こんにちは。今回は「TANCHJIM NEW HANA (2021)」です。名称の通り「TANCHJIM HANA」のリニューアルバージョンで、購入したのは8月初旬で結構以前になるのですが、10月22日に国内版も販売開始になったということで「棚からレビュー」として紹介したいと思います。ちなみに海外で発売時は「HANA 2021」という表記でしたが、従来の「HANA」のほうを現在も購入できるため、最近になって「NEW HANA」という表記になったみたいですね。
TANCHJIM(タンジジム)は2015年に設立された中国のイヤホンメーカーで、ニュートラルな質の高いサウンドを実現したミドルグレード製品の「Oxygen」(在庫のみ)でマニアの間でも幅広く知られるようになりましたね。そして模造白磁のエナメルコーティングされたステンレスシェルと中高域寄りのサウンドが印象的な「HANA」が2020年にリリースされ、華やかさを感じる見た目とサウンドは個人的にも評価の高いイヤホンのひとつです。
その「HANA」が2021年夏にリニューアルした新バージョンが今回の「TANCHJIM NEW HANA (2021)」となります。新バージョンでは316ステンレスをローズゴールドの表面仕上げでまとめており、外観は大幅に高級感が向上しました。いっぽうフェイス部分はホワイトの模造白磁のエナメル塗装が施されており、「HANA」と共通性のあるデザインになっています。
また「TANCHJIM NEW HANA」のドライバーには「HANA」同様に「HSPLC(High-riaidity Sec-ondary Polymerized Liquid Crystal)」振動板を採用した「第3世代DMT高磁束ダイナミックドライバー」をシングルで搭載。高解像度と優れたダイナミックレンジを持ち、繊細で華麗なボーカル、レスポンスの良い低音と、伸びが良い高音を実現しているそうです。
「TANCHJIM NEW HANA」の美しいステンレスシェルは、高温加熱された後、手作業で磨き上げられることで、より耐久性が高く、温かみのある光沢感を感じさせます。また「TANCHJIM NEW HANA」のサウンドは「HANA」のフィードバックに基づきチューニングを最適化。「TANCHJIM NEW HANA」の高音ピークのQ値を下げ、高音をよりニュートラルで滑らかにし、全体的なサウンドもより繊細で滑らかに調整しているのとこと。
「TANCHJIM NEW HANA」の価格は海外版が179.99ドル(HiFiGo)、国内正規品が21,960円~です。為替及び手数料を考慮するとあまり価格差はありませんので、今後は保証のある国内正規品を購入するほうが良さそうですね。
Amazon.co.jp(国内正規品): TANCHJIM NEW HANA
楽天市場(国内正規品): TANCHJIM NEW HANA
■ コンパクトなステンレスシェル。ローズゴールドの表面処理で豪華さが一気にアップした外観。
「TANCHJIM NEW HANA」のパッケージは「HANA」同様の白色のキューブ型のボックスですが、パッケージアートはHANAの本体デザインが大きく描かれています。
パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、レザーケース、説明書、保証書などいろいろ(^^;)。国内版の初回特典ではさらにイラストカードも付属するみたいですね。
「TANCHJIM NEW HANA」の本体は非常にコンパクトなステンレス製。サイズおよび形状は「HANA」と同じようですが、ローズゴールドの表面処理により、かなり豪華な印象になりましたね。またデザイン的にも「HANA」より少し大きく見えるかもしれません。
ステンレス製ハウジングですがサイズが小さいこともあり、重量感はさほど感じません。耳にすっぽりおさまるため、耳の小さい方でも問題なく装着できると思いますが、ステム部分が浅いため、イヤーピースはしっかりフィットさせる必要がありますね。イヤーピースは付属品のほか、定番のJVC「スパイラルドット」、Acoustune「AET07」、より密着感の強いタイプでは「SpinFit CP100+」やAZLA「SednaEarfit XELASTEC」など自分の耳に合う最適なイヤピースを選択するのも良いと思います。
