こんにちは。前回に引き続き、以前から届いていたものの未レビューだったイヤホンを集中して紹介するシリーズの2回目です。今年はいつもと違う春と夏が過ぎ、気がつけば9月。そのままいつもの違う秋に突入して行くのは間違いないでしょう。私自身もコロナ禍のなか、夏頃にかけ個人的にもいろいろ変化がありました。現在はこのブログの方はすっかり平常運転なのですが、慌ただしかった頃に届いたイヤホンについては書きかけのまま放置しておりました。
というわけで、今回は低価格中華イヤホンのひとつ、「CVJ CSA」です。購入し届いたのは、たぶん6月中旬~下旬くらいだったかな?そんな感じです(汗)。
2019年に設立した新しい中国のブランド「CVJ Audio」のエントリークラスのモデルで1BA+1DD構成のハイブリッド仕様のイヤホンですね。中国語サイトの企業情報を見る限り、部品調達などではKZやTRNと共通する部分も考えられますが、これらの会社からのODM/OEM製品では無く自社で製品を開発および製造してるメーカーのようです。またTRNとの関係についてはいまひとつ読み取れませんでした。
「CVJ CSA」は1BA+1DD構成のハイブリッド仕様。高域用のバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーと、10mmサイズの二重磁気回路ダイナミックドライバーを採用し、ダイナミックドライバー背面のネットワーク回路で出力をコントロールする仕様。内部仕様的には「KZ ZSN Pro」に非常に近いものになっています。いっぽう、ケーブルコネクタは2pin仕様を採用し、KZ/CCAとは一線を画した仕様になっています。
また、インピーダンス22Ω、感度101dB/mWと、「KZ ZSN Pro」および「KZ ZSN Pro X」と比較的近いスペックで、スマートフォンやタブレットなどでも鳴らしやすい仕様になっています。
カラーは「ブラック」と「ホワイト」の2色が選択可能。購入はAliExpressの「Easy Earphones」などのセラーにて。またCVJ製イヤホンのなかでこのモデルについてはアマゾンでも購入が可能なようです。価格はAliExpressが18.59ドル~、アマゾンが2,799円でした。
AliExpress(Easy Earphones): CVJ CSA
Amazon.co.jp(Classicour): CVJ CSA
■ KZ ZSTを踏襲した形状でよりシンプルなデザイン。リケーブルしやすい2pin仕様。
「CVJ CSA」を含め、CVJのイヤホンの最大の特徴はパッケージだと思います。パッケージは「木製」で木粉を圧着したいわゆる繊維材が使われています。紙の箱じゃない時点で「おおっ」と思うわけですが、「CVJ CSA」は低価格イヤホンながら布製のポーチが付属するなど付属品もちょっと充実度がアップしており、KZ/CCAやTRNとは違うよ、という感じが漂っていますね。
パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、ケーブルタイ、布製ポーチ、説明書・保証書など。細かいところで付属品が充実してるのは嬉しいですね。
「CVJ CSA」の本体は樹脂製で形状は「KZ ZST」とほぼ同じ。本体からみえるダイナミックドライバーはケースに穴が空いているタイプでその形状はKZやTRNものとは異なります。またBAドライバーの刻印のKZやTRNとは異なり、完全には読み取れなかったものの、Bellsingぽいかな、という気がしました(ちなみにKZやTRNは自社ブランドのBAをBellsingからOEM調達してると思われます)。そして、2pinコネクタはKZのタイプB仕様ではなく、TRNに近い仕様となっています。そのためリケーブルも中華2pin、CIEM 2pinのケーブルが使用可能です。
このように細かいところで結構違いのある「CVJ CSA」ですが、サイズ的には「KZ ZST」や「TRN ST1」とほぼ同じため装着感もほぼ同様ですね。付属ケーブルはTRN付属の銅線ケーブルに非常に近い2pinプラグを採用しており線材も似ています。しかし他の部品は似た形状ですが実際は異なりますし、線材も微妙に違いがあります。KZやTRNと一部共通な部品もあるかもしれませんが、基本はCVJが似た部品を調達して「寄せて作っている」と見たほうが良いかもしれません(まあ元々パ○リは中華イヤホンのお家芸ですので^^;)。
