AUSOUNDS AU-Flex ANC

こんにちは。今回は「Ausounds AU-Flex ANC」です。「Ausounds」は数々の有名オーディオメーカーの製品に関わった開発チームが手がける高音質のワイヤレス製品をリリースしているアメリカのオーディオブランドです。最近日本市場にも正式に上陸し、国内でも気軽に購入することが可能になりました。
「Ausounds」サイト(日本語)

今回紹介する「Ausounds AU-Flex ANC」は同社イヤホンのなかでも「ダイナミックと平面可動型ドライバーのハイブリッド構成」「独自のANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)機能を搭載」「LDAC ハイレゾコーデックに対応」といったシリーズで最強のスペックを持つワイヤレスイヤホンで、そのサウンドがとても気になっていたモデルです。というわけで、国内販売元のコペックジャパンさんよりサンプル品の提供を受けてのレビューとなります。

AUSOUNDS AU-Flex ANCAUSOUNDS AU-Flex ANC
Ausounds AU-Flex ANC」はいわゆるネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンとなります。同社でも「AU-Stream Hybrid」や「AU-Stream ANC」といった完全ワイヤレス(TWS)製品がやはり主流となってきていると思いますが、ネックバンドタイプは「スポーツタイプ」などと呼ばれることもあるようにスポーツ中でも安心して使用でき、落下による紛失などの心配が無いことあって好んでこのタイプを愛用する方も少なくありません。また構造的にワイヤレス機構やバッテリをネックバンド部分に格納できるためスペースに余裕があり、一般的に完全ワイヤレス(TWS)より高スペックだったり、長時間のバッテリ稼働が可能な製品を作りやすいという点もポイントです。

今回紹介する「Ausounds AU-Flex ANC」についても、独自の「AUハイブリッド平面駆動型ドライバー(AU Balanced Hybrid Planar Magnetic Driver)」を採用。中高域をカバーする8mm 平面稼働ドライバーと正確な低音を表現する10mm ダイナミックドライバーのハイブリッド構成を一体化した金属製シャーシに収め、二重のボイスコイルで覆われた複合ユニットがハウジング内に搭載されています。
さらにハウジング部分に外部の環境音をリアルタイムで捉え打ち消す位相の音を加えることで動的にノイズを消すアクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機構とあわせてコンパクトな耳掛け型のハウジングに搭載しています。
AUSOUNDS AU-Flex ANCAUSOUNDS AU-Flex ANC
いっぽう、ワイヤレス機構については、SBCおよびAACコーデックに加え、同シリーズのなかで唯一、「LDAC」にも対応。最大990kbpsの高い転送レートでの高音質再生が可能です。さらに連続再生時間は最長15時間(ANC使用時 10時間)、持続時間22時間のバッテリ稼働が可能など、ネックバンドタイプならではの高性能となっています。

ドライバーAUハイブリッド・平面駆動型
(10mmダイナミック+8mm平面稼働)
性能インピーダンス:16Ω、SPL:99dB
周波数帯域20Hz - 20kHz
Bluetooth5.0
コーデックLDAC/AAC/SBC
連続駆動時間15時間 (ANC使用時 10時間)
ANC外音取込みモード対応、深度-25dB
その他防水 IPX5 / 通話NC(ENC)対応
充電コネクタUSB Type-C
重量
38g
ワイヤレス製品ながらオーディオ製品としても高いスペックを持つイヤホンであることが伺えますね。
Ausounds AU-Flex ANC」の購入は主要な専門店またはコペックジャパンの直販ストアにて。
価格は 24,420円(税込み)となっています。
コペックジャパン(直販ストア): Ausounds 製品


■ 質が良く使い勝手の良いデザイン。有線イヤホンと同様の装着感。

Ausounds AU-Flex ANC」のパッケージは日本向けとなっていて裏面の機能表示についても分りやすく日本語での記載が確認できます。パッケージ内容はイヤホン本体、イヤーピース(本体装着済みMサイズ+S/M/Lサイズ)、充電用USB Type-Cケーブル、布製ポーチ、説明書、クイックスタートガイド、保証書となっています。
AUSOUNDS AU-Flex ANCAUSOUNDS AU-Flex ANC
AUSOUNDS AU-Flex ANCAUSOUNDS AU-Flex ANC

