こんにちは。今回は「Massdrop x Noble X Universal」 (通称「Noble X」)です。いまNoble AudioのイヤホンをレビューするならふつうTWSの「Noble FALCON」だろう、という感じですが、今回は同じくらいの価格で買える(買った)、Massdropコラボの低価格モデルのほうだったりします。
相変わらずの衝動買いで最近も結構いろいろイヤホンが届いていたりするのですが、実は昨年からの書きかけレビューもまだ結構残っていたりして、まずはその辺を仕上げてしまおう、という流れでお送りしております(^^;)。
さて、「Massdrop x Noble X Universal (Noble X)」は、米国を代表する高級IEMメーカーのひとつ「Noble Audio」が同じく米国の共同購入サイト「Drop」(旧名称「Massdrop」)とコラボした製品で、発売自体はすでに3年ほど前の製品になります。ずっと300ドル~250ドル程度の価格でしたが、昨年秋ごろから半額の125ドルで購入できるようになったため早速購入してみました。ただDrop側の発送ミスなどもあり、再度発送してもらうなどのやりとりで手元に届いたのは年末近くになってしまいました。
「Noble Audio」というと、かつての「Kaiser 10」を筆頭に多ドラ構成の高級イヤホンという印象が強いですが、最近ではTWSの「FALCON」が比較的低価格で音も良く、かつ「あのNobleが出した」的ノリもあって人気のようです。いっぽうの「Noble X」は同社のユニバーサル仕様では伝統的なシェルデザインを踏襲しつつ、2BA構成で低価格を実現したモデルです。「Massdropコラボ」らしいメーカー色を抑えた黒系のカラーリングまとめられているのも特徴的です。
最近では私のブログでもおなじみの中華系のイヤホンをはじめ、各社とも製品クオリティが「爆上げ」されていることもあり、正直多少「古さ」を感じる部分はありますが、半額の125ドルならまだまだ十分にコストパフォーマンスの高い製品ですので、持ってても良いかなと思い購入しました。
Drop: Massdrop x Noble X Universal IEMs
またDropではすでに市場では販売終了となっている10BAモデル「Kaiser 10」もやはり当時の半額程度の900ドルで販売されていて根強い人気のようですね。
Drop: Massdrop x Noble Kaiser 10 Universal IEMs
■ ひと目でNobleとわかるデザイン。イヤーピースはウレタンタイプが良いかも。
「Massdrop x Noble X Universal (Noble X)」は円筒状のコンパクトなパッケージで届き、中にはイヤホン本体が入ったプラスチック製のケースと袋に入ったイヤーピースなどが同梱されています。パッケージ内容は本体・ケーブル、イヤーピースはウレタン製が2サイズ、シリコン製が2サイズ、ダブルフランジタイプが1ペア、クリーニング用のブラシ、ケースなど。
本体はABS樹脂製のハウジングとCNC加工されたアルミ製のフェイス部分で構成されていてとても軽量です。2Wayタイプのイヤホンらしく、2基のバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーそれぞれから伸びる音導管がステム部分で開口しています。
コネクタは0.78mm 2pinタイプで埋め込み部分は浅いため、中華2pin仕様のケーブルでも利用できそうです。付属ケーブルは台湾製の線材を使用しているとのこと。
標準のイヤーピースがウレタン製であることからもわかりますが、Nobleの個性的なハウジングデザインのため、装着性は良い方とはいえません。基本的にイヤーピースで耳穴に固定し、ケーブルの耳掛け部分でサポートするタイプのイヤホンと考えた方が良いでしょう。とはいえ非常に軽量なイヤホンですので、重さで落ちるようなことはないため、イヤーピースさえ合せられればさほど困ることはないと思います。
私の場合は当初ダブルフランジのイヤーピースを選択していましたが、やはり付属のイヤーピースでは合せられなかったのでイヤーピースは交換しています。今回は普段使っているJVCの「スパイラルドット」やacoustuneの「AET07」といったシリコンイヤーピースではなく、ウレタン製の定番「コンプライ」を選択しました。「コンプライ」は愛好者が多い反面、音が籠もりやすいという理由で敬遠される方も結構いる好みの分かれるイヤーピースですが、私のように耳穴(外耳道)が細い人間には有り難い存在です。また後述しますが音質傾向的にもこの組み合わせが相性が良いように感じました。
■ 味付けの無い綺麗なフラットサウンド。アレンジを楽しむのに最適かも?