イヤーピースはKZ製イヤホンに付属のものより使いやすいため、サイズが合えばこのままでも良いかもしれませんが、よりフィット感を高めたい場合は定番のJVC「スパイラルドット」やAcoustuneの「AET07」、AZLA「SednaEarfit Light」「SednaEarfit Light Short」など開口部が広く、耳にフィットするタイプのイヤーピースに交換するのもお勧めです。
■ 中華イヤホンらしい寒色系ドンシャリ。パワフルな低域と聴きやすいボーカル。
「CVJ CSA」の音質傾向は中低域寄りのいわゆる「寒色系ドンシャリ」。「KZ ZSTX」より派手なサウンドで、いかにも低価格中華イヤホンという感じのサウンドです。傾向としては「KZ ZSN Pro」(もちろんXじゃないほう)に近い、という評価は頷けます。パワフルな低域に加えてより近く濃い中音域でボーカル帯域も聴きやすく、高域もスッキリしつつ刺さりなどの刺激は抑えられている印象。ただ解像感や分離の良さ、輪郭の明瞭さ、という点では最新の「KZ ZSN Pro X」には及ばず、悪くはないのですが、ひと世代前のモデル感は否めないかもしれませんね。とはいえ、それなりに音場が広く、メリハリのあるサウンドはライトユーザーには臨場感のあるサウンドとして分りやすく「良い音」に感じるのではと思います。
「CVJ CSA」の高域は適度に明るく硬質で煌めきのある音ですが、TRNなどの派手な音に比べるとかなりウォームな印象で、最近のKZと比較しても刺さりは抑えられている印象。ただ適度な鋭さがあるほうがよりスッキリとした印象を感じる場合もあり、多少好みが分かれそうです。
中音域は僅かに凹みますがボーカル帯域が近くで定位し女性ボーカルは伸びの良さを感じます。音場は広く臨場感を感じやすい音ですが、解像感や分離についてはKZやTRNの同価格帯の最新モデルには及びません。とはいえ、定位はつかみやすいため、普通に音楽を楽しむ上では十分な表現力がありますし、ゲームや動画再生ではかなり実用的なサウンドとなるでしょう。
低域は力強さと深さを持ちつつ、中高域とのバランスの取れた鳴り方をします。ミッドベースはパワフルですが膨らや過度な響きは無く質の良さを感じます。また重低音の沈み込みも良好で締まりも良く、音数の多い曲での表現もしっかりしています。中高域との分離も良く籠もることはありません。
相性が良いのはロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲などですが、低域の質の良さからEDM等も心地良く、また音場が広いためライブ音源等も楽しさがあります。また前述の通りゲームや動画試聴用としても適度に鳴らしやすく、スマートフォンやタブレットでも普通に使えることもあり向いていると思います。またリケーブルの効果も大きく、ケーブルの特徴を反映しやすいイヤホンでもあります。例えばHiFiHear「HiF4900」のような銀メッキ線タイプのケーブルはやや緩さのある中高域をより明瞭にして派手めのサウンドにします。また「NICEHCK C8-1」のようなミックス線タイプのケーブルは全体的に音の密度を向上させより臨場感のあるサウンドを楽しめると思います。
というわけで、「CVJ CSA」はこの価格のイヤホンとしては音は及第点以上に良いとは思いますが、いかんせん競争の激しい低価格中華イヤホンの世界で、「あえて買う必要があるか」という点では届いた時点でも結構微妙でしたが、既に「KZ ZSTX」や「KZ ZSN Pro X」が低価格帯で横綱相撲を始めている感じの現在ではさらにその印象は深まってしまいましたね。