イヤホン本体部分はフェイスパネルが金属製、ハウジング部分が硬質プラスティック製でメタリックな質感です。また耳にすっぽりと収まるサイズ感に収まっています。耳掛け部分には硬めのカバーで覆われており装着時に耳でしっかりホールドします。ネックバンド部も樹脂製ですが多少の柔軟性があり装着時の肌触りは良い印象。個人的にはこの手のネックバンドのなかでも快適性の高い質感だと感じました。ネックバンド部の両端はイヤホン本体と同じカラーリングで右側にコントロールボタンと先端が充電ポートとなっています。
Ausounds AU-Flex ANCAUSOUNDS AU-Flex ANC
ボタンは先端側からマルチファンクション(電源ON/OFFおよび再生/停止など)、ボリュームのUP/DOWN、ANC制御となっています。ANC(アクティブノイズキャンセリング)は電源投入時にはオフになっており、1回押すごとに「ANCオン」→「外音取込み」→「ANCオフ」のモードに変わります。音声ガイダンスはANCボタンのみでマルチファンクションボタンはビープ音のみ。操作は慣れれば簡単ですが最初は動きをしっかり確認した方がよいでしょう。
右側のLEDと一体化したマイクは通話ノイズキャンセラ(ENC)が働き、とても明瞭な通話が可能です。ワイヤレスですので環境事応じて有線イヤホンに比べると僅かな遅延やハウリングを感じる場合はありますが、電話およびWeb会議などの利用でも問題なく使えると思います。

Ausounds AU-Flex ANCAusounds AU-Flex ANC」の装着性は良好です。イヤホン部分は装着性の良い耳掛け式の有線イヤホンとほぼ変わらず、しっかりした装着感で耳にホールドすることができます。付属のイヤーピースでも個人的には十分な装着感が得られましたが、付属品以外でも一般的なTWS製品と異なり通常サイズのイヤーピースが豊富な選択肢より利用できるのも大きな魅力です。フィット感を高めるために定番のJVCの「スパイラルドット」「スパイラルドット++」、AZLA「SednaEarfit Light」「SednaEarfit XELASTEC」、Acoustune「AET07」など有線イヤホン用のイヤーピースを組み合わせるのもお勧めです。


■ ANC機能は強めの環境音を抑える効き方。要所要所でON/OFFを使い分けるのがポイント

AUSOUNDS AU-Flex ANCAusounds AU-Flex ANC」は最近では一定グレード以上のワイヤレスイヤホンでの採用も増えてきたANC(アクティブノイズキャンセリング)を搭載した、いわゆる「ノイキャン対応イヤホン」です。これはイヤホン本体に外音を取り込むための小型マイクが内蔵されており、動的に外音を打ち消す位相の音を生成して相対的に無音化させよう、というノイズキャンセル手法ですね。とはいえ、「Ausounds AU-Flex ANC」は通常のカナル型イヤホンと同等程度の遮音性があり、必要に応じてフィット感の良いイヤーピースに替えるなどの工夫をすることで、ほとんどの場合ANC(アクティブノイズキャンセリング)を使わなくても実用的な遮音性を確保できました。またANCを有効にした場合も完全に無音になるというわけでは無く、耳を突くような環境音を気にならないレベルに減衰させ、音楽に集中できるようにさせる、といった効き方をします。

