NICEHCK C8s-1 / C8s-2 / C8s-3 / C8s-4

こんにちは。今回は「NICEHCK C8s-1 / C8s-2 / C8s-3 / C8s-4」です。HCKの秋冬のケーブル新製品の集中レビューもいちおうこれで一段落、ですね。HCKからはもともと8芯ミックス線ケーブルの「NICEHCK C8-1」が出ていますが、今回のものはこれとは異なり、「8芯銀メッキ銅線ケーブル」仕様となります。またナンバリングごとに線材の違いは無く、同じ線材のカラーバリエーションでまとめられているようですね。
傾向としてはかつてのHCKの定番8芯銀メッキ線ケーブルの「NICEHCK TDY1TDY2」をよりグレードアップしつつリプレースする印象で、銀メッキ線らしい多少メリハリのある音質傾向も似ていますね。しかし、プラグパーツなどは16芯タイプ同様ミドルグレード仕様となっており、低価格ケーブルというよりは、高純度単結晶銅線の「NICEHCK LitzOCC」同様に、銀メッキ線のスタンダードという位置づけと考えられます(今後「TDY4」「TDY5」のリプレースに当たる、さらに低価格のケーブルが出るかどうかは不明です)。

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またコネクタもMMCXおよび2pinに加えてTFZ/CCAおよびTRN等でも使用できるqdcタイプとTFZ等でも使用できるNX7タイプが選択可能になりました。またこれらのコネクタ仕様が選べるのにあわせて2pinも従来の「中華2pin」から埋め込みタイプにも対応できる「CIEM 2pin」仕様に戻りました。20ドル台、3千円台の手ごろな価格設定で豊富なカラーバリエーションも含めて多彩な選択ができるのは有り難いですね。購入はAliExpressの「NiceHCK Audio Store」またはアマゾンの「NICEHCK」にて。AliExpressでの購入方法はこちらをご覧ください。


 [ NICEHCK C8s-1 ] NICEHCK 8芯  高純度銀メッキ銅(OFC)線  ケーブル(ゴールド/シルバー)
NICEHCK C8s-1 Earbud Cable 8 Core Silver Plated Copper 3.5mm/2.5mm/4.4mm MMCX/NX7/QDC/0.78 2Pin Connector
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【qdc】【NX7※】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
NICEHCK C8s-1NICEHCK C8s-1
NICEHCK C8s-1」はゴールドとシルバーカラーの線材を編み込んだ8芯ケーブルです。1芯当たり0.05mmの銀メッキ線を14本束ねて透明な被膜で覆った銀メッキ線を使用し、8本を丁寧に編み込んで作られています。通常の8芯線ケーブルより細めの線材のため、ゴツゴツした感じはなく、コンパクトなイヤホンとも合せやすいのがよいですね。
NICEHCK C8s-1NICEHCK C8s-1
届いたケーブルは柔らかく適度な弾力のある樹脂被膜で扱いやすく、取り回しの良さがあります。興味深いのは被膜に覆われた1つの芯材ごとにシルバーの部分とカラーの付いた部分(「C8s-1」ではゴールド)がそれぞれ半分ずつ入っており、これを8本使ってケーブルを構成している点。従来のようにカラー線とシルバー線を交互に編み込んで2色にしているわけでは無いという点でも、より線材にコストをかけているのが伺えます。


 [ NICEHCK C8s-2 ] NICEHCK 8芯  高純度銀メッキ銅(OFC)線  ケーブル(ピンク/シルバー)
NICEHCK C8s-1 Earbud Cable 8 Core Silver Plated Copper 3.5mm/2.5mm/4.4mm MMCX/NX7/QDC/0.78 2Pin Connector
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【qdc】【NX7※】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
NICEHCK C8s-2NICEHCK C8s-2
NICEHCK C8s-1」はピンクとシルバーの混合線。このカラー構成となるとHCKのかつて大人気ケーブルだった赤白の8芯ミックス線ケーブルを思い出す方も多いかもしれませんね。AliExpressでの写真ではよりピンク色が前面にでた感じですが実際のケーブルはシルバー部分との調和して、もう少し落ち着いた色に見えます。また「TDY2」のようにど派手な印象もないため普段使いでも合せやすいからーです。
NICEHCK C8s-2NICEHCK C8s-2
そのため、ピンク色のイヤホンよりむしろ赤色のイヤホンのほうが組み合わせてしっくり来そうです。最近では中華イヤホンでもレッドのカラーバリエーションを選択できる製品も増えていますので、いろいろ組み合わせを楽しめそうですね。


 [ NICEHCK C8s-3 ] NICEHCK 8芯  高純度銀メッキ銅(OFC)線  ケーブル(ブルー/シルバー)
NICEHCK C8s-1 Earbud Cable 8 Core Silver Plated Copper 3.5mm/2.5mm/4.4mm MMCX/NX7/QDC/0.78 2Pin Connector
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【qdc】【NX7※】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
NICEHCK C8s-3NICEHCK C8s-3
NICEHCK C8s-3」は実は結構需要が多いのではと想像されるブルーとシルバーのコンビネーションです。カラバリのあるイヤホンではブルー系のカラーは結構定番ですし、特にKZあたりは多くのモデルでブルー系があるため、ぴったりの組み合わせとなるでしょう。
NICEHCK C8s-3NICEHCK C8s-3
こちらも「C8s-2」同様に落ち着いたカラーリングでどのイヤホンにも合せやすい印象です。まあブルー系については結構鮮やかなカラーも人気があるのでこの辺はちょっと好みが分かれる可能性もありますが、組み合わせるイヤホンの幅広さを考慮すると良い選択だといえるでしょう。


