FiiO UTWS3

こんにちは。今回は「FiiO UTWS3」です。中国の大手ポータブルオーディオブランド「FiiO」のイヤホン用完全ワイヤレスアダプターで、前回の「UTWS1」とワイヤレス性能は踏襲しつつ、音質面ではノイズ性能などを大幅に向上し、さらに今回は充電ケースと連動し、有線イヤホンを本格的なTWS(完全ワイヤレス)化できるアイテムとなりました。現在日本ではMMCXコネクタ仕様のみがリリースされていますが、海外では2pin版もありこちらの発売も非常に期待されるところです。

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FiiO UTWS3」のワイヤレスの基本性能は「FiiO UTWS1」を踏襲し、チップセットにQualcomm「QCC3020」を採用し、Bluetooth 5.0 および「aptX」および「AAC」コーデックに対応。また左右が直接端末と接続する「TWS+」もサポートし、音声通話については「cVc」通話ノイズキャンセリングに対応します。
さらに「FiiO UTWS3」ではヘッドフォンアンプに「TPA6140A2」を採用し、「UTWS1」より270%(16Ω)~400%(320Ω)の高出力と70%以上のノイズ削減を実現し、さまざまな種類のイヤホンに対してより高音質の出力が可能になりました。また音声通話時も外音を検知する2つめのマイクにより、適切に音声のみを検出し、よりクリアな通話を可能にしています。
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そして、「FiiO UTWS3」では、800mAhの大容量充電ケースとの連携を行い、接続する有線イヤホンをより本格的な完全ワイヤレス(TWS)として利用可能になります。本体部分が「TWS+」モードで約7時間の連続再生が可能で、さらに充電ケースによる4回~5回の充電が可能。最大30時間の使用が可能です。
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FiiO UTWS3」の操作は「UTWS1」より大きく押しやすくなった本体部分のボタンにより行います。再生・停止意外にも音量調整を含めた操作を行うことができます。またFiiOから提供されているアプリ(Android/iOS)による詳細設定も可能。Android用アプリでのファームウェアアップデートにも対応します。
FiiO UTWS3」はレビュー時点で日本ではMMCXコネクタ用が販売されており、価格は税込み11,000円程度です。
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FiiO UTWS3」のパッケージ内容は、本体&充電ケース、充電ケーブル、各国語対応の説明書など。各国語対応の説明書はもちろん日本語の表記もあるため設定で迷うことはないと思います。技適マークおよび認可番号はシールで充電ケースの底面に貼り付けられています。なお、電源のON/OFFおよびペアリングはイヤホンを取り出したときでは無く、充電ケースの開閉で行われます。

FiiO UTWS3前回の「UTWS1」は中華イヤホンブランド「TRN」の「BT20S」をベースとした製品で細かな仕様以外はほぼ同じ内容でした。その後TRNは先行して充電ケース付きの「BT20S Pro」をリリースしていますが、こちらは「FiiO UTWS3」とはかなり相違点を見ることができます。まず「BT20S Pro」はその名称通り、「充電ケース付きのBT20S」という内容で、内部仕様は特に変更は無く、「FiiO UTWS3」のようにヘッドフォンアンプ用のチップを追加して音質を向上させるアプローチはありません(僅かにチューニングの変更があったのみ)。いっぽうで「BT20S Pro」は「FOSTEX TM2」のようにコネクタ部分の脱着・交換が可能で各種タイプのコネクタ部分のみもオプションで販売されていますが、「FiiO UTWS3」は従来通りの固定式で、コネクタごとにモデルを選ぶ仕様です(現在日本では「MMCX」版のみで、海外では「2pin」版もあり)。

このように仕様面では一長一短あるようにも見える両者ですが、実際に比べてみると「FiiO UTWS3」のほうが数段高い仕上がりで、使い勝手や組み合わせるイヤホンの柔軟性の面において価格以上の違いを感じます。まず充電ケースのサイズは「BT20S Pro」のほうがひとまわり大きく、表面はイヤホンケースとして良く付属する素材でふた部分はファスナーになっています。完全に大きめのイヤホンケースにバッテリを埋め込んだだけ、という感じですね。
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いっぽう「FiiO UTWS3」のほうは通常のTWS製品よりは多少大きいものの同様の樹脂製のハードケースで、ふた部分のギミックもしっかりしています。そして「FiiO UTWS3」ではイヤホンを収納するスペース(空洞部分)が広く、結構サイズの大きいイヤホンでもしっかりと収納することができます。これに対して「BT20S Pro」では同様のイヤホンを収納する空洞部分な無く、イヤホンが浮き上がるようにケースにセットし、ふたの空洞部分で収納する感じになります。そのため、大きいイヤホンでは入らない可能性もありますし、充電ケース内で浮き上がることで充電されず、不用意にスマートフォンに接続されてしまうことも考えられます。このケース部分の使い勝手だけでも「FiiO UTWS3」を選択する十分な理由になるでしょう。

また音質面での進化も大きく、「TPA6140A2」チップを追加することで出力およびノイズ特性を強化した「FiiO UTWS3」では、より多くのイヤホンで十分な実力を発揮しました。何より「UTWS1」や「BT20S Pro」では反応の良いイヤホンで多く発生していたホワイトノイズがさほど気にならないレベルに軽減されたのは大きい点でしょう。特にマルチBAなどで小ボリュームでも十分に音量が取れるイヤホンでは見通しの良さがかなり違ってきますね。
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また、駆動力がアップしたことで多少鳴らしにくいシングルダイナミック構成のイヤホンでも高性能なDAPやアンプには当然及ばないものの十分に実用的なサウンドです。サイズ的には「UTWS1」とさほど違いは無いはなく、実際にイヤホンを組み合わせて見ると本体部分が耳の後ろに隠れるため意外と違和感なく使用できるため、お気に入りの有線イヤホンを完全ワイヤレスとして十分に楽しめると思います。また一般的なTWS製品と比べても本体形状の関係もあり電波が強く、混雑した場所でも途切れにくい、というのもメリットです。

FiiO UTWS3」の音質傾向は、全体的には比較的癖の無い音ですが、中低域に僅かにメリハリのある、多少元気な印象は「UTWS1」と共通です。そのため、フラットで中高域寄り、または高域の透明感が特徴的なイヤホンの場合、多少バランスに変化があるかも知れません。マルチBAの場合は多少リスニング寄りのチューニングのほうが良さそうです。
FiiO UTWS3他にもドンシャリ傾向のイヤホンとの相性が良く、シングルダイナミックやハイブリッドとの相性はとても良好ですね。また充電ケースのスペースが大きいため、例えばMMCX-qdc変換コネクタを使ってqdcのイヤホンを組み合わせた場合もしっかりケースに収納できました。思ったより利用範囲は広いですね。
個人的には外出先でもストリーミングをじっくり聴く場合はワイヤレス接続する場合も「Shanling UP4」や「xDuoo XP2 Pro」などのワイヤレスアンプを使うことが多いですが、普段の移動中などTWSを使うケースも少なくありません。そんななかでお気に入りのイヤホンをTWSとしてストレス無く使えるメリットはやはり大きいですね。現在はMMCX版のみですが日本でも2pin版が出たら追加で購入しようと思っています。