実際に東京都内で使ってみて、もっともANCの効果を感じたのは都心の混雑した地下鉄でした。プラットフォームに電車が侵入時の強いモータ音とブレーキ音はANCによってゼロにはならないものの音楽再生時に気にならないレベルに減衰し、社内でも走行音を大幅に削減し、車内アナウンスはほぼ無音化できていました。要所を押さえて使えば結構効果的な印象でした。いっぽう、街中での利用ではANCの有無での差はほとんど無く、通常はOFFのままで本体の遮音性だけで十分に実用的だと感じました。
AUSOUNDS AU-Flex ANC「外音取込み」は好みの分かれるところで、TWSでは非常に有効な機能ですがネックバンド式の「Ausounds AU-Flex ANC」の場合、必要に応じて片耳外して垂らしても特に支障はないため、実際はあまり使わないかもしれませんね。それに「Ausounds AU-Flex ANC」ではフェイスプレート部分がマグネットになっていて左右をくっつけることで一時停止する仕様になっています。
街中でANCのON/OFFもコントロールボタンで容易にできますし、ANC機能はバッテリ駆動時間にも影響するため、必要に感じたときのみONするという使い方が良いかなと思いました。またANCをONにした場合も再生音質には全く影響しないのは好感した点でした。


■ 再生能力の高さゆえ、ペアリングする端末の「性能」でも音質は変化

Ausounds AU-Flex ANC」は非常に再生能力が高いイヤホン性能をもっていることもあり、ペアリングするコーデックや再生環境など「送り出す側の音質」に比較的影響しやすい製品でもあります。SBC/AACの他に最大990kbps、24bit/96kHzのハイレゾにも対応するLDACコーデックが利用できます。そのため、AACコーデックまでのiPhoneと、LDACが利用できる一定グレード以上のAndroid端末やDAP(デジタルオーディオプレーヤー)では明らかに違いがありました。
また、Android端末でもBluetoothやオーディオまわりの制御系の違いにより、スマートフォンとAndroid搭載DAPに加えて、スマートフォン同士でもメーカーによって違いが出ることがありました(実力が出せていないと、多少平坦な印象のサウンドになります)。
Ausounds AU-Flex ANCAusounds AU-Flex ANC

Ausounds AU-Flex ANCAusounds AU-Flex ANC

ちなみに私は普段「HUAWEI Mate 20 Pro」を使用していますが、LDACでの相性は良く、多くのDAPとほぼ遜色ない音で再生できました。同社の上位モデルは例えば「Amazon Music HD」でも通常のAndroidスマートフォンがSRCの影響で「24bit/48kHz」に制限される中で何故か「24bit/96kHz」まで出せるなど微妙に内部構造が異なっていることが知られていますが、その影響も多少はあるかもしれませんね。まだDAPでもaptXやaptX HDには対応するもののLDACには未対応、という機種もそれなりに存在しますのでそのような製品ではむしろスマートフォンの方が音が良い、という場合もありそうです。


■ ワイヤレスイヤホンの枠を超えた質の高いサウンド。絶妙な音作りに驚かされる。

AUSOUNDS AU-Flex ANCAusounds AU-Flex ANC」を実際に使用しての印象はまさに「快適」そのもの。普段使いにフォーカスした長時間のリスニングでも聴き疲れしにくいチューニングながら、全体的に高いクオリティでバランスの良い音を奏でてくれます。そして非常にコンフォートな装着感と実用的な操作性、高い機能性が高い次元で「まとまって」おり、まる1日使っていてもほとんどストレスを感じないのは、特筆すべき「性能」だと感じました。
何といってもワイヤレスイヤホンを使っているという妥協感が全く無く、高音質イヤホンでリスニングしているのと同様なサウンドを楽しめる点でしょう。装着性や遮音性などの基本性能もこの質が高く使い勝手が良いサウンドを下支えするようなアプローチで、ANC(アクティブノイズキャンセリング)についても必要に応じて使える程度で、過度に効き過ぎないのも意図的かなと感じます。さらにネックバンドの装着感も良好で、猛暑日の東京でTシャツの上から長時間じかに肌に触れる状態で街中への外出してみましたが、特にべた付く事も無く快適に利用できました。

