
こんにちは。今回は「Kinera Freya」です。中国のイヤホンブランド「KINERA」の3BA+1DD構成のハイブリッド製品で、その美しいシェルデザインが印象的なイヤホンです。リリースからはしばらく経っていますが、今回改めて「HiFiGO」から海外仕様モデルをサンプル提供頂き紹介することになりました。
「Kinera Freya」のモチーフとなっている北欧神話における女神の1柱であるフレイヤは、生と死、愛情、豊饒の女神とされています。製品名の「Freya」はフレイヤの英語表記ですね(ドイツ語では「Freyja」「Freja」)。KINERAのデザイナーは「Kinera Freya」でフレイヤの美しさを表現するため、精緻なデザインをひとつひとつ手書きで描写しており、バランスの取れたハイブリッドサウンドと、優れた装着性を合せた丁寧な仕上がりが魅力です。


「Kinera Freya」は3BA+1DD構成のミドルグレードのハイブリッドモデルとしてリリースされた製品で、「IDUN」(2BA+1DD)の上位モデルにあたります。ドライバー構成は、低域用の7mmサイズの小型ダイナミックドライバー、中音域用に「Knowles RAF-32873」BAドライバーを2基搭載し、さらに高域用ツィーターに「30095」BAを搭載し、明瞭でシャープなサウンドを実現しつつ、それぞれのクロスオーバーをコントロールし自然なサウンドバランスを実現しています。


コネクタ部分には上位モデル同様0.78mm 2pinコネクタを採用し、リケーブルが可能な仕様で、高純度単結晶銅線ケーブルが付属します。さらに「USB Type-Cデジタルコネクタ変換アダプター」およびiPhone用の「Lightning変換アダプター(海外仕様モデルのみ)」が付属。そのたさまざまな付属品をまとめて収納できる、本体同様に美しいデザインの大容量ハードケースもセットされています。


また日本で店頭販売されている「Kinera Freya」は「ブラック(Black armored)」デザインのほか、HiFiGOで購入できる海外仕様モデルでは「ホワイト(White Clowned)」と「ブルー(Blue Starlight)」のカラーデザインが選択可能です。


「Kinera Freya」海外仕様モデルの価格は249.99ドル。購入はHiFiGO直営店にて。
HiFiGO:Kinera Freya 3BA+1DD Quad Driver Hybrid In-Ear Monitor IEM Earphone
■ 見た目イヤホンとしての完成度の高さを感じる手描きによるシェルデザインと豊富な付属品。
「Kinera Freya」のパッケージは大きめサイズの六角形タイプ。非常に手の込んだ内容で、パッケージの豪華さもKINERAの特徴です。購入時の満足感は大きいですね。パッケージ背面にはPartnerとしてイヤーピースが付属するFinal、ドライバーメーカーのKnowlesとSonionの記載があります(「Kinera Freya」でのSonion製ユニットの使用は不明)。


付属品も非常に充実しています。イヤホン本体、0.78mm 2pin仕様ケーブル、6.3mmステレオ変換プラグ、ノズル清掃用ブラシ、円形のハードタイプケース、イヤーピースは標準タイプ(白色)のS/M/Lサイズのほか、「final E」タイプ・イヤーピースのSS/S/M/L/LLの各サイズが付属します。またUSB Type-C変換コネクタ、Lightning変換コネクタも付属します(Lightning変換コネクタは海外版のみ付属)。


今回は国内版でも販売されているブラック(「Black & Blue」または「Black armored」)が届きました。樹脂製シェルは軽量で耳にもとてもフィットしやすいデザインです。手描きのシェルデザインは非常に美しく目を見張るほどの仕上がりです。とても高級感がありますね。またイヤーピースは付属品のほか、最初からfinal Eシリーズが全サイズ付属するのも特徴的ですね。これは「IDUN」などもモデルでも同様でしたが、どちらかのイヤーピースで十分に高い装着感を得られるのは有り難いところです。ただそれでも音質面でイヤーピースによる変化はそれなりにあるため、好みに合ったものに交換するのも良いと思います。具体的にはAcoustune「AET07」や「AET08」、RHAイヤーピース、AZLA「AZLA SednaEarfit Light」などが選択肢にあがりそうです(定番のJVC「スパイラルドット」は少し外れやすかったので選択肢から外しました)。


