JSHiFi Shark

こんにちは。今回はJSHiFi Shark4芯高純度単結晶銅リッツ線ケーブルです。アマゾンで高品質な線材を使用したイヤホンケーブルを低価格で販売している「JSHiFi」ですが、先日レビューした見た目インパクト最強の「RB8」から一転、今回は同様のコネクタ等の部品を使用しつつ、非常に高品質な単結晶銅線を採用したハイグレードケーブルをリリースしました。布張り被膜の4芯タイプで様々なイヤホンと合わせやすく高級感のある見た目と、数万円クラスのイヤホンとの組み合わせでも十分に利用できる高品質な線材の採用ながら6千円台の価格設定と、今回も非常に魅力的な内容となっています。
リケーブル製品のなかでもハンドメイドで中間マージンがほとんど無い中華ケーブルは一般的に国内で販売されるリケーブル製品より大幅に「割安」であることが多いですが、「JSHiFi Shark」はそんなコストパフォーマンスに優れた中華ケーブルをみても、イヤホンのポテンシャルを非常に上手く引き出し、しっかりとリケーブル効果を実感させつつ、音色傾向を換えること無く質感のみを向上させる、非常にケーブルだと感じました。おそらくチューかケーブルとの比較でも他社の100ドルオーバーの製品に匹敵する内容だと思います。「JSHiFi Shark」の購入はアマゾンの「JSHiFi」マーケットプレイスにて。なお、同ブランドの新製品は毎回好評のためアマゾン在庫が売り切れることもあると思います。新製品情報や入荷情報なども含め「JSHiFi」のTwitterアカウント(@xiaoxia76571098)をフォローしておくのもよいと思いますよ。


【 MMCX 】【 CIEM 2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
Amazon.co.jp:(JSHiFi): 6,550円 ※購入時に500円OFFクーポンあり

JSHiFi SharkJSHiFi Shark
高純度の単結晶銅線ケーブル。純度99.9995%の単結晶銅線材を使用し、1芯当たりに0.08㎜の線材7本の撚り線を7本束ねたリッツ構造を採用。4芯合計196本の線材を使用したリッツ線タイプのケーブルです。通常より太めの線材を使用しリッツ線構造とすることで信号伝送ロスによる音質劣化を最小限に抑え、高い情報量とともに音の広がりや奥行き感を向上します。さらに耐久性のたかい布張りの被膜を採用しています。コネクタ、プラグおよび分岐の各パーツは「RB8」と同様の金属製パーツを採用。大きめの部品を使用することで耐久性があり使い勝手を向上しています。
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JSHiFi Shark」は袋入りの簡易パッケージで包装には最小減のコストで低価格を実現しています。布張りの線材は「RB8」のような非常に太くゴツいケーブルとは異なり、適度な太さの使い勝手の良い線材を採用しています。「RB8」と同じコネクタおよびプラグや分岐の金属パーツはクロームの表面処理とカーボン柄の装飾がされインパクトのある見た目ですが、実際イヤホンと組み合わせると結構使い勝手が良かったりもします。
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JSHiFi Shark」の音質傾向は「質の高い高純度銅線のリッツ線ケーブル」としての特徴を非常に分かりやすく反映した、ニュートラルにイヤホンのポテンシャルを引き出すタイプのケーブルです。「ニュートラル」といっても変化がわかりにくいということは無く、どちらかというと「リケーブル効果を実感しやすいケーブル」になるかもしれませんね。
その「効果」は印象としては「音が濃くなる」「解像感が上がる」「見通しが良くなる」などが多いと思います。またドンシャリ傾向のイヤホンの場合「高域の伸びが良く」なったり、逆に「低域の厚みが増したり」するかもしれません。
これってどういうこと?と思われるかもしれませんが、要するに「JSHiFi Shark」の線材自体に味付けは無く、「組み合わせるイヤホンの付属ケーブルでは引き出せていなかった特徴が分かりやすく反映された」という状態ですね。

JSHiFi Shark過去記事の「中華ケーブル【解説編】」でも追記にて記載していますが、通常の銅線ケーブルは多かれ少なかれ「表皮効果」(より高周波が外周をながれる現象)と「近接効果」(近接する信号が損失する現象)により中低域に比べて高域が減衰しやすい傾向があります。分かりやすい例では、付属ケーブルより情報量の多い銅線ケーブルなら高域は減衰しても付属ケーブルと同等かそれ以上が確保できるはずですが、中低域はそれ以上に流れるため、相対的に「低域が厚いケーブル」という「味付け」になります。また、銀メッキ線ケーブルでは外周部に高域に強い銀メッキ加工を施すことで中高域を補完するのですが、やはりハイブリッド的なイメージで「ニュートラル」とは言い難いでしょう。
いっぽうで、同じ銅線でも精錬方法の違いにより純度を高めることで線材自体の傾向による歪みなどは抑制され「音質」が高まります。この純度の高い線材を使って、「表皮効果」や「近接効果」を可能な限り抑制するための手法が「リッツ線構造」というわけです(リッツ線構造のそれぞれの特徴については上記「解説編」を参照ください)。

JSHiFi SharkJSHiFi Shark」はこの特徴を非常に良く反映しており、組み合わせるイヤホンの「本当の実力」を引き出すのにとても最適なケーブルです。リケーブルするイヤホンの特徴をしっかり踏襲しながら「良さを分かりやすく引き出し」てくれます。リッツ線構造により伝送ノイズを抑制することによりアンバランスでも情報量のアップとともに分離感の向上が実感できるでしょう。それぞれの音をより捉えやすくなることで各音域の質感が向上し、透明感や立体的な音場を実感できると思います。さらにバランス接続ではより明瞭感がアップし、粒立ちの良さが向上するのがわかると思います。
イヤホンの傾向を引き出してくれるケーブルですのでどのようなイヤホンとも合わせやすいですが、逆に本来とは異なる味付け(高域を強く、低域を強く)を意図的に望む方には向きません。またはっきりした音になるケーブルですので、イヤホンによっては刺激が強くなる可能性もあります。

JSHiFi SharkJSHiFi Shark」のイヤホンのポテンシャルを引き出しつつ、音質を高めるアプローチは、非常に質の高い高級線材を使用している、いわゆるハイグレードケーブルと類似したものですね。冒頭で「JSHiFi Shark」が中華ケーブルでも100ドルオーバー以上の製品に匹敵する、と記載した理由でもあります。もちろん「JSHiFi Shark」より高級な線材を使用したケーブルは他にも多くありますし、組み方についても「解説編」で記載のより複雑な構造のケーブルも多くリリースされています。そういった意味では決してベストな製品というわけではありませんが、この価格帯では良い落とし所でまとめられたケーブルだと感じました。また中華イヤホンに限らず、数万円クラスのハイグレードイヤホンとの組み合わせにも十分に耐えうる内容でしょう。お手軽価格でハイグレードケーブルを体験したい方には最適なアイテムだと思いますよ(^^)。