BLON BL-T3

こんにちは。今回は「BLON BL-T3」 です。私は仕事の関係もあって東京と地元の福井の二拠点生活を続けているのですが、昨年末から地元にいてそのまま北陸地方の大雪で足止めを食らっていたことも有り、1月後半は結構仕事が立て込む感じになってしまいました。レビューの掲載ネタはコンスタントに用意しているのですが、あくまで趣味の個人ブログの範疇でやっているため、今年もなかなかスケジュール通りに行かないみたいです(汗)。
閑話休題、「BLON BL-T3」 ですが、個性的なシングルダイナミック構成のイヤホンをリリースしている中華イヤホンブランド「BLON」の最新エントリーモデルですね。10ドル台、2千円程度の低価格ながら、同社の人気モデル「BL-03」に似た金属製のハウジングを採用し、音質的には「BL-03」を彷彿とさせるパワフルな低域と明瞭感のある中高域を実現しつつ、より気軽にリスニングを楽しめるチューニングとなっています。
BLON BL-T3」と同クラスにはKZならば「KZ ZSTX」などのハイブリッド製品が思い浮かびますし、少し価格がアップしますが低価格シングルダイナミック構成でも「Moondrop Spaceship」や中華以外でもfinalの「E500」「E1000」といった製品も候補に挙がってくる実はかなりの激戦区の価格帯です。しかし、これらのイヤホンと比較しても十分に楽しめるサウンドを実現できているのではと思います。
BLON BL-T3BLON BL-T3

CNC加工された亜鉛合金製の金属ハウジングに、11mmサイズの複合振動版ダイナミックドライバーをシングルで搭載。繊細さと粒の細かさを感じるサウンドを実現し、広い音場を生かしながら非常に自然な高域特性も実現しているとのこと。
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ストレートタイプのカナル型デザインを採用し、使いやすさも考慮。カラーはメタリックシルバーとガンメタルグレーの2色、マイク付き・マイク無し(どちらもAliExpressのみ選択可能)が用意されています。
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BLON BL-T3」の購入はAliExpressにて。価格は14.23ドルです。購入方法などはこちらを参照ください。
AliExpress(EE Audio Store): BLON BL-T3

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BLON BL-T3」のパッケージは上位モデルと同様に透明なカバーで覆われたボックスです仕様ですが、エントリークラスと言うことでより小さく、KZなどのイヤホンの箱より少し大きいくらいのサイズ感です。パッケージ内容は、イヤホン本体、イヤーピース(細長タイプ大・小、丸タイプS/M/Lサイズ)、ケーブルタイ、説明書。
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本体部分は「BL-03」によく似ていますが、リケーブルはできず、また耳から垂らすタイプの装着方法を想定した形状になっています。装着した印象はケーブルのあるAirPods Proという感じでしょうか。亜鉛合金製のシェルは多少重量感がありますが、イヤーピースを合せれば耳から落ちることなく装着できました。
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イヤーピースによって音の印象が変化するのは他のBLON製イヤホンと同様。丸型(通常タイプ)の付属イヤーピースはあまりお勧めしません。細長タイプは2サイズ付いておりこちらのほうがかなり印象が良いようです。ただし、どちらかのサイズで耳に合えば良いですが、フィットしない場合は別のイヤーピースを用意した方が良いでしょう。具体的には定番のJVCの「スパイラルドット」や、RHA製イヤーピースや、Acoustune「AET08」などが良さそうです。


■ パワフルさと明瞭さをもったバランスの良いサウンド

BLON BL-T3」の音質傾向は明瞭感のある弱ドンシャリ傾向。ラバー製のケーブル被膜はタッチノイズを大きめに感じますが、音楽再生中はそれほど気にならない印象です。同社の「BL-03」とも通じるパワフルな低域と明瞭感のある中高域はBLONらしいサウンド、といって良いでしょう。高域の刺激などは多少抑えられており、解像感などは価格なりの部分もありますが、非常に聴きやすく、適度に広い音場感でEDMやロック、ポップスなど幅広いサウンドをより気軽に楽しめるチューニングとなっています。

BLON BL-T3BLON BL-T3」の高域は明瞭ながら柔らかさも感じる鳴り方をします。解像感はそれなりで高高音の表現は上位モデルほどではありませんが、適度にスピード感があり音を捉えやすい印象。また適度な柔らかさと僅かに感じる温かさはKZなど中華ハイブリッドの冷たく硬質な音とは異質なものです。曇ること無く伸びますが、再生環境や曲によっては多少刺激を感じる場合もあります。
中音域は凹むこと無く鳴ります。比較的ニュートラルですが高域同様僅かに温かさを感じる印象。ボーカル帯域は少し前に出て明瞭に鳴ります。特に女性ボーカルの高音などは強めの主張があり、伸びがあります。中低音は厚みが有り、多少温かさを感じます。音場は左右に比較的広さを感じます。自然な臨場感があるサウンドで、ディテールの正確さよりリスニングの楽しさを感じさせる印象です。
低域は十分な量感と力強さがあります。10ドルクラスの製品としては表現力は高く、明瞭な表現力とレスポンスの良さを感じます。重低音も適度な深さと解像感がありEDMなど音数の多い曲でも比較的楽しめる印象です。

BLON BL-T3」は個人的には「KZ ZSTX」より同じシングルダイナミックの「KZ EDX」との比較のほうが興味深いかもしれませんね。リケーブルには対応しませんが標準ケーブルでの表現力は「BLON BL-T3」のほうが高く、この価格タイトしては質の良い低域とバランスのとれた心地良いサウンドは、特にEDMやロック、ポップスなどで楽しさを感じます。いっぽう「KZ EDX」はリケーブルによってかなり印象が変化し、より音場感とキレのあるサウンドとなります。日常使いのイヤホンとして低価格の製品を考えている方には良い選択肢となるのではと思います。