こんにちは。前回に引き続き「個人的な好みランキング」の最新版となります。今回は低価格中華イヤホンのラインキングに含まれなかった90~100ドル前後から200ドル未満の「ミドルグレード中華イヤホン」が対象です。
「個人的な好みランキング」はこれまで購入&私のブログで紹介してきたイヤホンのランキング企画で、様々な利用シーンを想定して記載している普段のレビュー(レビューの方針についてはこちらを参照ください)とは異なる視点でまとめています。
「個人的な好みランキング」はこれまで購入&私のブログで紹介してきたイヤホンのランキング企画で、様々な利用シーンを想定して記載している普段のレビュー(レビューの方針についてはこちらを参照ください)とは異なる視点でまとめています。
「ミドルグレード中華イヤホン編」については前回は今年4月に掲載をしていますので、半年ちょっと、ですね。ということでランキング自体は大きな変動はないかな、とおもいきや、実際は結構動かしました。ちなみに今回のランキング対象外となる、200ドル台以上のクラスは「総合ランキング」にて扱う予定ですが、こちらはランキングの集計方法をいろいろ検討しており、たぶん年末年始ごろになると思います。
さて、改めて「個人的な好みランキング」についてですが、前述の通りあくまで私の好みでランキングしておりますので、通常のレビュー評価とは必ずしも一致しません。
評価基準は今回も、私自身が「個人的にどれくらい好みか」というのを、
まず今回の1位は「NF Audio NM2+」です。2位以下を大きく引き離したポイントで、個人的には今年購入した中華イヤホンで一番の「当たり」です。300ポイントに迫る点数というのは総合ランキングでも確実に上位に入るという評価ですね(前回の総合ランキングでは300ポイント以上で「準別格」扱いでした)。このサウンドが国内版でも2万円以下、AliExpressなどでは140ドルほどのセール価格で購入できるというのは驚きです。ベースとなった「NM2」からドライバーを高性能化し、ハウジングも純アルミニウム製の金属ハウジングを採用。もともと精緻な表現力を持ったモニターサウンドに加えて、明瞭感がより向上し中高域のキレの良さを実感できる印象にグレードアップしています。クラスを超えた解像感であらゆるジャンルの音源を驚くほど精緻に表現します。ほんと、これは上位グレードの製品と余裕で戦える「高音質イヤホン」です。キレッキレの凄いサウンドをお探しの方、お手頃価格で買えるどえらいイヤホンがありますよ(^^)。
前回1位の「Moondrop KXXS」ですが、今回のみ、米国の共同購入サイト「Drop」コラボの「KXXX」を含めての2位としました。「KXXX」のほうは単なるカラーバリエーションというだけではなく、微妙にチューニングが変えられており、付属ケーブルも異なります。「KXXX」については後日あらためてレビューを掲載したいと思っていますが、世間の評価では「KXXX」のほうが良い、という方も多く、個人的にも「音質面ではKXXX、見た目はKXXSのほうがやや高評価」という印象です。
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)振動版を搭載したイヤホンも色々登場してきていますが、「KXXS」のような透明感と柔らかさを持った製品は無く、既に定番モデルのひとつになった印象もあります。ちなみに「KXXS」のほうがサウンドバランスがニュートラルで、クラシックやジャズなどのアコースティックなサウンドが美しく、Dropの「KXXX」は多少中低域に厚みが有り、高域が聴きやすい印象でボーカル曲などの相性が向上した印象。音の美しさでは「KXXS」ですがリスニングイヤホンとしての使い勝手は「KXXX」のほうが高そうです。
好み評点: 260 (総合評価 230 + 好み加点 30 )
今回第3位は先日届いた「TANCHJIM HANA」です。海外のショップでオーダーしたところ在庫切れで届くまで1ヶ月以上かかってしまいました。おとなしく国内版のリリースにあわせて購入すれば良かったですね。非常にニュートラルで癖のない「TANCHJIM Oxygen」に対して、「HANA」のほうは一層の透明感と高域の明瞭感が素敵な中高域寄りのサウンド。製品自体もパッケージもとても美しいのも魅力的ですね。粒立ち感というか、中高域~高域の解像感の高さと、刺さるか刺さらないかのところで表現した煌めきや鋭さはは非常に華やかさがあります。伸びやかさや美しさのある高域を希望される方には最適なイヤホンだと思います。なお、「HANA」についても詳細については後日レビューの掲載を予定しています。
好み評点: 260 (総合評価 225 + 好み加点 35 )
同率3位は前回も3位だった「IKKO OH10 Obsidian」です。国内販売元のIC-CONNECTさんでも安定して売れ続けている人気モデルのようです。個人的には夏頃に発売されたIKKOのオプションケーブル「IKKO Arc CTU-01」と「OH10」の相性の良さで、改めて評価が上がりました。ですので今回は実質「OH10とCTU-01の組み合わせ」でのランクインですね。明瞭な中高域と厚みのある低域のバランスが本当に絶妙。ハイブリッドという「いいとこ取り」の構成の「有るべき姿」を見たようなサウンドを楽しめる製品です。ドンシャリ系のサウンドでは特に安定感が高く、オールラウンドでの使い勝手の良さが魅力のイヤホンだと思います。
⑤ 「NF Audio NM2」 [ 1DD / 初登場 レビュー ] (94ドル / 12,800円)好み評点: 255 (総合評価 225 + 好み加点 30 )
