらを参照ください。
AliExpress(Easy Earphones): KBEAR Diamond
またアマゾンではアマゾン倉庫よりプライム扱いですぐに届くほかアマゾン経由でのサポートが得られるため(不良品など)万が一の場合も安心感がありますね。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): KBEAR Diamond
Amazon.co.jp(Kinboofi): KBEAR Diamond
※Kinboofiでは1000円OFFのクーポンを配布中のため実質 8,800円 で購入可能です。
■ 高級感のあるパッケージと高いビルドクオリティを感じる金属製ハウジング
「KBEAR Diamond」のパッケージは新しいデザインのボックスで、「KBEAR Hi7」などで採用されている最近のEasy系のイヤホンのパッケージより大きく豪華さを感じるものです。従来タイプのパッケージではフェルト生地の布製ポーチが付属しましたが、「KBEAR Diamond」ではSIMGOT製イヤホンのような革製のしっかりしたケースが付属しています。
パッケージ内容は、イヤホン本体、8芯銀メッキ線ケーブル、イヤーピースはグレーとブラックの2種類のシリコン製(各S/M/Lサイズ)、ウレタン製イヤーピースもブラックとグレーがそれぞれ1ペア、革製ケース、説明書。
従来のKBEARなどEasy系の製品とは製造元の異なる「KBEAR Diamond」のハウジングは非常にすっきしたデザインのアルミ合金製で精度の高さを感じます。8.5mmドライバーのシングル構成ということもあり比較的コンパクトで太めのステムのわりに装着性は良好です。2pinコネクタは僅かに窪みがあり、中華2pinタイプのケーブルだとぴったり収まるようになっています。
付属するケーブルは中華2pinタイプの8芯ケーブルで柔らかい線材のOFC(無酸素銅)銀メッキ線ケーブルで取り回しも良好です。プラグやコネクタ、分岐部分のパーツにはKBEARブランドの低価格帯のケーブル製品と同じ金属製のものが使用されています。「KBEAR Hi7」の付属ケーブルよりしっかりしたもので、リケーブル無しでも十分に使えるクオリティのケーブルが付属するのはうれしいですね。
イヤーピースは付属のもののほか、よりフィット感を高めるため、定番のJVCの「スパイラルドット」、Acoustune「AET07」、AZLA「SednaEarfit Light」「SednaEarfit Light Short」など開口部が大きいタイプの製品を利用することをお勧めします。
■ ドンシャリ傾向で力強い低域を感じつつ、柔らかく解像感のある中高域が心地よい
「KBEAR Diamond」の音質傾向は結構ハッキリとしたドンシャリで開封直後からDLCらしい柔らかくも解像感のある中高域とパワフルな低域が楽しめます。一般的にDLCコートのドライバーは長時間エージングにより本領を発揮するケースが多く、「KBEAR Diamond」でも100時間程度はじっくり鳴らし込んでやるとパワフルな低域を含めた全体のバランスも安定するようですね。結構キャラクター付けがしっかりされてる製品のため、「Moondrop KXXS」のような「美音系」であるがままに鳴らす印象のイヤホンとは、同じ柔らかく透明感のあるDLCコートのシングルダイナミックでも結構対極にあるようなチューニングです。
「KBEAR Diamond」の高域はある程度主張のある鳴り方をしますが、見通しの良い透明感が印象的なサウンドです。思ったより派手な感じは無く、刺さりなどの刺激は抑えられています。また決して暗くはないものの明るさや鮮やかさを強調するような音ではありません。多くの中華イヤホンに見られる硬質で派手さのある印象とは大きく異なっており、「KBEAR Diamond」の柔らかさと見通しの良さを感じる高音はDLCコートのドライバーならではの特徴といえるかもしれませんね。
中音域は曲によって多少凹みを感じるバランスで鳴ります。特に演奏の音数の多い曲ではボーカルが少し下がる印象があるようです。中高域への抜けは良く明瞭で女性ボーカルのハイトーンやピアノの高音なども多少派手さはあるものの柔らかく綺麗に鳴ります。いっぽう男性ボーカルの低音などはパワフルな低域のため少し凹みますが分離は良く籠りはほぼ感じませんでした。
中音域全体での印象は高域同様にDLCコートらしい独特の柔らかを感じつつもスピードと解像感のある音で、同時にシングルダイナミック構成ならではのつながりの良さを実現しています。明瞭さにおいては同価格帯のイヤホンの中でも非常に優れていると感じました。この明瞭感は、KZやTRNなどのアンダー1万円クラスのマルチBAイヤホン(「KZ AS12」や「TRN BA5」など)や、同価格帯の「KBEAR Hi7」といったマルチドライバーのイヤホンと比較してもDLCコートのシングルダイナミック「KBEAR Diamond」が構成的に優位性を示す部分でしょう。また音場は普通程度ですが少し広がりがあります。
低域はパワフルで存在感のある音を鳴らします。開封直後は少し膨らむような印象もありましたが、長時間エージングによりおおむね解消し、厚みとともに小気味よく弾む印象で明瞭なサウンドを実感できました。重低音の沈み込みも良好な印象で、ベースラインのしっかりとした解像感のある音を楽しめます。低域の質感にこだわる方でも1万円以下、100ドル以下の中華イヤホンとしてはけっこう好感を持てる仕上がりになっているのではと思います。
最近のポップスやEDMなど打ち込み系の曲ではボーカル曲でも相性が良く、またライブ音源やスタジオ録音された曲ではドンシャリ傾向のバランスと併せて非常に心地よく、または楽しく聴くことができると思います。また女性ボーカルのアニソンなどでは少し物足りなく感じる場合もありますね。
また「KBEAR Diamond」は2pin仕様のケーブルでのリケーブルも可能です。最近存在感を増しているミドルグレード16芯ケーブル、具体的にはKBEAR「KB4878(KBX4878)」「KBX4868」「KBX4869」やYinyoo「YYX48xx」型番のケーブルなどにリケーブルすると、全体的に分離性の向上によりスピード感が増し、よりキレのあるサウンドを実感できます。いっぽうで多少ドンシャリ傾向が強まるため良くも悪くも曲の相性がはっきり出る可能性はあります。また高純度単結晶銅線ケーブルの「HiF4881」の場合、音質傾向を維持したままよりナチュラルに明瞭感が向上し、柔らかさを維持したまま全体的にスッキリした印象になります。特にアコースティックな音源との相性の良さをより実感できます。
というわけで、「KBEAR Diamond」は最近増えているDLCコート仕様のシングルダイナミックイヤホンのなかでもより分かりやすいドンシャリ傾向のキャラクターを持ち、リスニングの楽しさに振ったイヤホンでした。最近中華イヤホンでもボーカル帯域にフォーカスした製品が増えており、そういった点では毛色の異なる「KBEAR Diamond」は音質傾向的に好みが分かれる可能性がありますが完成度は高く、特にしっかりした低域を好まれる方には、透明感のある綺麗な高域と併せて良い選択肢になるのではないかと思いますよ。