こんちは。今回は「AUDIOSENSE DT100」です。2012年に設立された中国のイヤホンブランド「AUDIOSENSE」は、Knowles製バランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーを搭載した高音質のイヤホンを比較的低価格でリリースしているメーカーとしてマニアの間でも人気および知名度ともに広がりつつありますね。
今回の「AUDIOSENSE DT100」は新しい「シングルBA」モデルで、最新ドライバー搭載にによるバランスの良いサウンドとコンパクトで美しいブルーのクリアシェルが印象的なモデルです。ブルーのシェルはDLP 3Dプリンティングによる出力で医療レベルの高品質レジンを使って成型されています。
また、搭載されるKnowles製のフルレンジBAドライバーは従来のユニットとは仕様の異なる新しいユニットで、出力部分が本体上面にあるユニークな形状が特徴。空洞の無いレジン製シェルのなかで3Dプリンティングによって作られら音導管のトンネルを通じてステム部分にダイレクトに出力されます。
「AUDIOSENSE DT100」の購入は、HiFiGOまたはAliExpressおよびアマゾンの「AUDIOSENSE Official Store」にて。価格は109ドル、アマゾンでは10,999円です。
■ 美しく装着感も良い、3Dプリンティングによるレジン充填の一体形成のシェルデザイン
「AUDIOSENSE DT100」のパッケージは、従来の黒箱&ラインアートのデザインから、フェイスパネルの模様をイメージしたカラフルなデザインになりました。また従来の大きめの樹脂ケース(防水ハードケース)に本体および付属品が収納されているタイプではなく、使い勝手の良い布張りのイヤホンケースが付属するようになりました。
パッケージ内容はイヤホン本体、MMCXコネクタ仕様ケーブル、イヤーピース(2タイプ、S/M/Lサイズ)、ケース、説明書など。ケースは内側がファー生地となっており、大きさのわりに収納量は少ないものの、イヤホンに傷が付かないようにソフトに守ってくれます。某CAっぽいケースという噂もありますね(^^;)。
「AUDIOSENSE DT100」の3Dプリンティングによる本体は軽量なレジンで充填されており、耳にフィットするコンパクトなデザイン。このシェルに新しい形状のKnowles製フルレンジBAドライバーがしっかり固定されているのがわかります。またドライバーの出力部分と直結した音導管部分も3Dプリンティングにより本体を形成する際に一緒に開けられたトンネルで、緻密に設計されたサウンドコントロールが伺えます。
またフェイスプレートのデザインも含め外観も非常に美しいクリアハウジングで、シンプルなシングルBAデザインの内部構造もまたデザインのひとつとして映える印象。ケーブルは「T800」などでも付属している銀メッキ線タイプのMMCXケーブル。本体との組み合わせで見た目にも美しく、取り回しも比較的良い使いやすいケーブルです。
「AUDIOSENSE DT100」の本体サイズおよび形状は2BAモデルの「DT200」と非常によく似ています。しかし「DT200」が金属カバーで覆われたステムだったのに対して「AUDIOSENSE DT100」はレジン製の本体一体成型となっています。どちらも8BAモデルの「T800」と比べると2まわりほどコンパクトであることがわかります。
「AUDIOSENSE DT100」の装着性は非常に高く、コンパクトなシェルデザインもあって耳への収まりも良い印象です。ただ付属する2種類のシリコンイヤーピースはフィット感や遮音製のうえでベストな選択肢とはいえないため、より自分の耳にあったものへ交換する方が良さそうです。定番のJVC「スパイラルドット」または上位の「スパイラルドット++」、Acoustune「AET07」、あるいはAZLA「AZLA SednaEarfit Light」など自分の耳に合う最適なイヤピースを選択するのが良いですね。
■ シングルBAの枠を超えた音域の広さ。量感のある低域と聴きやすいサウンドが魅力
「AUDIOSENSE DT100」の音質傾向は、緩やかなV字カーブを描く、やや中低域寄りの弱ドンシャリ傾向。シングルBAの枠を超えた広い音域をカバーし、音色豊かなボーカル帯域に加えて、厚みのある低域と伸びやかな高域が魅力的です。一般的にバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーはダイナミックドライバーより構造的に音域が狭く、シングルBA構成のイヤホンの場合は中音域を中心としたややカマボコ寄りのチューニングも珍しくありません。またシングルBAの人気モデルにはフラットなモニター系の製品が多いのも特徴的です。例えばEtymotic Researchの「ER-4S」や後継の「ER4SR」のように独特の低域を実現しつつ質の良いモニターサウンドを実現している製品や、最近のShure 「AONIC 3」のように独自にチューニングを加えたドライバーによりより幅広い音域をカバーしつつ、やはり同社らしいフラット方向にまとめている製品もあります。