第4位に新たにランクインした「NF Audio NM2」は、第1位の「NM2+」のベースになった製品ですね。個人的には試聴より購入後に改めて良さを実感した、というのが印象的なイヤホンでした。店頭で試聴したときも「これはいい感じだな~。これで1万円くらいなら買っても損は無いな~」くらいには良いと思ったのですが、購入後にじっくり聴いて「あ、これ結構凄いかも」となりました。店頭試聴ではメリハリのハッキリした製品のほうが良く感じるので、どうしても印象が薄くなりそうです。「NF Audio NM2」はこのクラスの中華イヤホンには珍しいフラット傾向のしっかりしたモニターサウンドで、全ての音域を繊細に表現する質の良さがとても良いですね。1位の「NM2+」と聴き比べるとやや中音域がウォームで、ボーカル帯域の音場感などはむしろ得やすいかも。モニターライクなサウンドでリスニングイヤホンとしての聴きやすさを両立した製品として秀逸です。最近では「NM2」のほうもカラーバリエーションが増えていますので選択肢が増えましたね。
私のブログではお馴染みTFZの「TFZ KING EDITION」ですが、上位に美音系のイヤホンがいろいろ登場したため、相対的に利用頻度が下がり気味。ということで少し順位を下げましたが、好み評点はほとんど前回から変わっていません(むしろ「総合評価」は上がっています)。日本版の価格が前回もネック、と書きましたが、最近はアマゾンでTFZのオフィシャルショップが出店しており、中国発送で送料が別途かかるものの、海外での価格とほぼ同水準でも購入できるようになりました。保証の内容などで選ぶことになりますが、選択肢があることは良いと思います。第3世代ドライバー搭載モデルですが、TFZの中では比較的フラット寄りで「NO.3」より鮮やかで高い解像感とスピード感のあるサウンドが印象的です。ケーブルは純銀線などのスッキリしたケーブルへのリケーブルがお勧め。発売から1年以上経ちますが、現在のTFZではいちばんお勧めのモデルです。
好み評点: 245 (総合評価 220 + 好み加点 25 )
「TRI Audio」は、「KBEAR」と姉妹関係のある、中国のイヤホンセラー「Easy Earphones」が中心となって販売するブランドで、当初数量限定で販売されていたのが「TRI i3」です。大口径のダイナミックと平面磁界ドライバーを並列で搭載することによる巨大なハウジングに対し、派手さを適度にコントロールした驚くほど質の高いサウンドですっかりマニアの間では人気モデルとして定着し、通常製品として継続販売されています。バランスは弱ドンシャリですが、中音域はニュートラルで僅かにウォームで厚みのある音場感を生み出しており、まとまりのある心地良いサウンドを実感できます。構成のキワモノ感とは裏腹に完成度は高く、メインの選択肢として選んでも問題ないイヤホンでしょう。ただ、通常の平面駆動とは異なる平面磁界駆動型ドライバー(英語表記で「Isomagnetic Driver」)を搭載している関係で、もともと限定生産だっただけに、最近のロットではときどき不良品の報告も。たぶんアマゾンで買った方が安全かもです。
多層ピエゾセラミックドライバーを含めたハイブリッド構成で独自のサウンドを実現してるBQEYZの「Spring」シリーズの第2弾モデルが「BQEYZ Spring 2」です。ピエゾセラミックらしい繊細さや透明感と、光沢のある自然な滑らかさのなかにある明瞭感はこのシリーズでしか得られないサウンドですね。「Spring 2」ではピエゾセラミックドライバーが9層タイプとなり、さらに13mmサイズの大口径ダイナミックドライバーとBAドライバーのハイブリッド構成で、非常に力強くキレのあるドンシャリ方向のサウンドに。いっぽうでフラット傾向の「Spring 1」でも見られた種類の異なるドライバーがきちんと調和し、通常のハイブリッドとは一線を画するつながりの良いサウンドは健在。よりボーカル曲に向いたリスニング向けのチューニングとなっています。好み評点: 240 (総合評価 200 + 好み加点 40 )
「Shanling AE3」はDAPなどのメーカーとして最近ではすっかり認知された「Shanling」の3BA構成のオリジナルイヤホンで、今回のランキング直前にリリースされたばかりの新製品となります。Knowlesと並び数多くの有名イヤホンに搭載される有名BAブランドのSonion製ドライバーで構成された製品で、低域用のデュアルBAユニットと中高域用のユニットの2Way構成。そのドライバー構成とサウンドはマニアにはお馴染みの「10pro」こと「Triple.fi 10 Pro」を彷彿とさせるものです。さらに3Dプリンター出力された美しいブルーのクリアシェルとスタビウッド製のフェイスプレートを装備し、見た目にサウンドにも美しさを感じる製品です。こんな時期ではありますが、一緒にお出かけしてデザインの美しさとサウンドに癒やされる時間を過ごしたくなるイヤホンですね。
NICEHCKの変態イヤホンでお馴染み(?)「NX7」シリーズの3代目の「NICEHCK NX7 MK3」です。実はなんだかんだで毎回各世代がランキングしています。コンパクトなハウジングにピエゾツイーターと4基のBA、複合ハウジングのデュアルダイナミックドライバーをみっちり搭載し、腰高でちょい過激なサウンドで「変態」デビューした初代「NX7」から、第2世代の「Pro」ではフィルター交換に加えてフェイスプレートを「分解交換」できるトリッキーさでギミックでも「変態ぷり」を定着させました。そして3代目の「MK3」ではBAユニットのグレードアップなど、音質面で大幅な改良が加えられ、ついに「極み」に達した感があります(褒め言葉)。高解像度の怒濤の明瞭サウンド、という感じで、「MK3」でバランスは良くなったものの、自然さ、とかそういうものとは対極にある音の情報量で勝負、という感じは健在です。ハイブリッドらしさ、マルチドライバーらしさのひとつの究極形ですね。
