
こんにちは。今回は「Hidizs S9 PRO」です。すっかり音楽コンテンツの主流になった配信サービスのなかでもロスレスおよびハイレゾ化により改めて高音質のオーディオアダプターへの注目が高まっていますね。
「Hidizs S9 PRO」は18×8×59mm、11gのコンパクトサイズながらDACチップにESS製「ES9038Q2M」を搭載。またシングルエンドに加えバランス出力にも対応するなど1万円台の低価格ながら高スペックを実現。手軽に高音質を楽しむことが出来ます。


「Hidizs S9 PRO」はスマートデバイスなどに接続してハイレゾに対応した高音質の出力を可能にするオーディオアダプターで、最大32bit/768kHz(PCM)およびDSD512(22.4MHz)のネイティブ入力に対応。また出力も3.5mmステレオ(シングルエンド)に加えて2.5mm/4極バランス出力にも対応、それぞれ100mW@32Ω、200mW@32Ωの高出力を実現しています。いっぽうで本体サイズは18×8×59mm、11gのコンパクトサイズを実現しています。また「S9 Pro」ではDACチップには据置きUSB-DACや高性能DAP等での搭載実績も多いESS Technology製の「ES9038Q2M」を搭載。「AK4493EQ」を搭載していた「S9」よりアップグレードしています。


また本体コネクタ部分はUSB Type-C仕様の脱着式になっており、付属のUSB Type-C OTGケーブルのほか、オプションのLightning OTGケーブルを使用することでiPhoneへの接続も可能。またMacおよびWindows PCへの接続も可能です(Windows用ドライバーはHidizs社サイトにてダウンロード可能)。


また「Hidizs S9 PRO」は接続時に点灯するロゴマーク部分が再生している周波数などにあわせてカラーが変化し、フォーマットの種類等を確認することも出来ます。
「Hidizs S9 PRO」の購入はAliExpressの「Hidizs Offical Store」またはアマゾンの「HIDIZS JP」にて(どちらもHidizs社直営店となります)。価格はAliExpressが119ドル、アマゾンが12,999円(プライム扱い)です。通常はアマゾンで購入すれば問題ないでしょう。
AliExpress(Hidizs Offical Store): Hidizs S9 PRO
Amazon.co.jp(HIDIZS JP): Hidizs S9 PRO
■ シンプルかつ高級感のあるデザイン、高出力ながらニュートラルなサウンド
「Hidizs S9 PRO」のパッケージはブラックデザインの落ち着いた印象。パッケージをあけるとコンパクトな本体が確認でき、その下にほかの付属品が入っています。パッケージ内容は「S9 PRO」本体、接続用USB Type-C OTGケーブル、タイプA変換コネクタ、リアクリップ、説明書、保証書、シリアルナンバーカードなど。




「Hidizs S9 PRO」の金属製のボディは高級感があります。服にフックするためのクリップが付属するのも良いですね。以前の機種では音量調整ボタンがあったようですが、このモデルではボタン類は省略されています。しかしクリップを使ってワイシャツなどに固定して使うイメージだとボタン類は誤操作の原因になるため個人的には問題ないと思います。3.5mmシングルエンドと2.5mmバランスの差し込み口は縦に並んでいる配置になっています。


同価格帯のスティック型オーディオアダプターを並べてみると「Hidizs S9 PRO」はやはり少し大きめですね。それでも11gと軽量なため、実際の所は大きさはさほど気にならず使用できる印象です。


付属のOTGケーブルはいちおう極性(?)みたいなものがあるらしく、Hidizsのロゴがついているほうを端末側に、付いてない方を「Hidizs S9 PRO」へ接続します。この手のアダプターの場合、端末に接続してもイヤホンを接続しないとONにならない製品も多いのですが、「Hidizs S9 PRO」の場合は本体に接続しただけでロゴ部分が点灯し利用可能になります。
また、手持ちのLightning OTGケーブルを使用してiPhoneに接続したところ、こちらも問題なく利用することが出来ました。Hidizs純正のほかFiiOの「FIO-LT-LT1」なども使えると思います。


