こんにちは。今回は 「EarFun Free 2」です。最近低価格TWSの分野で急速に知名度が向上している「EarFun」の最新モデルで、手ごろな価格ながらチップセットにBluetooth 5.2対応のQualcomm「QCC3040」を採用。aptX対応、IPX7防水、単体での7時間稼働など実用的な基本スペックを押さえた実用モデルです。
「EarFun Free 2」は最新のBluetooth 5.2に対応した完全ワイヤレス(TWS)イヤホンで、チップセットにQualcommの「QCC3040」を採用しています。Bluetooth 5.2対応のほか、オーディオコーデックには「aptX」および「AAC」「SBC」に対応し、音声通話時に環境ノイズを削減し声をクリアに伝える「CVC 8.0」にも対応します。
ドライバーは6mmサイズの複合振動版ダイナミックドライバーをシングルで搭載。またイヤホン単体で7時間、400mAhの大容量バッテリを搭載した充電ケースを合せると合計で30時間の連続再生が可能です。また充電もUSB Type-Cコネクタの充電ケーブルのほか、「EarFun」の従来モデル同様にワイヤレス充電にも対応しています。
またイヤホン本体の防水性能は「IPX7」でEarFun独自のsweatshieldテクノロジーによって屋外やスポーツ、入浴中などでも快適な利用が可能です。さらに 「EarFun Free 2」は60msの超低遅延を実現した「低遅延モード」に切り替えることが可能で、ゲームや動画視聴などでもストレスの無い利用が楽しめます。
このように「EarFun Free 2」は5千円以下の低価格イヤホンながら、音質や接続性に定評のあるQualcomm製の最新チップセットを搭載し、実用的な基本性能を網羅している点が特徴です。「QCC3040」を搭載することで最新の「Qualcomm TrueWireless Mirroring」技術にも対応。左右のイヤホンが同時に接続することで安定性と省電力を実現する「TWS+」を発展させ、より接続安定性を向上させるとともに「TWS+」のように左右個別に接続先にリストされることが無いなど利便性の上でも機能が向上しています。もちろん左右どちらかの片側のみの接続にも対応します。
Bluetooth | V5.2 |
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チップセット | Qualcomm QCC3040 |
ドライバー | 6mm 複合振動板 ダイナミックドライバー |
コーデック | aptX / AAC / SBC |
再生時間 | 本体 7時間、合計30時間 |
バッテリ | (片方)50mAh、(ケース)400mAh |
高速充電 | 1.5時間(本体) 2時間(ケース) 3.5時間(ワイヤレス充電) |
防水性能 | IPX7 (本体のみ) |
搭載機能 | CVC 8.0 (通話NC) TrueWireless Mirroring 60ms 超低遅延ゲームモード |
接続距離 | 約15m |
充電コネクタ | USB Type-C |
重量 | 重量:48g(本体+充電ケース) |
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■ 最新スペックをバランス良く網羅。接続性の高さと遮音性は結構ポイント。
低価格モデルだからといってパッケージも全く手を抜いていないのがEarFunの良いところ。今回の「EarFun Free 2」もしっかりしたパッケージです。内容は本体、充電ケース、イヤーピース(3サイズ)、充電ケーブル、説明書。説明書は各国語の記載でもちろん日本語もあります。
「EarFun Free 2」の本体ハウジングは6mmサイズのドライバー搭載機としては少し大きめですが、耳穴奥までしっかりホールドする形状で装着性は良好です。耳穴奥にいれるためイヤーピースも通常より小さいサイズですが、多くの場合付属のもので困ることはないでしょう。また奥までフィットするため想像以上に遮音性が高く、街中の利用でも特に不便は感じませんでした。「EarFun Free 2」はANC(アクティブノイズキャンセリング)を搭載しないモデルですが、比較的混雑する地下鉄の車内でも曲の再生中は十分に没入することができました。
またすこし大きめのハウジングのためタッチセンサーの範囲も大きく、操作はしやすい印象。センサーは過敏にならず適度に反応してくれます。センサー操作は同社の既存モデルを踏襲しつつ、一部拡張がされています。音量のUP/DOWNはAndroidでは本体とは独立しており、それぞれでの音量調整が可能です。
再生/停止 | 2回タップ(左右どちらか) |
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曲送り | 右側 3回タップ |