これに対し「AUDIOSENSE DT100」ではKnowles製の最新ドライバーのポテンシャルを引き出しつつ、バランスの良いドンシャリ方向にまとめられています。そのためシングルBAであることを意識すること無く、非常に聴きやすいリスニングサウンドのイヤホンとして楽しむことができます。
「AUDIOSENSE DT100」の高域は、伸びやかで鮮やかさを感じる音を鳴らします。全体のバランスとしては相対的には主張は強くはありませんが、十分に存在感があり、適度に煌めきのある音です。再生環境やリケーブルなどにより多少鋭さが増すものの、刺さりなどの刺激は少なく、聴きやすい印象です。全般的に2BA構成の「DT200」同様にやや中低域寄りのチューニングのため、スッキリした派手めの高域が好みの方には多少暗く感じる可能性もありますし、解像感においてもよりドライバー数の多い製品やキレの良いシングルダイナミックと比べるとややウォームに感じますが、特に籠もることは無く非常に聴きやすく、リラックスした印象です。
中音域はボーカル帯域を中心とした熱量のある表現が印象的です。「DT200」が巨大な電解コンデンサを搭載する独自のチューニングにより、しっかり鳴らせば2BAイヤホンとは思えない音場感を実現していましたが、「AUDIOSENSE DT100」は「新しいKnowles製BAドライバー」の特徴を前面に出した印象で、キャラクター的には低域以上に相違点を感じる部分かもしれません。「AUDIOSENSE DT100」の中音域は自然な滑らかさがあり、ボーカルはより前に出て定位します。いっぽうで音場はやや狭く演奏は少し平面的に感じます。ただし、音の立ち上がりは早く、スピード感のある曲にも十分に対応できます。最近の打ち込み系のポップス曲なども非常に自然な印象で楽しむことができます。女性ボーカルの高音は曇ることはありませんが、多少ウォームに感じるかもしれません。これに対し男性ボーカルは非常に厚みがあり、力強さとBAらしい明瞭感のある印象で、量感のある低域ととともに非常に心地良く感じると思います。
低域は最も印象的な部分で、シングルBAイヤホンとしては驚くほど量感があり、非常に心地よい音を鳴らします。ミッドベースは十分にパワフルで、適度な解像感とキレの良さがあります。重低音の沈み込みなどはシングルBAの限界を感じる部分もありますが、ロックやポップスなど多くのジャンルのボーカル曲でこのグレードとしては満足できる質感を実現できていると思います。通常シングルBA構成のイヤホンでは低域は控えめな製品が多いのですが、「AUDIOSENSE DT100」ではハイブリッド構成のイヤホンや、特に低域のチューニングを意識した「DT200」と比べて重低音の質感などは及ばないものの、かなり高いレベルの低域だと思います。
「AUDIOSENSE DT100」は、インピーダンス18Ω、感度106±3dB/mWと「DT200」と比べると比較的鳴らしやすい印象ですが、それでもある程度再生環境には依存し、十分に楽しむためには相応の駆動力が必要です。またリケーブルによる変化も結構実感しやすい印象でした。標準では銀メッキ線タイプのケーブルが付属しますが、より情報量が多く、中高域のメリハリが向上するタイプの8芯線タイプの銀メッキ線は「AUDIOSENSE DT100」の特徴を活かし、より中高域の明瞭感を向上させることができます。
MMCXコネクタを採用していますので選択肢は多く、「NICEHCK C8s」シリーズ、「TRI TR4908」などが候補に挙がるでしょう。またより低価格なケーブルでは「JSHiFi BS8」 もブルーのカラーリングが見た目にも合いますし、同様の変化が実感できます。また、24芯銀メッキ線&銅合金ミックス線ケーブルの「NICEHCK C24-2」では全体的な解像感や分離性がより底上げされ、多少メリハリは強めにでるものの、より密度感のあるサウンドを楽しめます。他にも色々なケーブルで変化を楽しんでみるのも良いかもしれませんね。
というわけで、「AUDIOSENSE DT100」は、ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲を中心に聴きやすく心地よいサウンドを楽しみたい方に最適なチューニングで、100ドル程度と比較的手頃な価格設定ながら見た目にも美しく満足度の高いイヤホンだと思いました。同様のアプローチの製品ではちょっと前は「qdc Neptune」あたりに人気がありましたが、「AUDIOSENSE DT100」は半分以下の価格でビルドクオリティはより高く、音質面でもよりパワフルで質の良い低域とボーカルを中心にバランスの良いサウンドを楽しめるなど、多くの側面で確実に軍配が上がりそうな印象です。また、すでにいくつかの中華イヤホンを体験していて、シングルBAを体験してみたい、という方にも最適なイヤホンだと思いますよ。