⑪ 「TFZ NO.3」 [ 1DD / 前回5位 レビュー ] (109ドル / 14,800円)
好み評点: 230 (総合評価 210 + 好み加点 20 )
上位陣が結構濃いラインナップになったため、個人的「定番モデル」の「TFZ NO.3」はこの位置に。以前は総合ランキングで「準別格」扱いにしている「NO.3 Ti」のほうばかりを聴いていたので相対的に「NO.3」はあまり使ってなかったのですが、最近はリケーブルのテストのほか、TFZの第3世代ドライバーのリファレンス機として改めて聴く機会が増えていますね。前回のランキングでも記載しましたがやはり総合力では「NO.3」は最もまとまりがあり、「TFZらしさ」と「より幅広い使い勝手の良さ」を両立している製品だと思います。高い解像感と広がりのある音場はやはり良いですね。鮮やかで抜けの良いスッキリした中高域により女性ボーカルの美しさも特徴的なイヤホンです。
「KZ AS16」は現時点のKZ/CCAおよびTRNのマルチBAモデルで最もまとまりのあるイヤホンです。音質面の細かい部分では「KZ ASX」のほうが凄いとか、全体のまとまりでも「TRN BA8」のほうが作り込まれていますが、8BAイヤホンとして十分に及第点のサウンドを実現していると思いますし、他のKZ製品よりニュートラルなサウンドバランスは使いやすさもあります。そして、「KZ ASX」の登場でAliExpressでは70ドル程度まで下がっているセラーもあり、そういった意味でも結構狙い目かもしれません。「KZ ASX」「TRN BA8」との比較では個人的には今でも「KZ AS16」がお勧めですよ。
というわけで、ミドルグレード編は掲載までの間にランキングが大きく二転三転し、結構調整が難航しました。正直なところ、ランキングの順位にかかわらず、好み評点が200点以上のイヤホンは甲乙が付けがたく、今後もランキングが大きく変動してもまったくおかしくない印象です。低価格イヤホンも凄まじい進化を続けていますが、100ドルオーバーの「少し上のグレード」もより密度が濃く、素晴らしい製品が密集していますね。今後もこのカテゴリーの製品も目が離せないですね。
さて、改めて「個人的な好みランキング」についてですが、前述の通りあくまで私の好みでランキングしておりますので、通常のレビュー評価とは必ずしも一致しません。
評価基準は今回も、私自身が「個人的にどれくらい好みか」というのを、
「総合評価」 (※「コストパフォーマンス」はランキング掲載時点での評価)
・「音質」 「デザイン(およびビルドクオリティ)」 「装着性」 「コストパフォーマンス」
「好み加点」
・「見た目の好み」 「傾向の好み」 「利用頻度」
といった視点で極めて主観的に割り振った「好み評点」の合計に基づきランキングしています。また「好み評点」は「総合評価」と「加点」に分けて掲載しています。「総合評価」の「コストパフォーマンス」および、「好み加点」の各項目は相対的に「かなり頻繁に」変動するため、同じイヤホンでもランキングの掲載時期に応じて「好み評点」が上下する場合があります。
このような理由のため過去のレビューで評価が高くても入れていないイヤホンも多くありますし、ランキングが毎回変動することもあります。異論も多数あると思いますが「あくまで私の好み」ですのでご了承ください。また、個々の詳細のレビューについては各「レビュー」リンクを参照くださいませ。
■ ミドルグレード中華イヤホン「個人的な好みランキング」 TOP 10
なお、「ミドルグレード中華イヤホン」の基準は、だいたい100ドル前後(90ドル以上)~200ドル未満程度の製品を想定しています。また今回レビュー未掲載(後日レビュー予定)も一部含まれます。
■ ミドルグレード中華イヤホン「個人的な好みランキング」 TOP 10
① | NF Audio NM2+ | 295P / レビュー |
---|---|---|
② | Moondrop KXXS Moondrop KXXX | 265P / レビュー |
③ | TANCHJIM HANA | 260P / レビュー |
③ | IKKO OH10 | 260P / レビュー |
⑤ | NF Audio NM2 | 255P / レビュー |
⑥ | TFZ KING EDITION | 250P / レビュー |
⑦ | TRI i3 | 245P / レビュー |
⑧ | BQEYZ Spring 2 | 240P / レビュー |
⑧ | Shanling AE3 | 240P / レビュー |
⑩ | NICEHCK NX7 MK3 | 235P / レビュー |
① 「NF Audio NM2+」 [ 1DD / 初登場 レビュー ] (169ドル / 19,800円)