曲戻し | 左側 3回タップ |
音量UP | 右側 1回タップ |
音量DOWN | 左側 1回タップ |
音声アシスタント | 右側 2秒長押し |
低遅延モード | 左側 2秒長押し (ON/OFF) |
受話/終話 | 着信時2回タップ(左右どちらか) |
着信拒否 | 左右どちらかを2秒長押し |
通話切替 | 3回タップ(左右どちらか) |
ペアリングはスムーズでAndroidなど対応デバイスではaptXでの接続を確認しました。Qualcommのチップセットの場合、従来の「TWS+」では左右同時接続の仕様のため「L」「R」がそれぞれBluetoothの接続リストに上がってきますが、「EarFun Free 2」の「Qualcomm TrueWireless Mirroring」では左右独立で接続しているにもかかわらずリストには本体名の1個だけが表示されます。Bluetooth 5.2と「Qualcomm TrueWireless Mirroring」に対応する「EarFun Free 2」の接続性は非常に高く、混雑する都心の駅前周辺でもほとんど途切れることはありませんでした。また片方だけをケースから取り出して装着することで片耳モードも簡単に使用できます。
また左側を長押しすることで「Low Latency ON」のアナウンスが流れ低遅延モードがONになります(同様にON状態の長押しでOFFに移行)。ハードなゲームはほとんどプレイしないため60msのスペックがどの程度実用的なのかの判断は限定的かもですが、少なくともNetflixやYouTubeの視聴ではほぼ違和感なく楽しむことが出来ました。またQualcommの「CVC8.0」音声ノイキャンは音声通話時の環境音を大幅に削減してくれるだけでなく、ゲーム中のボイスチャットでも低遅延モードと併せて役に立つでしょう。
■ グローバル製品なのに、まるで日本向け特化のような使い勝手の良い「万人受け」サウンド。
「EarFun Free 2」の音質に関しては最近のハイグレード製品に及ぶものではありませんが、普段使いのワイヤレスイヤホンとして十分に実用的なサウンドであると思います。過度な味付けは無く素直な出音で、印象としては多くのEarFun製品同様に中音域、特に女性ボーカルやピアノの高音など中高域が映えるチューニングですね。緩やかなV字カーブを描く弱ドンシャリで、パワフルな低域など迫力のあるサウンドを好まれる方には多少淡泊に感じるかもしれませんが、どのジャンルの曲も聴きやすく鳴らすという点ではより「オーディオ的な万人受け(日本人受け?)」のサウンドといえるでしょう。
個人的に多少偏っているかもしれませんが、欧米向けというとより低域のパワフルさを感じやすく、多少分りやすいくらいの派手さがあったほうがウケが良さそうと思っています。そして、日本向けは女性ボーカルや少し高い電子音が綺麗に感じるような、中高域にアクセントを持ったチューニングが好まれるような気がします。またボーカルが聞き取りやすいというのも重要な要素かもしれません。これは最近のストリーミングでのチャート上位やアニソンなどの音楽傾向であり、印象的なリリックが特に重要なトリガーだったりする日本での特徴を反映したものと言えるのではと思います。「EarFun Free 2」はまさにこれらの傾向に合致しており、「うん、日本では高評価になるサウンドだね」と納得させます。
「EarFun Free 2」の高域は煌びやかさを感じる印象ながら聴きやすい音で鳴ります。6mmドライバーのシングルと言うこともあり天井は高くありませんが適度な鮮やかさと主張がありボーカル帯域を下支えします。
中音域は少し凹みますが、ボーカル帯域は前面で主張します。価格なりの緩さや解像感ではあるのですが、女性ボーカルやピアノの高音などの中高域が少し派手めになるため、全体としてはポップスやアニソンなどの曲が映えるチューニングといえるでしょう。演奏などの定位の正確さはそれなりで音場ももう少し奥行きが欲しいと感じる反面、ゲームや動画などでは位置は捉えやすく、こういった用途での不満は少ない印象です。ただ男性ボーカルの低域はもう少し厚みが欲しいと思うかもしれません。
低域は小口径ドライバーの特長を活かし、重さは少ないものの小気味よくなってくれます。ミッドベースは心地良くボーカル帯域を下支えします。重低音は解像感はそれなりですが適度な響きがあります。
というわけで、「EarFun Free 2」はマニア向けのアイテムではないものの、スペック面の網羅性や品質、そしてサウンド面での使い勝手の良い、特に日本で万人受けしやすそうなチューニングは、多くの方が購入してもまず失敗と感じる事は少ないでしょう。価格的にも手頃で使いやすいイヤホンを探している方には最適かもしれませんよ(^^)。