※余談ですがAndroidのAmazon Musicは端末側の仕様上限(SRC制御下)で出力され、例えば写真の「Find X3 Pro」の場合は表示は96kHzで出力の場合も実際には192kHzで出力されており、「Hidizs S9 PRO」は192kHzを示すブルーで表示。iPhoneはフォーマット周波数のまま出力されるので96kHzの音源の場合も仕様通りグリーンで表示されます。
「Hidizs S9 PRO」の音質は非常にクリアで、また想像以上にパワーがあります。メーカーの資料ではDACチップの「ES9038Q2M」についてしか記述はありませんが、おそらくヘッドホンアンプ部分もシングルエンド/バランス用に相応の部品を使ってい構成しているようです。同じく「ES9038Q2M」搭載で2.5mmバランス対応などスペック面でもよく似ている「Shanling UA2」と比較しても 「Hidizs S9 PRO」は記載されたスペック以上にハイパワーで、より駆動力と出力が確保できるようです。


「Hidizs S9 PRO」の傾向としては非常にニュートラルで、自然なバランスで鳴らす印象。それでも音量は他のオーディオアダプターよりひとまわり以上大きく、鳴らしにくいイヤホンやヘッドホンも歪むこと無く再生します。特にバランス接続ではかなり鳴らしにくいヘッドホンでもわりと余裕を持った音で再生できました。いっぽうで低ボリュームでもノイズはほぼ皆無で反応の良いCIEMなども綺麗に鳴ってくれます。
前述の「Shanling UA2」との比較では特にバランスでは「Hidizs S9 PRO」のほうが確実に音圧は高くなりますが、シングルエンドでは「UA2」のモードを変えると逆転した印象になります(「Shanling UA2」はワイヤレスの「UP4」同様にバランスよりシングルエンドに強みのある機種です)。どちらもニュートラルで解像度の高い音を鳴らします。ただ、「Shanling UA2」のほうが多少エッジが効いており、「Hidizs S9 PRO」のほうが自然な印象です。どちらが良いと言うことはなく、好みで選ぶ感じですね。
またパワーという点では「Audirect Beam2se-21」のハイゲインモードも「Hidizs S9 PRO」と同等レベルかそれ以上ですが、こちらはハイゲインモードにすると結構中音域に厚みのある元気な味付けになるため、「Hidizs S9 PRO」の自然な音の方を好感する方も多いでしょう。

※Windows用ドライバーはHidizs社サイトの「Download Center」で「Hidizs S9 PRO」の項目をドリルダウンするとリンクがあります。
音質面でのアプローチは同社のDAP製品と通じる部分がやはり垣間見えますね。より高出力と自然なサウンドを手頃な価格で楽しみたい方には最適なアイテムだと思いますよ(^^)。
UP4も初めて聞いたときは、「最近は無線でもこのレベルで聞けるんだ」と驚いたものですが、UP4では聞こえなかったアコースティック楽器の艶とかが聞こえてきて通勤時間が楽しくなりそうです。
それにしてもこれ、笑っちゃうくらいハイパワーですね。
ハイパワー故に本体側にボリューム調整が無いと使いづらいですね。
まぁ、買う前から分かってた事ですけど。
ExtraVolumeSimpleというアプリでスマホ自体の音量を抑制することで対応してますけど、この手の外部アプリはスマホのシステムのアップデートで使えなくなる可能性もありますし、その点だけは公式アプリのあるUA2にしとけば良かったかな、と思わないでもありません。
まぁ、実際に使ったわけじゃないので音質や使用感は比較できませんけどね。
新しい物好きなんでこっちにしましたけど、不満点はそれだけですね。
音質とパワーは期待以上のものでした。