こんにちは。前回に引き続き「年末振り返り」のその②です。そして今年最後の投稿となりますね。 今回は中華イヤホン関係を中心に、各レビューでの振り返りとして、当時の小ネタをはさみながらまとめてきたいと思います。なお、前回はこちら。
→ 【年末振り返り①】 2020年いろいろ買い物したりしてみました。「ハイグレードイヤホン&イヤホン以外のイロイロ編」(笑)
■ 「NF Audio NM2+」と「水月雨(Moondrop)」と「IKKO Musikv OH7」の話。
今年も様々な中華イヤホンを紹介してきましたが、やはり新型コロナウイルスの影響で特に春先から夏頃まではちょっと停滞した時期がありました。そのため購入数は昨年より少し減っているものの、思いのほか単価の高いイヤホンを買っているような・・・(^^;
しかし、そんな中でも個人的に「買って良かった感」が大きかったのは「NF Audio NM2+」(レビュー)ですね。正確にはベースとなる「NM2」を購入した時点で想像以上に良い製品だと感じたのですが、「NM2+」については100ドル台の価格帯での期待をかなり超えていた点が大きいですね。国内版の発売に合わせてじわじわと人気も向上しているようですし、ブログなどでのコメントも多くいただいており、「当たり」なイヤホンに巡り会えた楽しさを多くの皆様と共有できたことをとても嬉しく思っています。
ちなみに、2019年は「NM2+」ほどではなかったものの、「Moondrop KXXS」(レビュー)は個人的には「水月雨」というブランドを本格的に好きになるきっかけとなった製品でした。それ以前にインナーイヤーの「Liebesleid」やその後の「CHACONNE」は聴いてみてかなり良かったのですが、残念ながら今ひとつサイズが耳に合わず、イヤーパッド無しでは耳から落ちてしまうため購入を断念していました(私の場合、インナーイヤーやストレートタイプのカナル型で結構重量がある製品の場合、耳掛け式で装着しないと耳に合わないため断念しているケースもあります)。そこで当時評判だった「KXXS」を遅まきながら購入し、「あ、やっぱりこのメーカー良いな」と感じた次第です。その後Drop版の「KXXX」を始め、「Moondrop」の製品は今年も何種類か購入しましたが、年末に購入した「Illumination-光」は購入者の多くが絶賛している通りかなりスゴイ製品でしたね。残念ながら先着順の初期購入特典に漏れてしまったため、まだ付属のケーブルでしか聴いていませんし、絶賛エージング中ですので最終的な評価は来年以降にしたいと思いますが、現時点でも結構満足度は高いです。また私が持っている10万円クラス以上の製品のなかでは他と印象が被らないので使い分けできるのも個人的には有り難かったりします。
またこちらも前回も記載したとおり、夏頃には試聴レビューした「IKKO Musikv OH7」(レビュー)をそのまま買い取っています。我ながら、10万円オーバーのイヤホンを勢いだけでよく買えますよね(笑)。しかも音質はともかく、見た目は販売元もIC-CONNECTさんも認める残念さですから(これで一般ウケするデザインならもっと売れるのに、という声が聞こえてきそうです^^;)。でも個人的には装着感も悪くないですし、耳に付けちゃえば割と・・・(汗)。こちらはある意味「Illumination-光」とは真逆でな印象で、広い音場感で包み込む系の、要するにオーケストラが素敵に聴けるサウンドです。どちらの音も好きなんですよね。まあ聴くジャンルが固定していないというのもありますが、きっと根っからの浮気性なのだと思います(滝汗)。
■ 2020年前半(1月~6月)の中華イヤホンな振り返りなど。
新型コロナウイルスに振り回された今年の前半は、やはり1~3月あたりの「まだ平和だった頃」に集約されてしまいますね。特に中華イヤホンの視点では2月のレビューは1年を通してとても興味深いラインナップです。
→ 過去記事(一覧): 2020年2月の投稿記事
