TRN T6

こんにちは。今回はTRN T616芯OCC銀メッキ線ケーブルです。低価格中華イヤホンブランド「TRN Audio」はリケーブル製品のラインナップでも定評があり、純銀線の「TRN T3」や高純度単結晶銅線の「TRN T4」など、それ以降の中華セラーのリケーブル製品を牽引している印象もありますね。16芯ケーブルについても既存の「TRN T2」でそれまでの中華セラー製品より大きく価格をさげたのが印象的でした。
今回の「TRN T6」ではより高品質な線材である高純度単結晶銅(OCC)の銀メッキ線を使用した16芯ケーブルで、プラグ等のパーツも従来よりグレードアップした仕様になっています。「TRN T6」は「シルバー」と「ブラック&シルバー」の2色が用意されており、さらに各種コネクタ、プラグに対応している点も魅力です。TRNおよびコネクタに互換性のあるKZ/CCA等のメーカー以外でも様々なイヤホンで低コストでリケーブルができます。
また、「TRN T6」は片側15BAを搭載する同社のフラグシップモデル「TRN BA15」の付属ケーブルとしても同梱されています。購入はAliExpressの各セラーにて。またAmazonでも一部モデルについては購入可能なようです。


[ TRN T6 ] TRN T6 16芯 OCC 銀メッキ線ケーブル(シルバー or ブラック&シルバー)
TRN T6 16 Core Silver Plated OCC Copper Litz With 2PIN Connector Upgraded Earphones Cable
【TypeC/qdc】【 MMCX 】【 中華 2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】

TRN T6TRN T6
TRNの新しい16芯銀メッキ線ケーブルです。同社のフラグシップモデルで片側15BAを搭載する「TRN BA15」へも付属するケーブルです。既存の16芯ケーブル「TRN T2」がOFC銀メッキ線を使用していたのに対し、「TRN T6」ではより高純度の単結晶銅(OCC)線の銀メッキ線を使用。1芯あたり15本の線材をリッツ線加工でまとめた芯材を使用。16芯で合計240本の線材を使用しています。カラーは「シルバー」と「ブラック&シルバー」の2色が選択できます。
TRN T6TRN T6
コネクタはTRNの現行モデルで採用されている「タイプC」2pinコネクタ(「KZタイプC」と同一のコネクタ。「qdc」コネクタとカバー形状に互換性あり。)および「中華2pin」、「MMCX」コネクタが選択可能。プラグも3.5mmステレオ、2.5mm/4極、4.4mm/5極のバランス接続タイプが選択できます。プラグおよびケーブル分岐部分などはより高級感のある金属製のパーツを使用しています。
TRN T6TRN T6
パッケージは従来のケーブル製品同様にコンパクトな箱に入っています。ひとつ残念だったのは最近のTRN製ケーブルは開封時の異臭が過去の製品より強く、1~2日ほど風通しの良い場所に吊しておくなどで臭いを飛ばすほうがよいかもしれません。この辺は製造ロットによっても変わりそうですので今後は改善されている可能性もあります。
TRN T6TRN T6
線材はHCKやKBEARなどの中華16芯ケーブルよりやや太く、被膜もより弾力があります。これをしっかり編み込んでおり、中華16芯や24芯ケーブルよりやや太く(やや太めの8芯ケーブルくらい)、コシのあるケーブルです。個人的にはこれくらいの弾力がある方が絡まりにくく取り回しは良いと思います。プラグ等は「TRN T3」「TRN T4」より太くシンプルなデザインのものになりました。より高級感が向上していますね。
TRN T6TRN T6

TRN T6」の音質傾向は、多くの中華16芯ケーブル同様に情報量を大幅に向上させつつ、より自然な伸びを得られるところが特徴です。「TRN T2」など、従来の低価格16芯線ではちょっと派手め(人工的なエッジのある印象)に反応していた描写がより自然かつ立体的な音像表現に変化するのが実感できます。銀メッキ線らしく中高域の見通しが向上し伸びの良さを感じるものの、反応の良いイヤホンと組み合わせた場合に「TRN T2」で感じた刺激の強さはありません。「TRN T6」では中低域、特にボーカル帯域に適度な厚みを感じさせつつ、自然なバランスでイヤホンのポテンシャルを全域にわたって引き出している印象です。
TRN T6TRN T6

「TRN」純正のケーブルとして、もともと派手めの寒色系ドンシャリの製品が多い「TRN」製イヤホンはもちろん、最近「TRN」より中低域、特に低音のパワフルさも印象的な対抗する「KZ」「CCA」のイヤホンとも相性は抜群に良いようです。特にハイブリッドまたはマルチBA構成のドライバー数の多い製品と組み合わせること、高い解像感を分離感を引き出しつつ、より全体的につながりが向上し、立体的な音場を実感しやすくなるのではと思います。
TRN T6TRN T6
「TRN」製イヤホンでは15BAの「TRN BA15」で標準で付属しますが、「TRN VX」や「TRN BA8」などよりドンシャリ傾向の強いモデルのほうが実はリケーブルの恩恵を感じやすいかも知れません(「TRN BA15」は搭載ドライバーが多すぎることもあり、個人的には「TRN T6」でも少し物足りないかも、と思っています。詳細は改めて掲載予定です)。あと興味深いところでは同じ16芯の「TRN T2」では多少「キツすぎる」印象だった「TRN V90S」が「TRN T6」では派手さは増すものの刺さる手前でコントロールされ、リケーブルの効果をしっかり実感できました。
TRN T6TRN T6
また余談ですが「TRN T6」は他の中華16芯ケーブルより太さがあるものの、適度な硬さがあることで絡まりにくく(中華16芯ケーブルの多くは「柔らかすぎる」ため少し絡まりやすいですね)、また耳掛け加工がしてあるためイヤホンの種類によってはこの部分の断線などが気になる方には良い選択肢となるでしょう。MMCXや中華2pinも選べるため、TRNやKZ/CCAに限らず、さまざまな製品のリケーブルに使用するのも良いと思いますよ。