好み評点: 295 (総合評価 255 + 好み加点 40 )まず今回の1位は「NF Audio NM2+」です。2位以下を大きく引き離したポイントで、個人的には今年購入した中華イヤホンで一番の「当たり」です。300ポイントに迫る点数というのは総合ランキングでも確実に上位に入るという評価ですね(前回の総合ランキングでは300ポイント以上で「準別格」扱いでした)。このサウンドが国内版でも2万円以下、AliExpressなどでは140ドルほどのセール価格で購入できるというのは驚きです。ベースとなった「NM2」からドライバーを高性能化し、ハウジングも純アルミニウム製の金属ハウジングを採用。もともと精緻な表現力を持ったモニターサウンドに加えて、明瞭感がより向上し中高域のキレの良さを実感できる印象にグレードアップしています。クラスを超えた解像感であらゆるジャンルの音源を驚くほど精緻に表現します。ほんと、これは上位グレードの製品と余裕で戦える「高音質イヤホン」です。キレッキレの凄いサウンドをお探しの方、お手頃価格で買えるどえらいイヤホンがありますよ(^^)。
② 「Moondrop KXXS」 [ 1DD(DLC) / 前回1位 レビュー ] (189ドル / 20,350円)
② 「Moondrop KXXX」 [ 1DD(DLC) / 初登場 レビュー予定 ] (169ドル / -)
好み評点: 265 (総合評価 230 + 好み加点 35 )② 「Moondrop KXXX」 [ 1DD(DLC) / 初登場 レビュー予定 ] (169ドル / -)
前回1位の「Moondrop KXXS」ですが、今回のみ、米国の共同購入サイト「Drop」コラボの「KXXX」を含めての2位としました。「KXXX」のほうは単なるカラーバリエーションというだけではなく、微妙にチューニングが変えられており、付属ケーブルも異なります。「KXXX」については後日あらためてレビューを掲載したいと思っていますが、世間の評価では「KXXX」のほうが良い、という方も多く、個人的にも「音質面ではKXXX、見た目はKXXSのほうがやや高評価」という印象です。
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)振動版を搭載したイヤホンも色々登場してきていますが、「KXXS」のような透明感と柔らかさを持った製品は無く、既に定番モデルのひとつになった印象もあります。ちなみに「KXXS」のほうがサウンドバランスがニュートラルで、クラシックやジャズなどのアコースティックなサウンドが美しく、Dropの「KXXX」は多少中低域に厚みが有り、高域が聴きやすい印象でボーカル曲などの相性が向上した印象。音の美しさでは「KXXS」ですがリスニングイヤホンとしての使い勝手は「KXXX」のほうが高そうです。
好み評点: 260 (総合評価 230 + 好み加点 30 )
今回第3位は先日届いた「TANCHJIM HANA」です。海外のショップでオーダーしたところ在庫切れで届くまで1ヶ月以上かかってしまいました。おとなしく国内版のリリースにあわせて購入すれば良かったですね。非常にニュートラルで癖のない「TANCHJIM Oxygen」に対して、「HANA」のほうは一層の透明感と高域の明瞭感が素敵な中高域寄りのサウンド。製品自体もパッケージもとても美しいのも魅力的ですね。粒立ち感というか、中高域~高域の解像感の高さと、刺さるか刺さらないかのところで表現した煌めきや鋭さはは非常に華やかさがあります。伸びやかさや美しさのある高域を希望される方には最適なイヤホンだと思います。なお、「HANA」についても詳細については後日レビューの掲載を予定しています。
好み評点: 260 (総合評価 225 + 好み加点 35 )
同率3位は前回も3位だった「IKKO OH10 Obsidian」です。国内販売元のIC-CONNECTさんでも安定して売れ続けている人気モデルのようです。個人的には夏頃に発売されたIKKOのオプションケーブル「IKKO Arc CTU-01」と「OH10」の相性の良さで、改めて評価が上がりました。ですので今回は実質「OH10とCTU-01の組み合わせ」でのランクインですね。明瞭な中高域と厚みのある低域のバランスが本当に絶妙。ハイブリッドという「いいとこ取り」の構成の「有るべき姿」を見たようなサウンドを楽しめる製品です。ドンシャリ系のサウンドでは特に安定感が高く、オールラウンドでの使い勝手の良さが魅力のイヤホンだと思います。
⑤ 「NF Audio NM2」 [ 1DD / 初登場 レビュー ] (94ドル / 12,800円)
第4位に新たにランクインした「NF Audio NM2」は、第1位の「NM2+」のベースになった製品ですね。個人的には試聴より購入後に改めて良さを実感した、というのが印象的なイヤホンでした。店頭で試聴したときも「これはいい感じだな~。これで1万円くらいなら買っても損は無いな~」くらいには良いと思ったのですが、購入後にじっくり聴いて「あ、これ結構凄いかも」となりました。店頭試聴ではメリハリのハッキリした製品のほうが良く感じるので、どうしても印象が薄くなりそうです。「NF Audio NM2」はこのクラスの中華イヤホンには珍しいフラット傾向のしっかりしたモニターサウンドで、全ての音域を繊細に表現する質の良さがとても良いですね。1位の「NM2+」と聴き比べるとやや中音域がウォームで、ボーカル帯域の音場感などはむしろ得やすいかも。モニターライクなサウンドでリスニングイヤホンとしての聴きやすさを両立した製品として秀逸です。最近では「NM2」のほうもカラーバリエーションが増えていますので選択肢が増えましたね。
⑥ 「TFZ KING EDITION」 [ 1DD / 前回2位 レビュー ] (129ドル / 18,800円)
