
こんにちは。今回は「LOXJIE A30」据置きタイプのコンパクトな中華アンプの紹介です。「LOXJIE」は低価格で高品質のオーディオ製品をAmazonなどで販売している中華ブランド「Sabaj」のサブブランドで、私のブログでも現在も人気の高い低価格真空管ヘッドホンアンプ「LOXJIE P20」などを紹介していますね。
今回の「LOXJIE A30」は低価格ながら高品質なアンプチップを搭載し、スピーカー出力はもちろんヘッドホン出力にも対応、DACチップによるSPDIF(COAXおよびToslink)およびUSB入力、そしてBluetoothによるワイヤレスレシーバーにも対応する欲張りな設計になっています。


「LOXJIE A30」はアンプチップにinfineon「MA12070」を搭載。D級(Class-D、つまりデジタルアンプですね)のオーディオアンプICとして92%のエネルギー変換効率による低電力高出力を実現。そのため、「LOXJIE A30」は非常にコンパクトで発熱の少ないヒートシンク無しの設計ながら、最大2×80W(8Ω)の高出力で高いオーディオ性能を持っています。


またRCAのアナログ入力のほか、SPDIF(コアキシャルおよびToslink光入力)およびUSBによるデジタル入力をサポート。DACにはESSの「ES9023」を搭載し、SPDIFの24bit/192kHzおよびUSBによる最大32bit/384kHzのPCM入力をサポートします。またQualcomm製のBluetoothチップセットを搭載し、Bluetooth 5.0およびaptXコーデックに対応したワイヤレス入力も可能です。


出力は付属リモコンまたはフロントのコントロールノブで「ヘッドホン出力」または「スピーカー出力」に切替が可能。それぞれの出力で独立したボリュームコントロールが可能な仕様になっています。スピーカー出力はL/Rの2chパッシブスピーカー用バナナプラグに加えて、サブウーファー接続用出力を搭載。ローパスフィルタによりボーカルなどをフィルタしたより質の高い低域の出力が可能です。


そして、「LOXJIE A30」ではEQ機能を搭載し、ONにすることでプリセット5種類(Bass、Super Bass、Rock、Soft、Clear)のトーン設定およびカスタマイズ設定が登録可能です。また高域および低域を強める/弱める(±10dB)ためのアジャスター機能も搭載しています。
このように多彩な入力機能および出力調整が可能な「LOXJIE A30」はAmazonにて 21,666円で購入できます。
Amazon.co.jp(LOXJIE): LOXJIE A30
■ 場所を選ばない使いやすいコンパクトサイズ。豊富な入出力と分かりやすい操作性
届いた「LOXJIE A30」はシンプルな白黒デザインのパッケージアート。パッケージ内容は本体、ACアダプタ、電源コード(日本仕様)、USBケーブル(microUSB-タイプA)、リモコン、説明書。


ACアダプタは出力24V、6.75Aと高出力のタイプが付属します。SabajおよびLOXJIEのD級アンプとしては個人的に「Sabaj A4」と「LOXJIE A10」を過去に購入していますが、同社の製品は中華アンプとしては比較的しっかりしたACアダプタを付属させている印象ですね。電源周りについては付属品でノイズ等は問題ないと考えて良いでしょう。

また正面中央に6.35mmヘッドホンジャックがあります。
コントロールノブの長押しで電源ON/OFF、通常はノブの回転で音量調整で、押すことでメニューに入りそれぞれの操作ができます。この辺の製品を触っている方なら同様のオペレーションで違和感なく設定変更や操作ができると思います。この辺の操作は最近のSabaj、LOXJIE、そしてSMSLなどで共通のインターフェースですね。
本体は幅および奥行きが151mmの正方形型で高さが40mmと非常にコンパクトですね。一体成形されたアルミニウム製の筐体はシンプルながら美しい仕上がりで安っぽさは一切ありません。また重量が520gと適度な重量で、様々な場所にも設置しやすく、いっぽうでしっかりホールドする安定感もあります。


