TRN CS1

こんにちは。 今回は「TRN CS1」です。中華イヤホンブランド「TRN」のエントリークラスの製品で、「TRN CS1」はシングルダイナミック構成(1DD)のイヤホンになります。購入したのは、えっといつだっけ? 色々購入して届いてからもしばらく箱のまま置かれていたイヤホンだったり(^^;)。実は購入するだけ購入して、全然紹介していない製品も結構あったりするのですが(到着ツイートだけして放置、というパターンもわりとありますね)、今回のように折を見てコンパクトに紹介できればと思います。

■ 製品の概要と外観および装着性など。

TRN CS1」はTRNの中でもエントリークラスにあたる、アンダー10ドルクラスのシングルダイナミックモデル。このレンジの製品では最近「TRN MT1」が販売されており、私のブログを含め多くのレビューでも好評を得ていますが、今回の「TRN CS1」は従来型のパッケージデザインで販売される「亜種」的なモデルですね。特徴的なデザインの金属製フェイスパネルを採用したモデルというポイントはありますが、それ以外は少し前の仕様を踏襲しています。
TRN CS1TRN CS1
まず、ドライバー構成は10mmサイズのダイナミックドライバーを搭載。コネクタも従来型のフラットタイプの2pin仕様になっています。TRN自身のマーケティング的な中心はやはり「TRN MT1」だと思われるのですが、そうするとより後からリリースされた「TRN CS1」のポジションイングはどこにあるのでしょう。もしかすると、OEM/ODM供給元としての「低価格製品のベースモデル」なのかも、と思ったりもしますね。カラーバリエーションはブラックとシルバーの2色が選べます。
TRN CS1」の価格はAliExpressで9.48ドル~。アマゾンでは掲載時点では販売されていないようです。

TRN CS1」のパッケージはラインアートが描かれた従来タイプのボックスデザイン。付属品も従来通り、本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/L)、説明書・保証書などの最小構成となります。
TRN CS1TRN CS1
TRN CS1」の本体は従来モデルより比較的コンパクトなシェルデザインを採用しています。金属製のフェイスプレートは以前の「ST1」のような塗装ではなくちゃんとした表面処理がされており、10ドル以下の製品とはいえ安っぽさはありません。表面にスリット状のベント(空気孔)があるため、再生時に僅かに音漏れがあります。
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また、コンパクトな形状の「TRN CS1」は装着性という点では「TRN MT1」より耳の小さい方でも対応しやすいかもしれませんね。実はこのシェル形状、未レビューの「CVJ CSE」とほぼ同じだったりします。実際には「CVJ CSE」はハイブリッドモデルで、外観上もステム部分のパーツが異なりますし、フェイスプレートも樹脂製のクリアパーツを使用しています「TRN」と「CVJ」の関係はいまひとつ分かりませんが(TRNのサブブランド説やQKZのようなOEM/ODM先説があり)、もともとTRNがODM用に作ったシェルデザインをベースにしていること自体は間違いなさそうです。
TRN CS1TRN CS1
TRN CS1」はフラットタイプの2pin仕様のため、付属ケーブルはTRNの当初からの黒色銅線タイプ、イヤーピースも毎度おなじみのものです。このMサイズについてはこのままでOKという方も結構いらっしゃいますが、それ以外のサイズは変えた方が良いかもしれない、という点も含めて。というわけで、例によって定番のJVC「スパイラルドット」やAcoustune「AET07」、またよりフィット感の強いタイプでは「SpinFit CP100+」など、自分の耳に合う最適なイヤピースに交換するのも良いでしょう。


■ インプレッション(音質傾向など)

TRN CS1」の音質傾向は、中低域寄りのドンシャリで聴きやすいバランスで、明瞭感のある高域と前面で主張するボーカルと、それを下支えする低域、という、ある意味イマドキの傾向です。おそらくボーカル帯域にフォーカスし、最近のストリーミングのチャートで多く流れる、比較的音数の少ないボーカル曲にフォーカスしたデザインと考えられます。いっぽうで中低域の印象は最近のTRN製品と比較してもウォームさがあり、TRNのエントリークラスの中では「派手さ」は少し抑えられてるかもしれませんね(それでも「KZ EDX」以上に派手さがあります)。特に中高域の明瞭感が印象的な「TRN MT1」との違いは結構分かりやすく、同様の構成、同価格帯でも明確なアプローチの違いがありますね。

TRN CS1TRN CS1」の高域は、刺さりなどの刺激を抑えつつ適度な明瞭さと煌めきがある音を鳴らします。ある程度駆動力を上げるとより鮮明な音で鳴るため、高域の伸びがほしい方は情報量の多い銀メッキ線などへのリケーブルが効果的でしょう。
中音域は僅かに凹みますがボーカル帯域の主張が増した印象があり、比較的近くで鳴ります。TRNらしい硬質さもある癖のないサウンドですが、「TRN MT1」と比べると多少ウォームな印象もあります。こちらも再生環境やリケーブルの変化は大きく、特に女性ボーカルの伸びなどに違いが現れます。
低域は量感は十分にあるものの、どちらかというとボーカル帯域を下支えするような鳴り方でやや下がり気味の定位をします。ミッドベースは直線的で中高域との分離は良く感じますが、いっぽうで重低音の表現はそれなりかも。たぶん低域の質を上げるより、ボーカル帯域を引き立たせ、奥行きを感じさせる演出をするアプローチを選んだような気がします。音場は普通程度で定位も正確ではありませんが、この演出により打ち込み系の音でも少し奥行きを感じ、臨場感を得やすくなっているようです。


■ まとめ

というわけで、「TRN CS1」の総評としては、「見た目についてはわりとニーズがありそう」ですがサウンドについては「あえて選ぶほどの特徴は見つけにくい」かもしれません。10ドル程度のイヤホンとしては十分によくできているため、少し前ならそれなりに高評価になりそうでしたが、これだけ選択肢が増えているなかではなかなか難しいですね。まあそのうちAliExpressで別のメーカーから(ODMかOEMで)似たイヤホンが色々と出てくるのかもしれませんが・・・。実は割と大手だったりして(笑)。