 [ NICEHCK C8s-4 ] NICEHCK 8芯  高純度銀メッキ銅(OFC)線  ケーブル(カッパー/シルバー)
NICEHCK C8s-1 Earbud Cable 8 Core Silver Plated Copper 3.5mm/2.5mm/4.4mm MMCX/NX7/QDC/0.78 2Pin Connector
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【qdc】【NX7※】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
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そして最も定番色、というかいわゆる「銅線」色のケーブルです。このカラーですが銅線タイプでもミックス線タイプでもなく、他の「C8s」同様に銀メッキ線ケーブルとのこと。ある意味どのカラーのイヤホンと合せてももっともリケーブル時に違和感の少ないカラーリングですので、「とりあえずリケーブルしたい」という用途には最適なカラーでしょう。キープしておけばどんなイヤホンでもリケーブルで楽しめそうです。
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■ 「NICEHCK C8s」シリーズの特徴および音質傾向

NICEHCK C8sシリーズは前述の通りプラグなどの金属部品に「NICEHCK C16シリーズ」などのミドルグレード製品のほか100ドルオーバーのハイグレード品でも使用されているクロームメッキ仕様のタイプを採用。以前の「TDY1」「TDY2」より確実にグレードアップしています。
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この価格帯の8芯ケーブルでTFZ用に使える「NX7」向けも含めた4種類のコネクタがあらかじめ用意されていることで、リケーブルの利用範囲が大きく拡大し、中華以外のイヤホンの「バランス接続用」などさまざまなニーズで活用できるのが嬉しいところです。
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NICEHCK C8sシリーズの音質傾向は、情報量をアップし分離性を向上させることで明瞭感とメリハリを向上するタイプ。比較的リケーブル効果がわかりやすいタイプのケーブルです。イヤホン本体でチューニングされた周波数特性のV字カーブをより引き立たせる印象で、結果的にリケーブルによりドンシャリ方向の印象が強くなります。さらに全体的な情報量の底上げにより中音域、特にボーカル帯域の明瞭感も向上し、より見通しの良いサウンドを実感できるのではと思います。
NICEHCK C8s-1NICEHCK C8s-1
傾向としては「銀メッキ線」らしい高域の伸びの良さと、中華ケーブルらしい中低域の「わかりやすい変化」のバランスが良く、この価格帯のケーブルとしてはかなり使い勝手が良い印象です。方向性としてはHCKのかつての8芯銀メッキ線の定番ケーブル「NICEHCK TDY1」の方向性に近いのですが、今回の「NICEHCK C8sシリーズのほうが「TDY1」より雑味が少なく高域はより綺麗に伸び、低域の締まりも良く感じるなど、明らかに1ランク以上優れた印象の品質です。
NICEHCK C8s-2NICEHCK C8s-2
メリハリのあるケーブルのため、KZ/CCA/TRNなどの中華ハイブリッドや比較的反応の良いTFZなどの低価格イヤホンとの相性は非常に良く、適度にサウンドを引き締め、より明瞭なサウンドが楽しめます。付属ケーブルから一気にフォーカスが合ったような、そんなハッキリとした輪郭の描写を実感できるのではと思います。また、「TRN V90」や「V90S」のように16芯ケーブルでは高域が刺さりすぎると感じるイヤホンでも高域の伸びが向上しつつ心地良いところでキープできており、銅線ケーブルとはまた異なる印象を楽しめるのではと思います。また見通しが良くなることで低域の締まりも向上し、量的にもしっかりとした存在感を感じさせます。この辺は銀線にはない、銀メッキ線ならでは良さでしょう。
NICEHCK C8s-3NICEHCK C8s-3
十分に情報量が高いケーブルですので、最近の各社のドライバー数の多いイヤホンでのリケーブルにも最適です。これらの製品では付属ケーブルでは明らかに情報量が付属しているものの、ケーブルによってはバランスが崩れることを懸念される方も結構いらっしゃるのではと思います。「NICEHCK C8sシリーズは「KZ ZAX」のようなハイブリッドおよび「KZ ASX」などのマルチBAとも特徴を引き出して良い方向に変化します。もちろん、低価格中華イヤホンに限らず、数万円クラスのマルチBAイヤホンなどでも100ドル超えのハイグレード製品には及ばないものの、手軽なリケーブルとしては十分に実用的です。
NICEHCK C8s-4NICEHCK C8s-4

というわけで、HCKの新たな8芯ケーブルである「NICEHCK C8sシリーズは、2021年の新たな定番ケーブルとなりうる高い実力を持った製品であることを確認できました。OFC線ベースではあるものの、おそらく数年前なら100ドル近いミドルグレード以上の価格設定でも全く問題ないレベルの品質ではないかと思います。ハイスペック化および高音質化が著しい最近の低価格イヤホンに見合った最適なケーブルとして、個人的にはもっと組み合わせたいイヤホンもあるため、常時買い増しストックするケーブルで確定しました(^^)。