「Massdrop x Noble X Universal (Noble X)」の音質傾向はフラットで、味付け無くバランス良い優等生タイプのイヤホンですが、言い方を変えると音源そのままの音を淡々と鳴らす印象でもあります。やや繊細なサウンドで、2BAイヤホンとしては十分に解像感がありますが、すこし離れて定位することもあり、結構あっさりした印象を受けますね。そのためモニターライクというより聴き馴染みやすい自然なリスニングサウンド、といった感じです。低域はいかにも2BAといった量的には少ない印象。ちょっと軽く物足りなさを感じる場合もありますが、コンプライなどウレタン製イヤーピースを合せると多少厚みが増します。ウレタンイヤーピースを合せても籠りなどはありません。
「Noble X」の高域は見通しの良いスッキリした音で伸びの良好です。多少線が細い印象がありますが、明瞭感のある音で鳴ります。少し離れて定位するためそれほど強い主張はありません。シンバルなども煌めきのある高音ですが、刺さり等の刺激も少なくとても聴きやすい印象です。
中音域はとてもフラットでつながりの良い音を鳴らします。高域同様に自然な距離感で定位しますが、音場自体は普通かやや狭く、そのため曲によっては僅かに遠く感じる場合があります。中高域の抜けは良くピアノの高音なども綺麗に鳴ります。男性ボーカルもスッキリめですが低音はやや軽く感じる可能性もあります。「Noble X」の印象としては味付け無くありのままの音をありのままに鳴らす音作りで、特にボーカル帯域が綺麗に感じる点はNobleらしさの部分かもしれませんね。解像感のある音ですが比較的柔らかく、余韻などには温かさがあります。
低域は多くの2BAイヤホン同様に少なめですが、Nobleのイヤホンとして割と多い印象です。ベースラインの輪郭はしっかり描写しています。またウレタン製のイヤーピースなどで耳穴へのフィット感を向上させることでより量感がアップします。特にミッドベースにはある程度の力強さがあり、籠もらない程度に厚みが増します。いっぽう重低音はそこそこ沈み込みはありますが下の方の周波数で多少割り切っている感じがあります。
「Noble X」はポップスなどのボーカル曲との相性が良く、綺麗なサウンドを心地良く堪能できると思います。いっぽうスピード感のあるハードロックやEDMなどは物足りなさを感じるでしょう。ジャズなどのアコースティックなサウンドは少し平坦な印象を受けますし、重低音に物足りなさを感じるかもしれませんね。
「Noble X」は音作りとしてはフラットながらリスニングイヤホンとしての方向性で、完成度も高いのですが、あえてこれを選ぶ個性が少ない、非常に淡泊なイヤホン、という感じもします。そのため、「Noble X」自体は「素材」として考えて、リケーブルによる変化や真空管アンプなど「味のある再生環境」での変化を楽しむイヤホンとしてはうってつけかも知れません。
リケーブルでは比較的傾向がハッキリとしたケーブルとの組み合わせがお勧めで、6N UPOCC銀メッキ線ケーブルの「NICEHCK C4-1」ではやや淡泊だったサウンドが一変し、高域のキレが向上と低域の力強さが増すことで全体的に濃厚さのあるサウンドが実感できます。ボーカルも近く感じますのでかなり印象の変化は大きいでしょう。同様に七福神商事の高純度銅線ケーブル「丸七赤龍」でも全体的に濃い音に変化し、より低域の量感がアップしメリハリのあるサウンドになります。他にも色々な組み合わせに挑戦してみるのも楽しいですね。
というわけで、「Massdrop x Noble X Universal (Noble X)」はもともとコストパフォーマンスの良い製品でしたが、価格変更となったことでより手軽に購入できるようになりました。それでも同価格帯で魅力的な製品は確かに増えていますので、あえて選択するイヤホンではないかもしれませんが、すでに色々イヤホンを使っている方でNobleのサウンドを身近に楽しむためには良いアイテムだと思います。