2月にレビューしたラインナップは、「SIMGOT MEETURE MT3 PRO」「AUDIOSENSE DT200」「qdc Uranus」「DUNU DK2001」「TINHIFI T4」「Moondrop Starfield」、の6種類です。
なかなかの濃さですね(^^;)。3月以降コロナで停滞する前の駆け込みのような勢いです。「qdc Uranus」と「DUNU DK2001」は200ドルを超える製品のため、ミドルグレードのランキングには登場してきませんでしたが、年明け以降に予定している総合ランキングではどうでしょう。個人的にはどの製品もとても気に入っていますよ(^^)。
そして「低価格好みランキング」でも上位にランキングした「FiiO JadeAudio EA3」(レビュー)がコロナ前でレビューできたのは良かったですね。FiiOのイヤホンもそろそろ買っていこうかと思っているのですが、買い出すと全部揃えたくなるはずなので、ギリギリ我慢しているところです。来年は・・・他のネタ次第、といった感じでしょうか。
ちなみに、ネット上で「JadeAudio EA3」が少し話題になり始めた頃と前後して噂になっていた「QKZ VK4」や「A2イヤホン」(ドスパラ型番「QKZ-A1」)も実はこっそり掴んでいます。これはオーダーした時が緊急事態宣言のタイミングと重なってしまい、6月頃まで届かなかったのと、届いた頃が私自身が個人的にとても忙しかったこともあり、特にレビューなどをすることはありませんでしたね。
ただ、TFZがこの年末に、A2イヤホンのハウジングを採用した製品「TFZ ESSENCE」を100ドル以上のプライスで出したりしていて・・・(うーん)。まだ買っていないですが、Dropあたりで出てきたらポチる気もするので、そのときはたぶん比較用でさりげなくA2イヤホンも出すのではと思います(笑)。また同じくコロナ禍でオーダーしていたのが「CVJ」のイヤホンで、レビューは「CSA」と「CSN」を9月に行っています(レビュー)。TRNのサブブランド、という憶測もありますが、個人的には工場をシェアしている程度かな、という印象。CVJも年末のタイミングにかけて複数新しい製品をリリースしており、来年もいろいろ買ってみようかな、と思ったり、思わなかったり(^^;)。
■ 2020年後半(7月~12月)、怒濤のKZと、HCK、Easy系の各セラーイヤホンの話。
そして今年後半は、突如として息を吹き返した(笑)KZ/CCAに振り回されながら、話題の製品も出てきたりと結構楽しめました。またセラー系はHCKが「NICEHCK NX7 MK3」(レビュー)でNX7をさらにしつこくブラッシュアップしたり(もちろん褒め言葉)、11.11のタイミングにはまたJimが変なイヤホンをぶち込んで来ました。「YTAO HYBRID 2+6」 (レビュー)ですね。
ちなみにこの製品のTaobaoのページには「YTAO(櫻桃聲電)」の社長の思い(ちょっと重い^^;)が綴られていますが、その内容より、どうもこのメーカーは深圳ではなくモンゴル方面ぽい、というのがそれ以上に驚きだったり。妙にアットホームさもあるストーリーと、製品自体の「いや絶対メタル好きじゃん」という感じが要所要所に見え隠れするギャップが・・・実はちょっと引きました(笑)。結果として楽しいイヤホンだったので良しとしましょう。なんというか応援したくなるブランドですね(HCKもそう思って取り扱ってるのかも)。
また、Easy系は「KBEAR」および「TRI」へのブランドリソースの集約が興味深かったですね。Kinboofi(KBFシリーズ)から「TRI」に意匠替えしたとおぼしき「TRI Starsea」(レビュー)も良かったですが、本当はKBEARの日本で発売されなかった「KBEAR Believe」が素晴らしいサウンドで、とても惜しいところです(試聴機を発送後に発売中止になったので、私も試聴しています)。
