NICEHCK BlackWheat

こんにちは。今回は「NICEHCK BlackWheat」です。中国のイヤホンセラー「HCK Earphones」のリケーブル製品ですが、以前から一部で根強い需要があった「リモコンマイク付きリケーブル」が遂に製品化されました(^^)。さすがに数万円クラスのイヤホンともなると相応のグレードのケーブルに交換し、再生はDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やアンプを使用するのが当然、という感じでマイク付きケーブルのニーズはほぼ無いと思います。しかし、最近のハイスペック化、高音質化の著しい中華イヤホンや愛用の製品などの音質をしっかり維持したまま「リモコンマイク付き」ケーブルで使いたい、というニーズは結構以前から一定数ありました。そして昨今、主に2つの理由でそのニーズは「急増している」状況のようです。
まずひとつ目の理由は「ゲーミング」ですね。ワイヤレスと異なり無遅延の有線イヤホン(マイク付き)は、ゲーミングPCでのガチ勢だけでなくPS4/PS5等でのオンラインプレイでも一般的ですし、もちろんスマートフォン(およびタブレット)でのニーズもあるでしょう。私自身はオンラインゲームは全くプレイしないのですが、家族(おもに次男)やその友人たちは共同プレイに明け暮れていますので、必需品のマイク付きイヤホンの相談はわりとよく受けます。最近では「final VR3000 for Gaming」など人気のため入手困難となっている製品もありますね。

final VR3000 for Gaming / Shure SE+UNIケーブルそしてもうひとつの理由は、やはり新型コロナウイルスの影響によりzoomなどのオンラインミーティングツールが日常的になってきたことでしょう。個人的にはマイク性能の高さから、この用途では普段Shure SEシリーズのマイク付きのUNIケーブル付きを使用しています。「SE215SPE(UNIケーブル付き)」はゲーミングイヤホンとしても人気の高いモデルですが、ビデオ会議中などでは「さすがShureのマイク」と感じさせる音質の高さです(言うまでもなくShureはプロ用マイクメーカーとしても超有名です)。私は「AONIC 3」のおかげで全く使わなくなった「SE315」をzoom専用にしています。

このような状況の中で、手元にあるKZなどの中華イヤホンなどでもゲームやzoomで活用したい、マイク付きが欲しいけどリケーブルでグレードアップもしたい、というニーズも日に日に高まっており、それに応えるように登場したのが今回の「NICEHCK BlackWheat」です。いやぁ、さすがHCK、という感じはありますね(^^;)。
購入はAliExpressの「NiceHCK Audio Store」またはアマゾンの「NICEHCK」マーケットプレイスにて。AliExpressでの購入方法はこちらを参照ください。


 [ NICEHCK BlackWheat ] NICEHCK 8芯 高純度銀メッキ銅線  マイク付きケーブル
NICEHCK BlackWheat With Mic 8 Core Silver Plated Copper Cable
【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【qdc】【NX7※】【3.5mm】

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8芯タイプの銀メッキ高純度銅線ケーブルに、スマートフォンで使用できる3ボタン使用のマイクリモコンがついたリケーブル製品です。マイクリモコンは「+」「-」と「マルチファンクション」の3ボタンタイプで「+」「-」のデジタルボリュームにくわえて、中央のマルチファンクションボタンは再生/停止のほか曲送り・曲戻しにも対応します。

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コネクタは、MMCXおよび埋め込みタイプにも対応するCIEM 2pin、KZ/CCA/TRN製の最近のモデルで使用できるqdcコネクタ、TFZ製イヤホンなどで使用できるNX7コネクタが選択できます。
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パッケージはいつも通りのシンプルな簡易包装。ケーブルは被膜に適度な弾力があるものの柔らかく取り回しの良い線材を使用しています。マイクリモコンは右側の分岐部分についています。使いやすい3ボタンタイプなのも良いですね。ボリュームはデジタルで「+」「-」ボタンで接続した機器側の音量と連動します。アナログボリュームのように本体から独立しておらず細かい音量調整はできませんが、ケーブル側で抵抗が加わって音を変えることが無いというメリットもあります。
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音質傾向としては中低域に僅かに厚みを持たせつつ情報量をアップするタイプ。銀メッキ線ですが高域などに過度な変化がないため、高域の刺激を気にする方でも気軽にリケーブルできるのはメリットですね。リケーブルによる分りやすい変化は見込めないものの、癖の少ないケーブルですのでどのようなイヤホンにも合せやすいのがよいですね。ただ、ある程度の情報量がアップすることで、反応の良いマルチBAイヤホンなどの場合、ホワイトノイズが増加するケースも考えられます。マイク付きケーブルはその性格上、スマートフォン/タブレットやPC/Macなど、高音質なDAPやアンプと比べてノイズの多い環境で使用することが想定されるため、組み合わせるイヤホンの種類などで多少注意が必要です。
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なお、KZの付属ケーブル(マイク付き)と比較すると、銅線タイプおよび最近の銀メッキ線タイプどちらと比較しても情報量が大幅に向上し、さらに銅線タイプとの比較では全体的に見通しが良くなり鮮やかさが増す印象があります。またKZのマイク付きケーブルは音量調整の無い「1ボタン」タイプなので、「NICEHCK BlackWheat」のほうがマイクリモコンとしても普通に使いやすいでしょう。
NICEHCK BlackWheatNICEHCK BlackWheat
さらに、マイクからの音声をボイスレコーダーアプリで録音し、各ケーブルのマイク感度を比較してみましたが、「NICEHCK BlackWheat」のマイクはKZ付属ケーブルより少し自然で小さい音もしっかり捉えていました。印象としては「final VR3000 for Gaming」のマイクリモコンと大きな差はありませんでした。ちなみに、ShureのUNIケーブルのマイクのみ感度および明瞭感が抜きん出て違いがありました。ただShureのケーブルはPS4のコントローラ出力ではマイクが使えない仕様(実際にうちの次男もSE215をPS4で使おうと思ってこれで断念しました)など他とは異なる部分もあるため、やはり例外的に扱う必要がありますね。

というわけで、「NICEHCK BlackWheat」は手持ちのイヤホンをリケーブルにより手軽にグレードアップしつつ、ゲームやオンラインミーティング、動画視聴などで活用できる「ワイヤレスのように遅延の無いマイクリモコン付きケーブル」として使用できるという点で「ありそうでなかった」アイテムといえるでしょう。手持ちのイヤホンをこれらの用途で使いたいと思っている方にはうってつけですね。また2pinコネクタは埋め込みに対応したCIEM 2pin仕様ですので、例えばfinal「A3000」「A4000」あたりをマイク付きにして「VR3000 for Gaming」の上位バージョン的に使うのも楽しいかも知れません。ぜひとも、あなたに合った使い方を見つけてみてくださいね(^^)。