ただ、良い意味で「地味」なデザインはどのような場所でも使っていても違和感がないですし、ZSN Pro同様にスマートフォンでも鳴らしやすく、低域が厚く臨場感のあるサウンドは動画やゲームでも使い勝手の良いサウンドだと思います。さらに「CVJ CSA」ではリケーブル効果は大きく、通常の中華2pinタイプ、またはCIEM 2pinタイプのケーブルが使用でき選択肢が多いのはメリットですね。通常の2pin仕様のケーブルが使えるメリットも大きいですね。私の場合、ちょうど全く使っていなかった「NICEHCK TYB3」のUSB TypeCプラグ仕様があったので、「CVJ CSA」と組み合わせてスマートフォンやタブレットで使用しています。どちらかというとマニアのコレクションというかネタ的なアイテムになってしまっていますし、敢えて選ぶ製品ではありませんが興味があれば持っているのも良いと思いますよ。
「CVJ CSA」は1BA+1DD構成のハイブリッド仕様。高域用のバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーと、10mmサイズの二重磁気回路ダイナミックドライバーを採用し、ダイナミックドライバー背面のネットワーク回路で出力をコントロールする仕様。内部仕様的には「KZ ZSN Pro」に非常に近いものになっています。いっぽう、ケーブルコネクタは2pin仕様を採用し、KZ/CCAとは一線を画した仕様になっています。
また、インピーダンス22Ω、感度101dB/mWと、「KZ ZSN Pro」および「KZ ZSN Pro X」と比較的近いスペックで、スマートフォンやタブレットなどでも鳴らしやすい仕様になっています。
カラーは「ブラック」と「ホワイト」の2色が選択可能。購入はAliExpressの「Easy Earphones」などのセラーにて。またCVJ製イヤホンのなかでこのモデルについてはアマゾンでも購入が可能なようです。価格はAliExpressが18.59ドル~、アマゾンが2,799円でした。
AliExpress(Easy Earphones): CVJ CSA
Amazon.co.jp(Classicour): CVJ CSA
■ KZ ZSTを踏襲した形状でよりシンプルなデザイン。リケーブルしやすい2pin仕様。
「CVJ CSA」を含め、CVJのイヤホンの最大の特徴はパッケージだと思います。パッケージは「木製」で木粉を圧着したいわゆる繊維材が使われています。紙の箱じゃない時点で「おおっ」と思うわけですが、「CVJ CSA」は低価格イヤホンながら布製のポーチが付属するなど付属品もちょっと充実度がアップしており、KZ/CCAやTRNとは違うよ、という感じが漂っていますね。
パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、ケーブルタイ、布製ポーチ、説明書・保証書など。細かいところで付属品が充実してるのは嬉しいですね。
「CVJ CSA」の本体は樹脂製で形状は「KZ ZST」とほぼ同じ。本体からみえるダイナミックドライバーはケースに穴が空いているタイプでその形状はKZやTRNものとは異なります。またBAドライバーの刻印のKZやTRNとは異なり、完全には読み取れなかったものの、Bellsingぽいかな、という気がしました(ちなみにKZやTRNは自社ブランドのBAをBellsingからOEM調達してると思われます)。そして、2pinコネクタはKZのタイプB仕様ではなく、TRNに近い仕様となっています。そのためリケーブルも中華2pin、CIEM 2pinのケーブルが使用可能です。
このように細かいところで結構違いのある「CVJ CSA」ですが、サイズ的には「KZ ZST」や「TRN ST1」とほぼ同じため装着感もほぼ同様ですね。付属ケーブルはTRN付属の銅線ケーブルに非常に近い2pinプラグを採用しており線材も似ています。しかし他の部品は似た形状ですが実際は異なりますし、線材も微妙に違いがあります。KZやTRNと一部共通な部品もあるかもしれませんが、基本はCVJが似た部品を調達して「寄せて作っている」と見たほうが良いかもしれません(まあ元々パ○リは中華イヤホンのお家芸ですので^^;)。
イヤーピースはKZ製イヤホンに付属のものより使いやすいため、サイズが合えばこのままでも良いかもしれませんが、よりフィット感を高めたい場合は定番のJVC「スパイラルドット」やAcoustuneの「AET07」、AZLA「SednaEarfit Light」「SednaEarfit Light Short」など開口部が広く、耳にフィットするタイプのイヤーピースに交換するのもお勧めです。