なお、「棚からひとつかみ」ならぬ「棚からレビュー」という感じで(^^;)、今回のようにずっと放置してあった書きかけレビューや、持ってるけどレビューしていなかった製品の紹介とかも、今後「気が向いたときに」ぼちぼち紹介いきたいと思います。
「Noble Audio」というと、かつての「Kaiser 10」を筆頭に多ドラ構成の高級イヤホンという印象が強いですが、最近ではTWSの「FALCON」が比較的低価格で音も良く、かつ「あのNobleが出した」的ノリもあって人気のようです。いっぽうの「Noble X」は同社のユニバーサル仕様では伝統的なシェルデザインを踏襲しつつ、2BA構成で低価格を実現したモデルです。「Massdropコラボ」らしいメーカー色を抑えた黒系のカラーリングまとめられているのも特徴的です。
最近では私のブログでもおなじみの中華系のイヤホンをはじめ、各社とも製品クオリティが「爆上げ」されていることもあり、正直多少「古さ」を感じる部分はありますが、半額の125ドルならまだまだ十分にコストパフォーマンスの高い製品ですので、持ってても良いかなと思い購入しました。
Drop: Massdrop x Noble X Universal IEMs
またDropではすでに市場では販売終了となっている10BAモデル「Kaiser 10」もやはり当時の半額程度の900ドルで販売されていて根強い人気のようですね。
Drop: Massdrop x Noble Kaiser 10 Universal IEMs
■ ひと目でNobleとわかるデザイン。イヤーピースはウレタンタイプが良いかも。
「Massdrop x Noble X Universal (Noble X)」は円筒状のコンパクトなパッケージで届き、中にはイヤホン本体が入ったプラスチック製のケースと袋に入ったイヤーピースなどが同梱されています。パッケージ内容は本体・ケーブル、イヤーピースはウレタン製が2サイズ、シリコン製が2サイズ、ダブルフランジタイプが1ペア、クリーニング用のブラシ、ケースなど。
本体はABS樹脂製のハウジングとCNC加工されたアルミ製のフェイス部分で構成されていてとても軽量です。2Wayタイプのイヤホンらしく、2基のバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーそれぞれから伸びる音導管がステム部分で開口しています。
コネクタは0.78mm 2pinタイプで埋め込み部分は浅いため、中華2pin仕様のケーブルでも利用できそうです。付属ケーブルは台湾製の線材を使用しているとのこと。
標準のイヤーピースがウレタン製であることからもわかりますが、Nobleの個性的なハウジングデザインのため、装着性は良い方とはいえません。基本的にイヤーピースで耳穴に固定し、ケーブルの耳掛け部分でサポートするタイプのイヤホンと考えた方が良いでしょう。とはいえ非常に軽量なイヤホンですので、重さで落ちるようなことはないため、イヤーピースさえ合せられればさほど困ることはないと思います。
私の場合は当初ダブルフランジのイヤーピースを選択していましたが、やはり付属のイヤーピースでは合せられなかったのでイヤーピースは交換しています。今回は普段使っているJVCの「スパイラルドット」やacoustuneの「AET07」といったシリコンイヤーピースではなく、ウレタン製の定番「コンプライ」を選択しました。「コンプライ」は愛好者が多い反面、音が籠もりやすいという理由で敬遠される方も結構いる好みの分かれるイヤーピースですが、私のように耳穴(外耳道)が細い人間には有り難い存在です。また後述しますが音質傾向的にもこの組み合わせが相性が良いように感じました。
■ 味付けの無い綺麗なフラットサウンド。アレンジを楽しむのに最適かも?