ケーブルもホワイトとカッパーカラーの線材を撚り線にして被膜で覆ったもので見た目にも非常に綺麗ですね。コネクタはCIEM 2pin仕様ですがピンが少し長い独自仕様のようです。なお、「HANA」の初期のロットではコネクタ部分のパーツがちょっと違ったようですが、私は持っている「HANA」は「TANCHJIM NEW HANA」と同じケーブルが付属していました。おそらく現在流通しているモデルもケーブルやケースなどの付属品については同じ内容だと思います。
■ HANAより高域を穏やかに低域をアップ。よりニュートラルで聴きやすいバランスに。
「TANCHJIM NEW HANA」の音質傾向はバランスの良いニュートラルな印象の明るめのサウンド。やや中高域寄りだった「HANA」とより全体のバランスは維持しながら高域をやや抑え、聴きやすく再調整した印象です。全体としてはフラット寄りでまとまっており、「HANA」より低域に厚みを感じるようになりました。
海外の購入サイトなどで公開されているF値のカーブを見ると、いわゆるハーマンターゲットに非常に忠実でそのバランスの良さを裏付けるものになっていると思います。「Moondrop」製品等とも共通性のある傾向で、個人的にもかなり好みではあるのですが、個人的には「聴きやすいものの、従来のHANAのほうが好みかも」という印象も感じました。質の高さで定評のある「Oxygen」と、中高域の明瞭感が好評だった「HANA」と比べて、「TANCHJIM NEW HANA」は「両方の間を取ったサウンド」と捉えるか「どっちつかず」と捉えるかで多少評価は変わってくるかもしれません。結局「HANA」も併売されていることからも「好みが分かれる」というのも実際の評価のようです。
「TANCHJIM NEW HANA」の高域は明瞭で見通しの良い伸びの良さを感じつつ、刺さりなどの刺激を抑えた聴きやすい音を鳴らします。直線的でスッキリした印象がありますが、過度な派手さはなく比較的柔らかく自然な印象です。「HANA」と比べると鋭さを感じやすい帯域が若干抑えられており、煌めきを維持しながら刺激をコントロールされている印象。
十分に明瞭な音をなのですが、「TANCHJIM NEW HANA」は「HANA」と比べて低域の厚みが増しているため、多くのDAP等では相対的に高域の主張が下がり気味となり、少し解像度が緩く感じる場合があります。ただ出力の大きい、駆動力のあるプレーヤーや据置きのアンプなどでは高域の主張も向上するため、気になる方は情報量の多いバランスケーブルへのリケーブルなどを検討する方法もありますね。
中音域は癖の無いニュートラルなサウンドで凹むことなく鳴ります。自然な印象の見通しの良いサウンドで、ボーカルも曇ること無く綺麗な印象。こちらも一般的な再生環境では「TANCHJIM NEW HANA」のほうが「HANA」より僅かに温かく感じます。ボーカル帯域も自然な定位ですが女性ボーカルの高音など中高域は若干前方で主張します。音場は奥行きより左右の広がりを感じる印象。ボーカル帯域と演奏の分離は良く定位も比較的捉えやすい印象ですが、キレや音像の明瞭さより全体の空気感や心地よさを楽しむ印象のチューニングといえるかもしれません。どのようなジャンルのサウンドもバランス良く再生されるため、使いやすさを感じるサウンドです。
低域は従来より厚みと力強さがあり、重低音の解像度が向上している印象です。全体として見通しが良くミッドベースは直線的でパワフルな印象。重低音も量と深さが「HANA」より増している印象です。ただ前述の通り再生環境によってはやや低域強めの印象で鳴るため、バランス的に破綻は無いものの中高域の解像感や主張を増したいと感じる場合もありそう。そういった点では「HANA」よりリケーブルやバランス化の変化を実感しやすい製品と言えるでしょう。実際に試した印象でも情報量の多い銀メッキ線やミックス線ケーブルとの相性が良好でした。
ただし、メーカーの記載によると「TANCHJIM NEW HANA」は0.78mm 2pinコネクタを採用しているものの、独自のコネクタ機構をさいようしているため、同社製のケーブル以外を使用するとダメージを受けやすい、との注意ガキがあります。実際通常の2pinコネクタよりpinが長いタイプを採用していますので、この辺は自己責任で、という感じになります。
というわけで、「棚からレビュー」ということで「TANCHJIM NEW HANA」を振り返ってみましたが、3ヶ月程度使っての印象としては「見た目と聴きやすさ」では「TANCHJIM NEW HANA」、解像感と楽しさでは「HANA」という感じで使い分けています。どちらも非常にバランスが良い、完成度の高いイヤホンですが、検討される場合はできれば両方試聴して好みを確かめてみるのも良いかと思います(^^)。