「Kinera Freya」の付属ケーブルは高純度単結晶銅(OCC)線を採用しており、適度に柔らかく弾力のある被膜で取り回しも良好です。また「Kinera Freya」ではUSB Type-CとLightningの変換コネクタが付属するのも特徴的です。ただしLightning用アダプタは中華製品に多いApple「MFi」ロゴの無いタイプのため、国内版に付属しないのもこの辺のライセンスかサポート関係の理由かもしれませんね。


「Kinera Freya」はインピーダンス22Ω、感度110±2dB/mWと比較的どのような再生環境でも鳴らしやすい仕様のため、付属アダプタを使用してスマートフォンと接続し、各種ストリーミングの音源を聴くような使い方でもベストではないものの十分に楽しめる印象です。


そして、比較的大きめのケースが付属するのもKINERAの有り難いところです。「Kinera Freya」では本体デザインに遜色ない、とてもカラフルなデザインの大容量ハードケースが付属します。「KINERA」および姉妹ブランドの「QoA」のイヤホンは「女性的な製品」という評価を時折目にしますが、どちらかというと「ファッション」的視点でまとめられている、というほうが近いかな、と思います。これは見た目だけではなく、「機能」や「品質」、そして「デザイン」を「メーカーのポリシーを持って調和させている」とう意味です。つまりイヤホンとしての機能性(音質や装着性など)と裏付けとなる技術(スペックなど)はもちろんとして、外観や利用するシーンを想定した「スタイル」まで考慮して仕上げていく、という発想ですね。同社はオーディオメーカーであると同時に「イヤホンというファッションアイテム」のブランドという印象も感じます。
■ 「見た目」イヤホンとして使いやすく万人受けサウンド。リケーブル効果も良好。
「Kinera Freya」の音質傾向はハイブリッドらしい寒色系のドンシャリ方向のサウンド。高域は「30095」BAによりやや硬めの音を鳴らしますがスッキリしており、中音域も明瞭感がありボーカルが映える印象。いっぽう低域は中高域を下支えする印象でやや重低音が控えめな印象を受けます。とはいえ中華ハイブリッドにありがちな極端な派手さは無く、ボーカル帯域を中心に聴きやすく「万人受け」なチューニングでまとめられた印象です。ただよりフィット感のあるイヤーピースに交換し、より情報量が多く見通しの良いケーブルにリケーブルするなど、環境を追い込むことでかなり高いポテンシャルを発揮し、非常に高い解像感と音場感で、キレのある詳細な描写を楽しむことができます。
正直なところ、付属のケーブル、付属イヤーピースで普通に聴いた印象では、「Kinera Freya」のサウンドは250ドル以下の製品のなかで特に優れている、ということはなく、音質面は「無難にまとめられている」という感じでした。このような表現はネガティブに感じるかも知れませんが、少なくとも「Kinera Freya」については、むしろメリットではないかと思います。それは「Kinera Freya」が見た目やパッケージングにおいて大変に気をつかって非常に丁寧に仕上げられた製品であり、そのことこそが「最大の個性」だからです。
音質面でもスペックに見合った十分なポテンシャルを持ちつつ、スマートフォンなどの再生環境でも「それなりに」鳴らすことができ、またサウンドバランスも比較的万人受けしやすいチューニングとすることで、「デザインを気に入っている」という方に音質面でもある程度満足してもらえる可能性が高いと思うわけです。そして、それこそがこのイヤホンが目指しているサウンドではないかと思います。以前買ったIDUN Deluxeもそうでしたし、最近のKINERAおよびQoAブランドは、いわば「見た目イヤホン道」みたいなのを「本気」でやってるな、という印象です。これらの製品の「主役」はあくまでデザインやパッケージングで、グレードに沿った音作りをしつつ良い意味で突出しない万人受けなバランスで仕上げる方向性ですね。個人的にはこのようなアプローチは十分に「アリ」だと思いますし、むしろ好感を持っています。さらに「Kinera Freya」はリケーブルや再生環境での変化も楽しめ、それを引き出すことでオーディオ的にも楽しめる製品に仕上がっています。