好み評点: 250 (総合評価 220 + 好み加点 30 )私のブログではお馴染みTFZの「TFZ KING EDITION」ですが、上位に美音系のイヤホンがいろいろ登場したため、相対的に利用頻度が下がり気味。ということで少し順位を下げましたが、好み評点はほとんど前回から変わっていません(むしろ「総合評価」は上がっています)。日本版の価格が前回もネック、と書きましたが、最近はアマゾンでTFZのオフィシャルショップが出店しており、中国発送で送料が別途かかるものの、海外での価格とほぼ同水準でも購入できるようになりました。保証の内容などで選ぶことになりますが、選択肢があることは良いと思います。第3世代ドライバー搭載モデルですが、TFZの中では比較的フラット寄りで「NO.3」より鮮やかで高い解像感とスピード感のあるサウンドが印象的です。ケーブルは純銀線などのスッキリしたケーブルへのリケーブルがお勧め。発売から1年以上経ちますが、現在のTFZではいちばんお勧めのモデルです。
好み評点: 245 (総合評価 220 + 好み加点 25 )
「TRI Audio」は、「KBEAR」と姉妹関係のある、中国のイヤホンセラー「Easy Earphones」が中心となって販売するブランドで、当初数量限定で販売されていたのが「TRI i3」です。大口径のダイナミックと平面磁界ドライバーを並列で搭載することによる巨大なハウジングに対し、派手さを適度にコントロールした驚くほど質の高いサウンドですっかりマニアの間では人気モデルとして定着し、通常製品として継続販売されています。バランスは弱ドンシャリですが、中音域はニュートラルで僅かにウォームで厚みのある音場感を生み出しており、まとまりのある心地良いサウンドを実感できます。構成のキワモノ感とは裏腹に完成度は高く、メインの選択肢として選んでも問題ないイヤホンでしょう。ただ、通常の平面駆動とは異なる平面磁界駆動型ドライバー(英語表記で「Isomagnetic Driver」)を搭載している関係で、もともと限定生産だっただけに、最近のロットではときどき不良品の報告も。たぶんアマゾンで買った方が安全かもです。
⑧ 「BQEYZ Spring 2」 [ 1BA+1DD+1Ceramic / 初登場 レビュー ] (169ドル / 18,500円)
好み評点: 240 (総合評価 220 + 好み加点 20 )多層ピエゾセラミックドライバーを含めたハイブリッド構成で独自のサウンドを実現してるBQEYZの「Spring」シリーズの第2弾モデルが「BQEYZ Spring 2」です。ピエゾセラミックらしい繊細さや透明感と、光沢のある自然な滑らかさのなかにある明瞭感はこのシリーズでしか得られないサウンドですね。「Spring 2」ではピエゾセラミックドライバーが9層タイプとなり、さらに13mmサイズの大口径ダイナミックドライバーとBAドライバーのハイブリッド構成で、非常に力強くキレのあるドンシャリ方向のサウンドに。いっぽうでフラット傾向の「Spring 1」でも見られた種類の異なるドライバーがきちんと調和し、通常のハイブリッドとは一線を画するつながりの良いサウンドは健在。よりボーカル曲に向いたリスニング向けのチューニングとなっています。
「Shanling AE3」はDAPなどのメーカーとして最近ではすっかり認知された「Shanling」の3BA構成のオリジナルイヤホンで、今回のランキング直前にリリースされたばかりの新製品となります。Knowlesと並び数多くの有名イヤホンに搭載される有名BAブランドのSonion製ドライバーで構成された製品で、低域用のデュアルBAユニットと中高域用のユニットの2Way構成。そのドライバー構成とサウンドはマニアにはお馴染みの「10pro」こと「Triple.fi 10 Pro」を彷彿とさせるものです。さらに3Dプリンター出力された美しいブルーのクリアシェルとスタビウッド製のフェイスプレートを装備し、見た目にサウンドにも美しさを感じる製品です。こんな時期ではありますが、一緒にお出かけしてデザインの美しさとサウンドに癒やされる時間を過ごしたくなるイヤホンですね。
⑩ 「NICEHCK NX7 MK3」 [ 4BA+2DD+1Ceramic / 初登場 レビュー ] (119ドル / 16,900円)
好み評点: 235 (総合評価 210 + 好み加点 25 )NICEHCKの変態イヤホンでお馴染み(?)「NX7」シリーズの3代目の「NICEHCK NX7 MK3」です。実はなんだかんだで毎回各世代がランキングしています。コンパクトなハウジングにピエゾツイーターと4基のBA、複合ハウジングのデュアルダイナミックドライバーをみっちり搭載し、腰高でちょい過激なサウンドで「変態」デビューした初代「NX7」から、第2世代の「Pro」ではフィルター交換に加えてフェイスプレートを「分解交換」できるトリッキーさでギミックでも「変態ぷり」を定着させました。そして3代目の「MK3」ではBAユニットのグレードアップなど、音質面で大幅な改良が加えられ、ついに「極み」に達した感があります(褒め言葉)。高解像度の怒濤の明瞭サウンド、という感じで、「MK3」でバランスは良くなったものの、自然さ、とかそういうものとは対極にある音の情報量で勝負、という感じは健在です。ハイブリッドらしさ、マルチドライバーらしさのひとつの究極形ですね。
■ ミドルグレード中華イヤホン「個人的な好みランキング」 第11位~20位
⑪ | TFZ NO.3 | 230P / レビュー |
---|---|---|
⑫ | BQEYZ Spring 1 | 225P / レビュー |
⑬ | TINHIFI P1 | 220P / レビュー |
⑬ | TINHIFI T4 | 220P / レビュー |
⑮ | TRI Starsea | 215P / レビュー |
