こんにちは。今回は「SOUNDPEATS Air3」です。前回に引き続き「SOUNDPEATS」の完全ワイヤレスイヤホンの新作の紹介ですね。今回は同社最小のコンパクトサイズを実現した(AirPods型)インイヤータイプのモデルで、チップセットにQualcomm製「QCC3040」を採用、Bluetooth 5.2に加えて次世代コーデックの「aptX Adaptive」にも対応します。高い評価を得ている「TrueAir2」「TrueAir2+」よりさらに小型化した極小サイズを実現し、耳の小さな方の利用や持ち歩きの便利さなども追求しつつ、より多彩な機能を搭載した注目の新製品です。
低価格TWS(完全ワイヤレス)イヤホンの「定番ブランド」として既にお馴染みの「SOUNDPEATS」ですが、最新モデル「SOUNDPEATS Air3」は人気モデルとして日本でも非常に高い評価を得ている「TrueAir2」および「TrueAir2+」よりさらに小型化し、インイヤータイプのTWSとして「ブランド史上最小サイズ」を実現。いっぽうで高機能は継承しており、チップセットにはQualcomm製「QCC3040」を搭載。次世代コーデックの「aptX Adaptive」への対応など「TrueAir2+」と同様なワイヤレス性能を実現しています。
また、ドライバーには14.2mm バイオセルロース振動版を採用した大口径ダイナミックドライバーを搭載。「TrueAir2」をベースとし、さらに改良およびチューニングを施したとのこと。大口径ドライバーならではの量感ある低音とインナーイヤー型らしい開放的で自然な音場を体感できるようです。
また「QCC3040」チップセットを採用することで、より高い安定性を実現するデバイスに依存しない接続方式「TrueWireless Mirroring」にサポートし、次世代の主流オーディオコーデックである「aptX Adaptive」にも対応。24bitの高音質に加え、可変ビットレートにより接続状況に応じた最適なサウンドを実現します。その他IPX5の防水性能やCVC8.0通話ノイズ低減機能など基本性能をしっかり押さえた仕様が魅力的ですね。
ドライバー | 14.2mm ダイナミック (バイオセルロース振動板) |
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チップセット | Qualcomm QCC3040 |
Bluetooth | 5.2 |
コーデック | aptX Adaptive / aptX / AAC / SBC |
再生時間 | 本体5時間 / ケース込17.5時間 |
バッテリ容量 | 80mAh(40mAh×2)+220mAh |
通話N/C | CVC 8.0 |
その他 | 自動装着検出機能 TrueWireless Mirroring |
防水レベル | IPX5 |
サイズ | ・4.95×2.25×4.75mm ・47.5×49.5×22.5mm |
重量 | (片側)4.0g (ケース)33g |
「SOUNDPEATS Air3」の価格は 5,380円(アマゾン価格、税込み)です。
■ 驚くほどコンパクトな充電ケース、aptX Adaptiveによる安定した接続性と高音質
パッケージは本体写真とモデルの装着写真の2面ボックスでとても毎度ながらとても格好良いですね。パッケージ内容はイヤホン本体、充電ケース、充電用USB Type-Cケーブル、説明書。
パッケージを開封して最初に目に付くのは充電ケースのコンパクトさです。「ブランド史上最小サイズ」のいうのも納得です。前回の「SOUNDPEATS Mini」のケースもかなり小さかったですが、さらにひとまわり以上コンパクトです。このサイズのケースにイヤホンを収納しつつしっかり充電できるというのが驚きです。イヤホン本体はマットブラックの樹脂製ハウジング。いわゆる「AirPods」風のインイヤータイプですが、軸部分が短く、より耳にフィットしやすく小型化されているようです。背面のロゴマーク部分がタッチセンサーになっています。
対応デバイスとペアリングすると最新の「aptX Adaptive」コーデックでペアリングできることがわかります。もちろんiPhoneなど幅広いデバイスが対応する「AAC」コーデックや標準の「SBC」も使用できますが、Androidなどではより圧縮率の高いQualcomm「aptX」系コーデックが使用できるのはメリットでしょう。特に「aptX Adaptive」はHDコーデックの「aptX HD」のさらに上位コーデックで、24bit/48kHzのHDオーディオに加え、接続状況に応じて通信ビットレートを最適化する可変ビットレートに対応します。そのため、最近の「Apple Music」や「Amazon Music HD」のロスレス/HD音源もより安定した高音質で楽しめるわけですね。