「Kinera Freya」の高域は、再生環境や曲の種類によってかなり印象が変わるものの、「30095」ツィーターによる硬質でスッキリした音を鳴らしつつ、全体としてはややドライな印象を受けます。適度な煌めきと伸びの良さがあります。ただし、駆動力のある環境ではやや強めの主張となり、高域成分の多い、いわゆる「刺さる曲」ではそれなりにギラつきを感じる場合もありました。また、イヤーピースにより刺さりやすい帯域に多少変化があるようで、私は付属の白いイヤーピースも「final E」タイプも今ひとつの印象だったため、最終的にAcoustune「AET08」を選択しました。また駆動力のあるDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やアンプで聴く場合と比べ、スマートフォン直挿しや、付属のUSB-C、Lightning変換コネクタを使用した場合は、少し煌めきや鋭さが緩くなり、良く言えば聴きやすく、言い方を変えれば多少平坦な印象になりました。「Kinera Freya」の海外レビューなどを見ると、高域についてはレビュアーによってわりと真逆の印象だったりしたケースもありましたが、この辺が理由かも知れませんね。
中音域は、ボーカル帯域を中心に非常に良くチューニングされており、「Kinera Freya」が万人受けしやすいチューニングと感じるポイントになっています。BAドライバーらしい多少ドライで硬質な印象はあるものの、見通しが良く、スピード感とキレがある演奏と、輪郭のはっきりした明瞭感のあるボーカルが楽しめます。高域同様に再生環境により変化は大きく、付属の変換コネクタを使っても十分に楽しむことはできますが、十分に駆動力のある環境で聴くことでより密度が増し、平坦さが解消されます。このような環境では、女性ボーカルのハイトーンなどで多少硬さを感じるものの、ボーカルには明瞭さと厚みがあり、男性ボーカルも存在感があります。また音場は適度な広さと奥行きがあり、定位も掴みやすい印象で、ボーカルと演奏は綺麗に分離し、楽器の音ひとつひとつにも解像感があります。全体的に寒色系のため自然なサウンドではありませんが、適度な厚みと豊かさで僅かに温かく、長時間のリスニングでも聴きやすさがあるチューニングとなっています。
低域は、十分な量感があるものの中高域に比べるとやや軽い印象を受けます。分離は良く籠もることはありません。やや軽い印象に感じる理由は控えめの重低音で、ロールオフが早く、低域成分の多い曲では物足りない印象を受けるのではと思います。いっぽうでミッドベースはスピード感とキレがあり、過度に膨らむこと無く適度な重さでエネルギッシュに鳴ります。低域を担うダイナミックドライバーが7mmサイズと比較的小口径で、重低音より明瞭なベースラインで中高域を下支えするチューニングとなっているのだと感じました。実際、ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲を中心とした場合、非常に心地良くボーカル映えするサウンドバランスだと感じました。また少なめに感じた重低音も、「NICEHCK C4-2」や「C4-3」、あるいは「YYX4765」といった銅合金ケーブルなど、見通しが良く情報量が多く厚みをアップするケーブルにリケーブルすることでかなり存在感のある低域を楽しめます。
というわけで、「Kinera Freya」はその圧倒的に手のかかったデザインとともに使いやすく、心地良いサウンドを楽しめるイヤホンでした。サウンドは高い解像感があり、リスニングイヤホンとしての表現力があります。同製品の競合としては価格帯的にいくつかの製品が考えられますが、個人的には「qdc Uranus」をイメージしました。
もっとも「qdc Uranus」は価格的には「Kinera Freya」に近いものの1BA+1DDとよりシンプルな構成のイヤホンでスペック的には直接的な競合ではないかも知れません。しかし非常に美しいデザインで、多くの人が受け入れやすいサウンドバランスというアプローチは似たようなイメージがあります。ただ「qdc Uranus」はよりメリハリがあり低域が重くパワフルで、いっぽうの「Kinera Freya」はボーカル帯域の解像感が高く、より広い音場で優れた描写があります。
どちらにせよ、ひとり自分で部屋でじっくり堪能するイヤホンというよりは、美しさと機能性を兼ね備えた高級ウォッチのように、日々の生活に彩りを加えるアイテムとして活用しするほうが「映える」イヤホンだと思いました(^^)。