⑮ | KINBOOFI KBF MX4 | 215P / レビュー |
⑰ | Moondrop Starfield | 200P / レビュー |
⑱ | KZ ASX | 185P / レビュー |
⑲ | TRN BA8 | 175P / レビュー |
⑳ | KZ AS16 | 165P / レビュー |
⑪ 「TFZ NO.3」 [ 1DD / 前回5位 レビュー ] (109ドル / 14,800円)
好み評点: 230 (総合評価 210 + 好み加点 20 )
上位陣が結構濃いラインナップになったため、個人的「定番モデル」の「TFZ NO.3」はこの位置に。以前は総合ランキングで「準別格」扱いにしている「NO.3 Ti」のほうばかりを聴いていたので相対的に「NO.3」はあまり使ってなかったのですが、最近はリケーブルのテストのほか、TFZの第3世代ドライバーのリファレンス機として改めて聴く機会が増えていますね。前回のランキングでも記載しましたがやはり総合力では「NO.3」は最もまとまりがあり、「TFZらしさ」と「より幅広い使い勝手の良さ」を両立している製品だと思います。高い解像感と広がりのある音場はやはり良いですね。鮮やかで抜けの良いスッキリした中高域により女性ボーカルの美しさも特徴的なイヤホンです。
⑫ 「BQEYZ Spring 1」 [ 1BA+1D+1Ceramic / 前回7位 レビュー ] (139ドル / 14,899円)
好み評点: 225 (総合評価 200 + 好み加点 25 )
「BQEYZ Spring 1」も 8位の「Spring 2」に続きトップ10には入りませんでしたが引き続きランクインです。こちらは7層ピエゾ+ダイナミック+BAの構成で、フラットなサウンド。同社の滑らかさ、つながりの良さと透明感はむしろ「Spring 1」のほうが実感しやすいかも。押しの強い他のメーカーと比べると、やはりマイナー感は否めませんが、どちらも素晴らしい製品であることは変わりないと思います。
「TINHIFI」の平面駆動ドライバーをシングルで搭載したモデルが「TINHIFI P1」です。最近では上位モデルの「P2」もリリースされており、どうやら「本来の」同社らしいサウンドが前面にでているらしいのですが、とある理由で「様子見」しています。平面稼働ドライバーのイヤホンはいくつかあるのですが多くはハイブリッド構成になっており、全音域をカバーしている製品は案外少なかったりします。というのも、平面駆動は歪みの少ないサウンドが特徴の反面、広いダイナミックレンジを確保するためには制約が多く、チューニングの難しさもあって、今ひとつの仕上がりになったり、どうしてもコスト高になってしまう傾向があります。ファクトリーメーカーの「TINHIFI」でもその点は否めず、価格面では同社の他のモデルより割高ですが、音質面の完成度はとても高く、また平面駆動ドライバーにありがちな「鳴らしにくさ」も許容範囲に収まっている「秀作」です。この製品が個人的に順位が低いのは、装着性のうえで、私自身の耳にどうしても合わないからで、「P2」も同様の不安を持っていたりします。ですので、多分単純に音質評価だけなら前回も今回もトップ10に入るサウンドだと思っています。
「BQEYZ Spring 1」も 8位の「Spring 2」に続きトップ10には入りませんでしたが引き続きランクインです。こちらは7層ピエゾ+ダイナミック+BAの構成で、フラットなサウンド。同社の滑らかさ、つながりの良さと透明感はむしろ「Spring 1」のほうが実感しやすいかも。押しの強い他のメーカーと比べると、やはりマイナー感は否めませんが、どちらも素晴らしい製品であることは変わりないと思います。
⑬「TINHIFI P1」 [ 1DD(平面駆動) / 前回11位 レビュー ] (169ドル~ / 18,800円)
好み評点: 220 (総合評価 210 + 好み加点 10 )
「TINHIFI」の平面駆動ドライバーをシングルで搭載したモデルが「TINHIFI P1」です。最近では上位モデルの「P2」もリリースされており、どうやら「本来の」同社らしいサウンドが前面にでているらしいのですが、とある理由で「様子見」しています。平面稼働ドライバーのイヤホンはいくつかあるのですが多くはハイブリッド構成になっており、全音域をカバーしている製品は案外少なかったりします。というのも、平面駆動は歪みの少ないサウンドが特徴の反面、広いダイナミックレンジを確保するためには制約が多く、チューニングの難しさもあって、今ひとつの仕上がりになったり、どうしてもコスト高になってしまう傾向があります。ファクトリーメーカーの「TINHIFI」でもその点は否めず、価格面では同社の他のモデルより割高ですが、音質面の完成度はとても高く、また平面駆動ドライバーにありがちな「鳴らしにくさ」も許容範囲に収まっている「秀作」です。この製品が個人的に順位が低いのは、装着性のうえで、私自身の耳にどうしても合わないからで、「P2」も同様の不安を持っていたりします。ですので、多分単純に音質評価だけなら前回も今回もトップ10に入るサウンドだと思っています。
⑬ 「TINHIFI T4」 [ 1DD(CNT) / 前回4位 レビュー ] (99ドル~ / 11,800円)
好み評点: 220 (総合評価 210 + 好み加点 10 )