その「HANA」が2021年夏にリニューアルした新バージョンが今回の「TANCHJIM NEW HANA (2021)」となります。新バージョンでは316ステンレスをローズゴールドの表面仕上げでまとめており、外観は大幅に高級感が向上しました。いっぽうフェイス部分はホワイトの模造白磁のエナメル塗装が施されており、「HANA」と共通性のあるデザインになっています。
また「TANCHJIM NEW HANA」のドライバーには「HANA」同様に「HSPLC(High-riaidity Sec-ondary Polymerized Liquid Crystal)」振動板を採用した「第3世代DMT高磁束ダイナミックドライバー」をシングルで搭載。高解像度と優れたダイナミックレンジを持ち、繊細で華麗なボーカル、レスポンスの良い低音と、伸びが良い高音を実現しているそうです。
「TANCHJIM NEW HANA」の美しいステンレスシェルは、高温加熱された後、手作業で磨き上げられることで、より耐久性が高く、温かみのある光沢感を感じさせます。また「TANCHJIM NEW HANA」のサウンドは「HANA」のフィードバックに基づきチューニングを最適化。「TANCHJIM NEW HANA」の高音ピークのQ値を下げ、高音をよりニュートラルで滑らかにし、全体的なサウンドもより繊細で滑らかに調整しているのとこと。
「TANCHJIM NEW HANA」の価格は海外版が179.99ドル(HiFiGo)、国内正規品が21,960円~です。為替及び手数料を考慮するとあまり価格差はありませんので、今後は保証のある国内正規品を購入するほうが良さそうですね。
Amazon.co.jp(国内正規品): TANCHJIM NEW HANA
楽天市場(国内正規品): TANCHJIM NEW HANA
■ コンパクトなステンレスシェル。ローズゴールドの表面処理で豪華さが一気にアップした外観。
「TANCHJIM NEW HANA」のパッケージは「HANA」同様の白色のキューブ型のボックスですが、パッケージアートはHANAの本体デザインが大きく描かれています。
パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、レザーケース、説明書、保証書などいろいろ(^^;)。国内版の初回特典ではさらにイラストカードも付属するみたいですね。
「TANCHJIM NEW HANA」の本体は非常にコンパクトなステンレス製。サイズおよび形状は「HANA」と同じようですが、ローズゴールドの表面処理により、かなり豪華な印象になりましたね。またデザイン的にも「HANA」より少し大きく見えるかもしれません。
ステンレス製ハウジングですがサイズが小さいこともあり、重量感はさほど感じません。耳にすっぽりおさまるため、耳の小さい方でも問題なく装着できると思いますが、ステム部分が浅いため、イヤーピースはしっかりフィットさせる必要がありますね。イヤーピースは付属品のほか、定番のJVC「スパイラルドット」、Acoustune「AET07」、より密着感の強いタイプでは「SpinFit CP100+」やAZLA「SednaEarfit XELASTEC」など自分の耳に合う最適なイヤピースを選択するのも良いと思います。
ケーブルもホワイトとカッパーカラーの線材を撚り線にして被膜で覆ったもので見た目にも非常に綺麗ですね。コネクタはCIEM 2pin仕様ですがピンが少し長い独自仕様のようです。なお、「HANA」の初期のロットではコネクタ部分のパーツがちょっと違ったようですが、私は持っている「HANA」は「TANCHJIM NEW HANA」と同じケーブルが付属していました。おそらく現在流通しているモデルもケーブルやケースなどの付属品については同じ内容だと思います。
■ HANAより高域を穏やかに低域をアップ。よりニュートラルで聴きやすいバランスに。
「TANCHJIM NEW HANA」の音質傾向はバランスの良いニュートラルな印象の明るめのサウンド。やや中高域寄りだった「HANA」とより全体のバランスは維持しながら高域をやや抑え、聴きやすく再調整した印象です。全体としてはフラット寄りでまとまっており、「HANA」より低域に厚みを感じるようになりました。
