TRIPOWIN GranVia

こんにちは。今回は「TRIPOWIN GranVia」です。Linsoul系ブランド「TRIPOWIN」のケーブルですが今回はゼンハイザー「HD800」シリーズ向けなどのヘッドホン用のケーブルとなります。その特徴はなんといってもその「太さ」で、50ドル程度の価格設定ながら「HD800」用の純正ケーブルと比較しても遜色ない存在感があります。私はDropコラボの「HD8XX」および「HD6XX」用にそれぞれのコネクタ仕様の「TRIPOWIN GranVia」を購入してみました。
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特にHD800シリーズ用のリケーブル製品は一般的に高価で、低価格のものは品質的に?な感じのものが多いため、「TRIPOWIN GranVia」は非常に魅力的ですね。2本出しタイプのヘッドホン製品に特化した非常にコストパフォーマンスに優れたケーブルと言えるでしょう。購入はAmazonの「L.Sオーディオ」にて。


TRIPOWIN GranVia 26AWG High Purity OFC with Litz Structure Handmade Headphone Cable
コネクタ: 【 HD650 】【 HD800 】【 Dual 3.5mm 】【 Dual 2.5mm 】
プラグ : 【3.5mm】【4.4mm/5極】【2.5mm/4極】【XLR/4pinバランス】
Linsoul(linsoul.com): TRIPOWIN GranVia 49ドル~
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26AWG径の高純度無酸素銅(OFC)線を36本束ねて布張り被膜で覆った線材を4本使用した4芯・リッツ線構造のヘッドホンケーブル。メーカー表記によると「GranViaは、厳選された素材と独自の構造および構成により高周波の柔軟性が大幅に向上し、またスムーズな低周波数を楽しむことができます。特別な編組技術を使用して手作りされています。より長くヘッドホンを愛用できる耐久性のある交換用ケーブルです」とのこと。
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TRIPOWIN GranVia」は、HD600/HD650/HD660S用コネクタ、HD800/HD800S/HD820用コネクタのほか、HIFIMAN SUNDARA/ANANDAなどで使用できるデュアル3.5mm、HD700などで使用できるデュアル2.5mmの4種類のコネクタが選択可能。またプラグも3.5mm、4.4mm、2.5mmに加えて4pin XLRが選択できます。

私が購入した際は「TRIPOWIN GranVia」は袋入りの簡易包装で届きました。今後パッケージなどは用意されるかは不明です。布張りのケーブルは太さがあり、写真ではあまり分からなかったののですが平たく「きしめん」状に編み込まれています。そのため、単純に太さだけでいえば極太けーぶるでお馴染みのHD800シリーズの標準ケーブルよりさらに太い印象です。HD600シリーズのケーブルとの比較だと一気にゴツい印象になりますね(^^)。
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厚手の布張り部分のおかげで非常に太さのあるケーブルですが柔らかく取り回し自体は良いです。また長さも1.5mと2mが選択できますので利用するオーディオ環境に合わせてリケーブルできます。付属ケーブルが長すぎるため、より短く、かつグレードを下げずに使えるケーブルという意味では「TRIPOWIN GranVia」の1.5mは最適でしょう。今回手持ちの「Drop+Sennheiser HD8XX」用と「Massdrop×Sennheiser HD6XX」用にそれぞれのコネクタ仕様で購入しました。ゼンハイザーの「HD800S」にはバランスケーブル(4pin XLR)も付属しますが、「HD8XX」はステレオケーブルのみの構成のため、「TRIPOWIN GranVia」は渡りに船なアイテムでした。また「HD6XX」については既に何種類かのリケーブル製品を持っていますがアップグレードを目的についで買いをしてみました。プラグはポータブル環境でのレビューなどの用途も考慮し、どちらも4.4mmにしています。

TRIPOWIN GranViaまず「HD8XX」での使用感ですが、リケーブル時に「TRIPOWIN GranVia」のHD800コネクタが少し固く、取り付けに若干苦労しました。これが個体差によるものか仕様かはよくわかりません。何度か脱着を行ううちに馴染んで普通に装着できるようになりました。
音質傾向は非常にニュートラルで、音質傾向に変化を加えること無く、かつバランス接続ではアンプ側のより高い分離性と高駆動な出力を適切に伝達してくれます。HD800用のバランスケーブルとなると純正で3万円以上、リケーブル製品でも2万円台からさらにより高額なものも珍しくありません。それほど置くのケーブルを試聴しているわけではありませんが、「TRIPOWIN GranVia」は少なくとも純正ケーブルと比べても全く遜色なく、また多くのHD800用リケーブルと同様以上の品質をもっていると感じます。このケーブルが50ドル、5千円台で購入できるのはかなり有り難いですね。

TRIPOWIN GranVia次に「HD6XX」との組み合わせですが、こちらはより明確に音質向上を実感できました。付属ケーブルと比較して音質傾向を変えずによりクリアに描写される印象で、見通しの良さと密度感の向上を感じます。より駆動力のある据置きアンプを使用すると音の濃さがぐっと向上するのを実感できるでしょう。HD600/HD650/HD660S用のケーブルはAmazonなどでも比較的安価なものが数多く販売されていますのでHD800用ほどリケーブルで困ることはないかもしれません。しかし、これだけの太さのあるケーブルはまず見かけませんので、リケーブル後のインパクトはかなり大きいでしょう。個人的にはリケーブル後、据置きアンプ環境でのボーカルの瑞々しさがとても印象的でした。この価格で購入できるアップグレードとしては最適な選択肢のひとつでしょう。
このように個人的には満足度の高かった「TRIPOWIN GranVia」ですが、ウイークポイントとして、初期流通分のロットでは若干コネクタ不良などの個体も存在したようです。現在は多少改善されていると思いますが、万が一の場合も、日本ではAmazonのL. Sオーディオで購入するため、比較的サポートは得やすいでしょう。Amazonの窓口経由のほか、TwitterのDMなどで問い合わせることもできます。この辺は他社より格段に低価格を実現しているが故のトレードオフと考えた方が良いでしょう。そういった意味では「分かっている方向け」の製品といえますね。個人的にはHIFIMANのヘッドホン用にも買い増ししようかな、と思っています(^^)。