「Kinera Freya」は3BA+1DD構成のミドルグレードのハイブリッドモデルとしてリリースされた製品で、「IDUN」(2BA+1DD)の上位モデルにあたります。ドライバー構成は、低域用の7mmサイズの小型ダイナミックドライバー、中音域用に「Knowles RAF-32873」BAドライバーを2基搭載し、さらに高域用ツィーターに「30095」BAを搭載し、明瞭でシャープなサウンドを実現しつつ、それぞれのクロスオーバーをコントロールし自然なサウンドバランスを実現しています。


コネクタ部分には上位モデル同様0.78mm 2pinコネクタを採用し、リケーブルが可能な仕様で、高純度単結晶銅線ケーブルが付属します。さらに「USB Type-Cデジタルコネクタ変換アダプター」およびiPhone用の「Lightning変換アダプター(海外仕様モデルのみ)」が付属。そのたさまざまな付属品をまとめて収納できる、本体同様に美しいデザインの大容量ハードケースもセットされています。


また日本で店頭販売されている「Kinera Freya」は「ブラック(Black armored)」デザインのほか、HiFiGOで購入できる海外仕様モデルでは「ホワイト(White Clowned)」と「ブルー(Blue Starlight)」のカラーデザインが選択可能です。


「Kinera Freya」海外仕様モデルの価格は249.99ドル。購入はHiFiGO直営店にて。
HiFiGO:Kinera Freya 3BA+1DD Quad Driver Hybrid In-Ear Monitor IEM Earphone
■ 見た目イヤホンとしての完成度の高さを感じる手描きによるシェルデザインと豊富な付属品。
「Kinera Freya」のパッケージは大きめサイズの六角形タイプ。非常に手の込んだ内容で、パッケージの豪華さもKINERAの特徴です。購入時の満足感は大きいですね。パッケージ背面にはPartnerとしてイヤーピースが付属するFinal、ドライバーメーカーのKnowlesとSonionの記載があります(「Kinera Freya」でのSonion製ユニットの使用は不明)。


付属品も非常に充実しています。イヤホン本体、0.78mm 2pin仕様ケーブル、6.3mmステレオ変換プラグ、ノズル清掃用ブラシ、円形のハードタイプケース、イヤーピースは標準タイプ(白色)のS/M/Lサイズのほか、「final E」タイプ・イヤーピースのSS/S/M/L/LLの各サイズが付属します。またUSB Type-C変換コネクタ、Lightning変換コネクタも付属します(Lightning変換コネクタは海外版のみ付属)。


今回は国内版でも販売されているブラック(「Black & Blue」または「Black armored」)が届きました。樹脂製シェルは軽量で耳にもとてもフィットしやすいデザインです。手描きのシェルデザインは非常に美しく目を見張るほどの仕上がりです。とても高級感がありますね。またイヤーピースは付属品のほか、最初からfinal Eシリーズが全サイズ付属するのも特徴的ですね。これは「IDUN」などもモデルでも同様でしたが、どちらかのイヤーピースで十分に高い装着感を得られるのは有り難いところです。ただそれでも音質面でイヤーピースによる変化はそれなりにあるため、好みに合ったものに交換するのも良いと思います。具体的にはAcoustune「AET07」や「AET08」、RHAイヤーピース、AZLA「AZLA SednaEarfit Light」などが選択肢にあがりそうです(定番のJVC「スパイラルドット」は少し外れやすかったので選択肢から外しました)。


「Kinera Freya」の付属ケーブルは高純度単結晶銅(OCC)線を採用しており、適度に柔らかく弾力のある被膜で取り回しも良好です。また「Kinera Freya」ではUSB Type-CとLightningの変換コネクタが付属するのも特徴的です。ただしLightning用アダプタは中華製品に多いApple「MFi」ロゴの無いタイプのため、国内版に付属しないのもこの辺のライセンスかサポート関係の理由かもしれませんね。


