
こんにちは。今回は「Audirect Beam2se-21」です。「Audirect」社の小型オーディオアダプタ製品で「Beam」シリーズの最新モデルになります。DACチップにESS製「ES9281AC PRO」を搭載し、32bit/768kHz PCM、DSD512、そしてMQAをサポート。非常にコンパクトな設計ながらボタンひとつでゲイン調整およびモード切替に対応。同社ではよりコンパクトでスマートデバイス直結型の「Atom 2」もリリースしていますが、「Audirect Beam2se-21」では音質面および機能面の両方でより高性能な仕様になっています。
→ 過去記事: 「Audirect Atom 2」 のレビュー


「Audirect」(あるいは「Hilidac」ブランド)の「Beam」シリーズではいくつかの製品がこれまでにリリースされており、「Audirect Beam2se-21」は「Beam 2SE」を高性能化した最新バージョンとなります。DACチップにはESS Technology製「ES9218AC PRO」を搭載。これは同時期にリリースされている「Audirect Atom 2」の搭載DACと同じで、低電力DACの「ES9218P」と同等のコアをベースにMQAレンダラーを内蔵し、ヘッドフォンアンプおよびスマートデバイス用オーディオアダプタ向けの回路を一体化したオーディオコーデックチップです。コンパクト設計ながら32bit/768kHz PCM、DSD512、そしてMQAに対応し、各種ハイレゾ音源および配信サービスを高音質で再生できます。


また「Audirect Beam2se-21」側面のボタンで3種類のゲイン調整およびLEDモード切替ができます。また本体コネクタはケーブルによりType-CまたはLightningで接続が可能。本体にはType-C用ケーブルと、PCに接続するType-Aへの変換アダプタが付属します。


「Audirect Beam2se-21」は金属製の本体にアクリル塗装による表面処理が行われておりキズが付きにくくシンプルでスタイリッシュなデザインを採用。重量はわずか23gと持ち運びに便利なサイズです。
「Audirect Beam2se-21」の購入は国内販売元のIC-CONNECTの直営店または各専門店にて。
価格は11,500円(直営店価格)です。
Amazon.co.jp(IC-CONNECT): Audirect Beam2se-21
■ 高級感のあるメタルボディ&軽量デザイン。3モードのゲイン切替が可能
「Audirect Beam2se-21」のパッケージは高級文具のようなスタイリッシュなパッケージで届きました。パッケージ内容は本体、USB Type-C用ケーブル、USB-A用変換コネクタ、説明書。また今回は本体パッケージとは別にLightning接続用の純正ケーブルも同梱いただいています。


「Audirect Beam2se-21」の本体サイズは53mm×15mm×10mm。単3電池が長さ50.5mm/直径14.5mmと考えるとほぼ似た大きさでサイズ感を掴みやすいと思います。金属製ですが重さは23gと非常に軽量でアクリルで覆われた表面はキズも付きにくくなっています。本体コネクタ側はUSB Type-Cで、付属の純正接続ケーブルのほか、同コネクタのOTGケーブルも接続に利用できるようです。


搭載DACチップは「ES9218AC PRO」とスマートフォン直結型の「Atom 2」と同じですが、サイズに余裕がある分、スティック型DACの「Audirect Beam2se-21」ではアンプ周りを中心に機能強化されているようです。
「Audirect Beam2se-21」では、側面のボタンで「High」「Medium」「Low」の3種類のゲイン調整に対応。「Atom 2」では出力が不足するようなヘッドホンなどもハイゲインモードで対応出来ます。さらに側面ボタンを3秒長押しすると、LEDの点灯方法をナイトモードまたは通常モードに切り替えができます。オーディオ出力は3.5mmステレオのイヤホン/ヘッドホン出力となります。
■ 明瞭な元気サウンドながら派手すぎず様々なイヤホン/ヘッドホンで高音質を楽しめる

輪郭は明瞭で解像感のあるサウンドはスマートホン直挿しより確実に音質向上が確認できるため、手頃なアップグレードとしては最適でしょう。「Apple Music」ロスレス/ハイレゾ配信や「Amazon Music HD」などに加え、「Onkyo HD Player」「UAPP(USB Audio Playper Pro)」などのプレーヤーアプリでのハイレゾ再生によりスマートフォンでも小型DAP(デジタルオーディオプレーヤー)並の高音質を十分に実感できると思います。特に「Audirect Beam2se-21」ではLightningケーブルに交換することで、iPhoneと接続してのハイレゾ対応の高音質再生が手軽に出来るのも良いですね。

現在、この価格帯のスティック型DACは非常に多くの製品がリリースされていますが、「Audirect Beam2se-21」は人気モデルの「Shanling UA2」やパワー重視モデルの「THX Onyx」と比べるとスペック上の出力は下がりますがハイゲインではかなりしっかり鳴らせる駆動力があります。また中高域を中心に明瞭に分離し、「Shanling UA2」等と比べると多少ドンシャリ気味になるため、多くのジャンルの曲を楽しく聴くことが出来るアダプターだと思います。とがった特徴は無いものの、1万円程度の手頃な価格でバランスがよくクリアなサウンドを楽しめるのは結構良いと思いますよ(^^)。