海外の購入サイトなどで公開されているF値のカーブを見ると、いわゆるハーマンターゲットに非常に忠実でそのバランスの良さを裏付けるものになっていると思います。「Moondrop」製品等とも共通性のある傾向で、個人的にもかなり好みではあるのですが、個人的には「聴きやすいものの、従来のHANAのほうが好みかも」という印象も感じました。質の高さで定評のある「Oxygen」と、中高域の明瞭感が好評だった「HANA」と比べて、「TANCHJIM NEW HANA」は「両方の間を取ったサウンド」と捉えるか「どっちつかず」と捉えるかで多少評価は変わってくるかもしれません。結局「HANA」も併売されていることからも「好みが分かれる」というのも実際の評価のようです。
「TANCHJIM NEW HANA」の高域は明瞭で見通しの良い伸びの良さを感じつつ、刺さりなどの刺激を抑えた聴きやすい音を鳴らします。直線的でスッキリした印象がありますが、過度な派手さはなく比較的柔らかく自然な印象です。「HANA」と比べると鋭さを感じやすい帯域が若干抑えられており、煌めきを維持しながら刺激をコントロールされている印象。
十分に明瞭な音をなのですが、「TANCHJIM NEW HANA」は「HANA」と比べて低域の厚みが増しているため、多くのDAP等では相対的に高域の主張が下がり気味となり、少し解像度が緩く感じる場合があります。ただ出力の大きい、駆動力のあるプレーヤーや据置きのアンプなどでは高域の主張も向上するため、気になる方は情報量の多いバランスケーブルへのリケーブルなどを検討する方法もありますね。
中音域は癖の無いニュートラルなサウンドで凹むことなく鳴ります。自然な印象の見通しの良いサウンドで、ボーカルも曇ること無く綺麗な印象。こちらも一般的な再生環境では「TANCHJIM NEW HANA」のほうが「HANA」より僅かに温かく感じます。ボーカル帯域も自然な定位ですが女性ボーカルの高音など中高域は若干前方で主張します。音場は奥行きより左右の広がりを感じる印象。ボーカル帯域と演奏の分離は良く定位も比較的捉えやすい印象ですが、キレや音像の明瞭さより全体の空気感や心地よさを楽しむ印象のチューニングといえるかもしれません。どのようなジャンルのサウンドもバランス良く再生されるため、使いやすさを感じるサウンドです。
低域は従来より厚みと力強さがあり、重低音の解像度が向上している印象です。全体として見通しが良くミッドベースは直線的でパワフルな印象。重低音も量と深さが「HANA」より増している印象です。ただ前述の通り再生環境によってはやや低域強めの印象で鳴るため、バランス的に破綻は無いものの中高域の解像感や主張を増したいと感じる場合もありそう。そういった点では「HANA」よりリケーブルやバランス化の変化を実感しやすい製品と言えるでしょう。実際に試した印象でも情報量の多い銀メッキ線やミックス線ケーブルとの相性が良好でした。
ただし、メーカーの記載によると「TANCHJIM NEW HANA」は0.78mm 2pinコネクタを採用しているものの、独自のコネクタ機構をさいようしているため、同社製のケーブル以外を使用するとダメージを受けやすい、との注意ガキがあります。実際通常の2pinコネクタよりpinが長いタイプを採用していますので、この辺は自己責任で、という感じになります。
というわけで、「棚からレビュー」ということで「TANCHJIM NEW HANA」を振り返ってみましたが、3ヶ月程度使っての印象としては「見た目と聴きやすさ」では「TANCHJIM NEW HANA」、解像感と楽しさでは「HANA」という感じで使い分けています。どちらも非常にバランスが良い、完成度の高いイヤホンですが、検討される場合はできれば両方試聴して好みを確かめてみるのも良いかと思います(^^)。
私はNEWではない方ですが、あまり日の目を見ないので、いいイヤホンなのになぁと思いながら、使い続けております。
購入前にはMoondropやSeeAudioにも目移りしながら、どれにしようかなと悩んでいたのですが、ばいそにか氏のレビューでも悪いところはそれ程無さそうなので、改めて安心しました。最終的には聴感なので、自分でいいと感じるかどうか、なんですけどね。
全部比較できればいいのですが、なかなかそこまでの予算も許されないので、レビューを読みながら自分の選択結果に満足できました。
ありがとうございます!