「TINHIFI」の主力モデル「TINHIFI T4」ですが、集計した結果、前回から順位だけは大きく下がってしまいました。実は好み評点自体はそれほど下がっていないのですが、前回の時は普段から使いまくっていたので「利用頻度」で順位をあげていました。今回はその辺も落ち着いて本来の点数に戻った感じです。イヤホンとしての完成度はとても高く、価格の割に付属品が充実しているのも良いですね。最近のバージョンではケーブルが新しくなったという情報もあります。CNTドライバーらしいキレのある解像感としっかりとした主張のあるサウンドが魅力的。傾向としてはフラット寄りで非常にバランスが良く、あらゆるジャンルの曲をクリアに鳴らす印象。非常に表現力豊かなイヤホンなのですが、いっぽうでやたら個性的な中高域を持った既存2DDモデルの「T2」「T2 PRO」の印象が強い方が聴くとちょっとキャラが弱い(手堅い)サウンドに感じてしまう場合もあり、あと現在の「T2 PLUS」以外、同社のイヤホンはどうも私の耳に装着感が合わないため、最近は利用頻度を下げています。
「TINHIFI」の主力モデル「TINHIFI T4」ですが、集計した結果、前回から順位だけは大きく下がってしまいました。実は好み評点自体はそれほど下がっていないのですが、前回の時は普段から使いまくっていたので「利用頻度」で順位をあげていました。今回はその辺も落ち着いて本来の点数に戻った感じです。イヤホンとしての完成度はとても高く、価格の割に付属品が充実しているのも良いですね。最近のバージョンではケーブルが新しくなったという情報もあります。CNTドライバーらしいキレのある解像感としっかりとした主張のあるサウンドが魅力的。傾向としてはフラット寄りで非常にバランスが良く、あらゆるジャンルの曲をクリアに鳴らす印象。非常に表現力豊かなイヤホンなのですが、いっぽうでやたら個性的な中高域を持った既存2DDモデルの「T2」「T2 PRO」の印象が強い方が聴くとちょっとキャラが弱い(手堅い)サウンドに感じてしまう場合もあり、あと現在の「T2 PLUS」以外、同社のイヤホンはどうも私の耳に装着感が合わないため、最近は利用頻度を下げています。
⑮ 「TRI Starsea」 [ 2BA+1DD / 初登場 レビュー ] (129ドル / 15,320円)
好み評点: 215 (総合評価 190 + 好み加点 25 )
TRIの2BA+1DD構成の最新ハイブリッドモデルが「TRI Starsea」です。美しいシェルデザインと手堅いサウンド、スイッチコントロールによる調整機能などが魅力のイヤホン。Knowles製の定番ユニット「ED-29689」を採用し、さらに超高域用BAにTRI独自のカスタムユニットを搭載、ダイナミックドライバーもこだわりのあるユニットを採用しています。いっぽう同社の「TRI i3」や「TRI i4」とは異なるファクトリーの製造と思われ、サウンドチューニングのアプローチには多少違いが見られます。個人的な印象としてはKinboofiの「KBF MX3」と同じアプローチで各ドライバーをリニューアルし、新しくデザインしたシェルに格納した製品では、と思っています。音質面も「KBF MX3」のバランスに近く、よりしっかり沈む低域と伸びる高域で全体的な質が向上している印象です。突出した部分はありませんが非常に手堅く、好みのサウンドに微調整もできるなど楽しめる要素の多いイヤホンだと思います。
⑮ 「KINBOOFI KBF MX4」 [ 3BA+1DD / 前回8位 レビュー ] (189ドル / 19,000円)
好み評点: 215 (総合評価 190 + 好み加点 25 )
最近KBEARのほうへの注力もあってか、新製品がちょっとお休み中かも、なKinboofiブランドのMK/MXシリーズの3BA+1DDモデル「Kinboofi KBF MX4」が前回に引き続きランクイン。いや、やっぱ格好エエですよ。このイヤホン。サウンドも定番モデルとなった4BAモデル「MK4」譲りの明るいチューニングで、同時にハイブリッド構成とすることで低域もしっかり確保しており、より幅広く使えるのも魅力。また2万円以下でスイッチ付きなのも良いですね。
最近KBEARのほうへの注力もあってか、新製品がちょっとお休み中かも、なKinboofiブランドのMK/MXシリーズの3BA+1DDモデル「Kinboofi KBF MX4」が前回に引き続きランクイン。いや、やっぱ格好エエですよ。このイヤホン。サウンドも定番モデルとなった4BAモデル「MK4」譲りの明るいチューニングで、同時にハイブリッド構成とすることで低域もしっかり確保しており、より幅広く使えるのも魅力。また2万円以下でスイッチ付きなのも良いですね。
⑰ 「Moondrop Starfield」 [ 1DD(CNT) / 前回10位 レビュー ] (109ドル~ / 14,400円)
好み評点: 200 (総合評価 185 + 好み加点 15 )
「Moondrop」の普及モデルは最近「SSR」なども出ており、「Moondrop Starfield」は前回のランキング時より「KXXS」と個性的デザインの「SSR」の間でちょっと陰が薄くなっている印象もありますね。移り変わりは早いものです。ただ、こちらはCNT振動版のドライバーを採用し、「KXXS」より一般受けしやすいドンシャリ寄りのサウンドチューニングにしている点と、「KXXS」に見られる独特の柔らかさや透明感は無いため、むしろ他社製品との差別化が難しくなっているかもしれませんね。個人的には中音域の艶のあるサウンドは非常に心地良く、ボーカル曲向けに特化したイヤホンとしてはとても使いやすく良いイヤホンだと思います。