そして「Ausounds AU-Flex ANC」の音質傾向ですが、全体的には弱ドンシャリの聴きやすいバランスにまとめられており、いっぽうでワイヤレスイヤホンとは思えない解像感と音域の広さを感じます。各音域のつながりは良く、ハイブリッドイヤホンにありがちな人工的なメリハリの強さはありません。

Ausounds AU-Flex ANC」の高域は全体的には聴きやすいバランスでそれほど強い主張はありませんが、癖のない明瞭な音を鳴らし伸びも良好です。平面駆動型のツィーターを搭載したイヤホンというとアグレッシブな高域をイメージしますが、「Ausounds AU-Flex ANC」では中低域とのバランスを維持しつつ、癖がなく適度に光沢と煌めきがありつつも自然な印象で鳴ります。いうなれば「上品な高音」という感じです。ワイヤレスイヤホンとしては同価格帯の他の製品と比較しても、高域は全体のバランスを維持しつつほぼ歪みを感じず綺麗に伸びます。この辺はシングルダイナミックでは出せない音かもしれませんね。刺さり等の刺激はほとんど無く聴きやすく鳴りますが、もともと刺さりやすい音源では僅かに歯擦音を感じる場合もあります。個人的にはハッキリとした綺麗な音という印象で好感が持てます。

AUSOUNDS AU-Flex ANC中音域は曲によっては僅かに凹みますが、ボーカル帯域は明瞭で瑞々しさを感じるサウンドです。とはいえ人工的な印象は無く、音色には僅かに温かみもある自然な印象です。味付けはなく非常にニュートラルで癖のない音を鳴らしますが、ボーカルは一定の主張があり決して淡泊にならず聴き応えのある鳴り方です。女性ボーカルの高音やピアノの抜けは良く綺麗に伸びます。分離も良く、多少再生環境に依存しますがLDACの高音質モードでしっかり鳴らせる場合は解像度もワイヤレスイヤホンとは思えないレベルで実感できると思います。男性ボーカルの響きは少し軽く曲によってはアッサリした印象を受ける場合もあります。

低域はこのワイヤレスイヤホンとしては驚くほど質感が良く解像度の高い音を鳴らします。ミッドベースは十分な量感があり、レスポンスにスピード感があります。分離の良さから適度な奥行きがあり全体的な音場感をリアルに演出します。そして重低音の沈み込みはこのクラスのワイヤレスイヤホンとしては特筆すべきレベルで、ありのままの音を深いところまでしっかり再現してくれるのがわかります。また音数が多くスピード感のある低音もしっかり捉えてくれるのは心地よさがあります。

また音場はそこそこ広く、定位も捉えやすい印象です。「Ausounds AU-Flex ANC」は、全体的なバランスも良く、中高域との分離も優れているため、低域過多な印象は全く無いのですが、ある程度環境音のある屋外などでの利用を想定して実は低域の主張は強めにチューニングされています。そのため、静かな部屋で聴くと曲によっては低域の臨場感に対して中高域が少し物足りなく感じる場合もあるかもしれません。ただ、ポップスやロックなどのボーカル曲の多くでは聴かせどころを心得た「映える」チューニングとなっており、さらに平面駆動ドライバーによるキレのある高音が下支えすることで、どのような環境でも違和感のない、心地良く自然なサウンドを堪能することができます。


AUSOUNDS AU-Flex ANCというわけで、「Ausounds AU-Flex ANC」は高性能・高音質ゆえに再生環境などで変化を感じる場合があったり、つい有線のそれなりのグレードのイヤホンと比較したりしたくなるくらい完成度の高いイヤホンでした。ワイヤレス製品としてはほぼウィークポイントが無く、ネックバンド式のイヤホンを希望される方には手放しでお勧めできる製品だと思います。おそらく唯一ネックになりそうなのは価格ですが、内容的には驚くほどコストパフォーマンスの高いと感じます。ただ新しいメーカーで知名度も低く、まずはこの分野でのハイグレードブランドとして幅広い認知を得ることが必要かも知れません。個人的には今後どのように成長し、広がりを見せていくか、大きな期待をもって見ていきたいと思っています(^^)。