「Kinera Freya」はインピーダンス22Ω、感度110±2dB/mWと比較的どのような再生環境でも鳴らしやすい仕様のため、付属アダプタを使用してスマートフォンと接続し、各種ストリーミングの音源を聴くような使い方でもベストではないものの十分に楽しめる印象です。


そして、比較的大きめのケースが付属するのもKINERAの有り難いところです。「Kinera Freya」では本体デザインに遜色ない、とてもカラフルなデザインの大容量ハードケースが付属します。「KINERA」および姉妹ブランドの「QoA」のイヤホンは「女性的な製品」という評価を時折目にしますが、どちらかというと「ファッション」的視点でまとめられている、というほうが近いかな、と思います。これは見た目だけではなく、「機能」や「品質」、そして「デザイン」を「メーカーのポリシーを持って調和させている」とう意味です。つまりイヤホンとしての機能性(音質や装着性など)と裏付けとなる技術(スペックなど)はもちろんとして、外観や利用するシーンを想定した「スタイル」まで考慮して仕上げていく、という発想ですね。同社はオーディオメーカーであると同時に「イヤホンというファッションアイテム」のブランドという印象も感じます。
■ 「見た目」イヤホンとして使いやすく万人受けサウンド。リケーブル効果も良好。
「Kinera Freya」の音質傾向はハイブリッドらしい寒色系のドンシャリ方向のサウンド。高域は「30095」BAによりやや硬めの音を鳴らしますがスッキリしており、中音域も明瞭感がありボーカルが映える印象。いっぽう低域は中高域を下支えする印象でやや重低音が控えめな印象を受けます。とはいえ中華ハイブリッドにありがちな極端な派手さは無く、ボーカル帯域を中心に聴きやすく「万人受け」なチューニングでまとめられた印象です。ただよりフィット感のあるイヤーピースに交換し、より情報量が多く見通しの良いケーブルにリケーブルするなど、環境を追い込むことでかなり高いポテンシャルを発揮し、非常に高い解像感と音場感で、キレのある詳細な描写を楽しむことができます。
正直なところ、付属のケーブル、付属イヤーピースで普通に聴いた印象では、「Kinera Freya」のサウンドは250ドル以下の製品のなかで特に優れている、ということはなく、音質面は「無難にまとめられている」という感じでした。このような表現はネガティブに感じるかも知れませんが、少なくとも「Kinera Freya」については、むしろメリットではないかと思います。それは「Kinera Freya」が見た目やパッケージングにおいて大変に気をつかって非常に丁寧に仕上げられた製品であり、そのことこそが「最大の個性」だからです。音質面でもスペックに見合った十分なポテンシャルを持ちつつ、スマートフォンなどの再生環境でも「それなりに」鳴らすことができ、またサウンドバランスも比較的万人受けしやすいチューニングとすることで、「デザインを気に入っている」という方に音質面でもある程度満足してもらえる可能性が高いと思うわけです。そして、それこそがこのイヤホンが目指しているサウンドではないかと思います。以前買ったIDUN Deluxeもそうでしたし、最近のKINERAおよびQoAブランドは、いわば「見た目イヤホン道」みたいなのを「本気」でやってるな、という印象です。これらの製品の「主役」はあくまでデザインやパッケージングで、グレードに沿った音作りをしつつ良い意味で突出しない万人受けなバランスで仕上げる方向性ですね。個人的にはこのようなアプローチは十分に「アリ」だと思いますし、むしろ好感を持っています。さらに「Kinera Freya」はリケーブルや再生環境での変化も楽しめ、それを引き出すことでオーディオ的にも楽しめる製品に仕上がっています。