■ 中華イヤホンらしい寒色系ドンシャリ。パワフルな低域と聴きやすいボーカル。
「CVJ CSA」の音質傾向は中低域寄りのいわゆる「寒色系ドンシャリ」。「KZ ZSTX」より派手なサウンドで、いかにも低価格中華イヤホンという感じのサウンドです。傾向としては「KZ ZSN Pro」(もちろんXじゃないほう)に近い、という評価は頷けます。パワフルな低域に加えてより近く濃い中音域でボーカル帯域も聴きやすく、高域もスッキリしつつ刺さりなどの刺激は抑えられている印象。ただ解像感や分離の良さ、輪郭の明瞭さ、という点では最新の「KZ ZSN Pro X」には及ばず、悪くはないのですが、ひと世代前のモデル感は否めないかもしれませんね。とはいえ、それなりに音場が広く、メリハリのあるサウンドはライトユーザーには臨場感のあるサウンドとして分りやすく「良い音」に感じるのではと思います。
「CVJ CSA」の高域は適度に明るく硬質で煌めきのある音ですが、TRNなどの派手な音に比べるとかなりウォームな印象で、最近のKZと比較しても刺さりは抑えられている印象。ただ適度な鋭さがあるほうがよりスッキリとした印象を感じる場合もあり、多少好みが分かれそうです。
中音域は僅かに凹みますがボーカル帯域が近くで定位し女性ボーカルは伸びの良さを感じます。音場は広く臨場感を感じやすい音ですが、解像感や分離についてはKZやTRNの同価格帯の最新モデルには及びません。とはいえ、定位はつかみやすいため、普通に音楽を楽しむ上では十分な表現力がありますし、ゲームや動画再生ではかなり実用的なサウンドとなるでしょう。
低域は力強さと深さを持ちつつ、中高域とのバランスの取れた鳴り方をします。ミッドベースはパワフルですが膨らや過度な響きは無く質の良さを感じます。また重低音の沈み込みも良好で締まりも良く、音数の多い曲での表現もしっかりしています。中高域との分離も良く籠もることはありません。
相性が良いのはロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲などですが、低域の質の良さからEDM等も心地良く、また音場が広いためライブ音源等も楽しさがあります。また前述の通りゲームや動画試聴用としても適度に鳴らしやすく、スマートフォンやタブレットでも普通に使えることもあり向いていると思います。またリケーブルの効果も大きく、ケーブルの特徴を反映しやすいイヤホンでもあります。例えばHiFiHear「HiF4900」のような銀メッキ線タイプのケーブルはやや緩さのある中高域をより明瞭にして派手めのサウンドにします。また「NICEHCK C8-1」のようなミックス線タイプのケーブルは全体的に音の密度を向上させより臨場感のあるサウンドを楽しめると思います。
というわけで、「CVJ CSA」はこの価格のイヤホンとしては音は及第点以上に良いとは思いますが、いかんせん競争の激しい低価格中華イヤホンの世界で、「あえて買う必要があるか」という点では届いた時点でも結構微妙でしたが、既に「KZ ZSTX」や「KZ ZSN Pro X」が低価格帯で横綱相撲を始めている感じの現在ではさらにその印象は深まってしまいましたね。
ただ、良い意味で「地味」なデザインはどのような場所でも使っていても違和感がないですし、ZSN Pro同様にスマートフォンでも鳴らしやすく、低域が厚く臨場感のあるサウンドは動画やゲームでも使い勝手の良いサウンドだと思います。さらに「CVJ CSA」ではリケーブル効果は大きく、通常の中華2pinタイプ、またはCIEM 2pinタイプのケーブルが使用でき選択肢が多いのはメリットですね。通常の2pin仕様のケーブルが使えるメリットも大きいですね。私の場合、ちょうど全く使っていなかった「NICEHCK TYB3」のUSB TypeCプラグ仕様があったので、「CVJ CSA」と組み合わせてスマートフォンやタブレットで使用しています。どちらかというとマニアのコレクションというかネタ的なアイテムになってしまっていますし、敢えて選ぶ製品ではありませんが興味があれば持っているのも良いと思いますよ。