また、搭載されるKnowles製のフルレンジBAドライバーは従来のユニットとは仕様の異なる新しいユニットで、出力部分が本体上面にあるユニークな形状が特徴。空洞の無いレジン製シェルのなかで3Dプリンティングによって作られら音導管のトンネルを通じてステム部分にダイレクトに出力されます。
「AUDIOSENSE DT100」の購入は、HiFiGOまたはAliExpressおよびアマゾンの「AUDIOSENSE Official Store」にて。価格は109ドル、アマゾンでは10,999円です。
AliExpress(AUDIOSENSE Official Store): AUDIOSENSE DT100
Amazon.co.jp(AUDIOSENSE Official Store JP): AUDIOSENSE DT100
HiFiGO: AUDIOSENSE DT100 ※優先配送便の送料無料でより早く届きます。
Amazon.co.jp(AUDIOSENSE Official Store JP): AUDIOSENSE DT100
HiFiGO: AUDIOSENSE DT100 ※優先配送便の送料無料でより早く届きます。
■ 美しく装着感も良い、3Dプリンティングによるレジン充填の一体形成のシェルデザイン
「AUDIOSENSE DT100」のパッケージは、従来の黒箱&ラインアートのデザインから、フェイスパネルの模様をイメージしたカラフルなデザインになりました。また従来の大きめの樹脂ケース(防水ハードケース)に本体および付属品が収納されているタイプではなく、使い勝手の良い布張りのイヤホンケースが付属するようになりました。
パッケージ内容はイヤホン本体、MMCXコネクタ仕様ケーブル、イヤーピース(2タイプ、S/M/Lサイズ)、ケース、説明書など。ケースは内側がファー生地となっており、大きさのわりに収納量は少ないものの、イヤホンに傷が付かないようにソフトに守ってくれます。某CAっぽいケースという噂もありますね(^^;)。
「AUDIOSENSE DT100」の3Dプリンティングによる本体は軽量なレジンで充填されており、耳にフィットするコンパクトなデザイン。このシェルに新しい形状のKnowles製フルレンジBAドライバーがしっかり固定されているのがわかります。またドライバーの出力部分と直結した音導管部分も3Dプリンティングにより本体を形成する際に一緒に開けられたトンネルで、緻密に設計されたサウンドコントロールが伺えます。
またフェイスプレートのデザインも含め外観も非常に美しいクリアハウジングで、シンプルなシングルBAデザインの内部構造もまたデザインのひとつとして映える印象。ケーブルは「T800」などでも付属している銀メッキ線タイプのMMCXケーブル。本体との組み合わせで見た目にも美しく、取り回しも比較的良い使いやすいケーブルです。
「AUDIOSENSE DT100」の本体サイズおよび形状は2BAモデルの「DT200」と非常によく似ています。しかし「DT200」が金属カバーで覆われたステムだったのに対して「AUDIOSENSE DT100」はレジン製の本体一体成型となっています。どちらも8BAモデルの「T800」と比べると2まわりほどコンパクトであることがわかります。
「AUDIOSENSE DT100」の装着性は非常に高く、コンパクトなシェルデザインもあって耳への収まりも良い印象です。ただ付属する2種類のシリコンイヤーピースはフィット感や遮音製のうえでベストな選択肢とはいえないため、より自分の耳にあったものへ交換する方が良さそうです。定番のJVC「スパイラルドット」または上位の「スパイラルドット++」、Acoustune「AET07」、あるいはAZLA「AZLA SednaEarfit Light」など自分の耳に合う最適なイヤピースを選択するのが良いですね。
■ シングルBAの枠を超えた音域の広さ。量感のある低域と聴きやすいサウンドが魅力
「AUDIOSENSE DT100」の音質傾向は、緩やかなV字カーブを描く、やや中低域寄りの弱ドンシャリ傾向。シングルBAの枠を超えた広い音域をカバーし、音色豊かなボーカル帯域に加えて、厚みのある低域と伸びやかな高域が魅力的です。一般的にバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーはダイナミックドライバーより構造的に音域が狭く、シングルBA構成のイヤホンの場合は中音域を中心としたややカマボコ寄りのチューニングも珍しくありません。またシングルBAの人気モデルにはフラットなモニター系の製品が多いのも特徴的です。例えばEtymotic Researchの「ER-4S」や後継の「ER4SR」のように独特の低域を実現しつつ質の良いモニターサウンドを実現している製品や、最近のShure 「AONIC 3」のように独自にチューニングを加えたドライバーによりより幅広い音域をカバーしつつ、やはり同社らしいフラット方向にまとめている製品もあります。
