SENFER DT9

こんにちは。今回は 「SENFER DT9」です。Knowles製BA搭載(自称)の1BA+1DDハイブリッドで某KXXS風メタルシェルで20ドルほどで登場し(当初はパッケージ無し、ケーブル別売り)、その後まんまKXXSをパクリにきたパッケージで「今回もやったな」感満載のSENFERの低価格モデルです。
私自身は、以前のセールでパッケージ無し版をほぼ「ネタ」要素として購入しており、特にレビュー予定はなかったのですが、箸休めというか、なんかそんな感じで緩く書いてみました(^^)。まあ相応のマニアかつネタとして楽しめる方限定のイヤホンだと思いますが、とりあえず音はいいんですよね・・・。
※今回は普段より「ネタ」感強めでお送りしております。ちょいちょいふざけますが、あらかじめご了承ください(笑)。

■ 製品の概要と外観および装着性など。

SENFER DT9」は古いマニアにはお馴染みの中華イヤホンブランド「SENFER」の新しいモデルです。「SENFER」という会社は、技術力はけっこうあって、安くてそこそこ音の良いイヤホンを作っている会社なのですが、「かつての中華イヤホンのダメなイメージの部分」を今でもそのまんまやってるという、もうなんというか、わりと残念なメーカーです(笑)。その最大のポイントはやはり「パクリ」で、本来は完全なオリジナルモデルである「SENFER DT9」もシェルがクローム処理されてる、というだけで、パッケージ作るときには「KXXS」に寄せてみたりと、「ついやっちゃう」体質だったりします。
SENFER DT9SENFER DT9

SENFER DT9」は1BA+1DD構成のハイブリッドで、ドライバーにはKnowles製のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバー(自称)と、10mm DLC振動板・二重磁気回路ダイナミックドライバー(自称)を搭載しています。どっちも「自称」と書いているのに特に理由はないんですが、価格的な要素もありネット界隈でもいまいちこの仕様が信用されてない、という状況を踏まえてです。個人的には色々パクっても製品作りは真面目な会社のはずだよSENFERは、と信じたいところであります(汗)。
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なお、「SENFER DT9」は当初はケーブル無し、パッケージ無しで、イヤホン本体、イヤピ、ケースのみでの販売をしていました。現在はパッケージ付きになっていますが、セラーによっては初期のものを販売しているところもあるようです。パッケージ付きのバージョンでは、8芯の銀メッキ線&銅線ミックスケーブルが付属するようです。コネクタはMMCXを採用しています。パッケージのデザインは、まあ画像の通りです。
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SENFER DT9」(パッケージ付き版)はAliExpressで22.65~22.99ドルほどで販売されています。

私が購入したときはすでにパッケージ付きが出回っていましたが、セールの際にパッケージ無しの在庫処分を入手しました。少し大きめのケースに本体とイヤピだけが入っているバージョンですね。
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SENFER DT9」のシェルはクローム仕上げの非常にコンパクトなサイズ感。ベントは背面に3カ所、ステムの付け根部分に1カ所。MMCXコネクタは赤/青で色分けされており、左右を示すサインになっています。細かいところまでしっかり作られており、20ドルほどのイヤホンとしてはかなり良い仕上がりと言えるでしょう。
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例のパッケージデザインもありよく「KXXS」とのパクリ具合を揶揄される「SENFER DT9」ですが、実際に比べるとクローム処理の色合いも含めて「全然違う」のがわかります。こうみると一緒に比べた「HeartMirror」のほうが全然寄せていますね(^^;)。
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軽量コンパクトなシェルで装着感はわりと良好です。装着時にダイナミックドライバーが多少ペコペコ鳴るのはご愛敬。音漏れなどは無いですが遮音性はそれなりです。
付属イヤピは装着済みのほか黒色のものが3サイズ付いてましたが、適当に耳に合うものに交換して使用します。ケーブルも見た目に合わせて色々組み合わせて見るのが良いでしょう。


■ インプレッション(音質傾向など)

SENFER DT9」のサウンドは中高域寄りのドンシャリで、適度な鋭さと広がりを感じる高域に、前面で主張するボーカル帯域、スピード感と締まりのある低域と、分かりやすく楽しいイヤホンです。パッケージ版では付属ケーブルがミックス線ということで、手元にある同様のケーブルを合わせてみるとシンバル音の煌めきなどに強めの主張はあるものの、結構バランスの良い鳴り方をします。

SENFER DT9いっぽうでイヤーピースをよりフィットするものに換えて、さらに多少派手目に変化する銀メッキ線ケーブルなどを合わせると、よりアグレッシブなサウンドに変化。硬質な高域と低域のキレが増してかなり元気で楽しい印象になります(私はとりあえず見た目で「JSHiFi-ZB8」を組み合わせています)。最近のボーカル寄りの聴きやすいチューニングとは異なり、まあいかにも中華なドンシャリサウンドではあるので、再生環境によっては高域の刺さりなどが気になる方もいらっしゃると思います。とはいえ、さすが老舗のSENFER、という感じで、これだけ低コストでバランスの良い音をしっかりまとめており、パクリ癖みたいな素行の部分を気にしなければ(あとスペック面の怪しさも気にしなければ)かなり良いイヤホンといえるでしょう。

SENFER DT9」の高域は結構強めの主張で派手めに鳴ります。ドライで硬質な派手さがあり「ちょっとKnowlesとは違う音のような」気がしないでもないですが、まあチューニング次第かもしれませんね。シンバル音などは明瞭になり煌めきも強めなため、曲によってはかなり鋭く感じる場合があります。この辺は好みが分かれるところでしょう。個人的には「もっとやれ」ですが(^^;)。
SENFER DT9中音域はボーカル帯域に主張があり、凹むことなく鳴ります。同様にドライでスッキリした音ですが曲によっては僅かに歯擦音が発生します。ボーカルは近く輪郭は明瞭な印象。キレがあり、スピード感のある曲も元気に鳴る印象です。
低域は中高域に比べると少し抑え気味ですが、ミッドベースを中心に強いアタックで心地よい鳴り方をします。全体的に直線的で過度に膨らむことはありません。重低音はややボンボンと鳴る感じの響きがありますが、沈み込みは20ドルのイヤホンと考えればまずまずだと思います。
ハードロックやポップスなどのボーカル曲と相性の良さがあるいっぽう、あんなパッケージデザインにしてるわりに女性ボーカルのアニソンなどはあまり合わない曲もあったりします。
まあ、そんな感じのところも「いかにもSENFER」といえなくもないわけで。

というわけで、そういえば書きかけのまま放置してたなぁ、という「SENFER DT9」のレビューを今更ながら仕上げてみました。内容の通り「音は結構良いし、安くていいイヤホンだとは思うけど、イマドキのサウンドとはちょっと違うし、普通にオススメするには色々ハードルもあるかも。まあSENFERだし」みたいな印象です(笑)。普段からAliExpressでむしろハズレをひいたら「おいしい」くらいに思ってるディープなマニアというかオタクの方であれば、思いのほかちゃんとしたサウンドや仕上がりで結構楽しめるイヤホンであることは間違いないと思います。しかし、普通に良いイヤホンを探してる方、他を当たってください。間違って買ってもこちらではクレームは一切受け付けませんw。というか、どんなレビューなんでしょうね、これは(^^;)。