「Massdrop x Noble X Universal (Noble X)」の音質傾向はフラットで、味付け無くバランス良い優等生タイプのイヤホンですが、言い方を変えると音源そのままの音を淡々と鳴らす印象でもあります。やや繊細なサウンドで、2BAイヤホンとしては十分に解像感がありますが、すこし離れて定位することもあり、結構あっさりした印象を受けますね。そのためモニターライクというより聴き馴染みやすい自然なリスニングサウンド、といった感じです。低域はいかにも2BAといった量的には少ない印象。ちょっと軽く物足りなさを感じる場合もありますが、コンプライなどウレタン製イヤーピースを合せると多少厚みが増します。ウレタンイヤーピースを合せても籠りなどはありません。
「Noble X」の高域は見通しの良いスッキリした音で伸びの良好です。多少線が細い印象がありますが、明瞭感のある音で鳴ります。少し離れて定位するためそれほど強い主張はありません。シンバルなども煌めきのある高音ですが、刺さり等の刺激も少なくとても聴きやすい印象です。
中音域はとてもフラットでつながりの良い音を鳴らします。高域同様に自然な距離感で定位しますが、音場自体は普通かやや狭く、そのため曲によっては僅かに遠く感じる場合があります。中高域の抜けは良くピアノの高音なども綺麗に鳴ります。男性ボーカルもスッキリめですが低音はやや軽く感じる可能性もあります。「Noble X」の印象としては味付け無くありのままの音をありのままに鳴らす音作りで、特にボーカル帯域が綺麗に感じる点はNobleらしさの部分かもしれませんね。解像感のある音ですが比較的柔らかく、余韻などには温かさがあります。
低域は多くの2BAイヤホン同様に少なめですが、Nobleのイヤホンとして割と多い印象です。ベースラインの輪郭はしっかり描写しています。またウレタン製のイヤーピースなどで耳穴へのフィット感を向上させることでより量感がアップします。特にミッドベースにはある程度の力強さがあり、籠もらない程度に厚みが増します。いっぽう重低音はそこそこ沈み込みはありますが下の方の周波数で多少割り切っている感じがあります。
「Noble X」はポップスなどのボーカル曲との相性が良く、綺麗なサウンドを心地良く堪能できると思います。いっぽうスピード感のあるハードロックやEDMなどは物足りなさを感じるでしょう。ジャズなどのアコースティックなサウンドは少し平坦な印象を受けますし、重低音に物足りなさを感じるかもしれませんね。
「Noble X」は音作りとしてはフラットながらリスニングイヤホンとしての方向性で、完成度も高いのですが、あえてこれを選ぶ個性が少ない、非常に淡泊なイヤホン、という感じもします。そのため、「Noble X」自体は「素材」として考えて、リケーブルによる変化や真空管アンプなど「味のある再生環境」での変化を楽しむイヤホンとしてはうってつけかも知れません。
リケーブルでは比較的傾向がハッキリとしたケーブルとの組み合わせがお勧めで、6N UPOCC銀メッキ線ケーブルの「NICEHCK C4-1」ではやや淡泊だったサウンドが一変し、高域のキレが向上と低域の力強さが増すことで全体的に濃厚さのあるサウンドが実感できます。ボーカルも近く感じますのでかなり印象の変化は大きいでしょう。同様に七福神商事の高純度銅線ケーブル「丸七赤龍」でも全体的に濃い音に変化し、より低域の量感がアップしメリハリのあるサウンドになります。他にも色々な組み合わせに挑戦してみるのも楽しいですね。
というわけで、「Massdrop x Noble X Universal (Noble X)」はもともとコストパフォーマンスの良い製品でしたが、価格変更となったことでより手軽に購入できるようになりました。それでも同価格帯で魅力的な製品は確かに増えていますので、あえて選択するイヤホンではないかもしれませんが、すでに色々イヤホンを使っている方でNobleのサウンドを身近に楽しむためには良いアイテムだと思います。
なお、「棚からひとつかみ」ならぬ「棚からレビュー」という感じで(^^;)、今回のようにずっと放置してあった書きかけレビューや、持ってるけどレビューしていなかった製品の紹介とかも、今後「気が向いたときに」ぼちぼち紹介いきたいと思います。
いつも楽しく中華イヤホンのレビューを拝見しております。
さきほど、何年かぶりにmassdropを思い出し、アクセスしMASSDROP X NOBLE X UNIVERSAL IEMSを購入しました。
しばらくイヤホンから離れていたのですが、去年Falconを買って以来再燃したこともあり、ついつい勢いでポチッと。
んで、購入してからどんなイヤホンだろ?と検索をかけたら、見慣れたサイトに(笑)
驚きつつ拝見するとC4-1にリケを勧められていて、先日アリから届いたばかりで、さらに驚いたというか、笑ってしまいました。
いや、偶然ってあるんですね(°∀°)
今年もブログを楽しみにしています。
正月から偶然が重なって、ついついコメントしてしまいました。
長文・駄文失礼しました。