これに対し「AUDIOSENSE DT100」ではKnowles製の最新ドライバーのポテンシャルを引き出しつつ、バランスの良いドンシャリ方向にまとめられています。そのためシングルBAであることを意識すること無く、非常に聴きやすいリスニングサウンドのイヤホンとして楽しむことができます。
「AUDIOSENSE DT100」の高域は、伸びやかで鮮やかさを感じる音を鳴らします。全体のバランスとしては相対的には主張は強くはありませんが、十分に存在感があり、適度に煌めきのある音です。再生環境やリケーブルなどにより多少鋭さが増すものの、刺さりなどの刺激は少なく、聴きやすい印象です。全般的に2BA構成の「DT200」同様にやや中低域寄りのチューニングのため、スッキリした派手めの高域が好みの方には多少暗く感じる可能性もありますし、解像感においてもよりドライバー数の多い製品やキレの良いシングルダイナミックと比べるとややウォームに感じますが、特に籠もることは無く非常に聴きやすく、リラックスした印象です。
中音域はボーカル帯域を中心とした熱量のある表現が印象的です。「DT200」が巨大な電解コンデンサを搭載する独自のチューニングにより、しっかり鳴らせば2BAイヤホンとは思えない音場感を実現していましたが、「AUDIOSENSE DT100」は「新しいKnowles製BAドライバー」の特徴を前面に出した印象で、キャラクター的には低域以上に相違点を感じる部分かもしれません。「AUDIOSENSE DT100」の中音域は自然な滑らかさがあり、ボーカルはより前に出て定位します。いっぽうで音場はやや狭く演奏は少し平面的に感じます。ただし、音の立ち上がりは早く、スピード感のある曲にも十分に対応できます。最近の打ち込み系のポップス曲なども非常に自然な印象で楽しむことができます。女性ボーカルの高音は曇ることはありませんが、多少ウォームに感じるかもしれません。これに対し男性ボーカルは非常に厚みがあり、力強さとBAらしい明瞭感のある印象で、量感のある低域ととともに非常に心地良く感じると思います。
低域は最も印象的な部分で、シングルBAイヤホンとしては驚くほど量感があり、非常に心地よい音を鳴らします。ミッドベースは十分にパワフルで、適度な解像感とキレの良さがあります。重低音の沈み込みなどはシングルBAの限界を感じる部分もありますが、ロックやポップスなど多くのジャンルのボーカル曲でこのグレードとしては満足できる質感を実現できていると思います。通常シングルBA構成のイヤホンでは低域は控えめな製品が多いのですが、「AUDIOSENSE DT100」ではハイブリッド構成のイヤホンや、特に低域のチューニングを意識した「DT200」と比べて重低音の質感などは及ばないものの、かなり高いレベルの低域だと思います。
「AUDIOSENSE DT100」は、インピーダンス18Ω、感度106±3dB/mWと「DT200」と比べると比較的鳴らしやすい印象ですが、それでもある程度再生環境には依存し、十分に楽しむためには相応の駆動力が必要です。またリケーブルによる変化も結構実感しやすい印象でした。標準では銀メッキ線タイプのケーブルが付属しますが、より情報量が多く、中高域のメリハリが向上するタイプの8芯線タイプの銀メッキ線は「AUDIOSENSE DT100」の特徴を活かし、より中高域の明瞭感を向上させることができます。
MMCXコネクタを採用していますので選択肢は多く、「NICEHCK C8s」シリーズ、「TRI TR4908」などが候補に挙がるでしょう。またより低価格なケーブルでは「JSHiFi BS8」 もブルーのカラーリングが見た目にも合いますし、同様の変化が実感できます。また、24芯銀メッキ線&銅合金ミックス線ケーブルの「NICEHCK C24-2」では全体的な解像感や分離性がより底上げされ、多少メリハリは強めにでるものの、より密度感のあるサウンドを楽しめます。他にも色々なケーブルで変化を楽しんでみるのも良いかもしれませんね。
というわけで、「AUDIOSENSE DT100」は、ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲を中心に聴きやすく心地よいサウンドを楽しみたい方に最適なチューニングで、100ドル程度と比較的手頃な価格設定ながら見た目にも美しく満足度の高いイヤホンだと思いました。同様のアプローチの製品ではちょっと前は「qdc Neptune」あたりに人気がありましたが、「AUDIOSENSE DT100」は半分以下の価格でビルドクオリティはより高く、音質面でもよりパワフルで質の良い低域とボーカルを中心にバランスの良いサウンドを楽しめるなど、多くの側面で確実に軍配が上がりそうな印象です。また、すでにいくつかの中華イヤホンを体験していて、シングルBAを体験してみたい、という方にも最適なイヤホンだと思いますよ。
りけですがnicehckのdarkjadeあってる?との相性は如何でしょうか?