「Moondrop」の普及モデルは最近「SSR」なども出ており、「Moondrop Starfield」は前回のランキング時より「KXXS」と個性的デザインの「SSR」の間でちょっと陰が薄くなっている印象もありますね。移り変わりは早いものです。ただ、こちらはCNT振動版のドライバーを採用し、「KXXS」より一般受けしやすいドンシャリ寄りのサウンドチューニングにしている点と、「KXXS」に見られる独特の柔らかさや透明感は無いため、むしろ他社製品との差別化が難しくなっているかもしれませんね。個人的には中音域の艶のあるサウンドは非常に心地良く、ボーカル曲向けに特化したイヤホンとしてはとても使いやすく良いイヤホンだと思います。
好み評点: 185 (総合評価 165 + 好み加点 20 )
とうとう片側「10BA」に突入した「KZ ASX」は正確には100ドル以下で「低価格」と「ミドルグレード」のどっちとも取れるギリギリのレンジを攻めている製品です。実は「KZ AS16」より低価格なんですよね。スペックと価格、そして巨大なハウジングとゴツいフェイスパネルと、「インパクト勝負」がえげつない印象の製品です。いっぽうサウンドは「10BAイヤホンなのにまたドンシャリかい」というツッコミを気にしなければ「想像以上に普通」です。特に悪くは無いですが、スペックや見た目のインパクトほどは凄くない。この価格で「これは凄い」というイヤホンは上位にいろいろあるので、それに比べればこれくらいの評価かな、と思います。まあ駆動力が無いと結局はちゃんと鳴らないとか、一般にはイヤピが絶望的に良くないとか、色々あるにはありますが、KZの凄いところはこの価格でこのスペックのイヤホンを「その程度のハードルで」普通に良い音で使えるところで仕上げている点でしょう。「KZ ZAX」も共通して言えますが、「ガジェットとしてはえげつなく凄い」イヤホンだと思います。
⑲「TRN BA8」 [ 8BA / 初登場 レビュー ] (143.80ドル / 13,700円)
とうとう片側「10BA」に突入した「KZ ASX」は正確には100ドル以下で「低価格」と「ミドルグレード」のどっちとも取れるギリギリのレンジを攻めている製品です。実は「KZ AS16」より低価格なんですよね。スペックと価格、そして巨大なハウジングとゴツいフェイスパネルと、「インパクト勝負」がえげつない印象の製品です。いっぽうサウンドは「10BAイヤホンなのにまたドンシャリかい」というツッコミを気にしなければ「想像以上に普通」です。特に悪くは無いですが、スペックや見た目のインパクトほどは凄くない。この価格で「これは凄い」というイヤホンは上位にいろいろあるので、それに比べればこれくらいの評価かな、と思います。まあ駆動力が無いと結局はちゃんと鳴らないとか、一般にはイヤピが絶望的に良くないとか、色々あるにはありますが、KZの凄いところはこの価格でこのスペックのイヤホンを「その程度のハードルで」普通に良い音で使えるところで仕上げている点でしょう。「KZ ZAX」も共通して言えますが、「ガジェットとしてはえげつなく凄い」イヤホンだと思います。
⑲「TRN BA8」 [ 8BA / 初登場 レビュー ] (143.80ドル / 13,700円)
好み評点: 175 (総合評価 160 + 好み加点 15 )
最後はTRNのハイエンドとかつてのKZのハイエンド(価格では今も)です。「TRN BA8」は頑張ったんだろうな~とは思わせるイヤホンですが、製品として仕上げるところで、KZとの競合というところで多少日和ってしまって中途半端になった感は否めないですね。この製品で150ドル近い価格になってしまったのであれば、いっそ180ドル台とか、200ドル近いところまで上げて、そのかわりビルドクオリティや付属品、そしてサウンド面も同社の「ハイエンドモデル」と胸を張れる線を目指して欲しかった気がしますね。良くできていますが、それだけに残念さも感じるイヤホンです。
最後はTRNのハイエンドとかつてのKZのハイエンド(価格では今も)です。「TRN BA8」は頑張ったんだろうな~とは思わせるイヤホンですが、製品として仕上げるところで、KZとの競合というところで多少日和ってしまって中途半端になった感は否めないですね。この製品で150ドル近い価格になってしまったのであれば、いっそ180ドル台とか、200ドル近いところまで上げて、そのかわりビルドクオリティや付属品、そしてサウンド面も同社の「ハイエンドモデル」と胸を張れる線を目指して欲しかった気がしますね。良くできていますが、それだけに残念さも感じるイヤホンです。
好み評点: 165 (総合評価 155 + 好み加点 10 )
「KZ AS16」は現時点のKZ/CCAおよびTRNのマルチBAモデルで最もまとまりのあるイヤホンです。音質面の細かい部分では「KZ ASX」のほうが凄いとか、全体のまとまりでも「TRN BA8」のほうが作り込まれていますが、8BAイヤホンとして十分に及第点のサウンドを実現していると思いますし、他のKZ製品よりニュートラルなサウンドバランスは使いやすさもあります。そして、「KZ ASX」の登場でAliExpressでは70ドル程度まで下がっているセラーもあり、そういった意味でも結構狙い目かもしれません。「KZ ASX」「TRN BA8」との比較では個人的には今でも「KZ AS16」がお勧めですよ。
というわけで、ミドルグレード編は掲載までの間にランキングが大きく二転三転し、結構調整が難航しました。正直なところ、ランキングの順位にかかわらず、好み評点が200点以上のイヤホンは甲乙が付けがたく、今後もランキングが大きく変動してもまったくおかしくない印象です。低価格イヤホンも凄まじい進化を続けていますが、100ドルオーバーの「少し上のグレード」もより密度が濃く、素晴らしい製品が密集していますね。今後もこのカテゴリーの製品も目が離せないですね。