KBEARの製品ページでは(日本製)ピュアベリリウム振動板と記載されているものの、実際は価格的にもベリリウムコートなどの相当品かな、とは思っています。しかし海外でのレビューの評価通り非常に完成度の高いイヤホンです。基本的には「KBEAR Diamond」同様にハウジングを製造してる某ブランドのシングル構成をベースにして、KBEARが独自調達したドライバーを使用しサウンドチューニングを行った製品ですが、明らかに某ブランドより価格が安くて音質が高いような・・・。とりあえず、来年改めて日本でも復活してくれるといいなと思います。
※追記:海外サイト「HiFiGO」では日本向けの発送にも対応し購入可能なようです。
そしてKZについてですが、今年話題の「KZ ZAX」(レビュー)や「KZ ASX」(レビュー)について、私のレビューおよびランキングでは話題性に対して必ずしも高い評価をしていなかったものの、KZが元気いっぱい邁進していることを改めて実感して、実はかなり「安心」したというのが正直なところです。中華イヤホン界隈では「最も凄いメーカー」のひとつであることは間違いありません。どちらの製品も音質面も十分に良く、低価格中華イヤホンの範疇を超えたスペックと仕上がりはやはり「凄さ」があり、訴求力を感じます。とはいえ、KZの圧倒的な武器である「凄さ」だけでは、今後ユーザーのニーズを読み違える危険性もあります。
そう感じた理由こそ、同時期に突如として登場した「HZSOUND HeartMirror」(レビュー)です。私はこのイヤホンがマニアの間でまだ大きく話題になるよりちょっと前のタイミング、ちょうど「KZ ZAX」で大騒ぎになっている頃にレビューをすることができました。それ故に「KZ ZAX」のレビューの中でも詳細は伏せながらそのときの感想を記載しました。「KZ(およびCCA)」はやはり中華イヤホンの市場を牽引する存在だと思います。だからこそ、スペック推し一辺倒ではないアプローチも「勝ち続ける」ためには必要で、それができる実力はあると思っています。そういった意味で、私なりのKZに対するエール、といった感じです。
そんな「KZ」ですが、いっぽうで「KZ ZAX」や「KZ ASX」とは「別の可能性」を感じた製品も実は存在しました。低価格中華イヤホンの好みランキングに入れるか最後まで悩んだ「KZ EDX」(レビュー)です。この10ドルに満たない、最もロースペックで最廉価の新製品は、「なんだ、KZもこういう音作りもあるんだ」という驚きを感じました。レビューの通りリケーブルで大きく化けるかなり面白いイヤホンですので、マニアは全色掴んでおきましょう(笑)。ちなみに私も限定色の「透明」を年末にオーダーしました(^^)。とにもかくにも、来年のKZの展開にも期待したいですね。余談ですが「HZSOUND HeartMirror」はおそらく、HZSOUNDが中国のODM/OEMファクトリーにほぼ丸投げで作った製品ではないかなと想像していますが、製造元もこれまで私のブログで紹介したことのあるメーカーなんじゃないかなという邪推もしてます。
あとTRNとTFZは、ランキングやレビューでも結構書いているので、あといろいろ気になっていることは来年に、ということで。
というわけで、年末最後の投稿は、これまでレビューなどに書き切れなかった小ネタもはさみつつ、徒然なる長文となってしまいました。最後までお付き合いくださった皆様には本当に感謝です。
コロナ禍の状況は来年もまだまだ収まる気配がありませんし、今後どのような展開が待ち構えているのかも予測が付かない部分もあります。いろいろ大変な思いをされていらっしゃる方もとても多いのだと思います。
そんな中ではありますが、私のブログも、気の向くまま続けられるうちは、このように継続していきたいと思います。よろしければ、来年も引き続きお立ち寄りいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
それでは、よい新年をお迎えくださいませ。
いつも愛読しております。
各イヤホンのレビューは的確で詳細な記述でとても良いと思います。
当方も中華イヤホン沼に片足の親指くらいはハマっていますが、「JadeAudio EA3」はとてもお気に入りです。色違いで2個購入しました。
音質、装着感、付属品ともKZなどと比較しても出色だと思います。
今後とも色々なイヤホンのレビューを楽しみにしています。