こんにちは。最近もイヤホンは快調に次々届いているのですが一向に更新ペースが上がらないですね。仕事も立て込んでますが、季節の変わり目で体調も落ちぎみ。なんとかぼちぼち復活したいと思うこの頃です。
というわけで、今回は「WGZBLON (BLON) BL-Max」です。「WGZBLON」または「BLON」ブランドの中華イヤホンは低価格ながら何より非常に個性的な外観で最近マニアの間でも注目されるようになりました。見た目のキワモノ感に対してサウンドはしっかり作り込まれている点も人気のひとつでしょう。今回の「BL-Max」は2DD構成のドライバーを見ての通り「耳に鏡つけてんのかい」とツッコミをしたくなるような、シンプルすぎて逆に非常に強烈さを感じるデザインの金属シェルに搭載した製品です。
「BL-Max」は、「WGZBLON (BLON) 」ブランドではおそらく最初の2DD構成モデルで、その分ハウジングサイズは大きくなっているものの、それだけでは説明しきれない「狙ってる」感がありますね。このハウジングは従来モデル同様に亜鉛合金製。ドライバーは10mmサイズのカーボンナノチューブ(CNT)振動板と6mmサイズのlightweight振動板ダイナミックドライバーを採用。6mmのlightweight振動板は同社の「BL-MINI」で搭載されていたものと同様の仕様ですね。今回さらに10mmのCNTドライバーが追加され2DD構成となりました。
「WGZBLON (BLON) BL-Max」のカラーバリエーションは鏡面処理のシルバーのほかにつや消しのブルーとガンメタルの3色をそれぞれぞれマイク無し/有りモデルで選択できます。
購入はAliExpressのEasy EarphonesまたはAmazonのWTSUN Audioにて。
価格はAliExpressが33.39ドル、アマゾンが4,180円です。AliExpressでの購入方法・サポートについてはこちらを参照ください。またアマゾンではプライム扱いですぐに届きますが倉庫在庫があるカラーおよび仕様のみ選択可能となります。
AliExpress(Easy Earphones): WGZBLON (BLON) BL-Max
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): WGZBLON (BLON) BL-Max
■ シンプルだけどとにかく目立つ超個性的デザインなが装着性は今回も良好
「WGZBLON (BLON) BL-Max」のパッケージは今回もラインアートによる非常にシンプルなデザイン。パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは通常タイプがS/M/Lの3サイズ、円錐型のタイプが本体装着済みの大小2サイズ(小が装着済み)、布製ポーチ、説明書。30ドル台の低価格イヤホンというとこを考慮すれば十分な内容といえるでしょう。
ハウジングサイズはなかなかにデカいです(笑)。というかフェイスプレート部分は「ほぼ鏡」ですね。映り込まないように撮影するのもひと苦労です(^^;)。しかし背面部分は耳にフィットするようにデザインされており、装着性は想像以上に良好です。イヤーピースは円錐型ではなく通常タイプ、または番のJVC「スパイラルドット」やAcoustune「AET07」などに交換した方が良いでしょう。また後述の通り、より密着感のある「AZLA SednaEarfit XELASTEC」などを使用することで遮音性および低域の量感を多少アップさせることができます。
装着してみると耳全体が鏡になったみたいに楕円形のプレートに覆われる形状はもっともミニマムなデザインのはずなのにとてつもなく存在感がありますね。街中で使用するとそれなりに目立ちそうです。
付属ケーブルは「BL-MINI」に付属しているものと同様の樹脂被膜の銀メッキ線タイプ。適度に硬めながらしなやかさもある被膜のため取り回しは普通ですね。リケーブルは従来のBLON製イヤホン同様に2pinタイプ、TFZタイプが使用できます。
■ ニュートラルで聴きやすいメーカとして一貫性のあるサウンド
「WGZBLON (BLON) BL-Max」の音質傾向はバランスの良いドンシャリ傾向で、従来モデルのややウォームで聴きやすい印象を維持しつつ、2基のドライバーを使用することで余裕のあるサウンドを実現しているようです。全体的に癖のないニュートラルな出音で、追加されたCNT振動板ドライバーは低域を補完している印象。6mmのlightweight振動板ドライバー1基で構成された「BL-MINI」は円筒を曲げたようなデザインのシェルを活かして反響させることで低域の厚みを得ていました。「BL-Max」では上位モデルで10mm lightweight振動板で稼働する「BL-A8」により低コストで近づけるために、CNT振動板ドライバーを追加したものと考えられます。どうしても奇抜なデザインからキワモノ扱いされがちなところもありますが、実際は一貫した音作りを各グレードで行っていることが伺えます。
高域は明瞭かつ見通しの良さを感じつつ、適度に刺激をコントロールされた聴きやすい音を鳴らします。印象としては「BL-MINI」と同様ですが、より余裕を持った伸びやかさがあります。適度に明るく硬質で煌びやかさを感じるサウンドです。他の音域より若干後方で鳴るため明瞭さを持ちながら鋭さは多少抑えられた印象。金属ハウジングらしいスッキリ感も残しつつ聴きやすくまとめている印象です。
中音域はニュートラルな印象で癖のない音を鳴らします。ややウォームな印象があり派手なサウンドではありませんが、ボーカル帯域、特に女性ボーカルは明瞭さがあります。そのため低価格中華ハイブリッドに慣れている方でも違和感なく楽しめると思います。音場は「BL-MINI」よりやや広く、定位は正確とは言いがたいもののリスニングの楽しさをうまく演出しています。ポップス、ロック、アニソンなどのボーカル曲と相性の良いサウンドだと思います。
低域は十分な量感をもちつつも過度に膨らむこと無く直線的で、特に中低域は存在感があります。重低音もある程度の深さと沈み込みがありますが解像感はそれなりの印象。中高域との分離は良く、全体としてバランス良くボーカル帯域を下支えする印象です。ただ軽快さやスピード感では上位モデルの「BL-A8」にはやや及ばない印象。また付属イヤーピースなどで密着感が足りない場合、多少抜けてしまう印象もあります。その場合はより密閉感のあるイヤーピースを使用することで低域の締まりと量感が向上し、遮音性も増します。とはいえ全体的にキレ重視のサウンドではないため、派手さやスピード感を重視される方には合わないかもしれませんね。
また「BL-Max」はリケーブル効果も比較的大きいようで、情報量の多いケーブルでよりアグレッシブに変化させることが出来ます。サウンド自体が結構ニュートラルなため、ケーブルの特徴が反映されやすい特徴もありますので、好みに応じていろいろ換えてみるのも良いのではと思います。コネクタは中華2pin、CIEM 2pin、TFZタイプが使用できます。見た目は超クセ強めなのにサウンドは万人向け、という使いやすさはしっかり継承されていると思います。屋外で使う場合は多少目立つことは覚悟しないといけなそうですが、手頃な価格でKZやTRNなどの低価格中華ハイブリッドとは全く傾向の異なるサウンドは揃えておいても結構楽しいのではと思いますよ。
いよいよブラックフライデーが始まりましたね
今回IKKOのOH2を買おうか迷っているところなのですが近々レビューのご予定はありますか?
もしあるならbisonicrさんのレビューを拝読してから決めようかなぁなどと考えております
ご多忙でなかなか記事が書けないとは思いますが、楽しみにお待ちしております!