「SOUNDPEATS Air3」本体のロゴ部分はタッチセンサーとなっていて、感度は少し敏感な気もしますが操作性は良好です。再生および停止は2回タッチの方式で誤操作防止のための配慮も行われているようです。また低遅延の「ゲームモード」が搭載されており、繰り返すことでON/OFFの切替が出来ます。また「装着検出機能」により、イヤホンを外すことで一時停止してくれる機能は、ちょっと耳から外して会話する場合などにとても便利ですね。
再生/停止 | 2回タッチ(右or左) |
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曲送り | 右側 1.5秒ロングタッチ |
曲戻し | 左側 1.5秒ロングタッチ |
音量UP | 右側 タッチ |
音量DOWN | 左側 タッチ |
受話/終話 | 着信時2回タッチ(右or左) |
着信拒否 | 1.5秒ロングタッチ(右or左) |
通話切替 | 2秒ロングタッチ(右or左) |
音声 アシスタント | 右側 3回タッチ |
ゲームモード | 左側 3回タッチ |
手動 ペアリング | 充電ケースのマルチボタンを 3秒間長押し |
電源ON | 自動:充電ケースのフタを開ける 手動:1.5秒ロングタッチ |
電源OFF | 自動:本体収納後フタを閉じる 手動:10秒ロングタッチ |
■ インイヤー型らしい厚みのある低域表現と明瞭な中高域による質の高いサウンド
「SOUNDPEATS Air3」の音質傾向は、インイヤー型らしい厚みのある低域とともに明瞭なボーカル帯域が心地より中低域寄りのドンシャリです。開封直後はやや低域過多な印象もありましたが、適当にストリーミングを再生することで落ち着き本来のサウンドを楽しむことができました。エージングとしては数時間程度で十分だと思います。
改良されたバイオセルロース振動版の影響もあってか、このクラスのインイヤー型TWSとしては中高域の解像感もまずまずです。またより多くの人が聴きやすく臨場感のあるサウンドを愉しめるチューニングとなっていますね。高域の伸びはそれなりですが、ボーカル帯域は主張があり、男性ボーカルはもちろん、女性ボーカルの曲も心地よく聴くことが出来ます。また音数の少ない最近のポップスなどが心地よく聴けるチューニングで、いっぽうで適度にキレがありインイヤー型としては想像以上にクリアに感じる印象です。そのため派手目の音が好きな方も楽しめる明瞭サウンドと聴きやすさを両立しているといえるでしょう。
「SOUNDPEATS Air3」の高域は明瞭感があり、全体としてはクリアな印象です。オーディオ的には伸びや解像感は一般的ですが適度な煌びやかさと心地よい余韻を感じさせる音作りで好感できます。
中音域はボーカル帯域の中小を中心に厚みがあり、いっぽうで籠もること無く輪郭のハッキリした音を鳴らします。曲によっては若干凹みますが、適度な空間表現となり臨場感をより演出してくれる印象です。女性ボーカルの高音も比較的クリアで男性ボーカルも力強さと余韻が楽しめます。
音数の多い曲ではさすがに解像感などで上位モデルに及ばない部分はありそうですが、最近のポップスなどをストリーミングで楽しむ上では非常に相性の良いサウンドでしょう。また映像コンテンツやゲームなども臨場感とともに位置の把握がしやすく「ゲームモード」による低遅延での利用も良いと思います。
低域はインイヤー型らしい厚みのある音を鳴らします。過度に響くことは無いため中高域との分離は良く、いっぽうで心地よい臨場感と音場表現が楽しめます。インイヤー型は密閉度が低いため遮音性はそれほど高くありませんが、屋外でも低域が細ること無くしっかり楽しめると思います。
というわけで、「SOUNDPEATS Air3」はそのコンパクトさや、「aptX Adaptive」対応などの機能面はもちろん、音質面においてもインイヤー型としてはかなり力の入ったモデルであることを実感しました。ソフトな装着感でカナル型よりインイヤー型を選びたい方で、かつ手頃な価格で音質面も重視したい方にはうってつけの製品といえるでしょう。「SOUNDPEATS」は上位モデルの「H1」など、オーディオマニアからも高評価を得ている製品も多くあるようですので、そういった経験がしっかりと活かされているのだと思います(個人的にも「H1」はちょっと気になっています)。「SOUNDPEATS Air3」はインイヤー型イヤホンとしては結構オススメだと思いますよ。