入出力系は背面に集約されています。RCAの右側(R)とコアキシャル端子は共用になっており、両方を同時に使うことはできません。そのためアナログ、デジタルを切り替えて両方使う場合、デジタルは光端子(Toslink)を使用する必要があります。見た印象としてはサブウーファー出力(SW OUT)を搭載したためにこのような仕様になったみたいですね。
USB入力はmicroUSBになります。おそらくこの製品を使用する方の多くは通常は別途USB-DACを使用するかDAPなどから出力すると思いますので、この端子はオマケ的な部分ですね。実際メーカーからはWindowsドライバーなどは供給されておらず、USB Audio Class 2.0対応OS、デバイスでの対応となります(そのたWindows 7および8は未対応です)。もちろんDSDなども未対応です(Macで接続してみるとデバイス名が「TX-384Khz Hifi Type-C Audio」と表示されるのはご愛敬ということで)。


BluetoothについてはAmazonの販売ページでもあまり多く触れていませんので参考まで。搭載チップセットはQualcommの「QCC3008」で、Bluetooth 5.0と「aptX」コーデックをサポートしています。またQualcommの記載には無いものの、「aptX HD」へのサポートについての記述も見受けられました。実際に対応するスマートフォンでペアリングしてみたところ、「aptX HD」コーデックで接続。また他にSBC/AAC/aptXも利用できることが確認できました(ワイヤレスについては日本国内での正式対応ではないようですので、利用は自己責任にてお願いします)。
■ コンパクトながら80W出力。ノイズが少なく癖のないサウンドで様々なシーンで利用できる
「LOXJIE A30」は小型アンプながら癖のない出力で、実際に試した小型スピーカーからある程度の大きさのブックシェルフスピーカーまで問題なく鳴らすことができました。2×80WとこのサイズのD級中華アンプとしては大きめの出力を持っており、デスクトップなどのニアフィールドからリビングでの手軽な利用まで幅広いシチュエーションで十分な音質だと感じました。リビングなどを想定するとフロントディスプレイが見やすいの良いですね。


また、ちょっと地味なポイントですが付属するリモコンが使いやすいのも好印象です。中華アンプやDACに付属する赤外線リモコンは汎用タイプのものに機種ごとのアサインをしているケースが多く、この手の製品を何種類も購入しているとプリントされたロゴ違いの「そっくりさん」リモコンがいっぱいある、という状況は結構「あるある」だと思います。「LOXJIE A30」用の専用デザインのリモコンになっていますので「え、Aボタンて何だっけ?」みたいなことはなく、直感的に操作ができます(本来当たり前のことではあるのですが)。
ちなみに、この製品が最もアピールポイントとしているアンプIC「MA12070」採用による印象ですが、音色面よりノイズの少なさが特徴のようです。もともとSMSLやSabaj/LOXJIEは味付けのない素の音という印象が強く、やや元気な、機種によってはいかにも中華メーカーぽい音を鳴らすTOPPINGなどとの違いを感じることが多いのですが、「LOXJIE A30」はスペック(SNR:108dB)以上に見通しの良さやダイナミックレンジを感じやすいサウンドでした。このクラスとしては結構良い印象です。
またSPDIFによるデジタル入力も同様に癖のない音で鳴ります。個人的にはAppleの「AirMac Express」やGoogle「Chromecast Audio」を光ケーブルでつなぐシチュエーションが多いのですが、これらの用途では十分な音質だと思います。

そして「AirMac Express」と「Chromecast Audio」は3.5mmステレオ/光デジタル兼用の出力端子のため、SPDIFで接続すればより高音質に再生できるわけです。ただ残念ながらどちらの製品も現在は販売終了しています。最近だと本当は「Amazon Echo」シリーズの製品でSPDIF出力できるモデルが出れば組み合わせてオーディオ利用の範囲が一気に増えるのですが、現状は仕方なくこれらの旧製品でのAirPlayやCastで利用しています。

Bluetooth接続時の遅延はどれぐらいありますか?