「Kinera Freya」の高域は、再生環境や曲の種類によってかなり印象が変わるものの、「30095」ツィーターによる硬質でスッキリした音を鳴らしつつ、全体としてはややドライな印象を受けます。適度な煌めきと伸びの良さがあります。ただし、駆動力のある環境ではやや強めの主張となり、高域成分の多い、いわゆる「刺さる曲」ではそれなりにギラつきを感じる場合もありました。また、イヤーピースにより刺さりやすい帯域に多少変化があるようで、私は付属の白いイヤーピースも「final E」タイプも今ひとつの印象だったため、最終的にAcoustune「AET08」を選択しました。また駆動力のあるDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やアンプで聴く場合と比べ、スマートフォン直挿しや、付属のUSB-C、Lightning変換コネクタを使用した場合は、少し煌めきや鋭さが緩くなり、良く言えば聴きやすく、言い方を変えれば多少平坦な印象になりました。「Kinera Freya」の海外レビューなどを見ると、高域についてはレビュアーによってわりと真逆の印象だったりしたケースもありましたが、この辺が理由かも知れませんね。中音域は、ボーカル帯域を中心に非常に良くチューニングされており、「Kinera Freya」が万人受けしやすいチューニングと感じるポイントになっています。BAドライバーらしい多少ドライで硬質な印象はあるものの、見通しが良く、スピード感とキレがある演奏と、輪郭のはっきりした明瞭感のあるボーカルが楽しめます。高域同様に再生環境により変化は大きく、付属の変換コネクタを使っても十分に楽しむことはできますが、十分に駆動力のある環境で聴くことでより密度が増し、平坦さが解消されます。このような環境では、女性ボーカルのハイトーンなどで多少硬さを感じるものの、ボーカルには明瞭さと厚みがあり、男性ボーカルも存在感があります。また音場は適度な広さと奥行きがあり、定位も掴みやすい印象で、ボーカルと演奏は綺麗に分離し、楽器の音ひとつひとつにも解像感があります。全体的に寒色系のため自然なサウンドではありませんが、適度な厚みと豊かさで僅かに温かく、長時間のリスニングでも聴きやすさがあるチューニングとなっています。
低域は、十分な量感があるものの中高域に比べるとやや軽い印象を受けます。分離は良く籠もることはありません。やや軽い印象に感じる理由は控えめの重低音で、ロールオフが早く、低域成分の多い曲では物足りない印象を受けるのではと思います。いっぽうでミッドベースはスピード感とキレがあり、過度に膨らむこと無く適度な重さでエネルギッシュに鳴ります。低域を担うダイナミックドライバーが7mmサイズと比較的小口径で、重低音より明瞭なベースラインで中高域を下支えするチューニングとなっているのだと感じました。実際、ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲を中心とした場合、非常に心地良くボーカル映えするサウンドバランスだと感じました。また少なめに感じた重低音も、「NICEHCK C4-2」や「C4-3」、あるいは「YYX4765」といった銅合金ケーブルなど、見通しが良く情報量が多く厚みをアップするケーブルにリケーブルすることでかなり存在感のある低域を楽しめます。というわけで、「Kinera Freya」はその圧倒的に手のかかったデザインとともに使いやすく、心地良いサウンドを楽しめるイヤホンでした。サウンドは高い解像感があり、リスニングイヤホンとしての表現力があります。同製品の競合としては価格帯的にいくつかの製品が考えられますが、個人的には「qdc Uranus」をイメージしました。
もっとも「qdc Uranus」は価格的には「Kinera Freya」に近いものの1BA+1DDとよりシンプルな構成のイヤホンでスペック的には直接的な競合ではないかも知れません。しかし非常に美しいデザインで、多くの人が受け入れやすいサウンドバランスというアプローチは似たようなイメージがあります。ただ「qdc Uranus」はよりメリハリがあり低域が重くパワフルで、いっぽうの「Kinera Freya」はボーカル帯域の解像感が高く、より広い音場で優れた描写があります。どちらにせよ、ひとり自分で部屋でじっくり堪能するイヤホンというよりは、美しさと機能性を兼ね備えた高級ウォッチのように、日々の生活に彩りを加えるアイテムとして活用しするほうが「映える」イヤホンだと思いました(^^)。









色々と参考にさせて頂いています。
特にTFZイヤホンは!(笑)
レビューを参考にさせて頂きNo.3Ti 、S7も購入しました。
リケーブルは、それぞれオーダーで、合うように創って頂き楽しんでいます。
Freyaは?国内正規代理店のミミソラオーディオさんで、Web限定で全ての色を、購入する事が出来ます。
国内正規品なので?Lightningケーブルは付いていないようですが…